発酵食品で美肌になる! 見直したい「麹」の魅力と簡単レシピ
2015年8月26日 12:00
味噌や醤油、みりんなど日本伝統の調味料を作るのに欠かせない麹(こうじ)。私たちの身近にありながら、その存在はあまり意識されていないかもしれませんね。麹は、蒸した米や麦に「麹菌」という微生物を繁殖させたもので、いろいろな料理に使えるうえ、栄養満点。“万能調味料”といわれる塩麹や、“飲む点滴”といわれる甘酒も、麹からできる発酵食品です。
数年前の塩麹ブーム以降、しばらく麹から離れていた人も、いま改めて麹の良さを見直してみませんか?
「麹」を使った発酵食品の魅力とは?今回は塩麹の第一人者であり、イラストレーターで麹料理研究家のおのみささんに、麹の魅力や簡単でおいしい使い方を教えてもらいました。
おのさんが麹にはまったのは、まだ塩麹ブームが起こる前、2009年ごろのこと。
「味噌が意外に簡単に作れると聞いて、ジッパー付きの袋で作ってみたんです。材料は麹と大豆と塩だけ。夏だったのですぐに発酵が進み、袋がパンパンに膨らんでビックリしました。“この中に何がいるの!?”って(笑)。しかも、しばらくしたら、ちゃんと味噌ができた。この麹が生きている感じがおもしろいなあと思ったんです」
続いて、ある料理マンガに塩麹のことが少し載っていたのを見て、塩麹づくりにも挑戦。「できた塩麹に野菜や肉を漬けてみたら、ものすごくおいしくて! これはいいな、と麹にはまっていきました」とおのさん。その後、味噌や醤油、甘酒なども手づくりするようになり、麹ライフを拡大。2010年には、『からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ』を出版するに至りました。現在では著書は5冊にのぼり、今年は月に約1回のペースで麹料理のイベントも開催しています。
「麹による発酵の実験ぽい感じにも心がくすぐられますし、そもそも麹の味がすごく好きで。工夫次第で料理の幅が広がるのも楽しいところ。しかも体にもいいし」とおのさんは楽しそうに話します。
栄養満点! 美肌にも嬉しい「麹」味噌や塩麹といった麹を使った発酵食品は、料理をおいしくしてくれるだけでなく、健康や美容に嬉しい効果も期待できます。
「麹に含まれる消化酵素は、タンパク質やでんぷんを分解してアミノ酸や糖を生成し、消化吸収を促してくれます。アミノ酸は、骨や肌、皮膚を作るのを助けるので、美肌効果も期待できます。麹を毎日摂っているせいか、近ごろは体も丈夫で、健康診断でも、わりとほめられます。麹のおかげで健康も1割増しくらいなのかもしれません(笑)」
麹を使った発酵食品は種類が豊富なので、気負わなくても日常的にちょこちょこ摂れるのも嬉しいところです。
超簡単! おのさん流・麹のおいしい使い方麹を多彩に楽しんでいるおのさんですが、麹を使った発酵食品のうち、よく使うトップ3は、「塩麹」「味噌」「甘酒」だそう。
「塩麹はとにかくよく使います。肉や魚を漬けるのが定番ですが、私がよくやるのは炒め物。食材はだいたい何でも合いますね。少しコクや旨みが欲しいときは醤油やオイスターソースを加えます。
野菜の塩麹漬けも定番です。キュウリのほかに、ピーマン、トマト、アボカドなどもおいしく作れます。ビニール袋に野菜と塩麹と一緒にいれて、30分程度おいたらできあがり。一晩おくと、よりしっとりします。皿に盛ったあと、ごま油やオリーブオイルをさっとまわしかけると、コクが出ておいしいですよ」
塩麹には専用の小さじ、大さじを用意し、保存瓶に入れっぱなしにしておくと、使いたいときにさっと使えて便利です。
甘酒はそのまま飲む以外に、炭酸水や豆乳で割ったり、ミルクティーに入れたり、飲み方のアレンジもいろいろ楽しめます。
「手作りの甘酒はミキサーでなめからにしてもいいですが、私はあえてそのままで、麹の粒感も楽しんでいます。料理に甘味を加えたいときに砂糖がわりに使うこともあります。醤油と相性がいいんですよ」
簡単にできる麹レシピ1:
水筒で作れる「麹だけの甘酒」最後に、麹初心者でもすぐに作れる、失敗知らずの麹レシピを2つ教えてもらいました。
まず1つ目が、麹だけで作る甘酒。ふつうの甘酒は炊いたごはんやおかゆも入れますが、実は麹だけでも作れます。あっさりした味わいに仕上がるので夏にぴったり!
