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マグロの旬は種類・産地で変わる!見分け方のコツから食べ方まで紹介

日本の食卓になじみ深い「マグロ」。普段何気なく口にしていることが多いと思いますが、マグロといっても種類や漁法、食べ方までさまざまです。今回はそんなマグロのさまざまな豆知識や、レシピをご紹介します!これから冬になると多くのマグロが旬を迎え、グッとおいしくなります。旬のマグロをもっと楽しむため、ぜひ最後までご覧くださいね!

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目次 [開く][閉じる]

■マグロとは

・名前の由来


マグロの名前の由来には2つの説があります。1つは、目が黒いという特徴から「眼黒(まぐろ)」と呼ばれるようになった説。2つ目は船の上からマグロを見ると、水面に真っ黒な影が泳いでいるように見える様や、常温でマグロを置いておくと黒さが増すことから「真っ黒→まっくろ→まぐろ」となった説です。

・天然と養殖の味の違い


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天然と養殖のマグロではそれぞれ味に違いがあります。まず、「天然」のマグロですが、広い大海原を自由に泳いで育つため、養殖よりも筋肉質であることが特徴です。そのため味も雑味が少なく、マグロ本来のうま味を味わうことができます。

次に「養殖」のマグロは、生きエサを与えながら育つので栄養価が高くなるほか、牛や豚を同じく与えるエサによって味が変わるのが特徴です。

・眠りながら泳ぐ


マグロはその一生を眠らずに過ごします。口を開けて泳ぎ、エラを通過する酸素を自ら取り入れることで呼吸をする「ラムジュート換水法」という、マグロ特有の呼吸法のためです。仮に泳ぐのを止めてしまうと、エラから酸素を取り入れることができなくなり、窒息してしまいます。

・主な漁法


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マグロの捕り方というと「1本釣り」のイメージが強いかもしれませんが、マグロの漁法は幅広く、1本釣りの他にもいくつか種類があります。中でも日本で流通している3つの方法をご紹介します。

  • 定置網
    日本で最も流通している定置網漁法は、網をあらかじめ漁場に張り巡らせて、閉じ込められたマグロを捕るという漁法です。マグロを傷つけすぎず、なおかつ漁獲量もそれなりに狙えるのが特徴です。
  • 巻網
    巻網漁法は、魚群を見つけると、高速で動く船とともに網を引っ張り、魚群を巻き込むという方法です。大量に獲れるという利点がありますが、網の中でマグロが巻き込まれてしまうため、傷がつきやすく価値が下がってしまいます。また、幼魚まで獲ってしまうこともあり、生態系を崩す恐れがあるとして近年問題視されている漁法です。
  • 延縄(はえなわ)
    延縄漁法は、江戸時代に始まった日本の伝統漁法です。「幹縄」という1本のロープに、「枝縄」というエサ付きの針を何本もぶら下げ、漁場に仕掛けます。しばらく放置した後に回収し収穫するという漁法です。
狙った魚だけ捕ることが可能なため、生態に優しいという意見もありますが、アホウドリやウミガメが針にかかるケースもあり、問題視されることもあります。日本で始まった漁法ですが、マグロの需要が増加し、近年は日本だけでなく多くの国でこの漁法が取り入れられているんですよ。

・クロマグロは希少価値が高い


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「海の黒いダイヤ」とも評されるクロマグロは、数あるマグロの中でも唯一「本物」という意味が込められる「本マグロ」と呼ぶことができます。クロマグロは3m以上に育ち、重さは100kgを簡単に超えます。また、生息地が限られていることから、希少価値が非常に高く、漁獲量は全体の2%程です。

そして何よりも、ほかのマグロとは比べ物にならないほど、「身も脂も極上の味わい」と言われているのが一番の特徴といえます。高級和牛のようなサシがのった赤身は、鮮やかな赤色をしていて、ほのかな酸味とうま味がたっぷりです。そんなクロマグロは、お刺身やお寿司に華を添えてくれますよ。

また、クロマグロはその大きさゆえ、ほかのマグロにくらべて「大トロ」が多く育ち、上質な脂は口の中で溶けてしまうほど質が高いとされています。

■マグロの種類と旬や産地

・クロマグロ(本まぐろ)


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クロマグロの旬は冬で、青森県大間市の本マグロがブランドとして有名です。日本だけでなく、海水温の低い北半球に広く分布している種類です。

漁法としては延縄や巻網漁法が主に挙げられますが、各地で養殖も進んでおり、輸入では大西洋、国内産では鹿児島県や長崎県で盛んに行われています。天然の本マグロが人気なものの、近年の技術の向上により、味も格段に上がっていると言われています。

クロマグロの中でも10kg以下の幼魚は「メジマグロ」と呼ばれ、同じく旬は冬頃とされています。

・インドマグロ(南マグロ)


インドマグロの旬は初夏で、産地は太平洋からインド洋にかけた南半球です。南極に近い亜寒帯地域を群れで回遊し、脂をたっぷりと蓄えるため、本マグロ以外で「大トロ」を蓄える貴重なマグロです。漁獲量が少なくあまり見かけることはないものの、大トロが特に好まれる日本では今人気のある種類といわれています。

