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実は簡単?長ネギの栽培方法から病気・害虫対策まで徹底解説

長ネギと言えば、炒め物から煮物など幅広い料理に使えて人気の高い野菜の1つです。寒い時期には、お鍋に入れるととってもおいしいですよね。そんな長ネギを自分で育ててみるのはいかがでしょうか。

昨今では家庭菜園がはやっていて、長ネギをつくったことのある人もいるかと思います。しかし、長ネギの栽培方法を調べてみると土寄せなど手間がかかりそうなイメージが強く、家庭菜園初心者や未経験の人は、難しく感じてしまうかもしれません。

今回は、長ネギの種から育てる栽培方法を詳しく解説していきます。また、土寄せなしの栽培方法も紹介するため、長ネギの栽培に挑戦しようと思っていたけれど、なかなか踏み切れずにいたという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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■食卓に欠かせない長ネギ

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長ネギはいろいろな料理に使うことができ、誰もが食べたことのある野菜の1つと言ってもいいですよね。食卓に欠かすことのできない長ネギですが、まずはどのような野菜なのか詳しく見ていきましょう。

・原産地


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長ネギの原産地は中国西部またはシベリアだと言われ、紀元前から栽培されていたようです。朝鮮半島を経由して、日本には奈良時代に伝わったと言われていて、その記録は奈良時代の『日本書紀』に残っています。平安時代に広く知れわたり、食用としてしだいに栽培も盛んになっていったとされています。

・主な栄養素・効能


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ネギは緑色の葉の部分と白色の葉鞘(ようしょう)と呼ばれる部分に分かれていますが、葉は緑黄色野菜、葉鞘は淡色野菜に分類されるのです。

葉の部分には、β-カロテンが豊富に含まれていて、β-カロテンからつくられるビタミンAには、強い抗酸化力が期待され、身体に害を与える活性酸素を取り除き、老化やがんの防止効果が望めると言われています。また、ビタミンCも多く含まれ、皮膚や骨を健康的に保ってくれる効果も期待できるようです。

白い部分には、アリシン(硫化アリル)と呼ばれる、ネギ特有の辛みの原因にもなっている成分が豊富に含まれています。アリシンは体内でビタミンB1と結合することで脂溶性に変化すると言われています。つまり、ビタミンB1を体内に吸収しやすくしてくれる期待が持てるのです。ビタミンB1が体内に蓄えられることにより、疲労回復や新陳代謝の活性化が望めると言われています。

風邪をひいたときにはねぎ湯が効果的だと聞いたこともあるかもしれませんが、以上のような効能が期待できるからなのですね。

・品種と別名


長ネギは別名「白ネギ」、「根深ネギ」と呼ばれ、白い部分が長い品種のネギのことを指します。日本では関東で多く栽培されていて、千葉県や埼玉県、群馬県、茨城県での生産が盛んなようです。主な品種としては「下仁田ネギ」、「深谷ネギ」などがあげられます。

・2色に分かれている理由


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ネギは緑色と白色の2色に分かれていて、緑の部分は葉、白い部分は茎というように間違えられてしまうときもあります。実はどちらも葉で、色が違うのは日光に当たるか当たらないかで変化するためです。土から出ていて、日光を浴びると緑色になり、土に覆われて日光が遮られている部分は白色になります。そのため、ネギは2色に分かれているのです。

また、ネギの茎は白色の葉の下側にわずかに存在し、茎からは、細長い根が何本も伸びています。

・花は食べられる?


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ネギは収穫時期が終わりごろになると、緑色の葉っぱにしずく型の蕾がつくようになります。これはいわゆる「とう立ち」と呼ばれる野菜の生殖期間のはじまりです。野菜は人間の食用として流通していますが、本来、野菜も動物と同じで、子孫を残そうと成長して、花を咲かせて種をつけるのです。それが「とう立ち」です。

ネギの場合、とう立ちしたときにできる蕾は「ネギ坊主」と呼ばれています。花が咲くと、ネギ自体も芯がかたくなって、食味が一気に落ちてしまうと言われているため、ネギ坊主ができはじめたら急いで収穫することをおすすめします。