▼水筒で作れる「麹だけの甘酒」レシピ
<材料>
・麹……100グラム
・60℃のお湯……200~250ml
※温度が高すぎると酵素が死んでしまい、逆に低いとあまり活動しないので、60℃を守ってください。
<手順>
1)保温性の高い水筒(360~500ml)にお湯を注ぎ、中を温めておく
2)麹はかたまっていたらほぐす。1の水筒のお湯を捨て、麹を入れる
3)お湯を60℃に温めて2に入れ、一晩(10~12時間)置いたらできあがり!
「上記の分量は、写真の白い360mlの水筒でちょうどいいくらい。夏は甘酒1/3と炭酸水2/3を混ぜて飲むのもオススメ」とおのさん。シュワーッとして見た目にも清涼感があり、ちょっとオシャレな感じに仕上がります。
簡単にできる麹レシピ2:
大人のおつまみ「酒粕ヨーグルトディップ」もう1品は、酒粕で作るディップ。こちらも材料を混ぜて寝かせるだけ、と超簡単。クラッカーやパンにつけるとおいしいです。
▼大人のおつまみ「酒粕ヨーグルトディップ」レシピ
<材料>
・酒粕……50g
・水切りヨーグルト……50g
・レーズン…50~60g
※酒粕はできるだけ良質なものを使うのがおいしく仕上げるコツです
※水切りヨーグルトの代わりに、クリームチーズを使ってもOK
<手順>
1)酒粕は固ければ耐熱容器に入れ、電子レンジで10~20秒加熱する
2)すべての材料を混ぜ、冷蔵庫で一晩寝かせてできあがり!
「酒粕のアルコール分があるので夜や休日向きのメニューかも(笑)。お酒のおつまみにもぴったりですよ」とおのさん。ホームパーティーに出すと、「これ何!?」とみんなで盛り上がれそうですね。
麹も酒粕もスーパーで簡単に手に入るので、思い立ったらいつでも始められる麹ライフ。気負わず気になるものから取り入れてみては?
数年前の塩麹ブーム以降、しばらく麹から離れていた人も、いま改めて麹の良さを見直してみませんか?
「麹」を使った発酵食品の魅力とは?今回は塩麹の第一人者であり、イラストレーターで麹料理研究家のおのみささんに、麹の魅力や簡単でおいしい使い方を教えてもらいました。
イラストレーター・麹料理研究家 おのみささん
おのさんが麹にはまったのは、まだ塩麹ブームが起こる前、2009年ごろのこと。
「味噌が意外に簡単に作れると聞いて、ジッパー付きの袋で作ってみたんです。材料は麹と大豆と塩だけ。夏だったのですぐに発酵が進み、袋がパンパンに膨らんでビックリしました。“この中に何がいるの!?”って(笑)。しかも、しばらくしたら、ちゃんと味噌ができた。この麹が生きている感じがおもしろいなあと思ったんです」
続いて、ある料理マンガに塩麹のことが少し載っていたのを見て、塩麹づくりにも挑戦。「できた塩麹に野菜や肉を漬けてみたら、ものすごくおいしくて! これはいいな、と麹にはまっていきました」とおのさん。その後、味噌や醤油、甘酒なども手づくりするようになり、麹ライフを拡大。2010年には、『からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ』を出版するに至りました。現在では著書は5冊にのぼり、今年は月に約1回のペースで麹料理のイベントも開催しています。
「麹による発酵の実験ぽい感じにも心がくすぐられますし、そもそも麹の味がすごく好きで。工夫次第で料理の幅が広がるのも楽しいところ。しかも体にもいいし」とおのさんは楽しそうに話します。
栄養満点! 美肌にも嬉しい「麹」味噌や塩麹といった麹を使った発酵食品は、料理をおいしくしてくれるだけでなく、健康や美容に嬉しい効果も期待できます。
「麹に含まれる消化酵素は、タンパク質やでんぷんを分解してアミノ酸や糖を生成し、消化吸収を促してくれます。アミノ酸は、骨や肌、皮膚を作るのを助けるので、美肌効果も期待できます。麹を毎日摂っているせいか、近ごろは体も丈夫で、健康診断でも、わりとほめられます。麹のおかげで健康も1割増しくらいなのかもしれません(笑)」
麹を使った発酵食品は種類が豊富なので、気負わなくても日常的にちょこちょこ摂れるのも嬉しいところです。
超簡単! おのさん流・麹のおいしい使い方麹を多彩に楽しんでいるおのさんですが、麹を使った発酵食品のうち、よく使うトップ3は、「塩麹」「味噌」「甘酒」だそう。
「塩麹はとにかくよく使います。肉や魚を漬けるのが定番ですが、私がよくやるのは炒め物。食材はだいたい何でも合いますね。少しコクや旨みが欲しいときは醤油やオイスターソースを加えます。
野菜の塩麹漬けも定番です。キュウリのほかに、ピーマン、トマト、アボカドなどもおいしく作れます。ビニール袋に野菜と塩麹と一緒にいれて、30分程度おいたらできあがり。一晩おくと、よりしっとりします。皿に盛ったあと、ごま油やオリーブオイルをさっとまわしかけると、コクが出ておいしいですよ」
塩麹には専用の小さじ、大さじを用意し、保存瓶に入れっぱなしにしておくと、使いたいときにさっと使えて便利です。
甘酒はそのまま飲む以外に、炭酸水や豆乳で割ったり、ミルクティーに入れたり、飲み方のアレンジもいろいろ楽しめます。
「手作りの甘酒はミキサーでなめからにしてもいいですが、私はあえてそのままで、麹の粒感も楽しんでいます。料理に甘味を加えたいときに砂糖がわりに使うこともあります。醤油と相性がいいんですよ」
簡単にできる麹レシピ1:
水筒で作れる「麹だけの甘酒」最後に、麹初心者でもすぐに作れる、失敗知らずの麹レシピを2つ教えてもらいました。
まず1つ目が、麹だけで作る甘酒。ふつうの甘酒は炊いたごはんやおかゆも入れますが、実は麹だけでも作れます。あっさりした味わいに仕上がるので夏にぴったり!
