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焼酎に賞味期限が無いのはなぜ?保存方法や余ったときの使い道まで紹介

暑かった夏も終わり、少しずつ秋も深まってきましたね。季節が移ろいで寒くなってくると、温かい焼酎のお湯割りなどがほしくなりませんか。ところが焼酎の飲みかけを久しぶりに持ってきてラベルを見ると…賞味期限がない、という経験もあるでしょう。これではいつまで飲めるのかわかりませんよね。今回は、なぜ焼酎に賞味期限が無いのかその理由と対策を紹介します。

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■焼酎に賞味期限がない理由とは

もし、お手元に焼酎をお持ちの方は確認してみてください。焼酎には賞味期限が無いことがわかっていただけることでしょう。書き損じやお手元の焼酎が特別なのではなく、焼酎には賞味期限が無いのです。一体これはどういうことなのでしょうか。

・賞味期限とは


そもそも賞味期限とは何かから考えてみましょうか。賞味期限とは「おいしく食べられる期間」のことをさしていて、よく混同される言葉に「消費期限」があります。消費期限は「安全に食べられる期間」のため、だいぶちがいますね。賞味期限が切れていて悩むことはあってもいいですが、消費期限が切れていた場合は残念ながらあきらめたほうがいいでしょう。

・なぜ焼酎に賞味期限がないの?


賞味期限の原因である菌類は、高濃度アルコールの中では存在できないのです。消毒液にアルコールが使用されることからもわかりますよね。

焼酎は、醸造酒をもとに蒸留して作るため必然的に高めのアルコールになってしまいます。そのため菌がいなくなり、菌が無ければ悪くもならないというわけです。

・焼酎に記載された日付の意味


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賞味期限とは別に、焼酎には日付が書いていることに気が付かれましたでしょうか。これは製造年月日を記したもので「詰口年月日」という焼酎独特の表記です。焼酎は年月を置くにつれて味が深まっていくお酒のため、お酒を瓶に詰めた年を知りたいというユーザーにこたえて詰口年月日が生まれました。たとえば、これを見ることでどんな味になったか推測できる人もいるのです。

さらに保存のいい状態で焼酎を詰めたまま置いておくと「古酒」と呼ばれるカテゴリーの焼酎となります。読み方は普通の焼酎の場合「こしゅ」、沖縄焼酎である泡盛の場合「クースー」といって、両者ともとてもファンが多いお酒です。

樽などに詰められて保存されているものが多く、3年くらいから「古酒」として出荷され、長いものでは150年ほどのものまであるのです。まろやかさが段違いに増した焼酎になるのですが、寝かせるだけとはいっても温度や湿度などの品質を保ったまま年間単位で貯蔵するのは難しく、そのため高額になりがちなのも特徴の一つです。

・開封後でも風味が劣化しない期間は?


前述したように、開封後だからといって飲めなくなることはありませんが、多少風味が劣化することはあり得ます。しかし正しく保存をしていれば、開封後でも半年間はおいしいまま飲むことができます。正しい保存方法の大事な点は、直射日光を避ける、温度を保つ、空気に触れさせない、においの強いものを避ける、の4点に気を配りましょう。

・紙パックの焼酎は香りが変わる?


紙パックだから香りが変わるということはありません。実は紙パックの内部は樹脂で覆われているので、劣化せずに保存することができるのです。ただし紙パックは構造上、一度開けると空気が入り込みやすくできています。空気が入ると香りが変わる原因になることがあるので慎重に扱ってください。

・焼酎以外のお酒も賞味期限が無い?


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焼酎は比較的アルコール度数の高いお酒のため賞味期限はありませんが、そのほかのお酒はどうでしょうか。アルコールが10度を超すと菌が活動することができないため、賞味期限はないことになります。

たとえばウオッカやウイスキーなどの蒸留酒は醸造酒を蒸発させ、アルコールを高めているため賞味期限はありません。一方日本酒やビールなど、アルコール度数が10度以下の場合賞味期限があります。

それではお酒と調味料の中間のような存在、本みりんはどうでしょうか。実は本みりんのアルコールは約14度程度となっており意外と高いくなっております。そのため調味料としては非常に長い賞味期限が設定されていて、さらには消費期限も書いています。

