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牡蠣に含まれる栄養素と効能は?保存方法や上手な食べ方まで徹底解説!

牡蠣は、「海のミルク」と言われるほど栄養が豊富な海産物。古くから滋養強壮の食材とされていて、力を蓄えてパワーの源になるグリコーゲンだけでなく、アミノ酸の一種であるタウリンや、亜鉛などのミネラルも含み、体の調子を整えるビタミンB12まで豊富に含んでいます。その効能や保存方法、効果的な食べ方などをまとめてみました。

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■牡蠣に含まれる主な栄養素と効能

いろいろな栄養素がバランスよく含まれている牡蠣。中でも特長のある栄養素を紹介しましょう。

・エネルギー源:グリコーゲン


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グリコーゲンは、肝臓に蓄えられてエネルギーの素となり、血糖を維持するために必要な成分です。空腹時やエネルギーが消費されたときには、糖質を供給するはたらきもあります。つまり、私たちが体を動かすために欠かせないものなのです。「一粒で300メートル」で有名なグリコのキャラメルの語源になったことでも有名です。

・大事なミネラル:亜鉛



亜鉛は、もともと魚介類には多く入っている成分で、人間の体を健康に保つ必須ミネラル16種の中の一つです。新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素を作る成分となり、タンパク質の合成や遺伝情報を伝えるDNAの転写に関わっています。つまり細胞の生まれ変わりが活発なところでは亜鉛が必要とされています。

ダイエットや栄養不足で亜鉛が足りなくなると、味覚障害を起こしてしまうことも報告されています。味を感じる「味らい」という器官が口の中にありますが、この器官は新陳代謝が活発なため、亜鉛が足りなくなると細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下をおこすことがあると言われています。

無理な食事制限や、食事量が少なくなる高齢者などは、亜鉛不足による味覚障害を指摘されることがあるので、注意しましょう。とくに高齢者の場合は、床ずれの回復や免疫力の低下につながるといわれているため、魚介類や肉類を柔らかく煮て食べるようにしてくださいね。

・アミノ酸の一種・タウリン


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タウリンは、タンパク質を合成するアミノ酸の一種です。自然界には数多くのアミノ酸が存在しており、その中でもタウリンは、魚介類、中でも牡蠣には多く含まれています。主に疲労回復に効果があるとされていて、医薬部外品の栄養ドリンク剤の成分としてもよく知られています。

胆汁酸とむすびつきコレステロールを消費してコレステロールを減らしたり、心臓や肝臓の機能を高めたり、ほかにも視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防などにも、効果があると言われています。人間の体内でも作り出すことができますが、必要量には足りないため、食事から取り入れる必要があります。

・必須アミノ酸の一種・セレン


タウリンに続いて見逃せないアミノ酸がセレンです。私たちの生活を支えるたんぱく質は20種類のアミノ酸から作られていて、そのうち体内で合成できなかったり困難だったりする9種類のアミノ酸は、必須アミノ酸と呼ばれています。逆に体内で合成される11種類のものを非必須アミノ酸と呼びますが、だからといって食事でとらないでいいわけではありません。不足すると、からだに支障をきたしてしまいます。大事なアミノ酸のひとつとして、意識して摂取するようにしましょう。 

・赤血球生成に:ビタミンB12



牡蠣には、多くのビタミンB群が含まれますが、中でも注目したいのはビタミンB12です。動物性食品に含まれるビタミンで、葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンをつくるはたらきを助け、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります。また、悪性の貧血である巨赤芽球生貧血に有効なはたらきもあり、過剰に摂取しても過度に吸収されることはないため、取りすぎる心配はありません。

・ビタミンB1、B2も豊富


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ビタミンはB12のほかに、B1、B2も含まれています。B1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助けるはたらきをし、B2も皮膚と粘膜の健康維持を助けながら、たんぱく質を体内でエネルギーにする代謝のはたらきを支えています。

ビタミンB群は、水溶性のビタミンのため、一度にたくさん摂取しても尿などで排出されてしまいます。熱には強いものの煮汁などにしみ出てしまうため、そのまま食べるようにしましょう。

