「せっかく作ったのに〜」と落胆する子どもたちの顔なんか見たくないですよね。なので、ここではゼラチンが固まらなくなってしまう理由から、もし固まらなかった場合の対処法までまとめて一気にご紹介します!

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■ゼラチンは何からできている?
ゼラチンの原材料はなにかご存じですか? じつは、ゼラチンの原材料は、動物の骨や皮なんです。意外に思う方も多いのではないでしょうか。身近なわりに謎多きゼラチン。その特性をきちんと知れば、失敗を未然に防ぐことも可能です!・ゼラチンの抽出方法

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前述のとおり、ゼラチンの原材料はおもに牛や豚などといった家畜の骨や皮です。動物の骨や皮に含まれるコラーゲンからゼラチンを抽出しています。魚由来のものもありますが、安定的な供給が難しいので、あまり多くは流通していません。
まず、酸やアルカリを使って骨や皮に含まれるカルシウムなどの不純物を取り除き、きれいにしてから時間をかけてゼラチンの元を抽出します。さらに、ろ過や濃縮することで精製度を高め、殺菌・乾燥をへて、製品になります。
余談ですが、骨付き肉の煮込みや魚の煮付けが冷えて煮凝るのも骨や皮から溶け出たゼラチンのはたらきです。
・「コラーゲン」と「コラーゲンペプチド」との違い

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コラーゲンは、アミノ酸が結合してできた構造体なのですが、熱を加えてその結合をバラバラにほどくことで、ゼラチンに変化します。そのゼラチンをさらに酵素などを使って細かく分解したものがコラーゲンペプチドです。
・形状によって違うメリットとデメリット

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同じゼラチンでも、“粉”状のものと“板”状のものがありますよね。メリット・デメリットを知って使い分けましょう。
粉ゼラチンは、計量がしやすく分量の微調整がきくので、あとからの追加もしやすいですが、仕上がりの透明度は板ゼラチンに若干劣ります。板ゼラチンは、薄いカード状のものを枚数単位で使用するので分量の微調整は難しいですが、仕上がりはきれいです。
ムースやマシュマロなど透明感を気にしないものなら粉ゼラチンを使い、ゼリーやテリーヌなど透明感が仕上がりに差をつけるようなものは板ゼラチンを使うことをおすすめします。
また、顆粒タイプのゼラチンは水でふやかす必要がないので、ササッと温かい飲み物などに加えるなど、より手軽に使うことができます。
・ゼラチン・寒天・アガーの違い

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また、ゼラチンと似たような目的で使用されるものに、寒天やアガーがあります。それぞれ特徴が違うので、それを踏まえて自分が求める食感にあったものを選びましょう。
《ゼラチン》
主な用途:ゼリー、ムース、ババロア、マシュマロ、テリーヌ
食感:口どけがよくて、ぷるぷるやわらか/ふわふわ
透明感:やや黄色
溶ける温度:50〜60℃
固まる温度:20℃以下
使用上の注意:常温でも形崩れする場合があるので、特に夏場は注意が必要です。また、沸騰させてしまったり、生のパイナップルやキウイ、イチジクなど特定の果物と一緒にしたりすると固まりにくくなります。
《寒天》
主な用途:水ようかん、杏仁豆腐、ところてん
食感:歯切れがよくて、ほろりと崩れる
透明感:濁った白
溶ける温度:90℃以上
固まる温度:40〜50℃
使用上の注意:砂糖を入れると寒天が溶けなくなってしまうため、先にしっかり寒天を溶かしてから入れましょう。また、牛乳を入れる場合は冷蔵庫から出したばかりのものではなく、常温か人肌に温めたものを使いましょう。
《アガー》
主な用途:ゼリー、水ようかん
食感:ぷるんっとしていて、なめらか
透明感:無色透明
溶ける温度:90℃以上
固まる温度:30〜40℃
使用上の注意:加熱するとダマになりやすいので、砂糖はあらかじめ混ぜておきましょう。砂糖を加えない場合は、均一に混ざるように少しずつ加えながら加熱していきます。
一番の違いは、ゼラチンは沸騰させてしまうと固まりにくくなり、寒天・アガーは沸騰させないと固まらないことです。温度管理がとても重要なのがおわかりいただけたでしょうか。
■ゼラチンが固まらない理由
事前に固まらない理由を知っておけば、気をつけながら作ることができますよね! 基本的にゼリー作りは、混ぜて、注いで、冷やせばできるので簡単です。一つひとつ工程をできるだけ丁寧に行うだけでも、成功率はぐっとあがります。・水でふやかしていない