ここではてなと思った方もおられるのではないでしょうか。そうです、長いとはいえ本みりんには消費期限があるのです。つまり悪くなるということで、その原因は長い年月の結果本みりんのアルコールが抜けていってしまうからなのです。抜けていった結果14度あったアルコールは10度以下にまで下がっていきやがて悪くなるわけです。

■焼酎の賞味期限と劣化のチェックポイント

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焼酎に賞味期限はなくても劣化はします。できるだけ早くに飲みましょう、とはいってもつい余らせてしまうこともあることでしょう。劣化しているかどうかをより正確に判別する方法をご紹介します。

・未開封か否か


真っ先に考える点は開封の有無です。気を付けたいのは、焼酎には紙パックや瓶などのさまざまなボトルと封の仕方があり、中には変わったデザインのボトルがあるのです。開封済みかどうかがわかりにくいものもありますので、記憶を辿り、念入りにチェックしましょう。

・異臭の有無


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劣化が過ぎると焼酎から「日光臭」という不快なにおいが出てきます。これは焼酎が紫外線によって劣化することで出るのですが、もしこのにおいが出てきたら飲まないでください。日光臭のにおいは、すごくつんとした酸っぱいにおいのような…あるいはガソリンにたとえられたりします。

・変色の有無


焼酎が劣化すると、少し黄色みがかったように変色することがあります。変色する原因は主に「光」「時間」「温度」の兼ね合いでおこるのです。高温多湿を避けて日の当たりにくいところに保存して、できるだけ早く飲みましょうね。冷蔵庫での保存が適切ですが、油が浮いてしまうことがあるので、飲むときに振ってください。

・味の変化


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香りが変わってしまうのだから、味も劣化してしまいます。焼酎の香りをかいで疑問符が付くようなら、味も劣化していて間違いないでしょう、酸っぱい味になっています。と、ここまで書きましたが実は焼酎の保管状態が良い場合、香りも味もまろやかに熟成されて、劣化するどころかむしろ飲み頃になる現象があります。

ここが賞味期限が無いお酒の難しいところで、これを狙って保存しておくファンもいるほどです。見極めがいるのであまり初心者におすすめはできませんが、必ずしも悪くなるということではないのです。

・表面の油分は問題なし


焼酎の表面に油のようなものが浮いている現象をご存じでしょうか。この油は古くなったわけでも悪いものではなくて「フーゼル油」と呼ばれる焼酎に入っている物質が出てきたものです。もともと焼酎の一部なので悪いものではありませんが、お口にさわることがあるので取り除いてしまいましょう。焼酎のボトルを振ると溶けて再び混ざるので面倒な方はこれで解決してもいいですよ。

■焼酎の賞味期限を延ばす保存方法とポイント

ここでいう賞味期限は「劣化」のことと考えてください、つまり最大限に劣化を防ぐ方法ですね。劣化は賞味期限とは違い、飲む方が自分で判断しなければならないので、保存は慎重に行いましょう。

・日光・高温・多湿を避ける


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焼酎に限らずお酒全般日の光に弱い特徴があり、なんと30分足らずで明らかに劣化してしまうほどです。ですが、新聞紙を巻いておくだけで日光を遮断することができますよ。しかし、高温と同時に多湿も避けるためには、保存場所も重要です。湿度に差が出やすい居間などにはおいておかないほうがいいでしょう。

・アルコールの揮発を避ける


焼酎で油断しがちなのがこの「アルコールが揮発して抜ける」現象です。焼酎に限らず蒸留酒はほっておくと徐々にアルコールが抜けて低くなるので気を付けてください。お酒によってアルコールの抜ける量はさまざまですが、焼酎の目安は10年貯蔵で2度ほど下がるくらいです。アルコールが抜けるとなんだか損した気分になりませんか。

・開封後は「冷暗所」で保存


結論としては「冷暗所」で保存することが手軽でおすすめなのです。冷暗所なら「直射日光」「高温多湿」いずれも避けることができますよね。台所の「シンク下」を冷暗所でお使いの方は、焼酎を調味料として使うときにすぐ取り出せる利点もありますよ。

■余った焼酎の使い道6選

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焼酎が好きな方なら、好みの飲み方もあるのではないでしょうか。お湯割りで飲んだりハイボールで飲んだりと、いろんな飲み方の工夫ができてコストパフォーマンスの良いお酒が多いのも魅力的です。

しかし、7Lなどの大容量サイズで買うと飽きが来てしまうかもしれません。無理に飲むよりも、さまざまな使い道を知っておきましょう!

