しらすの旬はいつ?産地別に違う美味しい季節とおすすめの食べ方を紹介
2020年8月5日 11:00季節を問わず食べられるイメージがありますが、しらすにも旬はあるのでしょうか?
今回はしらすの旬や産地、さらにおすすめの食べ方についてご紹介します。
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■しらすの旬はいつ?
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そもそも、しらすとはどんな魚なのでしょう?しらすはイワシやウナギ、イカナゴ、アユ、ニシンなど体に色素を持たず、透き通った稚魚の総称で、体長約1〜2cm程度のものを指します。これらの稚魚は茹でると白くなるため、白子(しらす)と呼ばれるようになったといいます。
・しらすは一年中食べられる
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一般的に市場に出回っているしらすの多くは、カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシの稚魚です。カタクチイワシはほぼ一年中産卵し、春と秋にピークをむかえます。マイワシの産卵期は冬から春にかけて、ウルメイワシは4月〜6月です。
このようにイワシの種類によって産卵期がずれていることから、年間を通じて獲ることができるのです。
・産地によりしらすの旬は異なる
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一年中食べられるとはいえ、しらすにもやはり旬があります。ただ、その時期は産地によって異なります。産地となる海域の状態によって、よく獲れるイワシの種類が変わってくるからです。
また海洋資源を保護するため、禁漁期間を設けている地域も多くありますから、それによっても旬と呼ばれる時期は異なってくるのです。
・しらすの禁漁期間
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しらすはイワシの稚魚ですから、あまり獲りすぎてしまうとイワシの漁獲量も減少し、さらには海の生態系バランスにも影響してしまいます。そのため乱獲を防ぎ、海洋資源を保護するべく、各産地では禁漁期間を設けています。
例えば漁獲量の多さで知られる兵庫県では、毎年12月〜3月が禁漁となります。また静岡県や神奈川県といった産地では、毎年1月〜3月頃が禁漁期間として定められています。
■産地ごとのしらすの旬
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しらすの産地は日本各地にあります。ここでは代表的な産地と、各地の旬や特徴について見ていきましょう。
・日本有数の産地『静岡県』
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静岡県は日本でも有数のしらすの産地です。駿河湾と相模湾に面し、さまざまな魚が水揚げされる豊かな漁場を抱えています。
静岡県では1月中旬から3月中旬は禁漁期間と定めており、解禁となった3月中旬頃〜10月頃の、春から秋にかけての時期に旬をむかえます。とくに6月〜9月の水温が高い時期は、しらすのエサとなるプランクトンの量が増えるため、栄養たっぷりのしらすを味わうことができます。
用宗や舞阪、由比、田子の浦など、しらすが水揚げされる港は県内の各地にあり、漁場が港から近いことが特徴です。なかでも田子の浦は一艘の船で曳き、水揚げしたらすぐに船上で氷締めするという、鮮度抜群の生しらすが自慢です。
漁獲量が少ないため、ほとんど地元でしか手に入れることができないという「田子の浦しらす」は、神戸ビーフのように地理的表示(GI)制度にも登録されており、地域ブランドとして近年注目を集めています。
漁の時期になると港には期間限定で食堂がオープンし、透明でぷりぷりとした食感のしらすを、目の前に広がる駿河湾を眺めながら食べることができますよ。
・関西代表『兵庫県』
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関西地方を代表するしらすの産地は、兵庫県です。兵庫県はしらすのイメージはあまりないかもしれませんが、実は水揚げ量では全国1位を誇っています。その量はなんと国内におけるシェアのうち、およそ20%も占めているのです。
淡路島はとくに有名で、岩屋漁港で揚がる生しらすは全国にその名を知られています。漁場である明石海峡は潮の流れが速く餌も豊富なことから、良質のしらすがたくさん獲れるのです。