・ほうれん草の約2倍の鉄分


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貧血対策として知られる鉄分は、牡蠣にも豊富に入っています。鉄分が不足すると、血液中の赤血球が減少し、体内に酸素が運ばれにくい状態になってしまいます。これが貧血の状態です。老廃物の排出もしにくくなってしまうので、エネルギー不足だけでなく、疲れやすいという状態に。これをカバーする鉄分多めの食品はレバーやほうれん草が有名ですが、牡蠣はほうれん草の約2倍の含有量があるんですよ。

■牡蠣の栄養を効果的に摂れる補助食材

・レモン


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牡蠣に含まれている鉄分は、じつは体内に吸収しにくい「非ヘム鉄分」と分類されるもの。肉や豆類に含まれる「ヘム鉄分」と比べ、酸素に結びついているため体内吸収率が低いことがわかっています。これを効率よく体内へ取り込む手助けをするのがビタミンC。キウイやいちごなど果物に多く含まれている成分ですが、レモンなら牡蠣と味の相性も抜群!牡蠣の濃厚な味とレモン汁のさっぱり感が、絶妙にマッチしますよ。

・ほうれん草


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ほうれん草は、鉄分や葉酸、マンガンなどが豊富に含まれていて、葉物野菜の中でも栄養素が高いことで知られています。また、これらの栄養素は、牡蠣に含まれる亜鉛の吸収を促進するはたらきがあります。亜鉛は、体内に吸収しづらく不足しがちな成分でもあるため、一緒にバター炒めなどにして食べるといいでしょう。また、ほうれん草にも女性に不足しがちな鉄分が多く含まれるため、貧血対策にはとてもよい食べ合わせですよ。

・トマト


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ほうれん草以外の緑黄色野菜の中では、トマトの酸味は牡蠣の濃厚な味にマッチして好相性。味の相性だけでなく、トマトは栄養成分もぴったりマッチします。トマトに豊富に含まれるリコピンには強い抗酸化作用があり、牡蠣の栄養素を補強する役割を果たしてくれます。栄養バランスのよい牡蠣に合わせて、食べたい食材の一つです。

・ブロッコリー


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ブロッコリーには、カロチノイドという血液をさらさらにする物質が入っています。このカロチノイドは、ポリフェノールの一種で、タウリンと一緒に食べると高血圧の対策に。タウリンとともに、血液中のコレステロールを抑制するはたらきが期待できるので、血圧が気になる!という方は、ブロッコリーを合わせてみましょう。

・パプリカ


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パプリカには、ビタミンA、C、Eと3つのビタミンが豊富です。これらのビタミンは老化の原因となる活性酸素の発生を抑えるはたらきが望めるので、同じはたらきをする亜鉛と相まって、より老化防止やアンチエイジングに効果的とされています。彩りも華やかになるパプリカは、牡蠣と一緒に炒めてたべてみるといいでしょう。

■栄養たっぷり!牡蠣のおすすめレシピ

それでは、牡蠣を美味しく効果的に食べる代表的なレシピを紹介しましょう。

・殻付き牡蠣の網焼き


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殻付きの牡蠣は、そのまま網焼きにするだけで、ほどよい塩味がしてびっくりするほどおいしいものです。注意したいのは、焼き始める順番です。2枚貝の牡蠣は、殻の形が平らな面と船底のようにふくらんだ面でできています。

まず、この平らな方から2〜3分焼き始め、途中でひっくり返しさらに2〜3分焼くのがコツです。そのあと、殻のすき間にナイフを差し込みスライドさせて開き、貝柱を切って身を外します。このとき、殻の平な部分を上にして船底の方を下にすると、おいしい貝汁をこぼすことなく楽しむことができますよ。

・カキフライ


牡蠣は、栄養が豊富な割には低カロリーな食物。そのため、糖質が高いとされている揚げ物料理の中でも糖質量が少なく、ハイカロリーになることもありません。それでも気になる場合は、揚げ油であげるのではなく、パン粉をふりかけてオーブンで焼くなど「フライ風」にして食べるのがおすすめですよ。

