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太鼓判 10+ おいしい!

ソムリエが教える簡単リッチ飯 攻めの親子丼 白トリュフ香る

ソムリエ飯、今回のテーマは「まかない」。お馴染みの白トリュフオイルを親子丼にも入れちゃいます!

材料  ( お上品な 2 人分

鶏もも肉

1枚(180g)

白ネギ

40g(約15cm)

玉ネギ

(中)1/3個

ゴボウ

40g(約15cm)

(M)3個

サラダ油

大さじ1

<調味料>

  

20g
  

みりん

20g

<盛り付け>

  

ご飯

(炊きたて)1合分
  

ミョウガ

1個
  

トリュフ油

(白)小さじ2
  

海苔

(おにぎり海苔)2枚

ジャンル:
和食 / ご飯もの(寿司、ご飯、どんぶり)
種別:
主食
公開日:
2020/10/08
更新日:
2021/04/07

下準備

  • シシトウは、まな板に転がし包丁の先で1ヶ所ずつ刺す。

    まな板の汚れない順から進めていきましょう。仕込みのはかどりが違います。

  • 白ネギは、2cm幅の斜め切りにする。

  • ミョウガは、縦に半分に切る。下を三角に切り落とす(ここは刻んで納豆や味噌汁に)。残った大きい方は外側から手でバラす。大きいものは縦半分に切る。

  • シイタケは、石付きを切り落とす。軸が長ければ適当なところで切り落とす。傘は8等分に切る。

  • 玉ネギは、縦半分に切り上下を切り離し、皮を剥く。包丁の先で外側から3枚を残し、真ん中の芯のあたりをくり抜く(今回は外側だけを使います)。真ん中で縦半分に切り、それぞれを縦4等分に細いくし切りにする。

    こうする理由は他の具材と大きさを揃えて『加熱時間を合わせる』『食感を合わせる』『盛り付けの見栄えをよくする』『真ん中を他の料理で都合よく使える』など。芯を残したままで、くし切りやスライスにすると、真ん中の一番小さな部分が「小さなカケラ」になるから。それは加熱時に先に焦げていくし、煮込み時に先に溶けていきます。自分でもちょっと変わってると思いますが試してみて下さい。いづれ「仕込みシリーズ」で詳しく!内側は繊維が柔らかいので『オニスラに使う』『すりおろして使う』『みじん切りに使う』『味噌汁に使う』『いくつか集めてそのままのサイズでカレーやシチューに使う』『工夫して上手に使う』と使い方盛りだくさん!アイデア次第です。

  • ゴボウは、縦に4等分に切る。4本を90°回転させ4等分の長さに切る。水に浸しアク抜きする。

    5分ほどで一度お水を替えて下さい。炒める時にはねるので水気はペーパータオルなどでよく拭き取りましょう。

  • 卵は、全卵が2個入る容器を1つ、黄身が1つ入る容器を2つ用意する。大きい容器に全卵を割り入れる。小さい容器に卵黄を、大きい容器に卵白を分ける。フォークで卵白を7割ほぐす。

    完全に混ぜてしまうと、卵白独特のトロっとした食感がなくなり、ボソっとしてしまいます。まろやかな口当たりが欲しいので。苦手な方はよく混ぜちゃってください。これはお好みです。

  • <調味料>を合わせておく。

    僕はなるべくスケールを使います。洗い物も出ませんし正確に計れます。デザートやパンを作る時には無いと出来ないので、どこかのタイミングで用意しても良さそうです。お持ちでない方はご検討あれ。メルカリでもよく出ますね。

