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【料理酒とみりんの違い】正しい使い分けや切らしたときの代用方法まで紹介

和食にはかかせない調味料の料理酒とみりん。でも料理酒やみりんには、それぞれ種類があるのを知っていますか?この種類の差で味や風味、値段まで違ってきます。

今回はそれらの種類の違いや、使い分けの方法、切らしてしまったときの代用方法などを解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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■料理酒とは?

料理酒と飲んで楽しむ日本酒では、まったく違うものであることをご存じでしょうか。ここでは料理酒の特徴や日本酒との違いをご紹介します。

・原材料


料理酒の原材料は米、米麹、食塩、ぶどう糖果糖液糖、アルコール、酸味料などです。料理酒最大の特徴は塩が入っていること。このことで飲用ではなく料理用に特化した、うま味やコクを引き出すお酒として作られています。

塩分は2~3%含まれていて、なめるとかなりしょっぱいです。海水の塩分濃度が3%ぐらいと、かなり近い数字ですので、そのしょっぱさがおわかりいただけると思います。

・「醸造調味料」と「合成清酒」がある


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料理酒には大きく分けてこの2種類があります。

「醸造調味料」


食品に分類され、清酒を作る段階でもろみに塩や砂糖、水あめ、発酵調味料などを入れたものです。アルコール度数が低く、塩が入っているものがほとんどで、調味料として扱われます。

「合成清酒」


酒類に分類されます。原料の清酒にアミノ酸や醸造アルコールを加えてたもので、アルコール度数が高いため、お酒を扱える店舗でしか買うことができません。清酒を似せて作ったお酒のため、飲むこともできます。醸造調味料に入っている塩は、こちらには入っていません。

・料理酒と日本酒の違い


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料理酒には塩や砂糖といった添加物を入れたものが多く、そのままお酒として飲むには適さないケースがほとんどです。塩分の濃度が海水に近いくらい高いため、そのままなめても塩味を強く感じることが理由として挙げられます。また、飲むことを前提に作られていないため、日本酒では不要の雑味なども、うま味と解釈してそのままにしてあるものが多いです。

日本酒は法律上では『清酒』と呼ばれ、米、米麹、水を原料とし、それらをろ過したもの、もしくは醸造アルコールや糖類を含んだものです。アルコール度数は22%未満で、風味から雑味を取り、米本来のおいしさを飲んで楽しむことを目的に作られています。

料理酒は後から塩を入れる必要がないので、使い勝手が良いこともあります。しかし、反対に酒本来の風味を料理に活かしたい場合は、料理酒では物足りない、ということも出てきます。また、アルコール度数の高さの違いから、酒税法にかかるかどうかも変わってきます。お酒に分類されない料理酒は、税金が安く抑えられるため、安く買うことができるのです。

味の違いが大きいため、普段料理酒を使っている人が日本酒を使って調理したり、その逆の場合は、同じように作っても仕上がりが全く違った料理になってしまうことがあります。人によっては「下味は料理酒」「それ以外は清酒」と分けて使っていることもあるようです。

■料理酒の役割

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料理酒は、飲用の日本酒に比べて酸味や雑味がありますが、料理に使うとどんな効果があるのでしょうか。

・生臭さを消す


含まれているアルコールが揮発することにより、魚や肉の生臭さも一緒に飛ばしてくれるはたらきがあります。また、料理酒に含まれる有機酸は、料理酒に漬けこんだり、調理に使うことで素材の嫌なにおいを消してくれる効果が期待できます。アルコールは火を通すと飛んでいきますので、調理後にアルコール臭さが残ることはありません。

・素材を柔らかくする


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アルコールが素材の水分を逃しにくくするため、加熱による水分の蒸発を防いでくれます。このことから、肉や魚が固くなりすぎません。また、水よりも沸点が低く素材に火を通しすぎないので、素材が固くならずに料理を仕上げることができます。

・コクやうま味をプラスする


料理酒に含まれるブドウ糖やショ糖は、砂糖にはない甘さを引き出すことができ、アミノ酸やグルタミン酸といった成分が、食材のうま味を引き出してくれます。これは飲むときには雑味に感じてしまうものですが、料理として使うにはうま味を与える役割として重要な添加物となっています。

・うま味を閉じ込める


アルコールと添加された糖分によって、うま味を外に逃がさず閉じ込めておくことができます。また、料理酒には酢や塩といった調味料の口当たりをよくするはたらきがあるため、料理をまろやかに仕上げることもできます。

■みりんとは?

