ハンバーグのつなぎは必須?つなぎの役割とおすすめレシピをご紹介
2021年6月12日 00:00みなさんが普段ハンバーグを作るときに使用するつなぎには、実はさまざまな役割があることをご存知でしょうか。
今回の記事ではそんなハンバーグのつなぎの役割を深堀りしていきます!つなぎの中には目から鱗な食材もあるかもしれません。普段のハンバーグがさらにおいしくなるおすすめレシピもご紹介します。
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■ハンバーグにつなぎが必要な理由とは?
・つなぎは食材をまとめる接着剤
ハンバーグのレシピには必ずといっていいほどつなぎが登場しますよね。ハンバーグのつなぎとはパン粉や卵、塩などに該当する食材ですので、普段作るときはあまり意識しない方も多いのではないでしょうか? 実はつなぎには意外と知られていない役割がたくさんあるのです。
ハンバーグを俵型や丸型などにととのえてキレイに仕上げるためには、食材をひとつにまとめるさまざまなつなぎが必要になってきます。つなぎに含まれる成分がひき肉に練り込まれることにより、タネがポロポロと崩れずふんわりキレイに仕上げる役割をしています。また、つなぎはうまみを保持してくれるため、肉汁がジュワ〜と溢れるハンバーグの作用をもたらす接着剤でもあるのです。
・つなぎは仕上がりに欠かせない?
ハンバーグを焼いたときにひび割れの経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はハンバーグの仕上がりにもつなぎが大きく関わっています。
お肉のたんぱく質は生の状態では強い粘着力を持つので、よく練ることが仕上がりをよくするためにも大事です。つなぎはたんぱく質と反応して味をとじこめてくれます。つなぎをこねるときには、手の熱で肉汁が逃げやすくなり脂が溶けてしまうので、こねるときに氷水にあてながら素早く練るなども良いでしょう。
また、こねたあとでも成型したタネを冷蔵庫に1時間ほど寝かすと結着力が強化されますよ。
・ハンバーグはつなぎなしでも作れる?
つなぎなし、お肉100%でハンバーグを作ることも可能です。つなぎによってふんわりと仕上がるのに対して、しっかりとお肉の味を味わいたい場合はおすすめです。つなぎが出すコクやうまみやなめらかさがなくなりますが、お肉本来の肉々しさを感じることができます。
お肉のおすすめ比率は牛肉:豚肉=8:2。牛肉だけだとどうしても粘着性が足りないため、豚肉と塩0.8%〜1%(全体で200gのお肉であれば2g)が必要です。
ミンチからこだわりたい! という方は、牛肉はバラや肩ロース、豚肉はこま切れやももを選ぶと良いでしょう。さまざまな部位で試してみるのも、味や食感に違いが出て楽しいですね。
■主なハンバーグのつなぎと役割
・パン粉
©︎https://www.photo-ac.com/
パン粉には、素材の余分な水分を吸着する性質があります。乾燥したパン粉を牛乳に浸すのはその性質があるためです。
水分を含んだパン粉がお肉に練りこまれることにより、うまみが外に逃げにくくなり、ふっくらとしたハンバーグができあがります。パン粉は分量を間違えてしまうと粉っぽくポソポソした仕上がりになってしまうため、お肉の10%程度の量がおすすめです。(ひき肉200gであれば20gです)
また、加熱するとお肉は縮んでしまいます。パン粉があることにより、形をととえて縮みを防ぐことができます。パン粉がないときは、食パンなどを細かくちぎって牛乳に浸して代用することもできますよ。
・牛乳
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つなぎに多い組み合わせは、パン粉と牛乳のセットではないでしょうか。実はどちらも単体でつかうことはありません。牛乳はお肉の臭みをおさえ、お肉の食感をやわらかくする作用があります。牛乳でパン粉を湿らせることで、肉汁が吸収されやすい状態になります。牛乳にパン粉を浸さないと脂が吸収されるため、少しおもたい仕上がりになります。
おすすめの分量は、牛乳:パン粉=3:2。この分量で浸すと、タネがまとまりやすくなりますよ。
・卵
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卵は、成型するときに重要な役割があるつなぎです。卵白部分の効果で生地をなめらかにし、口当たりよくまろやかに仕上げる役割があります。卵黄部分は濃厚なコクを引き出してくれます。
