わらびの正しい保存方法とは?あく抜きのやり方や失敗したときの対処法も
2021年7月23日 00:00わらびは、すぐに傷んでしまうことが難点です。さらに、わらび料理にはつきものの「あく抜き」に尻込みすることはありませんか? あく抜きをしても、うまくあくが抜けない、溶けてしまったといった失敗の経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
わらびの正しい保存方法とあわせて、あく抜きのやり方や失敗したときの対処法をご紹介します。
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■わらびの保存方法とは
わらびは鮮度が落ちやすいため、生のまま長期保存することは難しいです。買ってきたら冷蔵庫にそのまま入れることは避けて、早めにあく抜きをしましょう。保存には、冷蔵・冷凍・乾燥・塩漬け・瓶詰めと5種類の方法があります。
・わらびってどんな食べ物?
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わらびとは、シダの仲間の一種です。山菜として若芽の部分を食べます。
わらびは、春から初夏が旬です。九州は3月中旬ごろ、本州は4月中旬から5月のゴールデンウイークあたり、東北などでは6月中旬に旬を迎えます。
新鮮なわらびには産毛がたくさんついています。また、柔らかくおいしいわらびを選ぶポイントは、茎の部分をチェックすることです。茎が太くて短いもの、茎の部分が緑色のものを選ぶようにしましょう。
・保存の前にまずあく抜きを
わらびはあく抜きをしてから保存しましょう。わらびのあくは強いため、十分にあく抜きをしてから調理する必要があります。
・保存は冷蔵?それとも冷凍?
わらびの保存は冷蔵・冷凍どちらでも可能です。どちらも比較的簡単に保存できます。
冷蔵の場合、食感が損なわれずに楽しめる一方、あまり日持ちしないため1週間ほどで使い切る必要があります。冷凍の場合は、およそ2ヶ月保存ができます。ただし、冷凍によってわらびの食感が変化してしまいます。保存したい期間やわらびの量によって適した方法を選びましょう。
・乾燥や調理して保存も可能
わらびは、乾燥や塩漬け、瓶詰めにして保存することも可能です。冷蔵や冷凍よりも保存の手間はかかりますが、冷暗所でおよそ1年保存することができます。
乾燥させると食感が変化しますが、濃縮されたわらびの旨味が楽しめます。塩漬けや瓶詰めにすると、わらびの食感は損なわれずに保存できますので、時間があるときにぜひ試してみてくださいね。
■保存の前に!わらびのあく抜き方法
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わらびのあく抜き方法を解説します。あく抜きは思ったよりも簡単です。わらびをはじめとする山菜にはあくが多く含まれています。あくが残っていると、渋味や苦味の強い料理になってしまいます。
木炭や重曹のようにアルカリ性のものを使ってあく抜きをしましょう。灰や木炭を使ったあく抜きの方法もありますが、ここではスーパーなどで手に入りやすい重曹を使ったあく抜きの方法をご紹介します。
あく抜きのために、半日以上重曹水に浸しておく必要があります。献立に使うときは気をつけてくださいね。
・あく抜きの下準備
時間が経つと硬くなってしまうので、わらびを手に入れたら早めにあく抜きをします。あく抜きの前に、まずは下準備をしましょう。
①水で洗う
わらびを水で洗います。山菜のため、土や草などがついていることがありますので、しっかりと洗いましょう。②根元をカットする
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わらびの根元は硬いのでカットしましょう。わらびの頭の部分が開きすぎている場合は、あわせて頭の部分もカットします。
・あく抜きのやり方
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わらびのあく抜きには重曹を使います。食用の重曹を使うようにしましょう。
①沸騰したお湯に重曹を入れる
鍋に水を入れて火にかけます。沸騰したら重曹を加えます。重曹の量は水1Lに対して小さじ2杯です。わらびが完全に浸かる量の水を用意しましょう。②粗熱をとってわらびを入れる
沸騰直後のお湯では熱すぎるため、鍋の粗熱を取ってからわらびを入れます。火傷に注意しましょう。上から落し蓋などをして、わらびが全部お湯に浸かるようにします。③半日以上そのままおく
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半日~ひと晩ほどそのまま置きます。1時間に1回ほど、わらびの柔らかさを確認するといいですよ。
④よく水洗いする
わらびを取り出して流水でしっかりと水洗いしましょう。あくを抜いて水洗いした後は茹でずに食べられます。そのまま味付けをしてお浸しなどにしましょう。柔らかいわらびにしたい場合はあく抜き後に下茹でします。
・あく抜きの注意点
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アルミ製や銅製の鍋は重曹と相性が悪く、鍋が変色してしまうことがあります。あく抜きで使う鍋は、アルミ製や銅製以外のものを使って下さいね。お湯に重曹をいれると勢いよく発砲しますので、注意しましょう。
・あく抜きに失敗したら?