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みりんも料理には欠かせない調味料ですが、どのような特徴があるのでしょうか。みりんの原材料から役割をご説明していきます。

・原材料


原材料は、もち米や米麹、焼酎などのアルコールで、これらを2ヶ月ほど寝かせたものがみりんです。寝かせている間にもち米に含まれるタンパク質やデンプンが分解されて、アミノ酸などが形成されることによって、みりん独特の甘みのある風味が生まれます。

・「本みりん」と「みりん風調味料」がある


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「本みりん」


もち米、米麹、アルコールや糖類などの酒税法で定められた原料を使い、糖化熟成されることによって作られ、熟成には30~40日かかります。本みりんはアルコールが14%ほどありますので、酒税法によりお酒を販売できる免許がある店でないと、販売することができません。

本みりんは、もち米、米麹、焼酎の他に酒税法で定められた副原料を入れたものも存在します。中には副原料を使わず、上の原料だけで仕込み、1年以上熟成の期間を経たみりんもあるんですよ。どちらも本みりんですが、添加物にこだわる人は表示を見るとその差がわかるので、購入前に確認してみると良いでしょう。

「みりん風調味料」


水あめや砂糖を調味液に加えて、みりんに近い風味を出したものです。アルコールは1%未満で、ほとんど入っていないのと同じです。アルコールが入っていないことから、酒税の対象にならないので、値段も本みりんより安く買えます。

みりん風調味料は、アルコールが含まれていないことから、加熱をしない和え物のような料理に使うと良さが発揮できます。また、アルコールが含まれていないことから、冷蔵庫に保存するのが望ましいでしょう。

・みりんの歴史


江戸時代には甘いお酒、「蜜醂酒(みりんしゅ)」として夏バテ防止の滋養強壮剤として飲まれていました。正月に飲む「お屠蘇(おとそ)」はみりんに薬草を漬け込んだものです。

江戸時代には『飲むみりん』が主流でしたが、ウナギのたれや、そばつゆに使われるようになったことや、戦後に酒税が抑えられたことから、一般家庭に調味料として広まったとされています。

■みりんの役割

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・上品で優しい甘さを引き出す


みりんは麹の力によって糖化熟成されることにより、甘みやコク、まろやかな風味がが作られます。そのため、素材本来の味を壊すことなく、ほんのりとした甘みを加えることができるのです。また、砂糖と違い、ブドウ糖やオリゴ糖といったさまざまな糖類が入っているため、上品な甘さに仕上げることができます。

・テリやツヤをプラスする


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みりんに入っているさまざまな糖類が、素材の表面に膜を作ることによって、砂糖だけでは出せないテリとツヤが出せます。このテリとツヤによって見た目もきれいで、おいしそうな料理に仕上がりますよ。

・煮崩れを防止する


アルコールと糖類の作用によって、肉や魚には素材のタンパク質を崩さない効果があり、野菜はデンプンや水分を閉じ込めることができます。このことによって煮崩れを防ぐだけでなく、素材のうま味などが流れ出ない作用もあります。

■料理酒とみりんの違い

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二つとも基本の調味料として大事なことはわかりましたが、どういった差があるのかを具体的に知りたいですよね。どちらも同じ料理に一緒に入れることがあったり、似ている料理に使うことが多いです。ここではそんな料理酒とみりんの違いを説明していきます。

・【料理酒】塩分がありしょっぱい


料理酒には3%近くの塩分が入っているため、そのままだとしょっぱくて飲めません。調味料としての働きを目的としているので、清酒ともみりんともまったく異なった味がします。