▼水筒で作れる「麹だけの甘酒」レシピ
<材料>
・麹……100グラム
・60℃のお湯……200~250ml
※温度が高すぎると酵素が死んでしまい、逆に低いとあまり活動しないので、60℃を守ってください。
<手順>
1)保温性の高い水筒(360~500ml)にお湯を注ぎ、中を温めておく
2)麹はかたまっていたらほぐす。1の水筒のお湯を捨て、麹を入れる
3)お湯を60℃に温めて2に入れ、一晩(10~12時間)置いたらできあがり!
「上記の分量は、写真の白い360mlの水筒でちょうどいいくらい。夏は甘酒1/3と炭酸水2/3を混ぜて飲むのもオススメ」とおのさん。シュワーッとして見た目にも清涼感があり、ちょっとオシャレな感じに仕上がります。
簡単にできる麹レシピ2:
大人のおつまみ「酒粕ヨーグルトディップ」もう1品は、酒粕で作るディップ。こちらも材料を混ぜて寝かせるだけ、と超簡単。クラッカーやパンにつけるとおいしいです。
▼大人のおつまみ「酒粕ヨーグルトディップ」レシピ
<材料>
・酒粕……50g
・水切りヨーグルト……50g
・レーズン…50~60g
※酒粕はできるだけ良質なものを使うのがおいしく仕上げるコツです
※水切りヨーグルトの代わりに、クリームチーズを使ってもOK
<手順>
1)酒粕は固ければ耐熱容器に入れ、電子レンジで10~20秒加熱する
2)すべての材料を混ぜ、冷蔵庫で一晩寝かせてできあがり!
「酒粕のアルコール分があるので夜や休日向きのメニューかも(笑)。お酒のおつまみにもぴったりですよ」とおのさん。ホームパーティーに出すと、「これ何!?」とみんなで盛り上がれそうですね。
麹も酒粕もスーパーで簡単に手に入るので、思い立ったらいつでも始められる麹ライフ。気負わず気になるものから取り入れてみては?
おのみさ プロフィール
イラストレーター兼、麹料理研究家。麹の魅力にはまり、日々麹料理を研究中。2010年『麹のレシピ』を出版、麹ブームを巻き起こす。現在は「麹酒場」を定期的に開催。麹をつかった料理教室を開催予定。詳しくは→ http://koujieeen.exblog.jp/
著書:『絵でわかる麹のひみつ』(著者:小泉武夫 絵・レシピ:おのみさ 講談社サイエンティフィク)、『おのみさの麹のよさを200%引き出すアイデア帖』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『麹巡礼 おいしい麹と出会う9つの旅』(集英社)、『麹のおつまみ』(池田書店)、『毎日がたのしくなる 塩麹のおかず』(池田書店)、『からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ』(池田書店)など。
イラストレーター兼、麹料理研究家。麹の魅力にはまり、日々麹料理を研究中。2010年『麹のレシピ』を出版、麹ブームを巻き起こす。現在は「麹酒場」を定期的に開催。麹をつかった料理教室を開催予定。詳しくは→ http://koujieeen.exblog.jp/
著書:『絵でわかる麹のひみつ』(著者:小泉武夫 絵・レシピ:おのみさ 講談社サイエンティフィク)、『おのみさの麹のよさを200%引き出すアイデア帖』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『麹巡礼 おいしい麹と出会う9つの旅』(集英社)、『麹のおつまみ』(池田書店)、『毎日がたのしくなる 塩麹のおかず』(池田書店)、『からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ』(池田書店)など。
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