また、花が咲く前のネギ坊主は、天ぷらにすることでおいしく食べられるようです。

■長ネギを栽培する前に

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まずは、長ネギを栽培する上で基本的な情報を押さえておきましょう。

・種まきの時期


種まきの時期は1年を通して春と秋の2回タイミングがありますが、比較的冷涼な関東より北の地域と、関東より南の温暖な地域によっても変わってきます。地域による種まきの時期を分かりやすくまとめますね。

関東より北:
春まき 3月下旬から4月下旬
秋まき 9月中旬から10月中旬
関東より南:
春まき 3月中旬から5月下旬
秋まき 10月上旬から12月中旬
また、栽培する長ネギの品種によっても多少は変わります。園芸店などで売っている種の袋には、ほとんどの場合は裏面に種まき時期が記載されているため、確認して買うようにしましょう。

・適温・日あたり


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長ネギの生育温度は20℃前後と言われていて、日あたりのよい場所を好みます。夏の暑さが厳しく30℃を超える場合は、長ネギの成長は衰えてしまいますが、逆に冬の寒い時期でも-8℃までは耐えることができるため、寒さに強い野菜だと言えます。

・土


長ネギは湿度に弱いため、水はけがよい畑を選ぶようにしましょう。水はけが悪い場合には、たい肥を多めに加えるか、畝を高くつくるようにするといいです。また、土壌酸度は弱酸性~中性を好むため、種まきの2週間以上前に苦土石灰を1平方メートル当たり100g施し、よく耕すようにしましょう。

屋外にある畑では雨が降ることによって、土壌が酸性になってしまうため、アルカリ性の苦土石灰を入れることで中和してあげるということなのです。

種まき1週間前にはたい肥と化成肥料を施して、再び耕しましょう。畑の土づくりはこれで完了です。

■長ネギの基本の栽培方法~地植え~

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まずは基本的な長ネギの栽培方法を紹介していきます。簡単な流れは、種をまいて苗を育てる・ある程度の大きさになったら定植(植えなおし)をおこなう・追肥と土寄せを繰り返す(長ネギの白い部分を長くしていく)。それでは、詳細を見ていきましょう。

・育苗


まずは「育苗」、つまり、苗の育て方の手順を下記の通りまとめました。


  1. あらかじめ土づくりをした畑に高さ10cm、幅60cm程度の畝を立てます。※畝の長さは育てる長ネギの本数によって変えてください。
  2. 畝に10cm間隔で深さ1cm、幅1cmの溝を切ります。幅60cmの畝の場合は、5本(条)の溝ができると思います。
  3. 各溝に長ネギの種を5mm間隔でまいていきます。※種の発芽率の栄養で全てがきっちり発芽するわけではないため、それほど神経質になる必要はありません。
  4. 種がまけたら、3~5mmほど土をかぶせ、手で鎮圧し、水をたっぷりかければ、種まきは完了です。
  5. 発芽して背丈が7cm程度になったら、約1.5cm間隔になるように、成長のよくない苗を抜きます。(間引き)
  6. 背丈が10cm程度のときに2回目の間引きをおこない、約3cm間隔になるようにします。
  7. 背丈が45cm程度になれば苗の完成です。
育苗期間は数か月間と長いため、肥料切れをおこさないように、種をまいてから1ヶ月ごとに追肥を行います。追肥は化成肥料を1平方メートルあたり約50g施すようにしましょう。また、発芽するまでは乾燥を防ぐためにわらや寒冷紗などで覆うようにしましょう。春まきの低温期には、ビニールトンネルをかけて保温すると、発芽および苗の生育が安定します。

・植え方



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苗ができたらいよいよ植つけ(定植)です。育苗がうまくできるか心配という人は、園芸店などで苗を購入してきて、植えつけからスタートするのもありです。しかし、苗を購入すると、1本あたりの値段は種から育てた方が格安であり、種を発芽させて苗を育てる楽しみも味わえるため、種から栽培することをおすすめします。

