パクチーはどんな味?好き嫌いが分かれる理由と食べやすいレシピも紹介
2021年3月5日 10:00とはいえ、からだに嬉しい効果が期待できる栄養もたくさん含まれていますので、普段からも食べていただきたい食材の一つです。今回は好き嫌いが分かれる理由と、苦手な人でも食べやすくなるレシピをご紹介します。
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■パクチーってどんな食材?
独特な香りが特徴のパクチーですが、原産地や呼び名など、どのような食材なのかをここでご紹介します。・原産地
地中海沿岸からエジプトが原産のセリの仲間です。日本には最近入ってきたと思われがちですが、平安時代に中国から入ってきたといわれています。
エスニック料理の代表的な食材に感じますが、アジアのみならず世界中で食べられている食材なんですよ。栽培も簡単なので、プランターなどで庭に植えている人も多いかもしれませんね。
・国ごとに呼び方が異なる
パクチーはタイ語の呼び方です。ほかにも英語の「coriander(コリアンダー)」、中国語の「香菜(シャンツァイ)」などが日本ではよく聞く呼び名ではないでしょうか。日本国内では一般的に、生の状態を「パクチー」と表示し、乾燥させてスパイスとして使うものには「コリアンダー」と表示されているものが多いです。
・葉・茎・根・種が食べられる
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パクチーはすべてが食べられるため、捨てる部分がない食材です。葉や茎はそのまま生でサラダや料理の上にのせて、根はてんぷらやカレーの風味付けとして食べることができます。てんぷらはちょっと意外かもしれませんが、ホクホクしておいしいですよ。葉のにおいが苦手な人も、根の香りはそれほど強くないため食べられる人もいるようです。
種は「コリアンダー」と呼ばれ、スパイスとして知られています。カレーやチキンソテーなどに使うと風味が格段に良くなりますよ。
・ダイエットと美容に人気が高い食材
私たちの体内は普通の食事をしていても、水銀などの金属がたまってしまうことがあります。パクチーにはこれらを外に出しやすくする作用がありデトックス効果があるといわれています。古代では解毒の薬草として使われていたこともあり、毒を盛られた兵士がパクチーで難を逃れたという逸話もあるくらいです。
ほかには、胃腸のはたらきを活発にして消化を促進させる作用や、殺菌作用、血行促進作用があります。栄養面では、体内でビタミンAに変換されるβカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどが多く含まれていて、βカロテンは小松菜よりも多く含まれているんですよ。ビタミンCもみかんと変わらないくらい豊富に含まれています。
・パクチーの旬は春から初夏
旬は、爽やかな季節の到来と同じ時期の春から初夏にかけてです。最近は季節を問わずスーパーに並んでいますが、露地ものはこの時期のものが最もおいしく、栄養も豊富に含まれています。自宅の庭で栽培している人も、この時期に収穫したものが一番おいしいはずですよ。
スパイスに使われる種は5~7月頃に収穫されます。自家栽培でもスパイスまで採れるのは嬉しいですね。
■パクチーの見た目の特徴
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・鮮やかな緑色
深い緑というよりは、鮮やかな濃い黄緑といった色合いです。添え物や薬味としてのっていると、料理の見た目を鮮やかにしてくれて食欲がそそられますよね。
・イタリアンパセリに似ている
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イタリアンパセリもパクチーと同じセリ科の野菜です。太い茎から細い茎に分かれて、そこから葉が生えています。葉の形など見た目はウリふたつで、慣れないと見分けがつかないほどよく似ています。見分ける方法は葉の部分で、イタリアンパセリは細長く三角に切れ目が入っているのに対し、パクチーは浅い切れ目が細かく入っています。
・葉は小ぶりで薄め
葉自体は、1~2cm四方くらいの大きさのため小ぶりで、厚さもなく薄いため、ヒラヒラとしているのが特徴です。茎はややシャキっとした食感がありますが、葉はあまり食感らしいものがなく、生でもふんわり柔らかく食べられます。
■パクチーの味はなぜ好き嫌いが分かれるの?
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パクチーが大好きで専門店に通う人もいれば、近くにあるだけで嫌がる人も。これほどまでに好き嫌いが分かれてしまう理由はどこにあるのでしょうか。
・パクチーの味は日本で馴染みが薄い
パクチーは和食に使うことはほとんどないので、食卓にあがることもあまりありません。香りになじみがないため、ちょっと変わった香りと感じて口に入れることなく、拒絶反応を示してしまう人が多いのが事実。普段の食事に出ないことで、なじみがないことも嫌いな人が多い理由の1つです。
・香りのクセが強い
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パクチーは、ほかのハーブやスパイスにはない香りの強さが特徴です。スパイスをよく使うカレーとは、また違った青臭いクセがあるため苦手な人が多いです。
■パクチーはどんな味?