  • 鶏もも肉は、脂とスジを取り除く。

    最後に鶏もも肉。けっこう特殊。変態ソムリエ、佐藤のやり方。まずは全体を触り、軟骨が付いていないか確かめる。あれば包丁でそぎ切りし取り除く。ここまでは普通。次に「ある物」を探します。全体を触っていると1つ「分離しそうで、でもくっついているパーツ」があるはずです。どちら側とは言いづらく、モモ肉には当然左右がありますので、皆様が手に入れたモモ肉が、どちらのご出身で、またどちらの脚かは分からないのであります。見つかりましたか?「モモ肉のおつまみ君」。何のためにこんなことをしているのかと言いますと、鶏もも肉1枚に必ずある「脂スポット」を探して欲しいからなのです。鶏もも肉は意外と脂が多い。しかも牛や豚に比べてコレステロール値が高く、できれば取り除いて欲しい。地鶏は運動量が多いので不要な脂も少なく、香りも良いのですが、通常の鶏もも肉は集団飼育なために運動量が極端に少ない。不健康な脂であり香りも良くない。唐揚げや煮物、ソテー、カレーにシチューにと、リーズナブルで大活躍の鶏もも肉なので「脂スポット」を覚えて、いつもの「鶏料理」をより美味しく健康に食べてくださいね。「おつまみ君」を見つけたら、包丁と反対の手で優しく摘み上げてください。強く引っ張って外れてしまうと元も子もないのであくまで優しく。彼はガイドです。今から「脂スポットツアー」に出かけます。まずすぐ横に、白いスジが縦に1本あります。周りに油もついているので取り除きましょう。スジと肉の間に「包丁の先」を入れ隙間をつくります。「おつまみ君」から手を離しその隙間に指を入れスジを真上に引っ張ります。するとほとんど肉から引き剥がせると思います。それでも肉にしがみ付いている往生際の悪いスジは「包丁の先」で懲らしめると簡単に引き剥がせると思います。おつまみ君の上部と左部の皮のあたりから、いけない脂がはみ出しています。皮を広げてカット。次は少し厄介です。おつまみ君の反対サイドに、肉に身を隠した「恥ずかしがり屋な脂ちゃん」がいます。容赦無く肉をめくって曝け出してください。ここはまさに「スポット」的に溝に潜り込んでいます。上手に取り除くポイントは、肉を指で軽く引っ張りながら、その反対方向に向かって包丁の先で、肉から脂身を「押し出す&かき出す」的なイメージで。慣れないと少し手間取りますが、これでぐーんとカロリーが下がります。包丁の角度を45°ほどに寝かせて、肉とスジ&脂身の境目を先端でこそぐと割と簡単に取れます。そして実はもう1ヶ所…今まで誰にも気づかれず、ずっとそこに存在していた、おぞましく、悪い脂が隠れています。肉をしずかに、縦に裏返してみてください。一面に鶏皮が広がります。場所はちょうど「恥ずかしがり屋な脂ちゃん」の裏側の辺り。何だかドキドキしますね。鳥肌が立ちます。恐る恐る鶏皮をめくると…「うわっ!」何とそこには、居るではありませんか。ビッシリと肉にしがみ付いた「奇妙な脂」が…。※少々おふざけが過ぎましたが、今回の下準備のポイントは「健康的な鶏もも肉の処理」でした。全部で5箇所。上手に取れましたか?少々厄介ですが、鶏もも肉は使用頻度も高いと思うので、少し意識してみてくださいね。健康と包丁の先にはくれぐれも気をつけて!下準備20分。

作り方

  1. 1

    フライパンにサラダ油を入れ中火で温める。常温に戻した鶏もも肉を、皮を下にして焼く(下味はしない)。玉ネギとゴボウを入れる(火の入りにくい食材から焼いていく)。時々玉ネギとゴボウを混ぜながら、3分ほど焼く。この間におにぎり海苔を炙る。

    鶏もも肉は、はじめにお肉の真ん中から外側に向かってフライパンに押し付けてあげると、皮が均一に広がりパリッっと焼ける。海苔は、隣のコンロを弱火にしてサッとくぐらす。両面くぐらす。ポイントは海苔の片側をつまんで、火に「往復ビンタ」をする。反対側に持ちかえて、こちらも「往復ビンタ」をかます。片側2往復。海苔はすっかりパリパリになり、香りが立つ。