まずは、植えつけを行う場所の土づくりから紹介します。育苗を行うときと同様に、植えつけをする場所も長ネギを育てるのに適した土壌にしてあげる必要があります。植えつけの1週間前には苦土石灰を1平方メートルあたり100g程度施し、定植当日に植つけ用の溝を掘ります。溝は深さ30cm、幅20cm程度の大きさですが、このときの深さが長ネギの白い部分の長さに影響するためしっかりと掘るようにしましょう。

掘ったときに出る土は、あとの土寄せ用に使うため、溝の両側に積み上げておきましょう。長ネギの苗を溝の片側の側面に5~8cm間隔で立てかけていき、根が生えている苗下側が埋まるように3cmほど覆土し、根元が安定するように鎮圧します。そのあと、覆土の上にわらやたい肥をかけると、乾燥を防ぐことができます。

・土寄せ・追肥


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土寄せは収穫までに合計4回行い、最初から3回までは土寄せのタイミングで追肥も行います。植えつけをしてから土寄せおよび追肥のタイミングとやり方を下記にまとめますね。


  • 植付けから50日前後:7cmほど土をかぶせます。このとき、肥料が直接長ネギにあたらないように1平方メートルあたり約50gの追肥を行います。
  • 1回目の土寄せから3週間後:緑色の葉が集まっている部分が埋まらないところまで土寄せし、追肥も行います。(1平方メートルあたり約50g)
  • 2回目の土寄せから3週間後:緑色の葉が集まっている部分が埋まらないところまで土寄せし、追肥も行います。(1平方メートルあたり約50g)
  • 収穫の約40日前:緑色の葉が集まっている部分が埋まらないところまで土寄せします。追肥は行いません。

・水やり



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種をまいてから発芽するまでの間は、土が乾燥しないように水やりをしてください。しかし、長ネギは多湿を嫌うため、発芽してからは水やりをする必要はなく、自然に降る雨だけで十分足りると言われています。

・収穫



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長ネギの白い部分が太く長くなったら収穫時期です。長ネギは、その名の通り長くて、下側には細い根がたくさん生えているため、そのまま引き抜こうとすると途中で切れてしまう可能性が高いです。収穫するときは、ネギを傷つけないようにクワやスコップなどで周辺の土を掘りおこしていき、最後はゆっくりとネギを抜き取ります。

長い期間手をかけて栽培した長ネギを収穫するのは、とても感動することでしょう。また、実際に自分で育てた長ネギを料理して食べるのも、特別な味わいになるのではないでしょうか。

■土寄せ不要な長ネギ栽培方法~マルチ栽培~

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手間ひまかけて栽培するのは感動が大きいですが、趣味の家庭菜園として栽培する場合、どうしても時間をかけられないということもありますよね。そこで次に紹介するのが、土寄せをする必要がないと言われるマルチ栽培の方法です。

土寄せ不要となればかなり手間を省くことができますよね。早速詳細を紹介していきます。

・穴をあける植え方とその理由


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育苗方法に関しては、基本的な栽培と同様で、植えつけからマルチ栽培特有のやり方になります。植えつけの手順は下記に分かりやすくまとめました。


  1. 植付けの1週間前までに苦土石灰とたい肥を施し、よく耕します。
  2. 化成肥料を施し、高さ30cm、幅60cmの畝を立て、黒マルチを被せ、風で飛ばないように4辺にしっかり土をかぶせます。
  3. 縦横10cm程度間隔をあけて、直径3cm、深さ30cm程度の穴をあけます。鉄のパイプなどで開けるといいです。
  4. 穴に1本ずつ長ネギの苗を入れていき、穴の外に苗の頭が5cmほど出るように植えていきます。
穴を深く開けることで、土寄せの工程を補い、土に埋まっている分が長ネギの白い部分へと成長するというわけなのです。

・穴を開ける際の注意点


土寄せをしない分、長ネギの白い部分の長さは最初に開ける穴の深さで決まってしまいます。しかし、地下に穴をあけるのには限界があるため、最初に立てる畝の高さをしっかりと確保して、穴を深く掘れるようにするという狙いです。また、穴をあけても苗を植えつけるまでに埋まってしまっては意味がないため、穴を開けたら周りの土が崩れないように注意しましょう。