このあたりでは毎年4月下旬〜11月末まで、漁が行われます。旬といわれる時期は年に2回あり、春は4月〜5月の間頃、秋は9月中旬〜11月頃です。
水揚げされたしらすはベテランの職人によって厳選され、とくに質の良いものだけが加工場に運ばれて、殺菌後マイナス40度の低温で急速冷凍されます。
こうして最高の鮮度を保った淡路島の生しらすは、島内の限られた店舗だけでしか取り扱うことができません。まさにその土地でしか出会えない、貴重な味です。
・関東代表『神奈川県』
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関東エリアでしらすの産地といえば、神奈川県です。
相模湾で獲れるしらすは「湘南しらす」の名前で知られています。湘南エリアの鎌倉や江ノ島の名物として、観光客にもおなじみですよね。メディアにもよく登場していますから、しらすの産地は?と聞かれたら、真っ先に湘南を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しらす漁の時期には、これをお目当てにわざわざ遠方から訪れる人もいるほど。観光シーズンには朝獲れのしらすを味わおうと、行列もできるほどの人気です。
神奈川県は禁漁期間である1月〜3月を除いては、ほぼ年間を通してしらすを獲ることができます。なかでも、4月〜5月頃の「春しらす」はとくに甘味があって、おいしいといわれています。
生しらすはもちろん、生産者が自ら漁に出て加工し、直接販売しているという釜揚げも人気。塩のみで仕上げ、添加物を一切使っていないため、しらす本来の味わいが楽しめると定評があります。
・九州代表『大分県』
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しらすの産地として九州で知られているのは、大分県です。別府湾や佐伯湾で揚がるしらすが旬をむかえるのは、秋です。9月〜10月頃が最盛期で、このあたりでは黒潮に乗って北上してくる、カタクチイワシの稚魚がよく獲れます。
生や釜揚げもよく食べられますが、やはり大分産といえば「ちりめん」が有名です。獲れたてのしらすを港に着いたらすぐに釜揚げにし、天日で2〜3時間干して半乾燥にしたちりめんじゃこは、九州をはじめ関西、関東など全国に出荷されています。
別府湾で水揚げされたしらすだけを使って作られる「豊後別府湾ちりめん」は、とくに品質にこだわった逸品として、高く評価されています。
■しらすが旬に関わらず年中食べられるワケ
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一口にしらすといっても、いろいろな商品があります。獲れた手をそのまま食べる生しらす、さっと塩茹でした釜揚げしらす、つくだ煮をはじめさまざまな料理にも使われるちりめんじゃこなど。そのほとんどがスーパーなどでも簡単に手に入り、旬に限らず一年中食べることができます。なぜなのでしょうか?
・生しらす
生しらすはしらす漁の時期、しかも獲れたその日のうちにしか味わうことができない、旬ならではの味覚です。ぷりっとした食感とやさしい甘みは、格別です。
しらすは水分が多いため傷みやすく、少しでも鮮度が落ちるとどろっと溶けたようになってしまい、生臭みや苦味が出てきます。そのためしらすの産地であっても、水揚げのあった日にしか出会えない、とても希少価値の高いものなのです。
しかし、現在では冷凍技術が進み、水揚げしたばかりの生しらすを急速冷凍し、新鮮な状態で長期間保存できるようになりました。そのため禁漁期や天候不良などで獲れないときでも生しらすを食べることができ、またお取り寄せすれば、ご家庭でも産地の味を楽しめるのです。
・釜揚げしらす
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しらすは釜揚げにする場合もやはり、鮮度が命です。獲れてからできるだけ早く、短時間で加工することがおいしさの秘訣なのです。新鮮な生しらすをよく洗い、塩を加えたお湯で一気に茹であげます。釜から揚げたら、水気をよく切って冷ますと、釜揚げしらすのできあがりです。
釜揚げしらすは、ふんわりとした柔らかな食感が魅力。生しらすよりは日持ちしますが、賞味期限は冷蔵で3日〜4日(夏場であれば2日)ほど。風味が変わりやすいので、なるべく新しいうちに食べるのがおすすめです。
家庭でも冷凍保存ができるので、1回に使う分量ずつ小分けにして冷凍すれば、3週間〜1ヶ月ほどおいしくいただけます。