  2. 2

    鶏もも肉の皮が少し色づき脂が出て、ゴボウの角が色づいてきたら、白ネギとシシトウ、シイタケを入れて、野菜を時々混ぜながら2分ほど焼く。

  3. 3

    鶏もも肉の皮目がパリパリに焼けてきたら、裏返して肉側を2分ほど焼く。

    野菜も程よく焦げ目がつき始めます。硬いお野菜にも火が入った頃です。鶏もも肉は、下処理をしたけれど残っていた脂も染み出して、皮目はパリッパリに焼けている頃。裏返してお肉側を焼きます。ときどき鶏もも肉をトングで抑え、フライパンをぐるっと一周させてあげると、滲み出た鶏脂が野菜達によくまわり、よい焼け具合に。コクも増します。

  4. 4

    鶏もも肉の表面が焼き固まっていたら、皮目を下にして一度まな板に取り出す。火傷に注意しながら肉を十字に切り、一片をさらに十字に4等分に切る。

    切ってみると中まで火が入っていません。この時点で火が入っていると、煮込んだ時に硬くなってしまいます。そしてお肉が当然熱いので、くれぐれも火傷にご注意を。お料理は怪我をするとめっちゃテンションが下がるので、安全にマックス楽しんで欲しいです。「安全第一」

  5. 5

    切った鶏もも肉をフライパンに戻し、野菜と混ぜ合わせる。混ぜ合わさったら、<調味料>を入れる。

  6. 6

    すぐに煮立ち始めるので、弱火にして約1分ほど煮込み、シシトウを取り出す。

    シシトウはソテーだけで十分火が入っています。軽く調味料が絡んだあたりで引き上げないと、色が悪くなり、食感も失われてしまいます。緑は盛り付けを「映え」させる大切なアイテムであり、非常に食欲を駆り立ててくれます。加熱による色の変化にご注意を。

  7. 7

    シシトウを取り出したら、時々全体を混ぜ合わせながら弱火で1分ほど煮込む。鶏もも肉に火が入ったら火を止める。卵白の入った卵をフライパンの外側から回し入れる。外から中心へと優しく混ぜ合わせ、半熟の状態にする。

    かき混ぜる回数で卵が固まっていきますので、お好みの固さにしてください。

  8. 8

    小さめのどんぶりにお米を盛り付ける(中心はやや高く)。野菜を高く立体感を出しながら盛り、上に肉をのせる。三方向にシシトウをのせ、ミョウガともみ海苔を散らす。

    ミョウガのヘタが少し器から飛び出していると「映え」るかも。

  9. 9

    白トリュフオイルを卵黄の器に小さじ1杯入れる。どんぶりと一緒に食卓へ出し、食べる直前に丼の中央へ流し入れる。最後にお好みで七味をふりかける。

    本日も登場!「白トリュフオイル」キャップを開けた途端、豊潤な香りが漂います。お好きな方はもう少し多めに。かなりリッチに傾きます。

このレシピのポイント・コツ

・今回のテフロンフライパンは28cmの深いタイプ。鶏モモは焼く時にどうしても脂が跳ねるので、できれば深型を。道具としては有れば小さめのバットが2枚、調味料用と卵用の容器が4つ。そろえると便利ですがありものでも十分です。器は小どんぶりです。ワインと一緒に楽しんでもらいたいので、具材多めでお米は少なめにしました。〆にしたらちょっとな時もちょうど良いかもです。しっかり召し上がりたい時はお米を増やしてくださね。
・「まかない」はとても楽しいご飯。もしかしたら「究極の料理」かもしれない。レシピのないその日の食材で「ヒラメキ」を駆使して、みんなを喜ばせたいと思い作る。そう思いながら作る自分も「無条件の喜び」を感じる。ちゃんとそこには「愛の隠し味」が入っている。
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佐藤尊紀
レシピ制作 佐藤尊紀

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ソムリエ料理家  ワイン&フードコーディネーター  日本ソムリエ協会認定ソムリエ
2014年からギャマングループ「中目黒ブロックス」のマネージャー兼シェフソムリエとして活動後、現在は独立し、料理の知識と接客力を活かしワインプロデュースやフードコーディネーターとして活動中。

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