・肥料


肥料に関しては、畝を立てるときに元肥として、1平方メートルあたり100g程度施し、その後の追肥は施しません。マルチをすることで、肥料分が雨などで流出してしまうのを防ぐ効果も期待できるため、元肥だけで収穫まで成長させることができると言われています。

長ネギの成長を観察して、あまりにも生育が遅い場合は、必要に応じて追肥を施すようにしましょう。

・水やり


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畑の土質にもよりますが、長ネギの根がしっかりとはるように、苗を植えつけたあとに水やりをたっぷりしましょう。そのあとは、自然の雨に任せておけば水やりは必要ありません。

・収穫


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長ネギの白い部分が長くなり、収穫時期を迎えたら、周辺の土を掘りおこして収穫しましょう。土寄せなしでも白い部分がしっかりとした長ネギを収穫できることと思います。やはり基本の栽培方法である土寄せをして栽培した長ネギよりは白い部分は短くなってしまいますが、手間を省く分、仕方ないですよね。それでも、植えつけからほとんど放任で、長ネギを収穫できるのは魅力的ではないのでしょうか。

■長ネギの家庭栽培方法~プランター~

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プランターで家庭菜園を楽しんでいるという人もいますよね。マンションなどでもベランダにプランターをおいて栽培できるため、手軽に楽しむことができます。がっちりとした長ネギをプランターで栽培するのは難しいイメージもあるかとおもいますが、実は、長ネギに関してもプランターで栽培することができるのです。詳しく説明していきます。

・プランターの選び方


基本的な栽培方法では溝を掘って植えつけをしますが、プランターで栽培するときは、溝の変わりがプランターだと思えば、分かりやすいです。ただ、長ネギ栽培では白い部分を長くするために深さが重要となってきます。プランター選びでは、深さ40cm、幅20cm程度のものを選ぶようにしましょう。長さに関しては、長ネギを栽培する本数によって選んでくださいね。

・増し土・肥料


プランター栽培では、土寄せの代わりに「増し土」をしていきます。植えつけ時には培養土を10cmほど敷きつめ、プランターの側面に長ネギの苗を5cm間隔で並べ、根元が隠れるように土をかぶせます。その後、基本的な栽培の土寄せと同じタイミングで、収穫までの間、4回に分けてプランターの中へ土を増していきます。長ネギの葉の分けつ部に土が被らないように気をつけてくださいね。

肥料分が含まれた培養土を使用すれば、元肥も追肥も施す必要はなく、さらに培養土は通気性もあるため、わらを敷かなくても問題ありません。

・水やり


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プランターを屋外において栽培する場合は、水やりをする必要はなく、自然の雨に任せましょう。ベランダなど、屋根のあるところで栽培している場合は、土が乾燥しすぎないように定期的に水やりをしてください。屋外と同じ条件になるように、雨の降るタイミングに合わせて水やりをするのも1つの手ですね。いずれにしても、長ネギは過湿に弱いため、水のあげすぎには注意して、プランターの底からしっかりと排水されているか確認するようにしてください。

・収穫


プランターの上部にも土をこんもり増すくらい、長ネギの分結部が成長したら、十分白い部分が長くて立派な長ネギが育った証です。培養土を使用した場合は、柔らかくて収穫しやすいかと思いますが、ネギ周辺を掘りおこしてから、切れないように慎重に収穫しましょう。せっかく長い期間かけて栽培した長ネギですから、収穫も大切におこなってくださいね。

■初心者向け!長ネギの栽培方法~再生栽培~

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再生栽培という言葉をきいたことがあるでしょうか。長ネギは生育力が強く、白い部分もほとんどが葉で構成されているため、初心者でも簡単にできる驚きの栽培方法があるのです。それでは詳しく見ていきましょう。

・用意するもの


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通常の栽培では長ネギの種または苗を用意しますが、再生栽培では、スーパーなどで買ってきた長ネギの根元部分を使って栽培することができます。

