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太鼓判 10+ おいしい!

ソムリエが教える簡単リッチ飯 パレルモ風カポナータ

カポナータは野菜のトマト煮込みだっけ?ラタトゥイユと同じでしょ?「グリッロ」によく合うソムリエ飯第3弾!

材料  ( 前菜として 4 人分

ゆでタコ足

(刺身用)200g

ニンニク

(大)1片

唐辛子

(大)1本

玉ネギ

(中)2/3個

セロリ

(小)2本(約100g)

赤パプリカ

1個(約100g)

黄パプリカ

1個(約100g)

ナス

(小)4本(約320g)

ケイパー

(漬け汁)大さじ1

白ワイン

(フェウド・アランチョ・グリッロ)50ml

アンチョビ

(フィレ)6本

水煮トマト

(ホール:缶)1缶

少々

オリーブ油

大さじ4

<盛り付け用>

  

ユズ皮

少々

ジャンル:
洋食 / 前菜
種別:
副菜
公開日:
2020/10/03
更新日:
2021/04/07

下準備

  • タコは2cm角に切る。

    パレルモ風のキモである「タコ」は「足先が映える」ので大事な足先は少し長めにカット。それ以外は足の付け根に切り込みを入れます。

  • ニンニクは上下を落として皮をむき、縦に半分に切る。芯は取り除く。断面を下にし、包丁の背で平らにつぶす。

    芯は残すと焦げやすいです。ニンニクは潰すことで香りが出やすくなります。オリーブ油に香りを移すことでその後にソテーしたものに風味が増します。

  • 玉ネギは芯を取り、頭を落として皮をむく。縦に半分にカットし、外側3枚ほどと内側とをバラす。

    半割りのままカットすると、大きさに差ができてしまい、ソテーした時に細かい物から焦げていきます。また煮込などでは細かいものが溶けてしまいソースが濁ります。今回は玉ネギの外側だけを使ってサイズを整えます。具材は極力ですが大きさを揃えることで食感や口当たりが整います。味だけでなくここも美味しさにつながるポイントです。野菜炒めなどでは特に大きな差が出ますので、食材カットの大きさにこだわってみてください。完成時、盛り付け時の見栄えも変わります。

  • セロリは両側のエッジと真ん中あたりの筋をピーラーでむき、斜め2cm幅に切る。

    この斜めカットが盛り付け時に立体感を作りやすく、見た目も美味しそうになります。

  • ズッキーニは頭とヘタを取り、縦に4等分に切る。種が多いようなら包丁を寝かして削ぎ落とし、2cm幅に切る。

    種の部分は煮崩れしますし、水が出るので。面取り的な効果もあります。大きさによりますが2cmほどに切りそろえると1本を8等分くらいでしょうか。

  • パプリカは溝に沿って4等分に切る。ワタを取り除いたらそれぞれ縦2等分に切り、90°回転させて8等分に切る。

    硬さはほぼ同じなので色は分けても分けなくてもOKです。パプリカもピーマンも、溝の内側にそってワタが付いています。そこを上手く4つにカットすることにより、タネやワタの処理が格段に楽に、そして綺麗に処理できます。

  • ナスは2cm幅の輪切りにする。ボウルに塩(小さじ1程度、分量外)と水を合わせ、ナスをつけ、ペーパータオルをかぶせる。10分程したらペーパータオルでしっかりと水気を取る。

    ナスは乱切りにすると加熱時に溶けて煮崩れします。皮を残して輪切りにすれば、皮が身をしっかり囲ってくれるので、ナスの最大の楽しみ「トロッと感」を満喫できます。実はカポナータは「ナスが主役らしい」。ナスはとにかく「ヘタに付いているトゲ」に注意。結構細くて手に刺さったまま残ると、テンション下がります。真ん中辺りを摘んでトゲのある頭を切り落とし、クルッと180°回転。今度はお尻の先をカット。塩水に浸すことによりアクが抜け、加熱前の変色を防ぎ、また過熱後の発色をよくします。

  • オリーブは色分けしなくても良い。

    すみません、ただの「計量映え」でした。自己満足。でもお料理に自己満大事かと。

  • ケイパーとケイパーの漬け汁を計り、合わせておく。

    ケイパーお好きな方は増量してください。私は大好きなのでいつもたくさん入れちゃいます。漬け汁は塩味のあるビネガーです。ケイパーの香りもついていますので調味料としても優秀です。僕は「ケッパービネガー」と呼んでいて、パスタの味付けなどでも使用しています。酸味と塩味を補ってくれるので、使わない手はないかと。

