【鶏胸肉を柔らかくする3つの方法】パサつく鶏胸肉が下準備でしっとり?
2021年6月11日 00:00
ダイエッターにも注目されている鶏胸肉は、高タンパク質で低脂質。そしてなにより、お財布に優しい価格で、家計を助ける食材の代表でもあります。
でも、加熱するとなんだかパサつくイメージがあって、鶏もも肉の方を選んでしまう人も多いのではないでしょうか。そんな脇役的存在の鶏胸肉を、これから紹介する方法で調理すると、しっとりとおいしくなり、主役として食卓を彩ること間違いなしですよ!
鶏肉に含まれるタンパク質(可食部100gあたり)
さらに、タンパク質の「質」を数値で示した「アミノ酸スコア」で、鶏肉は100というハイスコア。この数値が低いと、タンパク質を多く含んでいても、体には有効なはたらきをしてくれません。つまり、鶏胸肉はタンパク質の量だけではなく、質も高いので、かなり優秀な食材といえます。
鶏胸肉は高タンパクで低脂質という特徴があり、ダイエット中の方には嬉しい食材でもありますよね。しかし、その一方で、脂肪分が少ないので鶏もも肉に比べるとかたく感じてしまいます。さらに、脂肪分が少ない分、水分を多く含むため、加熱によって水分が抜けてしまい、パサパサとした食感になってしまいます。
鶏胸肉をおいしく食べるためには、肉がかたくなるのを防ぎ、水分量をいかに保って調理するかがポイントになってきます。
鶏胸肉は、煮込みのような長時間加熱をする料理だと、さらにかたくなってしまうのでは? と思う方もいるかもしれませんが、長時間煮込むことで肉の線維や筋が壊れ、柔らかい味わいを出すことも可能です。
また、煮込む前に表面を軽く焼くと、鶏胸肉の水分が流れ出るのを防げます。煮込んでいるときは水分が蒸発するので、煮汁が鶏胸肉に浸っている状態を保ち、表面が乾かないようにしましょう。
鶏胸肉を柔らかくするためには、ちょっとしたひと手間が重要になってきます。加熱による水分減少を抑え、多く含まれる筋繊維を分解してくれる食材や調味料と一緒に漬け込んでおく、というのが王道ですね。特に、唐揚げのように高温で調理する場合、水分が抜けやすくパサつきやすいので、特に効果的です。
鶏胸肉には、真ん中から葉っぱのように、放射線状に多くの筋繊維が隠れています。この筋繊維が加熱によってタンパク質を変性させ、肉をかたくする原因となっています。
そのため、鶏胸肉は切り方に気をつける必要があります。鶏胸肉の真ん中を縦半分に切り、厚みのある方は横方向にそぎ切りにします。もう半分は縦方向に切っていくと、筋繊維を断ち切ることができるのでかたくなりすぎるのが軽減できますよ。さらに、フォークで鶏胸肉の全体を刺しておくと、筋繊維を断裂して焼き縮みによってかたくなるのを防げます。
鶏胸肉に片栗粉をまぶしてから調理すると、表面がコーティングされて肉汁が流れ出るのを抑えられます。結果、水分量がキープされ、しっとり感が残るでしょう。
また、片栗粉をまぶしてから茹でると、ぷるんとした食感も楽しめるので、お吸い物や鍋料理で使用すると、上品な仕上がりになります。
鶏胸肉をマヨネーズでもみ込んでから漬け込むことで、マヨネーズに含まれる酢が鶏胸肉のタンパク質に作用して、柔らかくなる効果があります。また、マヨネーズは水分と植物油が混ざったものですから、これを漬け込むことでコーティング効果も生まれ、パサパサ感を防げます。
砂糖は、鶏胸肉のタンパク質と水分を結びつけて、肉の組織の間にまで水分を浸透させてくれるはたらきがあります。あらかじめ鶏胸肉に砂糖をもみ込んでおくことで、柔らかな肉質になるでしょう。つまり、砂糖は、鶏胸肉にうるおいを与える化粧水的な存在なのです。
掃除で大活躍する重曹を料理に使うの!? と驚いた方もいるかもしれませんが、重曹の弱アルカリ性という特性を活かすことで、鶏胸肉が柔らかく仕上がります。
