じゃがいもは皮ごと食べても大丈夫?簡単なむき方から保存方法まで紹介
2020年9月13日 11:00そんなじゃがいもを調理する際、皮をどうするのか迷ったことはありませんか?じゃがいもに限らず野菜の皮を処分するかどうかは、ご家庭やメニューによっても対応が分かれると思います。今回はじゃがいもの皮の安全性や皮を食べることへのメリット、デメリット。注意すべき点などをご紹介したいと思います。
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■じゃがいもを皮ごと食べる時の注意点やメリットは?
お店でフライドポテトなどを食べるとき、皮つきタイプとそうでないものがありますよね。どちらが好みかは人によって違うと思いますが、じゃがいもは皮まで食べられる野菜です。野菜は皮ごと食べることで本来の栄養素を無駄なく摂る事ができるというメリットがあります。ただし、じゃがいもを皮つきで食べる際には少し注意が必要です。・緑に変色している場合は取り除く
じゃがいもの芽の部分に『毒』が含まれることは、ご存じのかたも多いでしょう。ジャガイモの芽には『ソラニン』や『チャコニン』という天然毒素が含まれています。これらの毒素を大量に摂ると、人によっては食中毒をおこしてしまうこともあるようです。皮の部分にも含まれることがありますが、過剰に警戒する必要はありません。毒素をたくさん含んだじゃがいもの皮は緑色に変色するので、下処理の段階で変色した部分はしっかり皮を取り除きましょう。
自宅で栽培する場合は注意が必要
じゃがいもの芽や皮と同じで、未熟なじゃがいもも毒を多く含んでいる事があります。もしも自宅でじゃがいもを栽培する場合は、十分に大きく成長したじゃがいもを収穫しましょう。実際に小学校で収穫されたじゃがいもを食べて食中毒を起こしてしまった例もあるため十分な注意が必要です。
きちんとした知識さえ身に付けていれば、じゃがいもは初心者にも育てやすく、比較的手のかからない野菜なのでおすすめです。お子様と一緒に育てれば食育にもなりますね。収穫の際には是非皮ごと新鮮なじゃがいもを堪能してみて下さいね。
・芽に含まれる毒素に注意する
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じゃがいもは、芽に含まれる毒素が最も多いため、購入する前に芽が出ていないかをしっかり確認するようにしましょう。自宅で保存していたじゃがいもに芽が出てしまった場合は、根本を含め完全に取りのぞくようにしましょう。包丁の角の部分などを使い、茶色くなった部分までしっかりそぎ取ります。
・光を当てずに保存すれば毒素の影響は防げる
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じゃがいもは日光が当たる事で光合成を始め、緑色に変色し始めます。気温が20℃をこえると発芽や腐敗の危険もあるため、保管する時は通気性の良い、暗くて涼しい所で保存することが望ましいとされています。また、じゃがいもの毒素による食中毒を未然に防ぐには、買い置きをせず、必要な分だけ買うことも有効です。
・元々皮が赤いじゃがいももある
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じゃがいもの中には皮の赤い品種もあります。複数の品種があって、中には生産が少なく入手が難しいものもあるようです。品種によってそれぞれに特徴は異なりますが、私たちが普段食べている茶色いじゃがいもとはまた違った味わいが楽しめるそうですよ。ちなみに、皮が赤いのは『アントシアニン』によるもので、赤ワインやブルーベリーにも含まれるポリフェノールの一種です。
・皮付きで食べた方が栄養が摂れる
もちろん一般的なじゃがいもの皮も栄養豊富で、中身よりも多くの鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ビタミンが含まれます。下処理さえ適切に行えば、皮付きでじゃがいもを食べることで効率よく栄養を摂取することができますね。