  • レーズンと白ワインをあわせておく。

    レーズンを使うのはラタトゥイユとの1番大きい違いです。更にはカポナータの中でもシチリア特有かも。白ワインも同じ器に計量することで、程よくふやかすことができます。一石二鳥。

  • アンチョビを準備する。

    アンチョビフィレは混ぜればすぐに溶けるのでカット不要。今回は料理のコクと全体の塩味のはアンチョビでコントロールします。

  • 水煮トマトは、ザルとボウルを重ねた「ザルボウル」に空ける。ホールトマトを一つずつ手に取り、簡単にほぐしながら、固いヘタや芯、タネを取り除く。

    でもタネ取りは大変なので無視してもOK。気になり出すとキリが無いので…。ホールトマト缶はまず先にラベルを剥がす。職場としてのキッチンでちゃんと分別しないと、先輩にめっちゃ怒られます。現代人のマナーとしても大切。蓋を開けてからだと中身をたらしたり、手が汚れたり不都合が多いので、先に剥がしましょう。そして蓋は取り切らず最後は残して下さい。意地になって取ろうとすると、確実にトマトがはねます。服、その他が汚れます。これはかなりテンション下がるポイント。回避すべし。

  • 寿司酢を準備する。

    寿司酢は個別に容器へ計量しても良し、トマトの器に合わせて計量しても良し。入れるタイミングが同じです。すみません、これも「計量映え」で自己満でした。

  • オリーブ油を準備する。

    オリーブ油はソテー用です。その都度で計量してもそれほど手こずらないと思います。事前に大さじ1と大さじ3に分けるなら、もちろん楽は楽。

  • <盛り付け用>のイタリアンパセリのカットはカポナータ完成後でもOK。

    イタパセは乾燥してしまいますし、香りも飛んでしまうので、カットはカポナータ完成後でも良し。ユズ皮はフレッシュだと尚良しですが乾燥物が扱いやすいです。スーパーのスパイスコーナーによくあります。

作り方

  1. 1

    煮込用の深鍋にオリーブ油大さじ1を引き、唐辛子とニンニクを入れ中火にかける。隣のテフロンフライパンに、残りのオリーブ油大さじ3とズッキーニを入れ中火にかける。ニンニクがこんがり色付いたら玉ネギとセロリを入れ、塩をひとつまみ振り、炒める。隣のズッキーニは皮を上にして内側をこんがり焼く。

    塩をふることで、玉ネギの水分を出し甘みを引き出します。ズッキーニをこんがり焼くことで、甘みとコクを引き出します。ニンニクの色付けはお鍋の下に小さいフライパンなどを挟み、できたら斜めにしてオイルを集めると色付きやすく、オイルに香りも移りやすいです。でもとても不安定なので無理しない程度に。

  2. 2

    玉ネギがバラけたらパプリカを入れる。炒めながら、隣のズッキーニが程よく色付いてきたら、トングで裏返し皮目も焼く。

    ズッキーニの皮目は、オイルがだいぶ温まって来ているので1分ほどで、すぐに焼けてくると思います。フライパンを反時計回りに揺すって、ズッキーニ達をくるくる回せたら火加減も均等になります。因みにワイングラスをくるくる回すことを「スワリング」と言います。基本は右利きなら反時計回りに。もし回しすぎてワインが外に飛び出しても、目の前の人ではなく自分にかかる仕組みです。まわす回数も基本は優しく3回くらいに。少し空気に触れさせる為です。ここで一度鼻を近づけ香りをチェックします。このワインは痛んでいないか?この品種の独特の香りか?この産地の特徴的な香りか?開けたてなら香りが閉じていますので、個性が開いていなければ、もう一度スワリングを…。という感じです。実は私のプロフィール写真はその瞬間でした。

  3. 3

    ズッキーニを鍋に移す。

    フライパンの方は多めのオイルで揚げ焼きにしていますので、トングで一つ一つ取り上げるよりも、アク取りでまとめて引き揚げた方が安全で早いです。普段から揚げ物率が高ければ、かなり重宝しますのでお持ちでなければ是非。メーカーにこだわらなければホームセンターや100円ショップにもあるかと思います。

  4. 4

    空になったフライパンは引き続き中火で、よく水気を切ったナスを入れて焼く。断面がフライパンに接するようにトングで整える。古くは1790年ごろに文献が残って位いるそうですが、元々はスペインのメインディッシュとしての魚料理だったとか…。でも当時は魚が高級品であり庶民はナスを魚に見立てて調理していたそうです。その名残を残したままシチリアに渡ります。シチリア島の右端のパレルモではタコを入れたり、他の地ではエビが入ったり、またまたナポリではパンが入ったり、と地域性があるようです。