アルカリ性の液体は、鶏胸肉の筋繊維を緩める効果があり、その広がったすき間に水分を多く含ませてくれるはたらきがあります。少し独特な食感にはなりますが、驚きの柔らかさですよ。
酢豚にパイナップルを入れるのは、肉を柔らかくするためですよね。実は、舞茸も、パイナップルと同様に肉を柔らかくする効果があります。
その秘密は「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素を含んでいるからです。そのパワーは、茶碗蒸しに舞茸を入れると卵がかたまらなくなってしまうほど。ただ、味が強いので入れすぎには注意してくださいね。
鶏胸肉をヨーグルトに漬け込むと、肉質が酸性に傾いて、水分を保ちやすい状態に変化するので、しっとりとした食感になるでしょう。また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、肉を柔らかくする効果もあると言われています。
塩麹にも、「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素が多く含まれているので、鶏胸肉を柔らかくしてくれます。さらに、塩のはたらきで肉の水分を保つ効果もあるので、しっとりとした食感にもなります。
活用方法は漬けるだけなので、お手軽ですし、調味料の役割もあるので、そのまま焼いてもおいしいのはうれしいですね。
ブライン液とは、水、塩、砂糖を混ぜたもののことです。食塩は、鶏胸肉の表面をかためて、中から水分が逃げ出すのを防ぎます。さらに、砂糖は肉のタンパク質と水分を結びつけて水分を多く取り込むはたらきがあるので、Wの効果で鶏胸肉をしっとり柔らかく仕上げてくれます。
ブライン液は「魔法の水」なんて呼ばれていたりもしますよね。
鶏むね肉でも柔らかくてジューシーな唐揚げです。冷めてもおいしい味付けでお弁当にぴったり!
鶏胸肉 2枚
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
レモン(飾り用) お好みで
〈漬けだれ〉
しょうゆ 大さじ2
マヨネーズ 大さじ1
酒 大さじ1/2
砂糖 小さじ1
ニンニク(すりおろし) 2片分
ショウガ(すりおろし) 2片分
手順1:鶏むね肉は両面をフォークなどで数か所刺して繊維を断ち、食べやすい大きさに切る。
手順2:ポリ袋に<漬けだれ>の材料をすべて入れてよく混ぜる。
手順3:(2)に(1)を入れてよく揉みこみ、冷蔵庫で30分以上漬け込む。
手順4:(3)をポリ袋から出し、片栗粉を薄くまぶす。
手順5:170度の油で3分間揚げ、一度取り出して3分置く。
手順6:次に190度の油で3~4分、竹串を刺してスッと通り、こんがりと色付くまで揚げる。お好みでレモンを飾る。一度休ませるひと手間で、鶏むね肉でも柔らかくジューシーに仕上がります。
パサつきがちな鶏むね肉を少しの手間を加えて、しっとりと柔らかく仕上げます。前日から準備をしておくと便利です。
鶏むね肉(大) 2枚(500g)
砂糖 小さじ1
食塩 小さじ1
〈卵液〉
卵 2個
片栗粉 大さじ4
サラダ油 大さじ2
サニーレタス 適量
プチトマト 4個
〈玉ネギマヨソース〉
玉ネギ(みじん切り) 1/2個分
作り置き甘酢 大さじ1
マヨネーズ 大さじ3
〈作り置き甘酢の作り方〉
酢 300ml
砂糖 大さじ8
食塩 小さじ2
材料を全て小鍋に合わせ、一度煮立てて、砂糖が溶けたら火を止める。常温になるまで冷まし、保存瓶などに入れて冷蔵保存する。
鶏むね肉は皮を取って薄く削ぎ切りにし、砂糖、塩の順に揉み込み、30分ほど置く。<卵液>の材料をよく混ぜ合わせる。<玉ネギマヨソース>の材料をよく混ぜ合わせる。作り置き甘酢を作っておく。
手順1:鶏むね肉を<卵液>に加えて揉み込む。