また産地では、出来立ての釜揚げしらすを急速冷凍したものが、お土産としてよく販売されています。
・ちりめんじゃこ
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ちりめんじゃこは釜揚げしらすを天日で干したものです。乾燥の度合いによって呼び名が変わり、水分量が70%程度まで干したものを「しらす干し」、さらに干して50%以下になったものを「ちりめんじゃこ」といいます。
ちりめんじゃこは水分が抜けているぶん、より旨味がぎゅっと凝縮され、また日持ちも長くなります。冷蔵庫で1週間程度、冷凍保存であれば1ヶ月はおいしくいただけます。こちらも冷凍する場合は、1回分ずつ小分けにするのがおすすめです。
また、しっかりと乾燥されて固めに仕上げられたちりめんじゃこは、常温で保存も可能です。乾燥の状態にもよりますが、およそ3ヶ月〜半年ほどは保存がききます。
・冷凍技術の進歩のおかげ
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しらすはとても足がはやいので、本来鮮度を保つことがとても難しい食材です。そのため、かつては産地やその周辺だけでしか口にすることができなかったといいます。
それが冷凍技術の進歩によって、今では新鮮なままの状態で長期間保存ができ、長距離の輸送にも耐えられるようになりました。おかげで一年中しらすが手に入るようになり、産地から離れた土地でも食べられるのです。
■しらすの旬の味わい方
年中手に入るとはいえ、やはりしらすは旬に食べたいもの。栄養も旨味もたっぷりのいちばんおいしい時期に、季節を感じながらいただくことは、体も心も健やかにしてくれます。旬のしらすを存分に味わえる、おすすめのレシピを3つご紹介します。
・しらす丼
これぞ王道!しらすそのものを味わうなら、やっぱり白いご飯と一緒に、シンプルにいただくのがいちばんです。
材料(2人分)
シラス干し150g
ミョウガ1個
ネギ(刻み)大さじ2
卵黄2個分
ご飯(炊きたて)丼2杯分
しょうゆ適量
下準備
ミョウガは小口切りにする。
作り方
手順1:ボウルにシラス干し、ミョウガ、ネギを混ぜ合わせる
手順2:器にご飯をよそい、(1)と卵黄をのせ、しょうゆを添える
最後にすだちや、ゆずの絞り汁などを少したらしてもおいしいですよ。
・『しらすサラダ』でさっぱりと
切るだけ、かけるだけで簡単! 暑い日にはピッタリのサラダです。お酒にも合いますし、さっぱりとした味つけで、食欲がないときにもおすすめ。しらすの代わりにちりめんじゃこを使うと、食感がアクセントになります。
材料(2人分)
ミョウガ3個
貝われ菜1パック
大葉10枚
シラス30g
オリーブ油適量
黒七味(または粗びき黒コショウ)少々
下準備
ミョウガは縦半分に切ってせん切りにし、貝われ菜は根元を切り落として長さを半分に切る。大葉はせん切りにする
作り方
手順1:ミョウガ、貝われ菜、大葉を水に5~10分さらし、ザルに上げて水気をよくきり、皿に盛る
手順2:(1)の皿にシラスをまんべんなく散らす
手順3:オリーブ油をまわしかけ、黒七味を振る
オリーブ油はたっぷりめがオススメです。黒七味がなければ、粗びき黒コショウでもいいでしょう。ちりめんじゃこの場合は、軽くフライパンで炒ると、よりカリカリとした食感が楽しめますよ。
・シラスとチーズの和風みそトースト
ご飯のお供というイメージが強いしらすですが、実はパンとも相性がいいのです。チーズと組み合わせれば、カルシウムもたっぷり補給できます。
材料(2人分)
食パン(5枚切り)2枚
<☆>
・シラス干し40~50g
・マヨネーズ大さじ1
・みそ小さじ1
ピザ用チーズ40g
焼きのり適量
作り方
手順1:ボウルに<☆>の材料を入れ、混ぜ合わせる
手順2:食パンに(1)をぬり、ピザ用チーズ、焼きのりを手で小さくちぎって散らす
手順3:オーブントースターでチーズの焦げ目がつくまで焼く
■栄養満点!旬のしらすをめしあがれ
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しらすは魚の栄養をまるごと摂取できる、素晴らしい食材です。タンパク質やカルシウムがたっぷりですから、子ども大人も積極的にとりたいものです。
日々の食事に取り入れるだけでなく、ときには産地を訪れて、獲れたての新鮮なしらすも味わってみては?新たなしらすのおいしさに出会えるかもしれません。
旬のしらすをおいしく食べて、日本の四季をぜひ感じてみてください!
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