卵を使用することで、加熱したときにたんぱく質の凝固作用がはたらき、肉組織がまとまるため、練り込むようにしてこねるといいですよ。
・塩
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肉に塩を入れてよくこねるとたんぱく質が分解され、粘性が出て保水性が向上します。この作業が、タネを崩れにくく素材をまとめる役割をはたしています。
塩を入れずにこねてもまとまらないため、ほかのつなぎを加える前にしっかり塩とひき肉をこねることが重要です。塩は味付けの役割もありますが、ハンバーグの初めの工程で重要な手順なのです。
・豆腐やおから
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昨今、豆腐ハンバーグやおからハンバーグは健康意識が高まる中で人気ですよね。豆腐やおからは良質なたんぱく質が豊富であり、健康維持にはかかせない食材です。お肉に対して半分の量を混ぜて焼くとかさ増しにもなり、ヘルシーなハンバーグを楽しむことができますよ。豆腐で作るときは水切りをしっかり行うことで、生地が程よいやわらかさになります。
木綿と絹はどちらが良いの? と悩む部分ではありますが、どちらの豆腐でも作ることは可能です。栄養面が気になるときは、木綿豆腐をおすすめします。凝縮されているたんぱく質や鉄分がより豊富です。高野豆腐などで作るときは、水で戻す前の硬い状態ですり下ろしてお肉と混ぜ合わせるとよいでしょう。
おからは食物繊維で構成されており、腸内改善も期待できる万能食材です。生おからであればそのまま練りこむことができます。乾燥おから、おからパウダーであれば水分を加えてから使いましょう。
・片栗粉
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とろみをつけたり、カリカリな揚げ物の衣をつくるときに使用する片栗粉も、ハンバーグのつなぎとしても有能です。食材がバラバラになることを防ぎ、まとめる役割があります。お肉のパサつきを軽減する作用もあり、口当たりがやわらかく仕上がります。
また、成型したタネに片栗粉をまぶすと、肉汁を閉じ込めて、焼き上がりを焦げにくくしてくれます。まぶす際は茶こしなどに片栗粉を入れると、均一にまぶすことができますよ。
・ご飯
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ハンバーグとセットで食べるご飯ではなく、材料として考えてみましょう。実は、ご飯はつなぎにもなるんです。驚きですよね! ご飯はでんぷん質を含んでいるので、食材をまとめる役割があります。ご飯をつぶして軽くペースト状にすると、粒々感が減って口当たりもよくなりおすすめです。
ただ、つなぎのご飯には少し弱点があり、ご飯のでんぷんの特性上、冷めてしまうとでんぷんが老化し、食感にパサパサ感が出てしまいます。作り置きやお弁当には不向きと言えます。
あたたかいうちに食べることができるときはご飯をつなぎにしてみると、たちまちリピートしてしまうハンバーグに出会えるかもしれませんね。
・お麩
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お麩はお吸い物などに入っているイメージが強いですが、ハンバーグのつなぎとしても使用することができます。植物性たんぱく質が豊富であり、低カロリーでヘルシー食材。実はパン粉に比べて保水性が高く、満腹感を得やすいのでハンバーグのカロリーが気になる方におすすめです。
お麩は、お肉に対して多めに入れても、風味があまり変わらないので嬉しいですよね。お麩に含まれているグルテンが生地の食感をもっちりとさせ、ふっくらと仕上げてくれます。
・オートミール
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オートミールは聞いたことはあるけれど、口にしたことはないという方も多いのではないでしょうか。オートミールはオーツ麦を食べやすく加工したシリアル食品です。植物性たんぱく質、カルシウムや鉄分が豊富であり、食物繊維は精白米の20倍、玄米の3.5倍もの量が含まれています。
ハンバーグのつなぎの役割としても保水性が高く、肉汁を閉じ込めジューシーに味を香ばしくしてくれます。仕上がりもふっくらとできあがるはたらきをしてくれます。日本でも少しずつひろがっているオートミールを、この機会にぜひ、ハンバーグのつなぎにして楽しんでみてください!