手順2:フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、(1)を並べて両面にじっくり火を通す。
手順3:器にサニーレタスとプチトマト、(2)を盛り、<玉ネギマヨソース>を添える。
作り置き甘酢は、寿司酢で代用も可能です。
サクサクで柔らかい鶏むね肉の天ぷらです。ニンニクやショウガの香りが食欲をそそります。
鶏むね肉(大) 1枚
〈下味〉
塩麹 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
酒 小さじ1
ショウガ(すりおろし) 小さじ1/2
ニンニク(すりおろし) 小さじ1/2
天ぷら粉 大さじ2~3
〈衣〉
天ぷら粉 大さじ4
水 大さじ6~7
揚げ油 適量
手順1:鶏むね肉は包丁の先で全体を刺して、繊維に沿って幅2cmに切る。長さ6cmの削ぎ切りにする。<下味>の材料をからめて30分置く。
手順2:<衣>の材料を混ぜ合わせる。
手順3:鶏むね肉に天ぷら粉を薄くまぶして、<衣>をサッとくぐらせる。170℃の揚げ油で5分程揚げる。網に出して5分程置く。
手順4:揚げ油の温度を上げて、(3)を1分程揚げる(2度揚げ)。
スパイシーで食欲が進むタンドリーチキンをサンドで♪玉ネギとヨーグルトの効果で鶏むね肉もやわらかです。
鶏むね肉 1枚
〈調味料〉
プレーンヨーグルト 大さじ4
ニンニク(すりおろし) 1片分
ショウガ(すりおろし) 1片分
玉ネギ(すりおろし) 大さじ1
カレー粉 大さじ1
チリパウダー 少々
サンドイッチ用パン 4枚
レタス 1~2枚
トマト 1/2個
マヨネーズ 適量
レタスは食べやすい大きさにちぎり、トマトは薄切りにする。
手順1:鶏むね肉は厚みを均一にし、4等分の削ぎ切りにし、フォークで穴をあける。
手順2:ビニール袋に(1)と<調味料>の材料を加えてよくもみ込み30分置く。
手順3:(2)をオーブンシートを敷いた天板に並べ、230℃のオーブンで15分焼く。
手順4:サンドイッチ用パンでレタス、トマト、(3)、マヨネーズをはさみ、半分に切る。※ここではガスオーブンを使用しています。オーブンにより、温度や焼き時間には違いがあるので、ふだんからお家のオーブンの癖を知っておくことをおすすめします。
オイスターソースがご飯に合うしっとり柔らかな鶏むね肉料理です。かたくなりやすい鶏むね肉は、少し手間を加えることで柔らかく火が通ります。
鶏むね肉 1枚
〈下味〉
酒 大さじ1
塩 適量
片栗粉 適量
サラダ油 大さじ1.5
白ネギ 1本
ニラ 1/2本
〈調味量〉
酒 大さじ1
みりん 小さじ2
砂糖 小さじ2
しょうゆ 小さじ2
オイスターソース 小さじ2
ごま油 少々
鶏むね肉は厚さ1cmの削ぎ切りにし、めん棒で軽くたたいて薄くする。ひとくち大に切り、<下味>の材料を混ぜ合わせたボウルでからめる。白ネギは斜め薄切りにする。ニラは根元を切り落として長さ3cmに切る。<調味料>の材料を混ぜ合わせる。
手順1:鶏むね肉に片栗粉を薄くまぶし、サラダ油大さじ1を中火で熱したフライパンで両面に焼き色がついたら、いったん取り出す。
手順2:キッチンペーパーでフライパンの汚れを拭き取り、残りのサラダ油大さじ1/2を熱し、白ネギがしんなりするまで炒める。
手順3:鶏むね肉を戻し入れ、ニラと<調味料>を加えて炒め合わせ、器に盛る。
今回は、鶏胸肉を柔らかくする裏ワザを紹介しました。気になる方法はありましたか? 鶏胸肉を柔らかくする切り方や、柔らか効果のある食材を使用するだけではなく、いかに水分を残してしっとりさせるかが鶏胸肉をおいしく仕上げるポイントになるということがわかりましたね。使用する食材によって肉の質感が違ってきますので、お好みの仕上がりの方法を選んで下さい。
お財布に優しく、栄養価が高い鶏胸肉を、ちょっとしたひと手間でもっとおいしく食べましょう!
