フライパンは素材によって洗い方が違う!正しい手入れで長持ちさせよう
2020年9月2日 11:00©️https://www.photo-ac.com/
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■フライパンにつく焦げの原因
食材が過熱されすぎてフライパンに引っついてしまうのが、焦げの原因。引っついてしまう主な原因をまとめてみました。・調理するときの油が少ない
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油は、フライパンと食材の間をつなぐ潤滑剤。また、やさしく食材全体を熱する役割を担っています。これが少ないと食材の一部分だけ高熱になり、引っついたり焦げついたりすることも。外側は焼けているのに、中は半生…ということが起こらないように、適量の油を用意するようにしましょう。フライパンの大きさや素材にもよりますが、基本は小さじ1/2~大さじ1ぐらい必要です。
・余熱温度が低く、油がなじんでいない
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フライパンと油をなじませるためには、食材を入れる前にフライパンを予熱で温める必要があります。これがたりないと、油がフライパンになじむ前に食材を入れることになるので、直接フライパンに食材が引っつき焦げやすい原因に。フライパンをしっかり熱して、油が薄く全体にまわるようにしましょう。
・調理するときの温度が高い
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フライパンの素材によって、熱伝導率(フライパンの熱が食材に伝わる速度のようなもの)が違います。加熱されすぎると食材は焦げてしまうので、調理に合わせてちょうどよい熱量を作る必要が。フライパンの素材に合わせて火力を調整して、一定の熱量にするようにこころがけましょう。
・ゴシゴシ洗いすぎ
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フライパンの中には、焦げ付き防止のために表面に加工をしているものがたくさんあります。特にコーティングされたフライパンを固いスポンジで洗いすぎると、表面に傷がつくことになり加工がはがれやすくなってしまうことが。素材にあわせて、洗い方を変える必要があるので、気を付けましょう。
また、洗う道具も重要。ささらやスチールウールのような硬いものもありますし、鍋用のブラシ、スポンジなどもあります。特にスポンジは硬い面と柔らかい面を使い分けてください。適した道具をそろえるようにしましょう。
■素材別!フライパンの特徴・洗い方【鉄製・スキレット】
フライパンといえば、鉄にこだわる!という人が多いほど、本格派の鉄のフライパン。最近ではキャンプやオーブン料理にも使える小さなプライパン「スキレット」も人気です。・メリット・デメリット
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鉄のメリットは、なんといっても長持ちすること。耐用年数が長く、油になじめばなじむほど焦げにくくなる性質があるのです。まるで「育てる」ように、使い続けるマニアが多いのは、この寿命の長さのためでしょう。自分に使いやすいようにカスタマイズするような楽しさもあります。
デメリットは、重さ。フライパンを振りたい人には、かなり腕の力が必要です。また、最初にしっかり「油ならし」をする必要があり、なじむまで面倒くさいと思う人もいるようです。
・購入したら油ならしをする
鉄のフライパンは、焦げ付かないように、鍋中の表面に油の膜がはりやすいようにする必要があります。実は、鉄のフライパンには目に見えない小さな穴があいていて、その穴を油で防ぎ幕をはる必要があるのです。使い続けたフライパンだと油を入れるとすぐ全体に回るのですが、新品のものは、なかなか油が全体に均一にまわりません。
そのため使用する前に、古い油(揚げ物をした残り油など)と野菜くず(余った食材でもOK)などを使って、最初に油の膜を作る必要があります。これが「油ならし」です。多めの油(大さじ2杯ほど)と野菜くずを中火で気長に炒めて、しっかりフライパン全体に油の膜をはるようになじませてください。2,3回繰り返し行えば、しっかりなじんできます。
・食器用洗剤はNG
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鉄のフライパンは、油の膜が焦げ付きを防止します。そのため、油の落としすぎは厳禁。つまり食器用洗剤は使わず、お水かお湯で洗うようにしましょう。焦げ付きができたときは、ナイロンたわしや、ささら(竹製のブラシ)で汚れを落とすようにしてください。鉄は、加えられる力には強い素材なので、固い毛の道具でこすっても平気。むしろ柔らかいスポンジなどでは、加える力がよわくなり、汚れ落ちがしっかりできないこともあります。
・最後に油をひく
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鉄は、水分が残っているとサビてしまいます。しっかり火にかけて水分を中までとばし、最後に油をキッチンペーパーなどでひいておきましょう。このときフライパンの内側だけでなく、外側にも塗ること必要です。外側に塗るのを忘れてサビがつき、重ねたほかの鍋などにサビが移ってしまった!というようなことも防げます。
■素材別!フライパンの特徴・洗い方【ステンレス製】
鉄製フライパンと並び、料理マニア受けのいいステンレス製。特徴をまとめてみました。・メリット・デメリット