・土を使った栽培


土を使った栽培方法では、長ネギの根元のほかに下記のものを用意しましょう。

  • 2Lのペットボトル
  • 培養土
  • 鉢底石
少量の場合は、プランターよりも高さのあるペットボトルの方が便利なのです。まずは、ペットボトルの口がついていて斜めに狭まっている部分をカッターなどで切り取ります。水はけがよくなるように鉢底石を敷き、培養土を5cmほど入れ、長ネギの根元を入れたら、さらに根元が隠れる程度培養土をかぶせ、完了です。

期間が経つにつれ、長ネギの根元から葉が伸びてくるので、適度な大きさまで成長したら収穫してください。

・水を使った栽培


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水を使った栽培では、長ネギの根元とネギが倒れないほどの深さがある花瓶やグラスなどを用意します。容器に長ネギの根元をいれ、根が浸るくらい水を入れたら完了です。

水につけるだけでも、葉がどんどん伸びてくることが分かると思います。

・根元を長めに残せば連続再生可能


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長ネギの根元を10cmほど使うと、より早くしっかりとしたネギを再生することができると言われています。また、再生したネギを収穫して、さらにまた再生させることも可能なようです。再生栽培は、緑の葉を成長させて収穫するのがメインですから、葉ネギにも向いています。部屋の中の日当たりのよい場所があれば、省スペースで手軽に栽培を楽しむことができるため、ぜひ試してみてください。

■長ネギ栽培の注意点

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長ネギのさまざまな栽培方法が分かりましたね。最後に、栽培の注意点を確認していきましょう。

・長ネギの病気と原因


長ネギの栽培中にかかりやすい病気と原因を説明します。せっかく育てていても病気になってしまうと残念ですから、よく注意しましょう。

黒斑病(こくはんびょう)


緑色の葉の部分に、淡褐色で楕円形の斑点ができ、しだいに黒色に変わっていく病気です。高温期に雨が降り続くと発生しやすく、糸状菌と呼ばれるカビの一種が原因となって発生します。被害が出てしまった葉に関しては、ほかの葉に移らないように摘みとって、畑の外で処分するようにしましょう。

さび病


緑色の葉の表面に、オレンジ色の膨らんだ斑点ができる病気です。無数のオレンジ色の斑点が鉄さびみたいな見た目をしているためさび病と呼ばれています。春と秋の低温期に雨が降り続けると被害が目立つようになります。糸状菌が原因で伝染してしまうため、発生が確認された場合は、早期に被害を受けた葉を摘みとるようにしましょう。

さび病は、アルカリ性に弱い傾向があるため、石灰を長ネギ周辺の土壌へまくことで被害の拡大を防ぐことが期待できます。

べと病


緑色の葉に薄い黄色や白色の淡色斑点ができ、カビが発生してしまう病気です。べと病も糸状菌が原因となり、気温23℃前後で、長雨が続いたときに発生しやすくなります。べと病の発生した葉を取り除き、畑の外で処分してください。

・病気の予防方法


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病気は、雨が降り続いたときの多湿条件によって発生する傾向があります。水はけがよくなるように、土づくりの際にたい肥を多くすきこんだり、高畝を立てたり工夫することをおすすめします。また、園芸店などに売っている殺菌剤を使用して防ぐのも効果的です。昨今では、いろいろな種類の農薬が家庭菜園向けに少量で販売されるようになっていて、1つあればいろいろな病気に効果があるものや、ほかの野菜にもつかえるものもありますからぜひ、試してみてください。

・長ネギにつきやすい害虫


長ネギも植物ですから、虫の被害を受けてしまう可能性もあります。長ネギにつきやすい害虫を下記にまとめます。


  • ネギアザミウマ
  • ネギハモグリバエ
  • ネギアブラムシ
  • ナメクジ
  • シロイチモジヨトウ
  • ハスモンヨトウ
  • ネギコガ
  • ネキリムシ
ききなれない虫がほとんどでしょうか。野菜などの植物は、羽を持った蝶や蛾の幼虫などに食害されてしまうことが多くあります。どれも小さい虫ですが、大量発生してしまうと被害が大きくなってしまうため、発生初期で防ぐ必要があります。