《参考》
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂) アミノ酸成分表編」
・公益社団法人 日本食肉消費総合センター「肉を煮る」
・キューピーマヨネーズ「マヨネーズをもみ込むだけでふんわりやわらかに!」
・農畜産業振興機構「砂糖のはたらきと料理」
・株式会社 明治「明治ブルガリヤヨーグルトの隠れ裏技」
・ハナマルキ「塩こうじで肉、魚がやわらかくなるワケ」
でも、加熱するとなんだかパサつくイメージがあって、鶏もも肉の方を選んでしまう人も多いのではないでしょうか。そんな脇役的存在の鶏胸肉を、これから紹介する方法で調理すると、しっとりとおいしくなり、主役として食卓を彩ること間違いなしですよ!
目次 [閉じる]
■パサパサしがちな鶏胸肉を柔らかくする方法はある?
・鶏胸肉はタンパク質が多い
鶏肉に含まれるタンパク質(可食部100gあたり)
・鶏胸肉(皮つき) 21.3g
・鶏もも肉(皮つき) 16.6g
・和牛肩ロース 13.8g
・豚もも肉 19.5g
鶏胸肉は、ほかの肉類に比べてもタンパク質が多く含まれていることがわかりますね。・鶏もも肉(皮つき) 16.6g
・和牛肩ロース 13.8g
・豚もも肉 19.5g
さらに、タンパク質の「質」を数値で示した「アミノ酸スコア」で、鶏肉は100というハイスコア。この数値が低いと、タンパク質を多く含んでいても、体には有効なはたらきをしてくれません。つまり、鶏胸肉はタンパク質の量だけではなく、質も高いので、かなり優秀な食材といえます。
・鶏胸肉は下準備が重要!
鶏胸肉は高タンパクで低脂質という特徴があり、ダイエット中の方には嬉しい食材でもありますよね。しかし、その一方で、脂肪分が少ないので鶏もも肉に比べるとかたく感じてしまいます。さらに、脂肪分が少ない分、水分を多く含むため、加熱によって水分が抜けてしまい、パサパサとした食感になってしまいます。
鶏胸肉をおいしく食べるためには、肉がかたくなるのを防ぎ、水分量をいかに保って調理するかがポイントになってきます。
・鶏胸肉は煮込み料理には不向き?