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ステンレス製のメリットは、見た目がスタイリッシュなこと。シルバーのフライパンは、おしゃれだけでなく、料理の色がよく映え、料理している時間も楽しくなるフライパンです。しかも、手入れをきちんとすれば、鉄同様、一生ものになります。
また、加工しやすい素材なので、表面だけ焦げ付き防止のコーティングしたもの、鉄やアルミと合板にしてつくられたもの、食洗器にかけられるもの、IHで使えるもの、油をひかないものなど、種類がさまざま。自分好みのものを探しやすいと言えるでしょう。
反面、熱伝導が低いため、むらなく焼くためには余熱に時間をかける必要があります。コツをつかんで使用しないと、焦げ付きやすくなってしまい、扱いづらいと思う人もいるでしょう。
・調理前にしっかり加熱してから油をしく
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熱伝導が低いステンレスは、弱火~中火でじっくり余熱するのが大切です。大火で加熱しても、一部分だけ暑くなり、ムラ焼けの原因に。また、保温性に優れているので、鉄のフライパンに比べ、ローストビーフやステーキなど余熱調理などじっくり調理するものに向いています。また、油なじみが比較的いい素材ので、均一に焼ける特長があります。オムレツやパンケーキなどに、きれいな焼き色がつきますよ。
・食器用洗剤で洗う
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調理したあとは、食器用洗剤で油分を落としましょう。鉄のフライパンのようにサビつくことはないので、水をきって乾かしておけば問題ありません。ただし、鉄のように強火で空焚きするのは厳禁。弱火~中火でじっくり水分をとばすようにしてください。
■素材別!フライパンの特徴・洗い方【フッ素樹脂加工】
フッ素樹脂加工とは、フッ素というこびりつきにくい成分を含んだプラスチック皮膜をフライパン内部にコーティングした加工のこと。世界で初めて調理器具に加工された商品が「テフロン加工」と呼ばれていたため、現在でもフッ素樹脂加工を「テフロン加工」と呼ぶこともあるようです。・メリット・デメリット
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メリットは、とにかく焦げ付かないこと。あらかじめコーティングされているので、少しの油で調理が可能です。油量を気にされる方にとっては、ヘルシーな料理ができて便利ですね。
ただし、このコーティングがはがれるとその部分だけ焦げることに…。また耐年年数も低く、安価なものだと、すぐにはがれて焦げ付いてしまうということがあります。いかにこのコーティングを保つかが、フライパンの寿命を延ばす秘訣です。
・金属のヘラを使わない
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フッ素樹脂加工は、傷つきやすいという欠点があります。そのため金属製のへらは厳禁。硬いものが当たらないように優しく扱う必要があります。調理後の料理をとりわけるときも、金属スプーンや金属のトングは避けましょう。木製やシリコン製の調理器具を使用してください。
・油を入れてすぐ調理
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フッ素樹脂加工されたフライパンは、軽さを重視してアルミなどを使っているものが多数あります。アルミもフッ素樹脂加工も熱伝導がいいので、すぐにフライパンが温まり過熱されることに。じっくり過熱することなく、油を入れたらすぐ調理にかかりましょう。鉄やステンレスと違い、コーティングのため油が全体にするっと簡単に行きわたります。
・食器用洗剤を使って優しく洗う
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鉄のフライパンと違って、油を落としてもサビることはありません。使用後にさっと台所用中性洗剤で洗えば、汚れが簡単におちます。むしろ使い古した油はニオイのもとになるので、洗剤を使ってきちんと落とすようにこころがけましょう。
また空焚きは厳禁。鉄やステンレスでは、洗った後に空焚きすることがおすすめなのですが、同じことをフッ素樹脂加工のフライパンでしてしまうと、コーティングがはがれてしまいますので注意しましょう。
・熱いうちに水をかけない
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フッ素樹脂加工は、傷だけでなく、温度の変化にも弱いもの。温度の急激な変化に耐えられず、コーティングがはがれやすい性質があります。使用後、熱々のフライパンを水につけて、ジュ―と音をだしながら汚れを落とすイメージがありますが、それができるのは鉄のフライパン。フッ素樹脂加工のフライパンは、使用後すぐに水をかけて急冷させることは避けましょう。
■素材別!フライパンの特徴・洗い方【セラミックコート】
セラミックとは、陶磁器と似たような素材です。セラミックは硬度が高く耐熱性にもすぐれ、これを薄くしたものを、フライパン本体にコーティングしています。フッ素樹脂加工に並ぶほど、近年人気が出てきました。・メリット・デメリット
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フッ素樹脂加工同様焦げつきにくく、料理初心者でも扱いやすいセラミックコート。やはりアルミにセラミックコートをしたものが多く、フッ素樹脂加工と似ていて軽いのも特徴です。