・冷凍しても皮ごと食べられる
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じゃがいもは冷凍することで食感などが落ちてしまうことから、避けている人も多いようですが、実は丸ごと冷凍することもできます。さらに解凍したものを皮付きで食べることも可能です。
じゃがいもを丸ごと冷凍する場合はしっかり土を落としたあと、綺麗に洗ってキッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ります。じゃがいもに芽がある場合は、この段階で処理しておきましょう。下処理したじゃがいもは1つずつラップでしっかりくるみます。いくつかまとめて密閉できる袋に入れて冷凍庫に入れます。冷凍したじゃがいもは、レンジで解凍するか自然解凍でもOKです。解凍後は少しブヨブヨとした感じになりますが、過熱すると元のホクホクした食感が楽しめます。
■じゃがいもの皮を簡単にむく方法
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じゃがいもの皮をむくとき、どのようにしていますか?お料理によっては、生のままむいた方が良い場合もあれば、火を通してからむくという場合もあるでしょう。そこで簡単に皮をむくことができる方法をいくつかご紹介します。ぜひご家庭でも参考にしてみて下さいね。
・皮に切り込みを入れて『茹でる』
- じゃがいもの中心あたりに包丁をあて、ぐるりと一周切り込みをいれます。
- じゃがいもをお湯で茹で、取り出したら冷水でさまします。
- 切り込みを入れた中心の部分を、左右に開くようにすると簡単に皮がむけます。
・『レンジ』で温め熱いうちにむく
- 上記と同じで切り込みをいれておきます。
- 軽く全体に水分を付けたじゃがいもを、ラップでふんわりとくるみます。
- レンジを使って、じゃがいも1個あたり600Wで3分程温めたら、粗熱が取れるまで待ち触れる程度になったら熱いうちに皮をむきます。
・『皮むき用手袋』を使う
じゃがいもだけでなくゴボウなどの皮もむくことができる、『皮むき用の手袋』は100円ショップなどでも購入できます。手袋全体にゴツゴツとした加工がしてあり、こするだけで野菜の皮を取ってくれます。丸くて転がりやすいじゃがいもも、手袋を使えば楽に皮むきすることができます。
・『ピーラー』を使う
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ピーラーを使う場合、じゃがいもをまな板にのせ反対の手で固定してピーラーを当てると、刃が水平になる為皮むきの際のストレスが軽減しますよ。最近ではじゃがいものカーブに合わせて、刃先もカーブする使いやすいピーラーなども販売されています。じゃがいもの皮むきにストレスを感じる人は試してみるのもよさそうですね。
・『包丁』を使う
熟練した人なら、この方法が一番早いと感じるかもしれません。包丁を使って皮をむく際は、縦方向に一周ぐるりと皮をむいてから残りをむき、最後に芽を取り除くとスムーズです。
・『自動皮むき器』を使う
じゃがいもを機械にセットすると、あとは自動的に皮をむいてくれる『自動皮むき器』が販売されています。ほかの野菜や果物の皮むきにも使う事ができるようでお値段は安いものなら4000円前後からあるようです。他の方法に比べるとお金はかかりますが、野菜や果物の皮むきが本当に「嫌!」「苦手!」という人には良いかもしれませんね。
・新じゃがなら『アルミホイル』で
新じゃがの皮は薄く柔らかいので、丸めたアルミホイルを皮に当てて軽くこする事で皮をむくことができます。新じゃがは普通のじゃがいもに比べると新鮮で毒素も少なく栄養価も高いので、皮ごと食べるのにも適しています。
■皮をむいたじゃがいもは保存出来る?