鶏胸肉は、煮込みのような長時間加熱をする料理だと、さらにかたくなってしまうのでは? と思う方もいるかもしれませんが、長時間煮込むことで肉の線維や筋が壊れ、柔らかい味わいを出すことも可能です。
また、煮込む前に表面を軽く焼くと、鶏胸肉の水分が流れ出るのを防げます。煮込んでいるときは水分が蒸発するので、煮汁が鶏胸肉に浸っている状態を保ち、表面が乾かないようにしましょう。
■鶏胸肉を柔らかくする方法
・鶏胸肉を漬け込む
鶏胸肉を柔らかくするためには、ちょっとしたひと手間が重要になってきます。加熱による水分減少を抑え、多く含まれる筋繊維を分解してくれる食材や調味料と一緒に漬け込んでおく、というのが王道ですね。特に、唐揚げのように高温で調理する場合、水分が抜けやすくパサつきやすいので、特に効果的です。
・繊維を断ち切る
鶏胸肉には、真ん中から葉っぱのように、放射線状に多くの筋繊維が隠れています。この筋繊維が加熱によってタンパク質を変性させ、肉をかたくする原因となっています。
そのため、鶏胸肉は切り方に気をつける必要があります。鶏胸肉の真ん中を縦半分に切り、厚みのある方は横方向にそぎ切りにします。もう半分は縦方向に切っていくと、筋繊維を断ち切ることができるのでかたくなりすぎるのが軽減できますよ。さらに、フォークで鶏胸肉の全体を刺しておくと、筋繊維を断裂して焼き縮みによってかたくなるのを防げます。
・片栗粉をまぶす
鶏胸肉に片栗粉をまぶしてから調理すると、表面がコーティングされて肉汁が流れ出るのを抑えられます。結果、水分量がキープされ、しっとり感が残るでしょう。
また、片栗粉をまぶしてから茹でると、ぷるんとした食感も楽しめるので、お吸い物や鍋料理で使用すると、上品な仕上がりになります。
■鶏胸肉を柔らかくする漬け込み食材
・マヨネーズ
鶏胸肉をマヨネーズでもみ込んでから漬け込むことで、マヨネーズに含まれる酢が鶏胸肉のタンパク質に作用して、柔らかくなる効果があります。また、マヨネーズは水分と植物油が混ざったものですから、これを漬け込むことでコーティング効果も生まれ、パサパサ感を防げます。
・鶏胸肉 1枚
・マヨネーズ 大さじ3
鶏胸肉は食べやすい大きさに切っておき、マヨネーズをもみ込んでおきます。
30分以上漬け込むと効果がありますが、時間が長いほど効果もUPするので、一晩くらい寝かせるのがオススメです。
★オススメ調理★ 唐揚げ/ピカタ
・マヨネーズ 大さじ3
鶏胸肉は食べやすい大きさに切っておき、マヨネーズをもみ込んでおきます。
30分以上漬け込むと効果がありますが、時間が長いほど効果もUPするので、一晩くらい寝かせるのがオススメです。
★オススメ調理★ 唐揚げ/ピカタ
・砂糖
砂糖は、鶏胸肉のタンパク質と水分を結びつけて、肉の組織の間にまで水分を浸透させてくれるはたらきがあります。あらかじめ鶏胸肉に砂糖をもみ込んでおくことで、柔らかな肉質になるでしょう。つまり、砂糖は、鶏胸肉にうるおいを与える化粧水的な存在なのです。
・鶏胸肉1枚
・砂糖 小さじ2
・水 大さじ2
食べやすい大きさに切った鶏胸肉を、砂糖を溶かした水に30分以上漬け込んでから調理します。砂糖の甘みはほぼ残りません。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/鍋料理
・砂糖 小さじ2
・水 大さじ2
食べやすい大きさに切った鶏胸肉を、砂糖を溶かした水に30分以上漬け込んでから調理します。砂糖の甘みはほぼ残りません。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/鍋料理
・重曹
掃除で大活躍する重曹を料理に使うの!? と驚いた方もいるかもしれませんが、重曹の弱アルカリ性という特性を活かすことで、鶏胸肉が柔らかく仕上がります。
アルカリ性の液体は、鶏胸肉の筋繊維を緩める効果があり、その広がったすき間に水分を多く含ませてくれるはたらきがあります。少し独特な食感にはなりますが、驚きの柔らかさですよ。
・鶏胸肉 1枚
・重曹 小さじ1/3
・水 1カップ
重曹を溶かした水に、鶏胸肉を一晩漬け、調理の前に食べやすい大きさに切ってから調理します。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/唐揚げ/チキンナゲット
※注意:重曹は料理用のものを選んで下さい。・重曹 小さじ1/3
・水 1カップ
