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農家と専属契約! 野菜をともに育て料理する1つ星レストラン|パレスホテル東京【エステール】大手町



マルタン・ピタルク・パロマー氏は、グリーンスターを初獲得した【アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ】でデュカス氏から薫陶を受け、日本にオープンするフランス料理【エステール】のシェフを任された人物。そうした環境に配慮する生産者とともに進化していく意識は当然のようにあったのだろう。山梨の農家「白州杜苑(はくしゅうとえん)」と提携をしたのは、来日からわずか一年半後のことだった。

「フランスでは、格式あるレストランが自分の畑を持つことは珍しくありません。私が働いていた【アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ】ではベルサイユ宮殿にオーガニックの畑があり、そこを管理する農家とともに野菜をつくり、その野菜を様々な形で調理します。レストランの生ゴミなどはコンポストで肥料にして、畑に戻すという循環もありました。質の良い、オーガニックな野菜はなかなか手に入らない。ですから、自分も自然とそうした環境を作りたかったのです」と語る。

実際、前出のグリーンスターを獲得している三つ星【アルページュ】はレストランが本格的な畑を持った先駆けだし、同じく三つ星を持つマントンの【ミラズール】も自店の隣に、素晴らしい果樹園や畑がある。筆者が【アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ】を取材したときに、シェフのロマン・メデー氏が厨房で見せてくれたのは、ずらりと並ぶ野菜のピクルスやオイル、発酵調味料。それらはすべてベルサイユ宮殿の自社の畑の野菜で作ったものだった。野菜そのものが食材になるのはもちろん、料理の隠し味になる調味料としても欠かせないと教えてくれたのを思い出した。

きっかけは母親が見つけた一本の動画。

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