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料理人人生62年、【赤坂璃宮】譚 彦彬シェフが辿り着いた広東料理の真髄とは

日本の食材を使ったり、組み合わせる食材や調味料は独自で編み出したものだけれど、基本の調理技法は頑なに守る。それが譚流なのです。

「大きな鍋で一気に香りをたたせて炒めたり、蒸しあげたり、乾貨を伝統的な手法で戻して味を出したりという独自の技法があります。味の要となるスープなども本場同様に手間をかけてつくります。そうした広東料理の基本は崩しません」

ここで少し、広東料理の調理技術の幅広さをご紹介しましょう。

まず、はずせないのが「炒(チャオ)」。読んで字のごとく炒め物ですが、炒を制すれば一人前。そう言われるほど、最も重きを置かれる技術です。しかも、この「炒」も一筋縄ではいかないのです。「油泡」「清炒」「炒」「煎」「爆」など、炎の扱い方、炒め方が違う技術が多数存在。一瞬の火の入り具合の見極め方を会得するのはなかなか難しいといいます。

『広東名菜 赤坂璃宮 譚彦彬の味』より。ハタの炒め物は「油泡」で

「油泡」は、副菜などは加えず主となる食材のみ優しく炒める手法。「清炒」は野菜や魚介などをシンプルに塩で炒めること。さらに「煎」は、少量の油で食材の両面を炒り焼きにすることを言い、太刀魚などの魚、牛肉など厚みのある食材を焼く際に用いることが多い技法です。
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