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食べたことのない人は強烈なにおいの評判を聞いて、食べるのをためらっているかもしれませんね。どれだけ強い香りなのか、どんな味なのか気になる…そう思っている人もいるかもしれません。ここではパクチーはどんな味なのか、解説します。
・よく言われる例え
パクチーは「カメムシのようなにおい」や「洗剤のようなにおい」など、食べられないものに例えられることが多いです。実際、日本では「カメムシ草」と呼ばれることもあるくらいにおいはよく似ています。
・実際はパクチーには味の特徴はほとんどない
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個性的な印象のパクチーですが、塩味や甘味といったものはあまり感じません。生でかじってみてもなんとなく苦いかな、というくらいです。
・クセが強いと言われるのは「香り」
パクチーの最大の特徴といえばクセの強い香りにつきます。味はあまりありませんが、好き嫌いが分かれる背景には、独特の強烈な香りがあるからです。
■パクチーの味とにおいの真実
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パクチーが「カメムシ草」といわれるには、科学的なワケがあります。なんとなくの感覚でカメムシっぽい…と思っていたことは間違いではなかったのですね。ここではその真実を解説していきます。
・におい成分はカメムシと同じ
カメムシが出すにおいの成分と、パクチーのにおい成分は同じであることがわかっています。すべてがまったく同じというわけではありませんが、共通するにおいの成分があることから、両者のにおいがかなり似たものになっているようです。
・におい成分「アルデヒド」
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葉や、成熟していない実の香りは「アルデヒド」というにおい成分が関わっています。石鹸にもこのアルデヒド系のにおいが含まれていることから、パクチーのにおいが石鹸のようだと思う人もいます。アルデヒドはシナモンにも入っていますので、パクチーが苦手な人はシナモンも苦手かもしれないですね。
このアルデヒドの強さは、カメムシを瓶に閉じ込めておくと、自分のにおいで死んでしまうこともあるくらいなんです。それほど強烈だということですよね。
■パクチーの味をおさえるにはどんな食べ方がある?
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無理して食べることはないけど、やっぱり気になるもの。そんなときのために、パクチーのクセをあまり感じない食べ方をご紹介します。
・乾燥させる
スパイス売り場で見かけるコリアンダーは、種の部分のほかに乾燥させた葉の部分も置いてあることがあります。乾燥させることによって、においの成分が水分と一緒に飛んでしまうため、生のクセのあるにおいがしなくなります。
ポテトチップスのパクチー味も乾燥させたものが入っているだけなので、チャレンジしやすいですよ。
・加熱する
調理の段階で加熱するとにおいが減りますので、生のパクチーでも調理方法次第でにおいをおさえることができます。サラダや添え物など生で食べるのはちょっと苦手…という人も、炒め物や鍋料理など加熱する料理は比較的食べやすいでしょう。かき揚げや、タラの芽のてんぷらのようにして食べるのもおすすめです。
・混ぜる
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においが強いほかの食材と混ぜてしまうのも手です。ニンニクや玉ねぎ、カレーといった香りが強いものに入れることでパクチーのにおいが消されて、あまり気にならなくなります。特にカレーは普段からなじみのある料理ですし、そのまま煮込んでしまうためパクチー独特のにおいを感じにくくなります。
加熱が難しいようであれば、納豆や玉ねぎといったものと混ぜるとにおいがまぎれます。オリーブオイルなどと混ぜて、油分でコーティングしてしまうという方法もありますよ。
・包む
ギョーザや春巻きの皮に包むことで、外側ににおいを出すのを防いでくれます。ギョーザと春巻きは加熱もするのでその効果も一緒にねらえるのがいいですね。ほかの具に、ニンニクなどの強いにおいのものを多めにすれば、さらに気にならなくなります。
・刻まない
苦手な食材はなるべく細かく切って、料理するのが克服の方法になっていますが、パクチーの場合は逆です。刻むことでにおいを強く感じてしまうので、なるべくそのままの大きさで食べるようにすると、においの強さが少しはおさえられますよ。
■パクチーの味が苦手!代用できる食材は?
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においをごまかしてもやっぱり食べるのは無理そう、そんな人は他の食材で代用するというのも手です。見栄えや風味が近いものをご紹介します。
・セロリの葉
においの強さは違いますが、セロリも若干クセのあるにおいがします。茎の部分はまったく異なりますが、葉の部分はパクチーとよく似ているため、サラダに入れたり料理の添え物に使うこともできます。パクチーは苦手だけど、エスニック料理の雰囲気を楽しみたい人におすすめの食材ですよ。
・セリ
セリも香りの強い野菜としては有名ですよね。パクチーもセリも同じセリ科の野菜です。茎の部分も細く、パクチーに似ているので、食感も同じように楽しむことができます。パクチーに比べると風味が弱いので、使うときは細かく切ってから使うといいですよ。
・三つ葉
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三つ葉も茎の部分から葉の部分までよく似た食材です。和食に合う香りのため料理の風味は変わってしまいますが、食感が似ているので雰囲気づくりの添え物として使うとよさそうですね。色どりとしても申し分なく代用できますよ。
・人参の葉
なかなか見かけることのない人参の葉ですが、葉付きで売っていたり、自宅で栽培している人には使えるワザですよ。ほんのりとした香りはパクチーに通じるものがあります。地方の直売所などで売っていることもありますので、ぜひ試してみてくださいね。
■パクチーは食べ過ぎに注意!