・ビンチョウマグロ


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ビンチョウマグロは漁獲量が比較的多く1年を通して収穫することができますが、中でも味が格段においしくなるのは冬と言われています。産地は全世界の熱帯・亜熱帯海域と非常に広く生息しています。

マグロの中でも小型で収穫量が多いため、比較的安価で売られています。シーチキンとしてサンドイッチやおにぎりの具として使われていることも多く、私たちの中でとても身近な種類といえます。脂の乗ったフィレの部分は、お寿司屋さんなどで「ビントロ」と呼ばれ重宝されています。また、鶏肉にも近い食感があるため、刺身や寿司だけでなく、洋風サラダやフライなどにアレンジしやすいのが特徴です。

・メバチマグロ


メバチマグロの旬は晩秋から冬にかけてで、産地は全世界の温帯・熱帯地域と広く分布しています。比較的臭みが少なく、あっさりと食べやすい味わいですよ。漁獲量がマグロ種のなかでは1番多く、「マグロの刺身」としてスーパーなどで見かけるお刺身は、このメバチマグロであることが多いです。

安価で売られている多くが冷凍もののため、その場合旬は気にしなくてよいとされています。そんな中でも、銚子や三陸産のメバチマグロはとても質が良く、旬に獲れた天然物は高値で売られていますよ。

・キハダマグロ


キハダマグロの旬は初夏とされており、日本海・地中海を除く、熱帯・温帯地域に広く分布しています。身肉は鮮やかな桃白色でマグロ種のなかでは酸味が少なく、甘みがほどよくあるといわれています。

日本では九州に面した関西地方で、古くから刺身や寿司として親しまれてきた種類です。近頃では関東でも獲れることが増え、都内でも見かけることがあるそうです。ツナ缶の原材料にされることが多く、世界的に食されていますよ。

■旬のおいしいマグロの見極め方

・筋・脂の特徴


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マグロが長方形の「サク」の状態で売られているときは、表面の筋で見分けることが出来ます。マグロの筋は脊髄を中心にして、木の年輪のように4つの円形状を描いています。もっとも良いとされるサクは、「天身」と呼ばれる魚の脊髄の部分のサクで、筋が平行に入っています。

その次に良いのは、斜めに筋が入っているサク。筋の間隔が狭いサクや半円を描いているサクは、筋が固い頭や食べづらい尻尾の部分が使用されているため、味は並程度とされています。

また、脂が乗ったトロは、なるべく筋が少ないものを選びましょう。身のキメが細かく透明感のある身の端には、白みがかった脂肪の色が入ります。

・色・見た目の特徴


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マグロは種類によって赤色の濃さが違います。そのため、店頭などで選ぶときは、赤色の濃さよりも鮮やかさや艶があるものを選びます。また、時間が経つと角が丸くなってくるので、先がとがっている物を選びましょう。

まれに身肉の中に、赤い斑点や血の塊あることがあります。これは「血栓」と呼ばれ、マグロが船上に引き上げられたときの「血抜き」がうまくできなかったときに見られるものです。血栓があるマグロは、生臭さや血の匂いがすることがあるので、避けた方がいいでしょう。

・ドリップ


冷凍マグロを解凍した際に出てくる、薄い血の混じった水は「ドリップ」と呼ばれます。このドリップは、マグロを冷凍する際に時間をかけ過ぎてしまったことが原因です。

冷凍に時間がかかると、身の中の氷の結晶が大きくなりすぎてしまい、それによって身の中の細胞が破壊されてしまいます。それが解凍の際に、水分や血液とともに流れ出してしまうのです。ドリップと一緒に、うま味成分や栄養も流失してしまっているので、ドリップが出てしまったマグロは品質が大きく落ちているとされています。

・筋が多いものは加熱向き


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マグロの筋は加熱をすることで溶けてぷるぷるとしたコラーゲンに変わります。そのため、筋の多いマグロは炙りやステーキなどの加熱調理をするのがおすすめです。まれにスーパーでも「加熱用マグロ」や「アラ」としてまとめてパック詰めされていることがあり、価格も安く節約食材として重宝されています。

■旬のマグロを味わう食べ方

・刺身


スーパーでも売られているマグロの刺身は、大根のツマや大葉で飾り付けされているものもあり、開ければすぐに食べられるようになっているものがほとんどです。そんな刺身ですが、「流水でサッと流すだけ」で臭みが取れグッとおいしくなります。

さらに味を上げたい場合は、流水で流した後、刺身をボウルに入れ、お酒小さじ1と塩2つまみ程を入れて、刺身の身を壊さないように優しく揉みます。キッチンペーパーで水分を拭き取ると、よりマグロのうま味が増しますよ。

・寿司


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日本のみならず、海外でも人気のある「寿司」は部位によって大きく味わいが変わります。

