白トリュフ香る '攻め'の親子丼 【ソムリエが教えるワインと簡単リッチ飯 vol.4】
2020年10月8日 08:00誰もが食べてる、作ってる、いつでも手に入る食材とリーズナブルでみんなに喜ばれるワイン。今日のあの人の感動も、そして私の満足も今夜のテーブルで「無条件の喜び」を分かち合えたら。
今日もそんな一皿を、みなさまとご一緒に。「愛」の隠し味とちょこっとひと工夫でいつものお料理をアップデート。今夜のテーブルも、ワイングラスと音楽とあなたのお料理で素敵な夜になりますように。

今回のテーマは…
皆さんが実は意外と気になっているであろう「アレ」について。そう、それは、飲食店の「まかない」
何なんでしょうこの響き。漢字で「賄い」だとピンと来ないです。もはや音のイメージが強い。皆さんはきっと「スタッフめし」的なイメージなのでしょうか?「いつもどんなまかないを食べているんですか?」「きっと美味しい物を食べているんでしょ?」なんてよく聞かれます。
さてさて飲食店の「まかない」。どんな物を食べているのでしょうか?
英語圏では「Staff Meals」と呼びます。まさに「スタッフめし」ですね。
面白いのはフレンチやイタリアン。ここでは「食べる」を意味する「Manger (マンジェ) 仏」や「Mangia (マンジャ) 伊」なんて呼ばれています。まかないの時間が近づいて来ると「ねぇ今日のマンジェなに?」みたいな会話が聞こえて来るんですね。
大抵の飲食店では「まかない」がその日に一度の「メシ」。みんな動き回ってお腹はペコペコです。だから「まかない」はとても気になります。
コックは決まったレシピで料理を作り、お客様を喜ばせます。その料理をより楽しんで頂くべくホールスタッフはお客様に寄り添い、雰囲気を感じ取り、飲み物のお手伝いもする。
そんな「表舞台」を支えているのが、実は「裏舞台のまかない」なのです。そして大抵は若手がアピールのチャンスを与えられます。
若手は誰よりも遅く帰り、誰よりも早く来ます。先輩が来れば、たくさんの仕事を頼まれるでしょう。それは辛い時もありますが、「任されている」証拠です。例えば、お客様に提供する食材を触らせてもらえる。これは「信頼」そのものです。
でも少しでも先輩が来る前に自分自身の仕事を片付けなければ、仕込みに穴が開きます。そのまま営業が始まってしまたら、オーダーに穴が開きます。お客様にご迷惑がかかってしまってはいけません。
なんと過酷な現場なのでしょうか。そんな若手が作る「スタッフめし」が、「まかない」です。
とてつもなく大切な「メシ」
まかないにはレシピなんてありません。お金をいただくオーダーでもありません。だから、あれこれ食材を選べる訳でもなく、お店としてはお客様に出したくない、最高の瞬間を逃してしまった食材を使い、工夫して美味しく料理するのが「まかない」です。センスも技術も問われます。味もボリュームも期待されます。心も胃袋も満たされないとみんな元気に働けません。
「まかない」とはスタッフのモチベーションに関わる、とてつもなく大切な「メシ」なのです。
先輩の口に入る、ましてや料理長の口にも入る、同期も目を光らせている。認められないと自分も元気に働けません。ああ「まかない」とは、なんと言う恐ろしい食べ物なのでしょうか。(笑)
でも「旨いなっ!」と言って欲しくて一生懸命に考えるし、作れちゃうんですよね、お料理って。「食べる」とは生きる者にとって、食べる方にも、作る方にもなんと大きな役割を持っている行為なんでしょうか。
こんな忙しい日に、手の込んだまかないなんて作るんじゃない!
昔、六本木の120席ある「大箱」のブラッスリー(ランチとディナーの間にアイドルタイムがなく、一日中いつでも食事ができる、言わばフレンチの食堂的な存在。ビールサーバーがあることも定義の1つらしい)でコックをしていました。その日は夜から特別ディナーコースのフェアが始まる初日、とにかく忙しい日でした。まかない当番は僕。もちろん朝早く行き、通常の仕込みを片付け、ランチ前にまかないの準備も万全。あとは仕掛けるだけ。キッチンもホールも、ランチから忙しい日だったから「旨いメシ」でみんなを元気にしたい。夜は間違いなく戦場だからです。
いつも休憩前の30分で仕上げる「まかない」きっちり時間通りに出したのに、なぜか料理長はご機嫌ナナメ。おいおい、なんだよこの空気…。時間どおりに出してるだろ…。嫌なムードが漂う。
この日のまかないは忘れもしない。「冷やし蕎麦」だった。レンコン、ゴボウ、白髪ネギの素揚げに、鶏天。大葉と生姜とミョウガに、万能ネギ。茹で揚げの蕎麦を氷水でキッチリ締めてフリット乗っけて、どっさりの薬味と冷たい出汁をかけるだけ。ザクッとした食感と、鼻腔から抜ける薬味の香り。ちょっと甘めの、鰹の効いた出汁がランチの疲れを癒すはず…だったのだ。
「何が気に食わないんだ?イチャモンつけたいだけなのか?どうするオレ…」心の中で繰り返す。
ピリピリした料理長は言った。「こんな忙しい日に、手の込んだまかないなんて作るんじゃない」と。盛って出すだけの「親子丼で十分」だと。
「まかない」での「親子丼」。忙しい見習いコックが、仕込みに追われ、アイデアも浮かばず苦し紛れに作るメシ。確かにそんな時もある。だから新人の頃は、みんな「逃げ」の親子丼と呼んでいた。
それから幾度もまかないを作ったけれど、敢えて「余裕がある日」に親子丼を作った。いうなれば「攻め」の親子丼。「もっと忙しい日に作れよ」ってその度に仲間には言われたけれど。
「親子丼」の何が悪い?
だって料理長が「お前の親子丼が食べたい」って言うんだもん。結局、そのレストランではメインストーブまで任され、メニュー考案までさせてもらった。
「親子丼事件」いい思い出だ。
当時の僕は毎日10kgの魚をおろし、3日に一度、サニーレタス7束、グリーンカール7束、水菜3束、ベビーリーフ3パック、トレビス1個をサラダ用にもどして、週に4台キッシュ、週に2回8kgのミートソースを作る。(これで一回ギックリ腰をやり救急車で運ばれました。その時の料理長は優しかった。一緒に病院まで来てくれました。)2週に一度、4台のテリーヌショコラと4台のパテ・ド・カンパーニュを仕込み、その他に、ガトーフロマージュやら、クレームブリュレやら、タルトポワールやらも作る。ランチ営業をしながら仕込みをし、アイドルタイムなく、ディナーが始まる。本当にノンストップで目が回るほど忙しい。
「まかない」は1週間に二度まわって来て、それでも「まかない」は楽しかった。予想もしない食材と、予想もしないヒラメキと、そしてみんなからの「旨いな」と。
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■白トリュフ香る'攻め'の親子丼
調理時間 35分(下準備20分、調理盛り付け15分) 1人分 735Kcal