    カポナータはナスの色付きがポイントです。

  5. 5

    (4)のナスはじっくり5分ほどかけてしっかりと焦げ目をつける。その間に隣の鍋の野菜に程よく火が入ったら、タコ、オリーブの実、ケイパー、アンチョビ、オレガノ、白ワインで戻したレーズンを入れる。

    オレガノはお好みです。塩とハーブは最後にナスもトマトも入ったところで最終調整しますので、ここでは決めきらなくても良いです。私はハーブが好きなのでメリハリが付くように多めに入れます。

  6. 6

    鍋を混ぜながら、フライパンもチェックする。ナスが両面とも良い色になったら、ペーパータオルの上に取り出してしっかり油を切り、両面に塩を振る。

    感覚としてはフライドポテトの塩加減くらいでしょうか。そのままナスを食べたとして、美味しく感じれる程度のお塩加減です。

  7. 7

    鍋は、全体が馴染んで、アンチョビが溶けてきたら、トマトジュースと寿司酢を入れる。

    本来はワインビネガーと砂糖を入れるレシピが多いようですが、ここはアレンジで。シチリア産の白ワインとレーズンを多めに使ってなるべく自然な甘みと酸味を目指します。カポナータとラタトゥイユのもう一つの大きな違いは「甘酸っぱさ」だそうです。南仏のラタトゥイユがシンプルに塩コショウで味付けをするのに対し、元々がスペイン発祥でアンダルシアの港町マラガの酒精強化ワイン(マラガ酒=甘いワイン)を使ったカポナータはその独特の「甘酸っぱさ」が特徴のようです。

  8. 8

    木ベラで鍋底をかき回し、水分が1/3くらいになってきたら完成間近。最後に残ったナスとトマトの果肉を入れる(もしここで湯気がたくさん立ち登って、蒸発が早そうなら、少し火加減が強いのかもしれません。一度弱火にして下さい)。ナスを崩さないように優しく混ぜたら、味見をする。お好みで塩コショウをして味を整える。

    しっかり煮詰める事でトマトと寿司酢の酸が甘味に変わります。とにかく予想以上に熱いので味見は本当に本当に気をつけてくださいね。ナスがトロトロで激熱危険地帯なのです。お好みでオレガノも追加して香りをおぎないましょう。煮物は一度冷ますと味が馴染むので、翌日が一番の食べごろです。

  9. 9

    味が整ったら盛り付ける。

    盛り付けはクルッと巻いた「タコの足先」と「2色のオリーブ」そしてゴロっと「大きいナス」を口のあまり大きくない器に高く盛り付けて下さい。細かすぎないイタパセを無造作にふって、エクストラバージンとユズ皮をアクセントに。柑橘の香りが、料理とワインの相性を引き立てます。

このレシピのポイント・コツ

・計量は細かい容器でも良いですし、大きなバットやお皿でも良いですが、食材に触れる前にある程度の数を用意しておくと、いちいち手を洗ったり拭いたり、そういう手間が省けます。段取りが良いか悪いかが、意外とお料理上手のポイントだと思います。味はレシピで決まるけど、段取りを身につけるのは知識とセンスなので。料理が楽チンなる方法を身につけるのもコツ。
・今回のお鍋は、どちらも28cmの物を使用しました。
・本当は「松の実」も入れたかったけど、スーパーに無かったので今回は割愛。入れれば更にコクがでるのですが…
・古くは1790年ごろに文献が残って位いるそうですが、元々はスペインのメインディッシュとしての魚料理だったとか…。でも当時は魚が高級品であり庶民はナスを魚に見立てて調理していたそうです。その名残を残したままシチリアに渡ります。シチリア島の右端のパレルモではタコを入れたり、他の地ではエビが入ったり、またまたナポリではパンが入ったり、と地域性があるようです。
・シチリアといえば、かの有名な「ゴットファーザー」の舞台。マフィアの抗争が劇的な音楽とともにドラマチックに展開します。仁義なき戦いです。今回は南仏の「ラタトゥイユ」と南伊の「カポナータ」の抗争が見え隠れしました。この料理に限りませんが、料理の定義はよく議題に上がります。どのレシピが正しいのか?この料理の発祥はどこなのか?誰が最初に作ったのか?
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佐藤尊紀
レシピ制作 佐藤尊紀

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ソムリエ料理家  ワイン&フードコーディネーター  日本ソムリエ協会認定ソムリエ
2014年からギャマングループ「中目黒ブロックス」のマネージャー兼シェフソムリエとして活動後、現在は独立し、料理の知識と接客力を活かしワインプロデュースやフードコーディネーターとして活動中。

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