一方で、鉄やステンレスほど寿命が長くないというデメリットがあります。どうしても経年劣化で、コーティングがはがれてしまいます。少しでも長持ちさせるために、コーティングに注意してお手入れしましょう。
・空焚きは短く
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セラミックコートのフライパンは、熱伝導が優れています。フッ素樹脂加工に比べて耐熱温度が高いのですが、それでも高温の空焚きは厳禁。油も少量でフライパン全体に行きわたるので、じっくり熱を入れながら油をなじませる必要はありません。油を入れたら、すぐに調理準備をきちんと行ってからフライパンをつかいはじめましょう。
・柔らかいスポンジであらう
コーティング部分には、傷をつけるのが厳禁です。硬いスチールスポンジや、ささらなどはさけて、スポンジの柔らかい部分で優しく円を描くようなイメージで洗いましょう。薄いスポンジで洗うのもおすすめです。
・冷ましてから食器用洗剤で洗う
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負担をかけることなく、汚れを落とすにはコツがあります。油が多く残っている場合は、キッチンペーパーなどで汚れをふき取ってから、フライパンを少し冷まして洗いましょう。急激な温度の変化は、コーティング部分を痛めるのでさけてくださいね。フッ素樹脂加工同様、食器用洗剤できれいに油汚れのぬるぬるも落ちますよ。
■フライパンの外側についた焦げの落とし方
・ぬるま湯につけ、たわしや洗剤を使う
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どんな種類のフライパンでも、外側で加熱され焦げ付いた汚れは、まず汚れを緩ますことが必要です。使用後にシンクか洗い桶にぬるま湯をはり、汚れた部分を浸け置きます。そのあと、スポンジの固い面や食洗用ブラシなどで、焦げ付きをこすり落とします。専用のクレンザーなどを使ってもいいでしょう。鉄製のフライパンは、ささらやスチールウールのたわしでゴシゴシ落としても問題ありません。
逆に、外側にカラーリングされた塗装タイプは、たわしの種類に注意して。塗装を傷つけることになり、そこからはがれ焦げつきやすくなります。
・重曹を使う
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それでも落ちない汚れには、重曹を使いましょう。弱アルカリ性の重曹が、酸性の焦げつきと中和され、汚れが浮き上がりするっと落ちるようになります。さらに時間をかけて重曹水に浸け置きすると、汚れを緩ますのを加速させます。100mlに小さじ1杯を目安に30分~1時間つけおき、そのあとスポンジで擦り落とします。
特定の場所についた焦げ付きには、重曹ペーストがおすすめ。重曹2:水1の割合で作った重曹ペーストをつくり、焦げ付いた部分に、ブラシなどで塗り付けます。そのあと、キッチンペーパーやラップでパックをしましょう。
ただし、重曹は水にとけにくい性質があるので、40度ぐらいのお湯でとかすようにしてください。
■フライパンを長持ちさせるには?
どんなフライパンでも“寿命”を延ばす方法があります。素材別に調べてみました。・素材によって得意料理がある
一口にフライパンと言っても、素材によって熱伝導や保温性が違うため、得意不得意な料理があります。
ステンレス… 余熱調理。また均一に焼けるオムレツやパンケーキなど
フッ素樹脂加工・セラミック加工… 簡単な焼き物。手軽に扱えるので、少量のものにも
・焦げにくいのは、フッ素樹脂加工
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とにかく焦げ付きがいや!という人には、フッ素樹脂加工がおすすめ。手入れも一番簡単で、軽量なため扱いやすいことも特長です。急激な温度の変化と傷をつけない扱いをすれば、かなり長く使えます。
ただし、どうしても耐年年数が短い素材なので、1年ほどでこげついてくることも。その場合はいさぎよく交換することも必要です。
・長く使いたい人は鉄製がおすすめ
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長年使用に耐えられる素材は、やっぱり鉄。油がしっかりなじんだフライパンは、フッ素樹脂加工やセラミック加工と変わらないぐらい焦げつきません。また、揚げ物やオーブン料理にも使いまわせる利便性もあります。料理道具にこだわりたい人こそ、おすすめです。
また、サビがでてしまっても、復活させることもできます。サビをこすりおとし、しっかり焼き切り、そのあと、もう一度「油ならし」を始めるのです。数回、油ならしをすれば、元の姿になりますよ。
■素材ごとに違うフライパンの良さを知ろう
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鉄、ステンレス、フッ素樹脂加工、セラミック加工と、店頭で多く扱われているフライパンを、素材別に紹介しました。どのフライパンも油の量と使用後の洗い方で、寿命の差が出ます。最初に油を入れるときは、意識して油の量を適量にするようにしましょう。
特に、鉄、ステンレスは、しっかり油をフライパン全体になじませないと焦げつく原因になります。コーティングされているフッ素樹脂加工やセラミック加工のものは、使用後に水をかけたり空焚きをしないこと。使用後すぐ水をかけたり、洗った後水分を飛ばすために空焚きするのがおすすめなのは、鉄やステンレスのフライパンですよ。
調理器具と正しく付き合えば、料理を楽しくできる要因になってくれるでしょう。
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