重曹を溶かした水に、鶏胸肉を一晩漬け、調理の前に食べやすい大きさに切ってから調理します。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/唐揚げ/チキンナゲット
・舞茸
酢豚にパイナップルを入れるのは、肉を柔らかくするためですよね。実は、舞茸も、パイナップルと同様に肉を柔らかくする効果があります。
その秘密は「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素を含んでいるからです。そのパワーは、茶碗蒸しに舞茸を入れると卵がかたまらなくなってしまうほど。ただ、味が強いので入れすぎには注意してくださいね。
・鶏胸肉 1枚
・舞茸 20g
・砂糖 小さじ1
・食塩 小さじ1/4
舞茸はみじん切りにして、砂糖と塩を袋に入れましょう。食べやすい大きさに切った鶏胸肉を袋に入れてよくもみ込んで、一晩置いておきます。舞茸は、ソースの調理に使うなど、そのまま使用できます。
★オススメ調理★ チキンソテー/炊き込みごはん
・舞茸 20g
・砂糖 小さじ1
・食塩 小さじ1/4
舞茸はみじん切りにして、砂糖と塩を袋に入れましょう。食べやすい大きさに切った鶏胸肉を袋に入れてよくもみ込んで、一晩置いておきます。舞茸は、ソースの調理に使うなど、そのまま使用できます。
★オススメ調理★ チキンソテー/炊き込みごはん
・ヨーグルト
鶏胸肉をヨーグルトに漬け込むと、肉質が酸性に傾いて、水分を保ちやすい状態に変化するので、しっとりとした食感になるでしょう。また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、肉を柔らかくする効果もあると言われています。
・鶏胸肉 1枚
・ヨーグルト 大さじ3
鶏胸肉は食べやすい大きさに切っておき、ヨーグルトをよくもみ込んで一晩置いておきます。ヨーグルトの酸味や味などは、加熱すると気にならなくなるはずです。
★オススメ調理法★ タンドリーチキン/カレー
・ヨーグルト 大さじ3
鶏胸肉は食べやすい大きさに切っておき、ヨーグルトをよくもみ込んで一晩置いておきます。ヨーグルトの酸味や味などは、加熱すると気にならなくなるはずです。
★オススメ調理法★ タンドリーチキン/カレー
・塩麹
塩麹にも、「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素が多く含まれているので、鶏胸肉を柔らかくしてくれます。さらに、塩のはたらきで肉の水分を保つ効果もあるので、しっとりとした食感にもなります。
活用方法は漬けるだけなので、お手軽ですし、調味料の役割もあるので、そのまま焼いてもおいしいのはうれしいですね。
・鶏胸肉 1枚
・塩麹 大さじ2
鶏胸肉は食べやすい大きさに切ったら、塩麹をもみ込んで30分程度漬け込んでおきます。塩麹は、短時間で肉が柔らかくなるのが特徴です。
★オススメ調理★ そのまま焼く/唐揚げ/天ぷら
・塩麹 大さじ2
鶏胸肉は食べやすい大きさに切ったら、塩麹をもみ込んで30分程度漬け込んでおきます。塩麹は、短時間で肉が柔らかくなるのが特徴です。
★オススメ調理★ そのまま焼く/唐揚げ/天ぷら
・ブライン液
ブライン液とは、水、塩、砂糖を混ぜたもののことです。食塩は、鶏胸肉の表面をかためて、中から水分が逃げ出すのを防ぎます。さらに、砂糖は肉のタンパク質と水分を結びつけて水分を多く取り込むはたらきがあるので、Wの効果で鶏胸肉をしっとり柔らかく仕上げてくれます。
ブライン液は「魔法の水」なんて呼ばれていたりもしますよね。
・鶏胸肉 1枚
・水 100cc
・食塩 5g
・砂糖 5g
水に食塩と砂糖を溶かしたら、鶏胸肉1枚と一緒に入れて一晩置いておきます。
注意:塩分濃度は5%以上にすると、浸透圧の作用で鶏胸肉の水分が逃げてしまいます。入れすぎないようにしましょう。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/唐揚げ/チキンソテー
・水 100cc
・食塩 5g
・砂糖 5g
水に食塩と砂糖を溶かしたら、鶏胸肉1枚と一緒に入れて一晩置いておきます。
注意:塩分濃度は5%以上にすると、浸透圧の作用で鶏胸肉の水分が逃げてしまいます。入れすぎないようにしましょう。
★オススメ調理★ 蒸し鶏/唐揚げ/チキンソテー
■鶏胸肉が柔らかいおすすめレシピ5選
鶏むね肉の柔らか唐揚げ
鶏むね肉でも柔らかくてジューシーな唐揚げです。冷めてもおいしい味付けでお弁当にぴったり!
