バターの保存にはコツがある!常温・冷蔵・冷凍のポイントと解凍方法とは
2021年2月9日 21:00しかし、その方法はバターの風味を落としてしまう原因にもなりかねません。今回はバターの風味をそのままで、使い切るための保存のコツをご紹介します。
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■バターの賞味期限
賞味期限とは「おいしく食べられる期間」のことで、「この期間を過ぎると腐り始めてしまうので、早く食べましょう」という消費期限とは違うものです。バターは基本的に腐りにくい食品ですが、保存状態が悪いと期限を待たずに悪くなってしまうことも。未開封と開封済みの賞味期限を載せますので参考にしてくださいね。
・未開封の場合
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スーパーで買ってきたようなバターの賞味期限は半年くらいです。賞味期限内であっても、温度変化の少ない場所に置くことや、においが移らないような場所に置くことが基本です。冷蔵庫のドアポケットなどは、温度変化が起こりやすい場所なので、あまり適した場所とはいえません。
・開封後の場合
一度開封してしまうと、賞味期限はぐっと短くなり、2週間ほどです。バターは一度空気に触れると、その部分の酸化が始まり、黄色く変色し始めます。
すぐに腐る、というわけではありませんが、開封後は風味のよさが失われていきますので、この期間内に食べるか、保存方法に気をつける必要があります。
■バターを保存する際のポイント
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冷蔵庫に入っていれば大丈夫、というわけではありません。買ったときの銀紙を貼ったまま使い続けていませんか?バターの保存にはいくつかのポイントがありますので、それをしっかり知っておくことが大事になってきます。
・酸化を防ぐ
バターは外の空気や光に左右されやすい食品のため、アルミはくに硫酸紙を貼った銀紙で包まれています。これをそのまま使っていると、銀紙の破れなどから空気が入って酸化が始まり、バターの表面は黄色くなって、油が傷み始めてしまいます。
この銀紙を再利用してはいけない、というわけではありませんが破れたりすると雑菌が入りやすくなってしまうため、気をつけなければなりません。
・におい移りを防ぐ
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密閉が不十分だったりすると、冷蔵庫の中の食品のにおいが移ってしまいます。使いやすいからといって、ふたがついただけのバターケースのような容器に入れておくことは、におい移りの点でも空気にさらされる点でも、よくない環境なのでおすすめできません。
・使いやすい分量に分ける
空気に触れると風味が落ちやすく、密閉しておくことが大事なのはわかりましたが、使い勝手の点からいうとあまりよくないですよね。そのことからも、すぐ使える分量で小分けにすると、使いたいときに新鮮な状態のものをすぐに使うことができます。
2週間以内に使い切れる量は冷蔵でもよいですが、それ以上保存しなければならないときは、冷凍保存する方法もあります。
・清潔なナイフを使う
パンのカスがついたままのバターナイフをバターと一緒に保管したり、小分けにするときに使ったナイフが清潔でないと、そこから雑菌が繁殖する恐れがあります。保存するときには、バターに触れる道具も清潔であるか確認するようにしましょう。
■バターの保存方法【常温】
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バターは水分が少なく、油脂分が多いために腐りにくい食品です。特に有塩バターは塩分が多いので、ほかの乳製品に比べて腐りにくいという特徴があります。ヨーロッパでは毎日の食卓に欠かせない食品のため、常温で保存する人も多いようですが、日本ではどうでしょうか。常温保存の方法をご紹介します。
・常温保存の方法
バターは18℃を超えると柔らかくなってしまい、一度溶けると、元に戻せない食品です。日本の夏は湿度も高く、高温になるので常温保存に向いていませんが、冬でしたら、涼しい部屋で2~3日くらいならば大丈夫です。
常温で保存する際は、ガス台や暖房器具といった温度が上がりやすいところは避け、直射日光が当たらないような、涼しいところに置くようにしましょう。
その間に使い切れないようであれば、冷蔵や冷凍での保管をするようにしましょう。
・長期間の保存は避ける
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涼しい季節の数日間であれば、大丈夫ですが、どんなに長くても1週間以内に食べきるようにしましょう。いくら涼しいとはいえ、開封すれば風味の劣化は避けられません。バターの酸化を防ぐためにも、すぐに食べるのが望ましいです。
■バターの保存方法【冷蔵】
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もっともスタンダードな保存方法ですが、開封してしまうと意外と保存期間は短いです。バターを冷蔵保存するコツをご紹介します。
・冷蔵保存の方法
未開封でしたら、そのままの状態で冷蔵庫で保存できます。一度開けてしまったものは、空気に触れないように密封することが重要になってきます。そのためには、1度で使う分ずつラップやアルミホイルなどで包み、温度変化の少ない冷蔵庫の奥へしまうのがベストです。
お菓子などで1度にたくさん使うときは、ブロック状のまま密封させれば問題ありません。
・保存期間の目安