・害虫発生の原因と予防方法


害虫は、暑い季節や雑草が多いところに集まる傾向があります。雑草が生い茂ってしまうと害虫が集まる原因となってしまうため、除草はこまめに行い、作物の状態を観察し、害虫を見つけたときには、取り除くようにしましょう。また、不織布や防虫ネットをかぶせることで、成虫が飛んできて、卵を産みつけるのを防ぐことができます。

害虫の被害を受けてからでは、すでに多数の卵が産みつけられ、害虫も潜んでいる可能性が高いため、殺虫剤をつかうことをおすすめします。殺虫剤に関しても、園芸店などで家庭菜園用の少量タイプも売られており、有機栽培にも使うことができる天然素材の農薬もあります。

また、長ネギの葉は薬剤が付着しにくいため、展着剤と呼ばれる、薬剤が作物に付着するのを手助けしてくれる薬品を使うようにしましょう。せっかく殺虫剤を散布しても効果が低いともったいないですよね。

作物には必ずと言ってもいいほど虫はついてしまいます。頻繁に畑に見回りにいくことができればいいですが、なかなか時間が取れないという場合には、農薬の使用をおすすめします。

■長ネギの保存方法と賞味期限

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長ネギの栽培に成功して収穫できたらとても嬉しいですよね。たくさん収穫できたときのために、保存方法や賞味期限についても見ておきましょう。

・冷蔵庫の場合


長ネギを冷蔵庫で保存するときは、保湿することを意識すると長持ちします。まずは、長ネギを洗い、根元を切り落としたら、3等分にカットします。カットした長ネギを水で濡らしたペーパータオルで包み、保存袋へ入れて、冷蔵庫の野菜室へ立てて保存します。この保存方法なら、白い部分は3週間、緑色の部分は2週間日持ちすると言われています。また、ペーパータオルは1週間ごとに交換するようにしましょう。

・冷凍庫の場合


冷蔵庫保存の時と同じように、長ネギを3等分にカットして、ペーパータオルなどで水気をしっかりふき取ります。長ネギをラップでくるみ、冷凍用の保存袋へ入れ、空気を抜くようにして口を閉じます。金属製のバットの上に保存袋に入れた長ネギを置き、その上に凍らせた保冷剤を乗せたら、冷凍庫で保存します。こうすることにより長ネギが凍るまでの時間を短くして、食味が落ちてしまうのを防ぎます。冷凍庫では、長ネギの緑色の部分も、白い部分も1ヶ月ほど持たせることができるようです。

■長ネギと葉ネギの違い

ネギには、長ネギのほかに葉ネギと呼ばれる種類があります。ここでは、長ネギと葉ネギの違いについて紹介していきます。

・見た目の違い


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白い部分が長くて太いのが特徴的な長ネギですが、一方で、関西での栽培が盛んなねぎは、比較的細く白い部分が短い「葉ねぎ」と呼ばれ、有名な品種に「九条ネギ」というネギがあります。

・味の違い


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長ネギは、見た目からも分かるように白い部分のボリューム感があり、冬の長ネギは甘みがあり、火を通すことで柔らかく甘みが増すことが特徴です。葉ネギは独特な強い香りと辛みが特徴的です。

・使い道の違い


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長ネギは白い部分をメインに調理して、炒め物や鍋に入れることが多いですが、葉ネギに関しては、白い部分も緑色の葉も細かく刻み、麺類や豆腐料理の薬味として用いられることが多いです。しかし、長ネギの緑色の葉も食べることができ、それぞれのネギを逆の用途で調理することもできます。ぜひ、長ネギも葉ネギもいろいろな料理に使って、違いを楽しんでみてくださいね。

■自分に合った方法で長ネギ栽培に挑戦してみよう!

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少し手間のかかる基本的な栽培方法から、初心者でも簡単にできる方法までいくつか紹介してきたため、きっとそれぞれに合った栽培方法が見つかったのではないでしょうか。自分で育てた長ネギを収穫して食べるのは、特別な味わいになることと思います。ぜひ、挑戦してみてください!

《参考》
キッコーマン株式会社「食べ物が持つ健康パワー(ねぎ)」
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