材料(4人分)
鶏胸肉 2枚
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
レモン(飾り用) お好みで
〈漬けだれ〉
しょうゆ 大さじ2
マヨネーズ 大さじ1
酒 大さじ1/2
砂糖 小さじ1
ニンニク(すりおろし) 2片分
ショウガ(すりおろし) 2片分
作り方
手順1:鶏むね肉は両面をフォークなどで数か所刺して繊維を断ち、食べやすい大きさに切る。
手順2:ポリ袋に<漬けだれ>の材料をすべて入れてよく混ぜる。
手順3:(2)に(1)を入れてよく揉みこみ、冷蔵庫で30分以上漬け込む。
手順4:(3)をポリ袋から出し、片栗粉を薄くまぶす。
手順5:170度の油で3分間揚げ、一度取り出して3分置く。
手順6:次に190度の油で3~4分、竹串を刺してスッと通り、こんがりと色付くまで揚げる。お好みでレモンを飾る。
・鶏むね肉のピカタ
パサつきがちな鶏むね肉を少しの手間を加えて、しっとりと柔らかく仕上げます。前日から準備をしておくと便利です。
材料(2人分)
鶏むね肉(大) 2枚(500g)
砂糖 小さじ1
食塩 小さじ1
〈卵液〉
卵 2個
片栗粉 大さじ4
サラダ油 大さじ2
サニーレタス 適量
プチトマト 4個
〈玉ネギマヨソース〉
玉ネギ(みじん切り) 1/2個分
作り置き甘酢 大さじ1
マヨネーズ 大さじ3
〈作り置き甘酢の作り方〉
酢 300ml
砂糖 大さじ8
食塩 小さじ2
材料を全て小鍋に合わせ、一度煮立てて、砂糖が溶けたら火を止める。常温になるまで冷まし、保存瓶などに入れて冷蔵保存する。
下準備
鶏むね肉は皮を取って薄く削ぎ切りにし、砂糖、塩の順に揉み込み、30分ほど置く。<卵液>の材料をよく混ぜ合わせる。<玉ネギマヨソース>の材料をよく混ぜ合わせる。作り置き甘酢を作っておく。
作り方
手順1:鶏むね肉を<卵液>に加えて揉み込む。
手順2:フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、(1)を並べて両面にじっくり火を通す。
手順3:器にサニーレタスとプチトマト、(2)を盛り、<玉ネギマヨソース>を添える。
・とり天
サクサクで柔らかい鶏むね肉の天ぷらです。ニンニクやショウガの香りが食欲をそそります。
材料(2人分)
鶏むね肉(大) 1枚
〈下味〉
塩麹 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
酒 小さじ1
ショウガ(すりおろし) 小さじ1/2
ニンニク(すりおろし) 小さじ1/2
天ぷら粉 大さじ2~3
〈衣〉
天ぷら粉 大さじ4
水 大さじ6~7
揚げ油 適量
作り方
手順1:鶏むね肉は包丁の先で全体を刺して、繊維に沿って幅2cmに切る。長さ6cmの削ぎ切りにする。<下味>の材料をからめて30分置く。
手順2:<衣>の材料を混ぜ合わせる。
手順3:鶏むね肉に天ぷら粉を薄くまぶして、<衣>をサッとくぐらせる。170℃の揚げ油で5分程揚げる。網に出して5分程置く。
手順4:揚げ油の温度を上げて、(3)を1分程揚げる(2度揚げ)。
・タンドリーチキンサンド
スパイシーで食欲が進むタンドリーチキンをサンドで♪玉ネギとヨーグルトの効果で鶏むね肉もやわらかです。