・料理酒


まずは料理酒として使う方法です。煮物に入れてみたりタレの材料として使ってみたりと日本酒を入れる感覚で使ってみましょう。日本酒との最大の違いは独特の癖があることなので少し控えめに入れながら様子を見ることをおすすめします。

焼酎の種類はさまざまですが、米焼酎や麦焼酎は比較的香りが控えめで、芋焼酎や黒糖焼酎などは強い香りがするので料理で使い分けてみましょう。

・揚げ物の衣


焼酎を衣に少々混ぜることで、揚げ物がサクサクになります。焼酎の味がうつらないように癖のないタイプのものを使いましょう。甲類焼酎がおすすめです。水と焼酎の割合は1対1を目安にするとうまくできますよ。

慣れてくると、逆にクセの強い焼酎で衣を作り力強さを演出することもできますが、その際は天ぷらなどの繊細さが持ち味のものより、から揚げやフライの方が合わせやすくなります。

・消毒液


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焼酎はアルコール濃度が高いため、消毒液として使うこともできるのです。一昔前は純粋なアルコールはあまり売っていなかったため焼酎を代用する光景がよくみられました。けがをしたときの応急処置に使ったり、病気の予防のための消毒などに使いましょう。

この使い方は、口に入れるわけではないので、劣化した焼酎でも気兼ねなく使えますね。そのほかの使い方として、冷蔵庫に焼酎をしみこませたスポンジなどを置くと、カビ防止の役目も果たしてくれます。

近年はアルコールの需要が高まってきており、純粋なアルコールである「エタノール」の品不足が懸念されて「代用アルコール」の必要性が高まることも考えだされています。焼酎はその中の一つになる可能性を秘めているので高価になっていくかもしれませんね。街行く人がみんな焼酎のにおいのスプレーをする光景はあまり現実的ではないですが、自宅でどうしても消毒液がないときには代用もできることを覚えておきましょう。

・フェイスパック


焼酎の意外な効果に、肌を整えるというものがあります。これは焼酎に含まれている「もろみ」を利用したもので、シミ予防に期待効果があると言われています。

使い方は、焼酎と水を1対3程度に割ってコットンに含ませたあと、フェイスパックするだけ。焼酎のにおいが残っていることがあるので、アルコールに弱い方、慣れていない方はお気を付けください。さらにグリセリンを少量混ぜるとテカリ防止としても使えますよ。

・入浴剤


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お風呂にコップ一杯の焼酎を入れるとリラックス効果のある入浴剤になります。塩少々を入れるとさらにデトックス効果が追加されるのでぜひお試しください。焼酎の種類はどれでもできますが、芋焼酎などは香りもよくなるので入浴剤にとてもあいますよ。

・洗剤


余った焼酎の最終手段、強力洗剤です。重曹、食器用洗剤、焼酎を2対2対1の割合で混ぜてみましょう。強力というだけあって通常の洗剤より汚れ落ちのいい洗剤ができます。アルコールが界面活性剤をよりはたらかせ、汚れを浮かせてくれるのでワイシャツのシミや部屋の壁、隅、窓などに加え黒ずみや水垢などあらゆるところの汚れに対応してくれる優れものなのです。使うときは手荒れしないようにゴム手袋などを装着してくださいね。

■実は焼酎は万能な酒だった

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焼酎は、風味が劣化しても悪くはなりにくく、しかも使い道もアイデア次第でたくさんひろがる、とても奥深いお酒なのです。ぜひいろんな料理に使ってみてその実力を確かめてみてください。和洋中いずれの料理でもお楽しみいただけます。

賞味期限が切れても使い道があるので、お酒好きな方は、安売りしているときに気兼ねなく買えますね。焼酎の劣化を防ぎ、おいしく飲むことが一番ですが、活用法も覚えておきましょう!

《参考》
JSFCA日本安全食料料理協会「焼酎の使い道について」
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂) 1-0216 し好飲料類(正誤表9反映0215」PDF
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