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あくが抜けきれなかった…または、わらびが溶けちゃった! といった失敗をすることもありますよね。わらびのあく抜きに失敗したときの対処方法をご紹介しますので、捨てずに、ぜひ参考にしてみてください。
あくが抜けていない場合
あく抜きをしてもあくが少し残っている場合は、水に1日漬けておきましょう。水につけておく方法は以下の通りです。- わらびを食べやすい大きさに切ります。切ることで断面からあくが抜けます
- 容器にわらびとわらびが浸かる程度の水を入れます
- 水が濁るので時々水を替えながら、1日水に漬けます
1時間に1回ほどわらびの様子を確認しながら、半日ほどあく抜きをします。わらびを切ったときに、切り口がトロリとしていたらあく抜きの成功です。
あくが多くて苦味が強いときは、お浸しなどのシンプルな料理より、天ぷらや炒め物などしっかりした味付けの料理が向いています。あく抜きがうまくできなかったときに試してみてくださいね。
溶けてしまった場合
あく抜きに失敗すると、わらびが溶けてドロドロになってしまうことがあります。あく抜きのお湯が熱すぎたり、重曹の量が多すぎたりすることが、柔らかくなってしまう原因です。柔らかすぎるとお浸しでは食感が悪く、煮物や炒め物のように加熱するとさらにドロドロになってしまいます。溶けてしまったわらびの対処方法は、とろみを生かした料理に活用することです。包丁で細かく叩いて、わさび醤油やめんつゆをかけると、長いものトロロのように楽しめます。ご飯にかけるのもおすすめです。叩いたわらびを山芋のようにお好み焼きに入れるとつなぎとして活用できますよ。
溶けてしまったときも、捨てずに料理に生かしてくださいね。
■わらびの保存方法
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ここで説明する方法は、冷蔵・冷凍、そして乾燥・塩漬け・瓶詰めです。保存したい期間だけでなく、食感の変化や保存方法の手軽さなどを加味して、適した方法を選んでみましょう。
・冷蔵で保存する
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わらびの量が少なく、1週間程度で使い切ってしまう場合は、冷蔵庫保存が向いています。
保存方法
- あく抜きをしたわらびを密封容器やジッパー付きの保存袋に入れます
- 袋の中にわらびが浸かる量の水を入れます
- 冷蔵庫に入れます。毎日水を交換しましょう
保存期間
冷蔵庫でわらびを保存する場合、保存期間は1週間が目安です。料理の際にも、そのまま使えます。・冷凍で保存する
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わらびが大量にあって、すぐには使い切れないときには、冷凍保存しましょう。わらびの食感は変化してしまいますが、長期保存ができます。
保存方法
- あく抜きしたわらびを食べやすい長さにカットします
- 1回分ずつラップに包み、ジッパー付きの保存袋に入れます
- しっかりと袋の空気を抜いてから、わらびが重ならないように平らにして冷凍庫に入れます
保存期間
保存期間はおよそ2ヶ月です。長期間保存すると水分が抜けてわらびが筋っぽくなってしまうので気をつけてください。解凍方法
冷凍したわらびは凍ったまま料理に使いましょう。食感が変化しているので、お浸しなどよりも煮物や汁物などの加熱調理が向いています。・乾燥させて保存する
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わらびは乾燥させて保存することもできます。何日もかけて乾燥させたり、「より」の作業をしたりと手間がかかりますが、手間をかけた分、長期に渡って楽しめます。乾燥させるとカサが減るので、わらびがたくさんあって保存場所に困ったときにもおすすめの方法です。
乾燥わらびは、旨味が濃縮されていて、生のわらびとまた違った食感を楽しめますよ。
保存方法
- あく抜きをしたわらびを浅いザルにひろげて、風通しがよく、直射日光が当たる場所に干します。雨の日は忘れずに室内に入れましょう。