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美容や健康にも効果があるといわれていて、世の中には「パクチスト」といわれるくらい大好物な人もいるパクチーですが、食べすぎると逆に健康に悪影響が出ることもあるので注意が必要です。
・下痢や腹痛
パクチーには腸の動きを活発にするはたらきが見られるため、1度にたくさん食べるとおなかを壊してしまう人もいます。食べすぎて体を壊してしまうのはよくないですよね。普段から食べ慣れていない人は少しずつ食べるのがよさそうです。
・頭痛
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たくさん食べすぎると頭痛を起こす人も中にはいます。取りすぎると頭痛を引き起こしてしまうこともあるので、注意が必要です。
・紫外線の吸収を高める
パクチーにはビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用がある栄養素が含まれています。中でもビタミンCは、皮膚のメラニンの活性を抑えて、紫外線によるシミの発生をおさえてくれる栄養素として知られていますよね。
・1日の摂取量の目安
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はっきりとした量は決まっていませんが、食べる本人がおいしいと思う範囲が望ましいです。それでも不安であれば、まずは1束から、10gから、と決めて食べると安心でしょう。胃腸が過敏に反応しやすい人は、もっと少ない量から慣らしていくと良いですよ。
美容や健康のためとはいえ、体を壊すほどの大量摂取はよくありません。タイやベトナムといったパクチーをよく食べるイメージの国でも、1度にたくさんの量を食べることはないそうです。日本でみかける山盛りのパクチーは、とても不思議な光景のようですよ。
■苦手克服!パクチーの味を抑えたアレンジレシピ
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いきなり無理はしないけど、少しずつ苦手を克服できたらいいな、と思っている人もいるはずです。そんな人はパクチーの風味をあまり感じないような料理から始めてみるのがおすすめですよ。
・オムレツ
オムレツにいれる一般的な具材は、ひき肉、ツナ、ハムといったものに玉ねぎも入ります。においの強い玉ねぎと一緒に加熱することで、パクチーのにおいをおさえることができますよ。このとき、玉ねぎはみじん切りにしますが、パクチーはあまり細かく刻まずに一緒に炒めます。
そのあとに卵でとじてしまえばにおいを閉じ込められますので、苦手な人もチャレンジできるはずです。オムレツの上にケチャップをかけることで、さらににおいをごまかせるのでおすすめですよ。
・ギョーザ
これは、「皮に包む」「加熱する」「においの強いものと混ぜる」と、トリプルの作用で独特な香りを封じ込めることができます。封じ込めるとはいってもパクチーの香りはしますので、ほんのり清涼感を感じるギョーザができあがります。
ギョーザは中に何を入れてもおいしいですし、たくさん作ってパーティなどで食べることもできます。パクチーを入れて、ちょっとエスニックなギョーザを楽しむのもおもしろいですよ。
・カレー
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日本では市販のルーを使ってカレーを作るのが一般的ですが、本場インドではスパイスを調合しながら作るカレーが主流です。そのスパイスカレーにはパクチーの種子、「コリアンダー」を入れるのが本場流。もちろん生のパクチーを一緒に煮込んでも違和感なく使えます。それどころか、いつもの家庭のカレーとは一味違ったスパイスの風味が感じられて、腕が上がったと思われるかもしれませんね。
中には、カレーの具材と一緒に煮込むために、わざわざパクチーの根を冷凍保存している人もいるくらい。スパイスの風味は感じられますが、パクチー独特の強烈なにおいは飛んでしまうので、かなり食べやすくなります。苦手な人にぜひトライしてほしい料理です。
・コロッケ
コロッケも強い香りを減らす調理法で作られるため、試していただきたいレシピです。ひき肉とパクチーと玉ねぎを炒めて、蒸かしてつぶしたじゃがいもに混ぜて揚げます。ここでのポイントは、最初に炒めるときです。しっかり炒めながら、玉ねぎと混ぜることでにおいを飛ばすようにします。揚げるときにチーズなどを入れるとさらに、風味をごまかすことができますよ。
・春巻き
ニラやひき肉といった香りの強い食材と炒めることで、パクチーのにおいを飛ばすことができます。皮で巻いて揚げることで、さらににおいをおさえられます。コロッケも2回加熱し
が、春巻きはコロッケよりも揚げるときに中までしっかり加熱されるので、効果は高いといえます。
中国でもパクチーは使われる食材ですので、春巻きに入れるてもとても相性がよく仕上げることができますよ。
■パクチーの苦手を克服して美容と健康を手に入れよう!
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香りが強烈なため、ほかの印象があまりないパクチーですが、一般的に緑黄色野菜といわれている野菜と同じような栄養が含まれています。古くは薬代わりに使われていたということですから、デトックスといった解毒作用や血行促進作用があるのもうなずけますよね。
美容と健康に良いとされているので、苦手な人にもぜひ食べていただきたいものですが、食べすぎには注意。おいしいと思える範囲で、食べるようにしましょうね。
<参考>
米国農務省 農業研究サービス
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
厚生労働省「eヘルスネット」
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