・牡蠣飯


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牡蠣は火を通すと身の味わいが濃くなり、しょうゆベースは誰もが食べやすい味付けです。中でも牡蠣飯は漁獲量の多い地域では人気のメニューです。

牡蠣のむき身を、ざるを使って塩水で振り洗いした後、だし汁に醤油と酒を合わせたもので下ゆでします。その後、だし汁で炊いたご飯を蒸らす時に下ゆでした牡蠣をもどし混ぜ合わせます。牡蠣に火を通しすぎると身が縮んでかたくなってしまうので、さっと2分ほど下ゆでをするのがコツ。身の大きさに合わせて、下ゆでの時間も変更するようにしましょう。

・雑炊


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牡蠣の中に入っているビタミンB群は水溶性のため、鍋や雑炊の場合はしっかりお汁までいただくと栄養素を摂取し損ねることはありません。雑炊の場合も、煮過ぎると身がかたくなってしまうので、先に「酒煎り(さかいり)」をするようにしましょう。

お酒を煮立てたところに、牡蠣を入れてさっと火を通します。このとき使った煮汁には、牡蠣の栄養素がにじみ出ているので、雑炊を作る時にもしっかり使ってください。煮汁にだし汁を加え、ご飯を入れて雑炊に。ご飯をほぐして牡蠣を加えたら完成です。

■牡蠣は食べ過ぎると良くないってホント?

栄養たっぷりの牡蠣でも、食べ過ぎは禁物。とくに、摂取過多になると、体に変調をきたすこともあるのです。

・めまいや頭痛


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体が弱っている時に、栄養たっぷりの牡蠣を食べることはおすすめですが、まれに、めまいや頭痛を起こすことがあります。ひどいときには吐き気を感じることもありますが、これは亜鉛を摂取しすぎている現象かもしれません。

・亜鉛過多になる恐れも


ふつうの食生活をしていると、亜鉛を取りすぎることはほぼありませんが、摂取しすぎると同じミネラルの銅の吸収を阻害して銅欠乏性貧血などをおこしてしまうことがあります。
少し取り過ぎてしまったぐらいでは全く問題ないのですが、常に取り続けていると貧血のようになり、めまいや頭痛を起こす恐れがあります。亜鉛は、チーズや牛肉にも入っているので、食べ合わせにも注意しましょう。

・1日の摂取量の目安


それでは、1日の摂取量の目安はどれぐらいでしょう?「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の摂取推奨量の目安は、成人男性が10mg、女性が8mgとなっています。
牡蠣1個分に含まれる亜鉛は1.5〜2.9mg。男性女性ともに、牡蠣の大きさにもよりますが、3、4粒が目安と言えるでしょう。1日ぐらい、オイスターバーなどでたくさん食べることは、大きな影響がないといえますが、牡蠣がおいしい冬などは、続けて食べすぎないように気をつけたいですね。

■栄養たっぷり!新鮮な牡蠣の選び方

・殻付きの場合


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殻付きの牡蠣の新鮮さを見極める場合は、口がしっかり閉じているかどうか確認を。また、手で持てる場合は、ずっしりした身が入っているか手のひらにのせて測ってみましょう。牡蠣の殻は、細かな層が何層も重なっていて、もろく欠けやすくなっています。手を傷つけないように注意してくださいね。

・表面がふっくらしている


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むき身の場合は、まず表面の弾力に注目してみましょう。ぷっくりして、光沢があるものが新鮮な証拠です。むき身は、塩水が入った真空パックになっていることが多いのですが、漁獲日が明記されています。この日数を必ず確認するようにしましょう。

・身の色が澄んだ黄味色を


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もうひとつ大事な確認ポイントは、身の色。透明感のある黄味がかった色が新鮮な証拠です。また、周りの黒いびらびらの部分の色がはっきりしていて、もりあがっていることも新鮮な証。濃い乳白色のものはやや古いものなので、色味をしっかり確認してみてください。

■栄養を逃さない牡蠣の保存方法

・むき身の牡蠣の保存


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むき身の牡蠣は、塩水に浸かった真空パックで販売されていることがほとんど。このとき、容器の中にある塩水は取り除いて保存容器に入れておき、残った牡蠣はこの塩水を利用して保存してください。