・クラッカー
おつまみやパーティー料理で見かけることが多いクラッカーの主原料は、小麦粉です。砕いて牛乳と合わせて練りこむことで余分な水分を吸着し、つなぎの役割を果たしてくれます。クラッカーには塩分が含まれているので、うまみを増加させる作用もあります。
クラッカーの種類によっては甘みがあったり、ごまやチーズを含んだものがありますよね! ハンバーグのつなぎとして使用することで素材の風味がプラスされる特徴もあります。つなぎに試してみたいクラッカーを見つけたらぜひ作ってみてくださいね。
■おすすめハンバーグレシピ4選
・基本のハンバーグ
基本をおさえたジューシーでごはんがすすむ定番ハンバーグのレシピです。
材料(2人分)
合いびき肉250g
塩少々
玉ネギ1/2個
塩コショウ少々
バター10g
パン粉大さじ4
牛乳大さじ2
粗びき黒コショウ少々
ナツメグ少々
サラダ油適量
<ソース>
赤ワイン大さじ2
ケチャップ大さじ2
ウスターソース大さじ1
しょうゆ小さじ1
砂糖小さじ1
パセリ(飾り)適量
下準備
- 玉ネギは粗みじん切りにする。
- フライパンにバターを入れて中火で熱し、玉ネギを入れて炒める。
- 透き通ったら塩コショウをし、バットに取り出して冷ます。
- パン粉に牛乳を入れてふやかしておく。
作り方
手順1:ボウルに合いびき肉と塩を入れ、粘りがでるまでしっかり練る。パン粉、粗びき黒コショウ、ナツメグを加え、さらに練る。
手順2:玉ネギを加えて混ぜ合わせたら、2等分にし、キャッチボールをする要領で空気を抜きながら、俵型にする。
手順3:フライパンにサラダ油を中火で熱し、ハンバーグを入れて7分程焼く。ひっくり返して、さらに5分程弱火で蓋をして焼き、器に盛る。
手順4:同じフライパンに赤ワインを入れて中火で加熱する。残りの<ソース>の材料を入れ、混ぜながらトロミがつくまで弱火で煮詰め、ハンバーグにかけ、パセリを添える。
・豆腐入りハンバーグ
木綿豆腐を使用したヘルシーハンバーグです。かさましにもなり、満腹感をしっかり感じるレシピをご紹介します。
材料(4人分)
<ハンバーグ種>
木綿豆腐1丁
合いびき肉200g
玉ネギ1個
ネギ(刻み)大さじ4
パン粉大さじ6~8
小麦粉大さじ1
塩コショウ少々
卵黄1個分
酒大さじ1.5
<照り焼きタレ>
酒大さじ2
みりん大さじ3
砂糖大さじ3
しょうゆ大さじ4
ショウガ(おろし)1片分
ワカメ(ゆで生)60g
白ネギ1/4本
ミツバ1/4束
サラダ油適量
下準備
- 木綿豆腐は布巾で包んで、水気を絞る。
- 玉ネギはみじん切りにしてサラダ油でしんなりするまで炒め、塩コショウをして冷ましておく。
- ワカメは水洗いして水気を絞り、食べやすい長さに切る。
- 白ネギは白髪ネギにする。
- ミツバは根元を切り落とし、水洗いして長さ3cmに切って白髪ネギと混ぜ合わせる。
作り方
手順1:ボウルに<ハンバーグ種>の材料を入れて混ぜ合わせ、4~8等分にする。手にサラダ油を薄くつけ、右手から左手へ、左手から右手へとキャッチボールをするように空気抜きをして、小判型に形を整える。
手順2:フライパンにサラダ油を中火で熱し、ハンバーグを並べ入れる。両面に焼き色がついたら、少し火を弱めて酒を加え、蓋をして5~6分蒸し焼きにする。ハンバーグの中央に竹串を刺し、澄んだ汁が出ればOK!(濁った赤い汁ならまだ焼けていないので、もう一度蓋をして焼く)
手順3:<照り焼きタレ>を作る。小鍋に<照り焼きタレの>材料を入れて強火で煮立て、少しトロミがついたら火を止める。
手順4:器にワカメと(2)のハンバーグを盛り合わせ、(3)の<照り焼きタレ>をかけ、合わせた白髪ネギをふんわりのせる。