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皮をむいてしまったじゃがいもをそのままにしておくと変色してきてしまいます。これはじゃがいもが長時間空気にふれる事で酸化してしまうことが原因です。変色したじゃがいもは、食べても問題ありませんが、せっかくなら見た目のいい状態で食べるのが理想ですよね。じゃがいもはちょっとしたひと手間で酸化から守る事ができます。下処理だけしてお出かけしたいときなどは、ぜひ実践してみてくださいね。
・水につける
じゃがいもは水にさらした状態で保存することで酸化をふせぐことが可能です。ここで注意しなくてはいけないことは、じゃがいも全体がきちんと水に浸かった状態にすることです。水から出てしまうとそこから酸化してしまいます。しっかり全体が水で浸るようにし、冷蔵庫で保存します。
・プラスチック袋に入れる
ボウルや容器を使っても良いですが、スライド式の密閉できる袋やポリ袋に入れる方が、場所をとらず保存できます。空気を抜いてしっかり口をしめて保存しましょう。洗い物も減るのでおすすめの方法です。
・3日以内に食べきる
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このような保存方法を取れば、じゃがいもは3〜4日は腐ることなく保存できます。しかし、じゃがいものでんぷんは長時間水に浸けることで流れ出てしまい、ホクホク感が失われてしまう原因になります。酸化や変色を防ぐことは出来ますが、出来ればその日以内に、遅くても3日以内に食べきることが望ましいです。
・潰すか揚げれば冷凍保存も
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あらかじめ作り置きしてじゃがいもを保存したい場合は、マッシュポテトにするのがおすすめです。マッシュポテトにしたじゃがいもは、小分けでラップをして密閉袋に入れて冷凍保存すれば、2~3週間保存が可能です。ポテトサラダやコロッケに重宝しますよ。マッシュポテトを冷凍保存するときは、キッチンペーパーなどでしっかり水分を拭きとり、冷ましてから保存するのがポイントです。解凍する時は自然解凍したほうが、より本来のじゃがいもを楽しむことができます。
油で揚げるのなら生でもOK
そのまま切った物を冷凍保存する場合は皮付きでくし切りにしたり、細切りで保存しましょう。使用する時は油で揚げてフライドポテトにしてしまえばふっくらとして美味しくいただくことができますよ。時間がない場合や大量にじゃがいもがある場合はおすすめの方法です。
■皮付きじゃがいもにおすすめの料理4選
ホックりとしたじゃがいも料理はとても魅力的でつい食べ過ぎてしまうことも。こちらでは皮付きのままだからこそ食べたいじゃがいも料理をご紹介します。普段のじゃがいもはもちろん、新じゃがや新鮮なじゃがいもで食べるとより一層美味しいこと間違いなしなので手に入ったときには是非試してみて下さいね。・フライドポテト
「じゃがいもといえばフライドポテト!」という方も多いのではないでしょうか。老若男女問わず、世界中の人々から愛されています。皮付きで揚げる太めのフライドポテトは、パリッと仕上がった皮とホクホクした食感が特徴です。
生ハムの塩気が効いたレシピをご紹介します。
材料(2人分)
ジャガイモ(男爵)2個
サラダ油適量
<調味料>
・塩適量
・粗びき黒コショウ適量
・粒マスタード小さじ1~2
・ニンニク(すりおろし)少々
生ハム2~4枚
イタリアンパセリ(刻み)適量
下準備
ジャガイモは皮ごと水洗いして水気をしっかり拭き取り、ひとくち大に切って水に放ち、白濁したらザルに上げて水気を拭き取る。大きめのボウルで<調味料>の材料を混ぜ合わせる。生ハムは長ければ食べやすい長さに切る。
作り方
手順1:小さめのフライパンにジャガイモを入れ、サラダ油をヒタヒタに注ぎ、弱めの中火にかけ、火が通ったら強火にして色よく揚げて取り出す
手順2:油をきって<調味料>で和え、器に盛って生ハムをのせ、イタリアンパセリを散らす
・ハッセルバック風ポテトグラタン
切って焼くだけのおしゃれな『ハッセルバックポテト』は、近ごろSNSでも話題です。切り目を入れる際に、じゃがいもを挟むように菜箸を置いて切ると切りすぎを防ぐことができます。
材料(2人分)
ジャガイモ(大)2個
ベーコン3~4枚
<ホワイトソース>
・玉ネギ1個
・牛乳300ml