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粉ゼラチンも板ゼラチンも必ず水でふやかしてから使います。粉でも板でも全体にまんべんなく水がいきわたっていないといけません。また、使う水は、常温もしくは冷水です。暖かい水を使ってしまうと、ダマになったり、この段階でゼラチンが溶けてしまったりして失敗の原因になります。
粉ゼラチンの場合は、まず先に粉ゼラチンの2〜5倍の水を入れた容器を用意し、そこに粉ゼラチンを振り入れます。粉ゼラチンに直接水を加えるより、この方法の方がよりダマになりにくいでしょう。5〜10分ほどふやかしてから使用します。
板ゼラチンの場合は、板ゼラチンが十分に浸る量の水で20分ほどしっかりふやかしてから、手でぎゅっと搾ります。このとき、余計な水分が残っていると、ほかの材料に対してゼラチンの割合が変わってきてしまうので、気をつけましょう。
顆粒ゼラチンの場合は、ふやかさなくても使えます。
・沸騰させている

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ゼラチンは、前述のとおり50〜60℃の熱で溶かすことができます。逆にこれ以上の熱を加えると、ゼラチンのタンパク質が変容してしまって、冷やしても固まりにくくなってしまいます。しかし、沸騰させたからといって必ず固まらないというわけではありませんので、沸騰させてしまってもすぐには捨てず、ダメ元でも冷やしてみましょう。
溶かす温度が50〜60℃でいいのであれば、直接鍋に入れて溶かすより、湯煎の方が失敗なく溶かせます。やや手間はかかりますが、絶対に失敗したくないときにはおすすめです。また、電子レンジを使って溶かすこともできますが、こちらも温めすぎには注意してください。
・冷蔵時間の不足

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水分に対してゼラチンの量も適量で、沸騰させてもいないのに固まらない場合は、冷やす時間が足りていないのかもしれません。大きさにもよりますが、最低でも2時間は冷蔵庫でしっかり冷やしましょう。逆に、12時間経っても固まらない場合は、冷蔵時間の不足が原因で固まらなかったわけではない可能性が高いです。
そして、意外と盲点なのが、冷蔵庫の扉の開閉です。固まったかどうか気になり、冷蔵庫の扉を開けたり閉めたり繰り返していると冷蔵庫内の温度が上がり、冷えにくくなってしまいます。ほどほどにしましょう。
また、より温度の低い冷凍庫で冷やせば早く固まりますが、冷えすぎてしまうとシャーベット状になってしまうので、気をつけてください。
・「たんぱく質分解酵素」や「酸」、「ペクチン」を含む果物の使用

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前述のゼラチンの使用上の注意でもご紹介しましたが、混ぜてしまうと固まりにくくなってしまう果物があります。
タンパク質を分解する酵素を含んでいるパイナップルやキウイ、イチジク、メロン、マンゴー。酸が強いレモン、オレンジ、グレープフルーツなどといった柑橘類。また、ペクチンを多く含むリンゴなどです。
これらは、ゼラチンの主成分であるタンパク質を変容させてしまうので、ゼラチンが固まりにくくなってしまいます。
・アルコールの使用