レシピ制作:佐藤 尊紀
<材料 お上品な2人分>

鶏もも肉 1枚(180g)
シシトウ 6本
白ネギ 40g(約15cm)
シイタケ 1個
タマネギ(中) 1/3個
ゴボウ 40g(約15cm)
卵(M) 3個
サラダ油 大さじ1
<調味料>
しょうゆ 20g
酒 20g
みりん 20g
ハチミツ 10g
顆粒だしの素 1g
<盛り付け用>
ご飯(炊きたて) 1合分
ミョウガ 1個
トリュフ油(白) 小さじ2
海苔(おにぎり海苔) 2枚
<下準備>
・「シシトウ」。まな板に転がし「包丁の先」で1ヶ所ずつ刺していく。おわり。

・「ミョウガ」。縦に半分に。下を三角に切り落とす。ここは刻んで納豆や味噌汁に。残った大きい方は外側から手でめくりバラします。大きいものは縦半分ほどにカット。

・「シイタケ」。石付きを切り落とす。足が長ければ適当なところで切り落とす。スライスせずに8等分に。

・「タマネギ」。ちょっと特殊。半割りのものを頭とお尻を切りはなし、皮を剥く。ここまで普通。次に「包丁の先」で外側から3枚を残し、真ん中の芯のあたりをくり抜く。今回は外側だけを使います。真ん中で縦半分に切り、それぞれを縦4等分に細いくし切りに。


内側は繊維が柔らかいので(1)「オニスラ」に使う(2)すりおろして使う(3)みじん切りに使う(4)味噌汁に使う(5)いくつか集めてそのままのサイズでカレーやシチューに使う(6)工夫して上手に使う、と使い方盛りだくさん!アイデア次第です。

大きい容器に「全卵」を1個割り入れる。小さい容器にそれぞれ「卵黄のみ」を1個ずつ入れ、大きい容器に2個分の「卵白」を加え(=全卵1個+卵白2個)フォークで7割程ほぐす。



・まずすぐ横に、「白いスジ」が縦に1本あります。周りに油もついているので取り除きましょう。スジと肉の間に「包丁の先」を入れ隙間をつくります。「おつまみ君」から手を離しその隙間に指を入れスジを真上に引っ張ります。するとほとんど肉から引き剥がせると思います。