- ときどき、わらびの上下を返して全体が縮んで乾燥するまで干します。十分に乾燥していないと、わらびがカビてしまうことがありますのでしっかりと干しましょう。
- 乾燥して濃い緑色くらいになったら、わらびを柔らかく仕上げるために「より」を行います。わらびを持って、両手をこすり合わせるようにしてもみます。完全に乾燥するまでに何度もよりましょう。
- カラカラに乾燥して見た目が黒く細長くなったら完成です。ジッパー付きの保存袋に入れて保存しましょう、あれば乾燥剤を入れると湿気を防げます。
保存期間
乾燥わらびの保存期間は約1年です。冷暗所で保存しましょう。しっかり乾燥させていないと傷んでしまうことがあるので気をつけてくださいね。使うときは水でもどしてから料理します。煮物やお浸しなどに使えますよ。・塩漬けして保存する
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わらびは塩漬けによる保存も可能です。1年程度保存ができます。食感や風味が損なわれにくい点が魅力です。漬物のようにたっぷりの塩を使いますので、料理の前には塩抜きが必要です。
保存方法
- あく抜きをしたわらびの水気を拭き取ります。キッチンペーパーなどを使ってしっかりと拭きましょう。
- 大きめの容器に塩を敷き詰め、塩の上にわらびが重ならないように並べていきます。
- わらびの上からさらに塩をかぶせて、わらびが潰れない程度の重さの重しをのせて、蓋をします。
- 冷暗所で保存します。1~2日すると水が出ますので水を捨てます。さらに上から塩を足します。
- およそ1週間、水を捨てて塩を足す工程を繰り返します。
保存期間
塩漬けしたわらびの保存期間は最大で1年です。冷暗所で保存しましょう。そのままでは塩分が多くて食べられないので、料理の前に塩抜きを行います。塩抜きの方法は以下の通りです。- 鍋にわらびとひたひたの量の水を入れて火にかけます。
- 沸騰したら火を止め、そのまま冷まします。
- 冷めたら水を替えて10分ほど水にさらし、また水を替えます。少し食べてみて、塩気を感じないくらいまで水を替えてさらす工程を繰り返します。
・瓶詰めして保存する
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少し手間がかかりますが、わらびを瓶詰めにすると、食感はそのままで長期間保存できます。瓶詰め保存では、瓶の中の空気を出して圧を下げる「脱気」と呼ばれる処理が必要です。
保存方法
- あく抜きをしたわらびを瓶に入れ、瓶が満タンになるまで水を入れます。蓋は軽く締めておきましょう。
- 鍋に瓶の高さの半分くらいまで湯を沸かして、瓶を入れます。再沸騰してから30分ほど瓶ごと煮ましょう。
- 一度瓶を取り出してからきつく蓋を締めて、もう一度瓶を煮ます。瓶を取り出してから、瓶を逆さにして冷まします。
瓶を鍋に入れたり取り出したりするときはトングや軍手を使い、火傷に注意しましょう。
保存期間
瓶の開封前ならおよそ1年保存できます。瓶を開封する前なら冷暗所で保存が可能です。開封したあとは常温で1週間、冷蔵庫であれば毎日水を替えると2週間保存が可能です。そのまま料理に使うことができますよ。■さまざまな保存方法を活用してわらびを長く楽しみましょう!
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これまでご紹介した方法のなかから、わらびの量や保存の手間を考え、適したものを選んでみましょう。乾燥や塩漬け・瓶詰めはやや手間がかかりますが、そのぶんおいしさはひとしおです。保存の過程も楽しんでいきたいですね。
難しそうなイメージのあるあく抜きですが、やってみると意外と簡単なものです。あく抜きを失敗したときは、もう一度あく抜きをするほか、苦味やぬめりを生かした料理に応用してみましょう。せっかくのわらびを無駄なく食べていきたいですね。
春の味覚であるわらびを上手に保存して、存分に味わってください!
《参考》
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」
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