・ふんわりお麩ハンバーグ
お麩をつなぎにしてもっちり、ふんわりとした仕上がりになります。お麩は少し多めに入れても風味が変わらないのでおすすめです。
材料(2人分)
麩10~15個
豆乳(または牛乳)80ml
玉ネギ(みじん切り)1/2個分
合いびき肉150g
卵1/2個
塩小さじ1/2
コショウ少々
オリーブ油大さじ1/2
酒大さじ2
<ソース>
ケチャップ大さじ1
ウスターソース大さじ1
ドライパセリ少々
<付け合わせ>
レタス適量
プチトマト適量料
下準備
- ボウルに麩、豆乳を入れて、約5分おいてもどす。
- フライパンに分量外のサラダ油少々を熱し、玉ネギを透き通るまで炒める。
- 取り出してバットに広げ、冷ます。
作り方
手順1:別のボウルに合いびき肉、溶いた卵、塩、コショウを入れて、粘りが出るまでよく練り混ぜる。
手順2:玉ネギ、もどした麩を潰しながら加えてさらに混ぜる。2等分して小判形に整える。少し中央をくぼませておく。
手順3:フライパンにオリーブ油を熱し、(2)を並べて焼く。焼き色がついたら上下を返す。酒を加えて蓋をし、弱火で約10分蒸し焼きにする。
手順4:蓋を外してハンバーグを取り出し、皿に盛る。そのままフライパンに<ソース>の材料を加え、混ざったら火を止め、ハンバーグにかける。
手順5:ハンバーグにドライパセリを散らし、付け合わせの野菜を添える。
・おからハンバーグ
栄養も健康も気になるときはおからが大活躍してくれます。おからならではの食感や風味を楽しんでください!
材料(1人分)
<タネ>
おから170g
鶏ひき肉180g
玉ネギ(みじん切り)1/2個分
パン粉大さじ3
卵1個
塩コショウ少々
<味付け>
酒大さじ1~2
大根おろし1/2カップ
大葉2~3枚
ポン酢しょうゆ適量
サラダ油適量
下準備
- 玉ネギはサラダ油(小さじ1)を熱したフライパンで炒め、しんなりしたらバット等に取り出して冷ます。
- 大根おろしはザルに上げ、軽く汁気をきる。大葉は軸を切り落とし、せん切りにする。
作り方
手順1:ボウルに<タネ>の材料を入れ、手でしっかり練る。
手順2:手にサラダ油をぬって(1)を4等分し、1個ずつキャッチボールをする要領で空気を抜き、平らな丸型に形を整える。
手順3:フライパンにサラダ油(小さじ2)を強火で熱し、(2)を両面色よく焼く。酒をかけ、フライパンに蓋をして弱火にし、蒸し焼き状態で5~6分中まで火を通す。
手順4:器に盛って大根おろしと大葉をのせ、ポン酢しょうゆをかける。
■ハンバーグはつなぎによって何倍も楽しむことができる
©︎https://unsplash.com/
お気づきの方もいるのではないでしょうか。ハンバーグのつなぎには無限の可能性が秘められていたのです。ハンバーグのつなぎは組み合わせや種類によって風味や食感が変わります。つなぎの役割を知ると違ったハンバーグを楽しむことができますよね。
つなぎの分量を調節すると新しいハンバーグの発見ができるかもしれませんね。つなぎの知識を活かしてこだわりのおいしいハンバーグを作ってみてください!
《出典》
『調理のためのベーシックデータ第4版』 (女子栄養大学出版部) 松本仲子監修 P147 P168より
『見てわかる!栄養の図解事典』(PHP研究所) P158より
《参考》
・日本家庭科教育学会誌「ハンバーグステーキに関する研究」
・日本調理科学会誌「鶏卵,パン粉および牛乳を使用しないハンバーグの検討」
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