・次は少し厄介です。おつまみ君の反対サイドに、肉に身を隠した「恥ずかしがり屋な脂ちゃん」がいます。容赦無く肉をめくって曝け出してください。ここはまさに「スポット」的に溝に潜り込んでいます。上手に取り除くポイントは、肉を指で軽く引っ張りながら、その反対方向に向かって包丁の先で、肉から脂身を「押し出す&かき出す」的なイメージで。慣れないと少し手間取りますが、これでぐーんとカロリーが下がります。


肉をしずかに、縦に裏返してみてください。
一面に鶏皮が広がります。
場所はちょうど「恥ずかしがり屋な脂ちゃん」の裏側の辺り。
何だかドキドキしますね。鳥肌が立ちます。
恐る恐る鶏皮をめくると…「うわっ!」

何とそこには、居るではありませんか。
ビッシリと肉にしがみ付いた「奇妙な脂」が…

※少々おふざけが過ぎましたが、今回の下準備のポイントは「健康的な鶏もも肉の処理」でした。全部で5箇所。上手に取れましたか?少々厄介ですが、「鶏もも肉」は使用頻度も高いと思うので、少し意識してみてくださいね。健康と包丁の先にはくれぐれも気をつけて!下準備20分。

<作り方>
1.フライパンに「サラダ油」大さじ1を入れ中火で温める。なるべく常温に戻した「鶏もも肉」を、皮を下にして焼く。下味はしない。はじめにお肉の真ん中から外側に向かってフライパンに押し付けてあげると、皮が均一に広がりパリッっと焼ける。「玉ネギ」も「ゴボウ」も投入。火の入りにくい食材から焼いていく。ここから3分ほど焼くので、時々「玉ネギ」と「ゴボウ」を混ぜながら、この間に「おにぎり海苔」を炙る。


3.野菜も程よく焦げ目がつき始めます。硬いお野菜にも火が入った頃です。鶏もも肉は、下処理をしたけれど残っていた脂も染み出して、皮目はパリッパリに焼けている頃。裏返してお肉側を2分ほど焼きます。





6.すぐに煮立ち始めるので、「弱火」にしてそこから「約1分」ほど煮込む。そして「シシトウ」を取り出す。

8.小さめのどんぶりに炊きあがったご飯を盛り付けます。中心はやや高く。お野菜を高く立体感を出しながら盛り、上にお肉を。三方向に「シシトウ」を乗せ、「ミョウガ」と「もみ海苔」を散らします。ミョウガのヘタが少し器から飛び出していると「映え」るかも。

9.そして本日も登場!「白トリュフオイル」キャップを開けた途端、豊潤な香りが漂います。「卵黄の器」に小さじ1杯入れてください。お好きな方はもう少し。かなりリッチに傾きます。どんぶりと一緒に食卓へ出し、食べる直前に丼の中央へ流し入れます。最後にお好みで七味をふりかけます。

■食べ、愛し、歌い、消化する。この4つの行為が人生という喜劇オペラなのだ
かの有名な、美食家でありイタリアの作曲家である、ロッシーニ氏。44歳で作曲活動から引退し料理の世界へ没頭します。
美食の追求やレストランの経営など「食べる」に人生を捧げました。
そして「マンジャ」にこんな言葉を残しています。
“Mangiare e amare, cantare e digerire sono i quattro atti di quell'opera comica che è la vita.”
「マンジャーレ・アマーレ・カンターレ・ディジェリーレ、ソノイ・クアトロ・アッティディ・クエロッペラ・コーミカ・ケーラヴィータ」
“Eating, loving, singing and digesting are the four acts of the comic opera known as life.”
「食べ、愛し、歌い、消化する。この4つの行為が人生という喜劇オペラなのだ」と。

まず食べること。
そこから愛が生まれ歌になり、また腹が減る。そしてまた食べる。人は食べずに生きていけないのですね。そしてとてもドラマチックでエキサイティングです。「食」には喜怒哀楽が似合います。
「まかない」はとても楽しいご飯。もしかしたら「究極の料理」かもしれない。レシピのないその日の食材で
お客様への思いがそう言わせた料理長の気持ちも、悔しかったその時の僕も、今日の若手の「まかない」もとても美味しい。食材が良いとか悪いではなく、誰かのことを想って作ってくれたその味が。いつだってあなたのお料理で、大切な人の「胃袋も、ハートも」鷲づかみにして欲しい。
今夜も思いを込めた一皿と、ワインで素敵な夜になりますように…

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