大トロ


部位の中でも最も値段が高い部分です。脂が多い分、口当たりが柔らかく甘みが多いのが特徴です。脂の量は頭に近いほど多く、尻尾に近いほど少なくなるのが特徴です。

中トロ


大トロほど脂の量は多くありませんが、さっぱりしていることから人によっては大トロよりも好まれることがあります。赤身のおいしさも一緒に味わえるのも中トロの大きな魅力です。

赤身


手に入りやすく比較的安価なことあり、ご家庭でも親しまれている部位でもありますね。脂が少なく高たんぱくなので、ダイエット食品として取り入れられることもあります。

ちなみにネギトロなどに使用されているフレーク状の部位は「中落ち」と呼ばれ、中骨の周りについている残りの部分をこそげ取ったものを使用していることが多いです。

・鉄火丼とマグロ丼


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よく目にする「鉄火丼」と「マグロ丼」の2つは、あまり違いがないようにも思えますが、「使用しているマグロとご飯」によって呼び名が変わっています。

鉄火丼とは、酢飯にマグロの赤身をタレに付け込んで乗せた丼を指していますが、マグロ丼は白飯にマグロの切身を乗せた丼を指します。鉄火丼とマグロ丼にかけるタレですが、店によって違いはあるものの、刺身と同じく、しょう油やワサビで食べるのがメジャーですよね。

・マグロステーキ


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おしゃれなレストランで見かける事もあるマグロのステーキは、「テール」と呼ばれるマグロの尾の部分を使用することが多いです。テールは競りの前に切り落としてしまうため、店頭に並ぶことは少なく、あまり知られてはいませんよね。

テールは、マグロの引き締まった背の部分や脂の乗っている腹の部分、筋のコラーゲンが一度に食べられる贅沢な部位です。希少部位ですが、ネットで輪切りにカットされたものが売られているので、簡単に手に入れることが出来ますよ。そこで1つ、自宅でも作れる簡単なレシピを紹介します。

材料
マグロのテールスライス 1つ
塩・コショウ 少々
ニンニク 2片
しょうが 1片
レモン 適量
作り方
  1. 解凍したテールの水分をキッチンペーパーでしっかり取り除き、塩コショウをして1時間ほど寝かします。
  2. ニンニクとしょうがをすりおろし、テール全体によくすりこんだら、魚焼きグリルで綺麗に焼き目が付くまで両面焼きます。
  3. 器に盛り付けて、お好みでレモンを絞ったら完成です。
おろしポン酢であっさりと食べたり、焼く際にフライパンでバターとニンニクであえてソテーにしたりと、アレンジ方法がたくさんあります。色々なアレンジにチャレンジするのもいいかもしれませんね。

■【部位別】マグロの栄養素・カロリー

・赤身


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マグロの赤身100gあたり約110~130kcalです。栄養素はたんぱく質量が非常に高く、成人男女の一日摂取量が60gなのに対し、マグロの赤身100gに約24~26gもあるとされています。

糖質はほとんどないので、ダイエットや糖質制限に適しているといえます。最高級の本マグロは、ミナミマグロやメバチマグロに比べてカロリーが上がる分、たんぱく質量も上がる傾向にあります。また、血合いの部分はビタミンEや鉄分が多く含まれています。ビタミンEには肌のアンチエイジングや肩こり・腰痛に作用することが望め、鉄分は貧血予防効果が期待できます。

大トロ


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マグロの大トロ100gあたり約340~360kcalです。たんぱく質量は赤身より少し下がり、約20gです。カロリーや脂質は非常に高いですが、マグロのトロには動脈硬化を防ぐEPA(コイコサベンタエン酸)や血液中の善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らすDHAが赤身よりも多く含まれています。食べすぎには注意が必要ですが、非常に健康に良い部位といえるでしょう。

・中トロ


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マグロの中トロは100gあたり約170kcalです。大トロと赤身の間にあたるので、栄養素は脂質やたんぱく質、ビタミンや鉄分がバランス良く含まれています。大トロよりも比較的安価なため、食べる機会も多いのではないでしょうか。大トロよりも脂質は少ないものの、食べすぎにはやはり注意が必要です。

・血合い


マグロの血合いは「赤色筋繊維」と呼ばれる細胞が密集しており、コレステロールの代謝を促進させ、肝臓を強くするタウリンが多く含まれています。赤身と同じく、ビタミンEや鉄分も多く含まれていますよ。

■おいしいだけでなく栄養豊富なマグロ

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いかがでしたか?今回はマグロの種類や旬、栄養などをご紹介しました。お寿司屋さんにはさまざまな部位のネタが並び、スーパーでもよく見かける非常に身近なマグロですが、食の欧米化に伴い、食卓に魚が並ぶことも少なくなっているそうです。今回の記事で、みなさんにとってマグロがより身近な食材になっていただければ幸いです。マグロを使った料理にもぜひチャレンジしてみてくださいね!

《参考》
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
グリコ「栄養成分百科」
大正製薬「タウリンについて」
健康長寿ネット「ミネラル成分の鉄分の1日の働きと1日の摂取量」
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