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果物のほかにも、アルコールを混ぜる場合も注意が必要です。ゼラチンより先にアルコールが水分と結びついてしまうと、固まりにくくなってしまいます。ゼラチンを加えるまえに沸騰させてアルコールをある程度飛ばしておきましょう。
・ゼラチン量の不足

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基本的に、ゼラチンの分量は、ほかの食材の水分量に対して2〜3%が目安です。ゼラチン5gで固められるのは、水分量が250ml程度までで、容器にいれたまま食べるようなものでも300ml程度までと覚えておきましょう。なにより、まずレシピ通りに作ってみることをおすすめします。
■ゼラチンが固まらないときの対処法
レシピ通り、分量や時間を守ったのに固まらない! そんなときにやり直しがきくのが、ゼラチンのいいところです。やり直しにはデメリットもありますが、一から作り直すより、材料を無駄にすることもないので経済的です。・沸騰させてしまった場合はゼラチンを追加

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もし、沸騰させてしまったら、まずダメ元で冷やしてみましょう。運よく固まればラッキー! 残念、アンラッキーだった場合でも、水でふやかしたゼラチンを追加して再度加熱すればいいのです。今度は沸騰させないように気をつけましょう!
・冷蔵時間を延ばす

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大きさによりけりですが、冷蔵時間は2〜3時間はかかると思ってください。12時間以上冷やしても固まらない場合は、冷やすだけでは固まらない可能性が高いので、ほかの対処法に切り替えましょう。
・『缶詰のフルーツ』を使用する

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前述でご紹介した酵素を含む果実を入れたい場合は、あらかじめそれらの果実を加熱しておくことで酵素のはたらきが弱まり、混ぜてもゼラチンが固まるのを邪魔しにくくなります。すでに熱処理がされている缶詰や瓶詰めを使えば楽ちんですね。
もし、入れてしまったあとでも、理論上は、再加熱してゼラチンを追加すればまた固まるようになるので、くじけずトライしてみましょう。
また、酸が強い果実や果汁を使いたい場合は、まずそれらが全体の20%以下になるようにしておくことが大事です。ペクチンが多い果物もアルコールも、割合(アルコールについては度数も)を調整しながら作りましょう。もし、固まらなかった場合は、ゼラチンの量を増やして再加熱すれば、また固まる可能性があります。
・ゼラチンを追加するデメリット

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ほぼほぼどんな理由でも、ゼラチンを追加で溶かし入れれば解決するので安心ですね。しかし、ゼラチンを追加すると困ったことが起こる場合もあります。
一度溶かしたゼラチンは、固まらなかったとしてもなくなったわけではありません。そこにまたゼラチンを加えるわけですから、ゼラチンの全体量は増えてしまいます。ゼラチン濃度が高くなると、ゼラチン特有のいや〜な臭いが出てくる場合があるんです。その場合は、風味漬けにリキュールやワイン(量や度数に注意!)を入れるとよいでしょう。
また、加えたゼラチンを溶かすために再加熱することで、風味が変わってしまう心配もあります。アルコールなどが顕著です。果実も熱が加わわると、色や食感に影響が出てしまうことがあります。
■ゼラチンが固まらないときのリメイクレシピ
なにをしても固まらない。もしくは、食材の風味を変えたくない。そんな場合は、いっそのこと別の料理にアレンジしちゃいましょう!・そのままジュレとして食べる

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「ジュレ」とは、緩いゼリー、もしくはゼリーをクラッシュしたもののことで、トロッとした食感とキラキラした見た目が魅力的です。少量であれば、ドレッシングがわりにサラダなどにかけてもいいでしょう。いつもとは違った華やかな見た目になり、パーティーの前菜にもってこいです!
固まらなかったゼラチンの見た目をポジティブに考え「ジュレ」と割り切る気持ちも大事ですね。
・冷凍してアイスにする