・【みりん】甘く糖分がある


糖化熟成という方法で熟成されることから、甘みを感じる味です。甘いといっても砂糖のようなストレートの甘さではないので、やさしい甘さを料理に生かすことができます。

・【料理酒】アルコール飲料にあたらない


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料理酒には塩が入っており、飲用できる清酒と差別化をはかっています。このことから、酒税法の区分ではアルコール飲料とみなされておらず、清酒よりも安く売られています。

・【みりん】お酒に分類される


みりんの中でも「本みりん」とされるものにはアルコールが14%ほど入っているため、お酒と分類されます。お酒ですので、酒税がかかりますし、お酒を販売できる免許を持っている店舗でしか取り扱うことができません。

■料理酒とみりんの使い分け

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和食の味付けに、なくてはならない料理酒とみりんですが、どのように使い分けたらいいか、はっきりとわからない人もいるかもしれませんね。ここでは、料理酒とみりんの特徴をいかして、調理の使い分けをご紹介します。

・塩味をつけたいなら料理酒


料理酒には塩が入っていますので、調理に使うとしょっぱい味に変化します。普段清酒を使っている人が、料理酒を同じように使うと、いつもより塩気を感じるのはこのためです。あさりの酒蒸しなどに使うと、塩を入れなくてもほどよく塩味がついて、ご飯のおかずやお酒のアテにピッタリになりますよ。

・甘味をつけたいならみりん


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醤油と一緒に使うような甘じょっぱい味付けで、食材にテリをつけたいような料理に向いています。豚の角煮や大根の煮物や、魚の煮つけなどにピッタリです。甘いだけではなく、料理にコクや深みもつけてくれますよ。

・くさみを取りたいなら?


魚や肉などの下準備として、くさみを取りたいときは「料理酒」か「本みりん」が合っています。成分として含まれているアルコールが素材のくさみを取る作用があるので、下ごしらえのときはアルコールが含まれているものを使うといいですよ。

料理酒にはアルコールが入っていますが、みりんは「本みりん」でないとアルコールが入っていません。みりん風調味料しかない場合は、料理酒を使うようにしましょう。

■料理酒とみりんは代用できる?

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和食の料理を作りたいけど、料理酒やみりんがないということもありますよね。そんなときは、別のもので代用できますよ。切らしてしまったときもこの方法で調理できますので、参考にしてみてくださいね。

・【料理酒】焼酎で代用


料理酒の代用品といえば清酒ですが、これもない場合は焼酎でも代用できます。焼酎はアルコール度数が高く、クセが強いものもあるので、使う際は本来の料理酒の分量よりも少なめにして、だし汁などの分量を増やす工夫が必要です。

また、焼酎の方が甘みを感じやすく、料理酒よりコクが深くなりますので、素材がこってりしたものでも、負けない力強さを出すことができます。魚や肉などの臭みを取るのにも向いていますよ。

・【みりん】料理酒と砂糖を混ぜる


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みりんの特徴は甘みです。この甘みを再現するために、料理酒に砂糖を混ぜて代用します。もともと料理酒には塩が含まれているため、味を見ながら砂糖の量を調節するようにしましょう。市販のみりんでは甘みが強すぎてしまう、と感じるときもこの方法で砂糖を加減すれば、自分好みの甘さにできますよ。

・【料理酒】ワインで代用


料理酒に近い日本酒は醸造酒ですが、ワインも同じ醸造酒です。ぶどうの酸味が料理酒にはない風味ですが、素材を柔らかくしたりするには役目を果たしてくれます。料理酒をたくさん使う料理に代用すると味がまったく変わりますので、量やほかの調味料とのバランス調整が必要になってきます。

赤ワインは色がついているので、どちらかというと白ワインのほうが使いやすいです。クセが強い年季の入っているワインよりも、料理に使うようなクセのないワインのほうが代用には向いています。

■料理酒やみりんをうまく使いこなして料理上手をめざそう!

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和食には欠かせない調味料の料理酒や、みりんのことがおわかりいただけたでしょうか。同じようなものでもこれだけの差があるので、役割と味をうまく使いこなしたいですよね。日本伝統の調味料を上手に使えると、和食の仕上がりに自信が持てるはずですよ。
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