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ずっと「母の料理」が正解だと思ってた

なにかを炒めたり煮込んだりしているとき、鍋の底をじっと見ている。あまりにじっと見るものだから「なにかいるの」とギョッとされることもあるけれど、ただ火にかけられた食材を見ているだけだ。場から離れてほかの作業をする、ということが私にはできない。複数の工程を同じ時間軸に存在させるのが苦手で、油断して洗い物でもはじめようものなら鍋を焦がしてしまう。だからそういうことはぜんぶあきらめて、菜箸を時折差し入れながら、ただ見守る。

油を吸った茄子をとり出し、すこし固くなりかけているように見える豚肉もとり出し、残った野菜をまたじっと見る。見られている野菜もちょっといやかもしれないと気の毒になるくらい見る。むかし、賽の河原で石を積む人をひたすらに監視しつづけては頃合いを見てそれを崩し、また監視するという作業をループする鬼の話をなにかで読んだことがあるけれど、たぶん私にはああいう係は向いているだろうなと思う。

ひとつの料理が完成したらその鍋を遠いところに置き、また別の鍋で同じような作業をくりかえす。同時にお湯を沸かしておけばよかったな、と一瞬だけ反省するけれど、工程が進んでゆくにつれ綺麗さっぱり忘れていく。
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