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フランス語の「ジュレ」は凍らせるという意味の動詞の過去分詞形で、実はイタリア語の「ジェラート」と同意語です。なので、ジュレとジェラート(≒アイス)とは切っても切れない仲。固まらなかったゼリー液を冷凍が可能な保存袋に入れて、凍らせれば立派なデザートになります!
・作り直したゼリーや果実の上にのせる

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市販のタルトやケーキなどの上にかかっている透明なゼリーのようなものを「ナパージュ」と呼びます。ナパージュがかかっていることで、艶やテカリが出てそれだけで何倍もおいしそうに見えますよね。その要領で、作り直したゼリーやきれいに盛った果実の上に固まらなかったゼリーをかけてみましょう。なかなかおしゃれなスイーツに早変わりです!
■ゼラチンを使って作れるレシピ4選
ゼラチンが固まってしまう理由も固まってしまったときの対処法もこれバッチリですね! 次は、いよいよ実際に作ってみましょう。・ゼリー

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コーヒーゼリー(4個分)
ゼラチン5g
水大さじ2
水300ml
インスタントコーヒー大さじ2
砂糖大さじ3
- 水大さじ2にゼラチンを振り入れて、ふやかします。
- 鍋に水300mlを入れて沸騰させて、火を止めてからインスタントコーヒーと砂糖、1のゼラチンを溶かし入れ、よく混ぜます。
- カップに注ぎ、冷蔵庫で冷やし固めます。
・グミ

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ジュースでお手軽グミ(10個分)
お好みのジュース大さじ4
粉ゼラチン10g
水あめ大さじ2
油(型に塗る用)適量
- 型に油を塗っておきます。
- 耐熱ボウルにジュースを入れ、粉ゼラチンを振り入れます。
- 5分以上ふやかしてから、ラップをせずに電子レンジで500Wで約40秒温めて、よくかき混ぜましょう。
- 3に水あめを混ぜ加え、再度ラップをせずに電子レンジで約30秒加熱します。
- 荒熱がとれたら、型にスプーンで流しいれて、冷蔵庫で20分以上冷やします。
・テリーヌ

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彩り野菜のテリーヌ(4人分)
キャベツ2〜3枚
オクラ4〜5本
赤パプリカ1/2個
ヤングコーン4〜5本
枝豆50g
ニンジン1/2本
コンソメスープ200g
ゼラチン10g
- ゼラチンを水でふやかしておきます。
- コンソメスープを温めて、火を止めてからふやかしたゼラチンを入れて溶かします。
- キャベツの芯を削ぎ、塩茹でしておきます。
- お湯を沸かし、塩(分量外)を入れて、オクラ、赤パプリカ、ヤングコーン、枝豆、ニンジンをさっと下茹でしてください。
- テリーヌ型にラップを敷き、その上にキャベツを敷きます。
- 断面を想像しながら、4の野菜を敷き詰めてください。
- そっとゼラチン液を流し込み、冷蔵庫でしっかり冷やします。
- 型から外して、食べやすい多きさにカットして盛り付けてください。
・ポン酢のジュレ

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トマトとオクラのポン酢ジュレサラダ(2人分)
プチトマト6個
オクラ4本
ポン酢醤油大さじ1
昆布出汁1g
水75ml
粉ゼラチン2.5g
生姜のせん切り1/4片分
- プチトマトを湯むきします。オクラを塩(分量外)を振って板ずりして、さっと茹で、幅1cmの輪切りにします。
- 耐熱ボウルにポン酢、昆布出汁、水を入れ、そこにゼラチンを振り入れます。
- 2をラップなどせずに、電子レンジで500Wで約1分加熱し、1を加えて冷蔵庫で1時間以上冷やします。
- 器に崩しながら盛り、最後に生姜のせん切りをあしらいます。
■失敗を臆せずゼラチンにトライしましょう!

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ゼラチンを使った料理のポイントは、
- 沸騰させないこと
- 中にいれる果物は、ゼラチンの主成分であるタンパク質を変容させないものを選ぶこと
- しっかり冷やすこと
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