材料(2人分)
鶏むね肉 1枚
〈調味料〉
プレーンヨーグルト 大さじ4
ニンニク(すりおろし) 1片分
ショウガ(すりおろし) 1片分
玉ネギ(すりおろし) 大さじ1
カレー粉 大さじ1
チリパウダー 少々
サンドイッチ用パン 4枚
レタス 1~2枚
トマト 1/2個
マヨネーズ 適量
下準備
レタスは食べやすい大きさにちぎり、トマトは薄切りにする。
作り方
手順1:鶏むね肉は厚みを均一にし、4等分の削ぎ切りにし、フォークで穴をあける。
手順2:ビニール袋に(1)と<調味料>の材料を加えてよくもみ込み30分置く。
手順3:(2)をオーブンシートを敷いた天板に並べ、230℃のオーブンで15分焼く。
手順4:サンドイッチ用パンでレタス、トマト、(3)、マヨネーズをはさみ、半分に切る。
・鶏むね肉のオイスター炒め
オイスターソースがご飯に合うしっとり柔らかな鶏むね肉料理です。かたくなりやすい鶏むね肉は、少し手間を加えることで柔らかく火が通ります。
材料(2人分)
鶏むね肉 1枚
〈下味〉
酒 大さじ1
塩 適量
片栗粉 適量
サラダ油 大さじ1.5
白ネギ 1本
ニラ 1/2本
〈調味量〉
酒 大さじ1
みりん 小さじ2
砂糖 小さじ2
しょうゆ 小さじ2
オイスターソース 小さじ2
ごま油 少々
下準備
鶏むね肉は厚さ1cmの削ぎ切りにし、めん棒で軽くたたいて薄くする。ひとくち大に切り、<下味>の材料を混ぜ合わせたボウルでからめる。白ネギは斜め薄切りにする。ニラは根元を切り落として長さ3cmに切る。<調味料>の材料を混ぜ合わせる。
作り方
手順1:鶏むね肉に片栗粉を薄くまぶし、サラダ油大さじ1を中火で熱したフライパンで両面に焼き色がついたら、いったん取り出す。
手順2:キッチンペーパーでフライパンの汚れを拭き取り、残りのサラダ油大さじ1/2を熱し、白ネギがしんなりするまで炒める。
手順3:鶏むね肉を戻し入れ、ニラと<調味料>を加えて炒め合わせ、器に盛る。
■鶏胸肉をおいしく柔らかくするコツをつかんで、もっと食卓に登場させる回数を増やそう!
今回は、鶏胸肉を柔らかくする裏ワザを紹介しました。気になる方法はありましたか? 鶏胸肉を柔らかくする切り方や、柔らか効果のある食材を使用するだけではなく、いかに水分を残してしっとりさせるかが鶏胸肉をおいしく仕上げるポイントになるということがわかりましたね。使用する食材によって肉の質感が違ってきますので、お好みの仕上がりの方法を選んで下さい。
お財布に優しく、栄養価が高い鶏胸肉を、ちょっとしたひと手間でもっとおいしく食べましょう!
《参考》
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂) アミノ酸成分表編」
・公益社団法人 日本食肉消費総合センター「肉を煮る」
・キューピーマヨネーズ「マヨネーズをもみ込むだけでふんわりやわらかに!」
・農畜産業振興機構「砂糖のはたらきと料理」
・株式会社 明治「明治ブルガリヤヨーグルトの隠れ裏技」
・ハナマルキ「塩こうじで肉、魚がやわらかくなるワケ」
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