密閉容器で販売されていない場合や、中の塩水を捨ててしまった場合は、流水で身を洗い、重ならないようにお皿に並べてラップをし、冷蔵庫へ入れるようにしましょう。冷凍したい場合は、身同士がひっつかないように、ひとつずつラップで包み凍らせてください。

・殻付きの牡蠣の保存方法


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殻がついた牡蠣は、とても乾燥しやすく保存に工夫が必要です。生息しているときとできるだけ近い状態で保存しましょう。

牡蠣を重ならないように皿やパッドに並べ、海水と同じ濃度の塩水にキッチンペーパーや新聞紙を浸したら、それで牡蠣を覆います。その上からラップをふわっとかけて、冷蔵庫へ。このとき呼吸ができるように、ラップをふわっとかけるのがポイントです。

冷凍したい場合は、ジッパー付き保存袋に入れて殻がついたまま凍らせましょう。

・保存期間の目安


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密閉パックになったものは、パックに明記された消費期限内が目安。一度あけてしまったり、別の保存容器で保存する場合は、パッケージに書いてある日付よりより2,3日早く食べきってしまったほうが良いでしょう。殻付きの場合は、冷蔵保存したものでも2,3日のうちにたべきってください。

冷凍した場合は、1ヶ月ほど保存できますが、味はかなり落ちてしまいます。食中毒も怖いので、必ず火を通して食べるようにしてくださいね。

■牡蠣と食中毒

・牡蠣がもつ細菌・ウイルス


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牡蠣は食中毒を起こしやすく「あたる」食材としても有名です。原因としては、微量の毒性をもったプランクトンが蓄積された貝毒や、海水に含まれる大腸菌、ノロウイルスなどが考えられますが、牡蠣自体がほかの貝に比べて毒性が強いわけではありません。生で食べる機会が多いため、あたるイメージが強いようです。

そのため日本では、牡蠣を「加熱用」と「生食用」に分けており、特に生食用は食品衛生法に基づき加工方法が厳しくチェックされています。「生食用」は、出荷前に人口海水や紫外線殺菌された海水で育てられることも多く、無菌状態に近づくものの、加熱用に比べて身がやせてしまうことがあります。焼いて食べるなら「加熱用」を選ぶのがおすすめです。

・生食用牡蠣でも油断大敵!


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上記で述べたように、牡蠣は「新鮮だから生食用」というわけではありません。ただ新鮮なものが「生食用」として流通している・・・と勘違いしている人が多いのですが、あくまで加工方法によって区別されているため、食べ方によって選び方を変えましょう。また、「加熱用」を生で食べるのはさけてください。除菌における加工方法が違うため、とても危険です。

・十分に加熱して食べる


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もうひとつ、当たってしまう原因としては、加熱用の牡蠣にしっかり火が通っていないことがあります。特に殻を通して加熱する場合は、身の中までしっかり火が通ってないことも。厚生労働省も加熱用の牡蠣は「中心部分を85~90度で90秒以上加熱すること」が安全基準としています。

それでも風邪気味のときや、免疫力が落ちているときなどは、食べるのを避けるのも一つの手かもしれませんね。

また、小さな子供にも生食用の牡蠣は避けたほうがいいでしょう。しっかり加熱した牡蠣であれば、1歳ぐらいから食べたさせたいほど栄養豊富な食材なので、大人が食べるときに少しずつわけてあげてください。

■エナジーフードの牡蠣は、他の食材と合わせてよりパワーアップを

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昔から滋養強壮の食材とされる牡蠣は、まさに海のスーパーフード。食べすぎには注意したいものの、ほかの食材とも上手に組み合わせて、しっかり栄養素を摂取したい食材です。加熱用と生食用と選び方や食べ方を間違わなければ、食あたりになることも少ないので、 どんどんいろんな調理方法をチャレンジしてくださいね。

《参考》
グリコ「栄養成分百科」
厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活」
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
T.Y.U「もっと牡蠣を身近に」
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