・小麦粉大さじ2
・バター10g
・顆粒スープの素小さじ1
ピザ用チーズ50g
オリーブ油少々
ハーブソルト少々
ドライパセリ少々
下準備
ジャガイモは皮ごとよく洗い、手前と奥に菜ばしを置いて幅2mmの深い切り込みを入れる。切り口を下にして10分水にさらす。ベーコンを幅1cmに切る。玉ネギは縦半分に切って、さらに縦薄切りにする。オーブンを220℃に予熱する。
作り方
手順1:水気を拭いたジャガイモの切り込みにベーコンを挟み、耐熱容器にのせてオリーブ油とハーブソルトをかける
手順2:(1)を220℃に予熱したオーブンで30分焼く。その間にホワイトソースを作る。フライパンにバターを中火で熱し、玉ネギを炒める
手順3:玉ネギがしんなりしたら小麦粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒め合わせる。牛乳を加え、混ぜながらトロミがつくまで火を入れる
手順4:顆粒スープの素で味を調え、30分焼いたジャガイモの隙間にかける。ピザ用チーズをのせて更に10~15分焼く
手順5:焼き上がったらドライパセリを振る
・電子レンジですぐできる「じゃがバター」
じゃがいもを丸ごと使ったじゃがバターも、レンジを使えば短い時間で作ることができます。マヨネーズなどのお好みの調味料で味変しながら食べると、色々な味が楽しめますよ。
材料(4人分)
ジャガイモ(男爵)中4~5個
バター30g
生クリーム大さじ2
ドライパセリ少々
塩コショウ少々
下準備
ジャガイモは皮ごときれいに水洗いし、中央に1周切り込みを入れて水に放ち、ぬれたまま1個ずつラップに包む。電子レンジで4~5分加熱し、向きを変えて、さらに4~5分加熱する。竹串を刺してみてスッと刺さったらOK、固ければもう少し加熱する。電子レンジは600Wを使用しています。
作り方
手順1:柔らかくなったジャガイモの皮をむき、ひとくち大に切ってボウルに入れる
手順2:ジャガイモが熱いうちにバターを加えて混ぜ合わせ、生クリーム、塩コショウ、ドライパセリを加え全体に混ぜる
※バターが溶けにくい場合は、耐熱容器にジャガイモとバターを入れ、電子レンジで加熱をしてバターを溶かし、全体にからめて下さい
・新じゃがなら「煮物」
小さな新じゃがは、皮付きのまま煮物にすると絶品です。煮るときにじゃがいも同士が重ならず、大きすぎないサイズの鍋を使って調理することが火の通りを均一にするコツです。
材料(4人分)
新ジャガイモ小1袋
サヤインゲン6本
・塩(ゆでる用)少々
だし汁300ml
<調味料>
・酒大さじ3
・みりん大さじ2
・砂糖大さじ2
・しょうゆ大さじ2
・サラダ油小さじ1
下準備
新ジャガイモは皮ごときれいに水洗いし、半分または4つに切る。サヤインゲンは軸を少し切り落とし、塩少々を入れた熱湯でゆでて水に取り、粗熱が取れたら水気をきって長さ2cmに切る。
作り方
手順1:鍋にだし汁、<調味料>、新ジャガイモを入れて強火にかけ、煮立ってきたら落とし蓋をして常にクツクツ煮えている火加減で新ジャガイモが柔らかくなるまで煮る
手順2:煮汁が少なくなったら火を止め、器に盛ってサヤインゲンを散らす
■じゃがいもは皮付きで食べても安全
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じゃがいもは料理によっては皮をむいて食べる方が適したもの、皮付きのほうがより美味しく食べられるものと分かれてくる場合もあります。無理にどちらかにこだわる必要はなく、状況によって上手に使い分けるのもおすすめです。新じゃがなどは毒素も少なく、皮付きで食べるととても美味しいので、あえてそう言った調理法をとるのもいいですね。
また、じゃがいもの皮は決して危険な食べ物ではなく、芽や皮の変色に注意すれば栄養もあり美味しく食べることができます。これまでじゃがいもを皮付きで食べる事を避けてきたという人も、これを機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?特に今回ご紹介したレシピは皮付きのじゃがいもだからこそ楽しめるものばかりですので是非おうちの献立にも取り入れてみてくださいね。
《参考》
・農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」
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