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記載されている賞味期限は半年ぐらいの範囲ですが、これは未開封の状態でのこと。冷蔵しておけば賞味期限を過ぎても簡単に腐ることはありませんが、開封したら風味がだんだんおちていしまいます。メーカーでも開封後は2週間を目安に使い切るのが推奨されています。
・冷蔵したバターを常温に戻す方法
使う30分~1時間ほど前に冷蔵庫から出して、室温に置いておくだけです。レンジで常温に戻す方法もありますが、加熱しすぎてしまう場合もあるので、注意が必要です。急いで使いたいときにレンジを使う際は、少しずつ様子を見ながら加熱するようにしましょう。
■バターの保存方法【冷凍】
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冷蔵保存していても開封後は風味がすぐに落ちてしまうため、保存期間が意外と短いということがわかりました。たまにしか使わないからブロック状のものが使い切れない、そんなときは冷凍保存が可能です。ここでは冷凍保存の方法をご紹介します。
・カットせずに保存する方法
バターを箱から出し、銀紙の上からラップで包んで、フリーザーバッグに入れて保存します。フリーザーバッグの中の空気はストローで吸い出すなどして、しっかり抜くようにしましょう。温度変化の少ない、冷凍庫の奥の方で保存がベストです。
・小分けにして保存する方法
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1回分の量ごとにラップでくるんだら、数個をまとめてフリーザーバッグの中に入れます。使う量が料理によって違う場合は、5g、10gと大きさの種類を分けてラップで包むのがおすすめです。フリーザーバッグの中の空気は、ストローで吸い出すなどしてしっかり抜いておくようにしましょう。
・保存期間の目安
未開封のかたまりの状態であれば1年間、開封済みなら3~4週間が目安です。小分けにした場合は温度の影響を受けやすいので、かたまりよりも保存期間がかなり短くなります。どちらの場合も保存状態をよくするために、冷凍庫の手前ではなく奥の方に保存するようにしましょう。
・冷凍バターの解凍方法
そのまま取り出して置いておく自然解凍がおすすめですが、加熱調理などに使う場合は凍ったままフライパンなどに入れることも可能です。しかし、温度変化に弱いため解凍したら、再冷凍はできません。1回分の量だけ解凍するように心がけましょう。
・バターの上手な切り方
小分けにして冷凍する方法はわかりましたが、この小分けのためそのまま包丁で切ると、バターが包丁にべたっとくっついてしまいますよね。そんなときは、包丁をキッチンペーパーで包んでから切ってみてください。キッチンペーパーのでこぼこがべた付きを防いでくれますので、ストレスなくバターを切ることができますよ。包丁が汚れないので、後片付けも簡単ですね。
■バターが腐ったらどうなる?
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保存には気をつけていたけれど、しばらく前のバターが発掘されてしまった、なんてこともありますよね。長期間の保存ができるとはいえ、腐ることもあります。こんな状態になっていたら悪くなっていますので、確認してみましょう。
・黄色く変色する
本来のバターの色は薄い黄色をしていますが、濃い黄色になっているのは、油の酸化が進んでいる証拠です。薄い黄色なのは、牛が餌としている牧草に含まれているカロテンの色素がバターにも出てくるためで、この色が濃くなるのは中の水分が蒸発して、水分量が少なくなることで黄色が強くあらわれてしまうのです。
・異臭・酸味のあるにおいがする
箱を開けただけでわかるような酸っぱいにおいがするようになっていたら、傷んでいると思って間違いないでしょう。ほかにも、石油のようなツンとする油のにおいがしたら腐っていますので、廃棄するようにしましょう。
・カビが生える
表面が白っぽくなっていたり、見た目がおかしいものは食べないようにしましょう。また、カビが生えるということは、水分が外に出てきて汁っぽくなっていることもあります。
賞味期限を大幅に過ぎているものは、体に悪い油に変化している可能性もあります。上のような見た目でなくても、食べない方が無難といえます。
■バターの豆知識
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バターは牛乳から分離した脂肪分をクリーム状に固めたもので、これに塩を入れたり、何かしらの加工をしたもので種類が変わってきます。ここでは、種類やバターにまつわるさまざまなことをご紹介していきます。
・バターのカロリー
10gで75kcal前後にもなり、高カロリーといえることから、とりすぎには気をつけるようにしないといけません。お菓子などで30gなどの分量が必要になることもありますが、このときは225kcalとなり、バターだけで普通盛りのご飯と同じくらいの高いカロリーです。
・バターの種類
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一般的に有名なのは、「有塩バター」「無塩バター」「発酵バター」「ホイップバター」「グラスフェッドバター」といった種類があります。
牛乳を分離して脂肪分だけをクリームにした、という基本的な製造方法は変わりませんが、練り上げる過程で塩を入れると有塩バターに、空気を含ませてふんわりさせるとホイップバター、乳酸菌を入れて発酵させると発酵バターになります。
グラスフェッドバターは、餌に飼料を使うのではなく、牧草のみを餌にした乳牛から作られたバターのことです。
・バターに含まれる栄養素
80%が脂肪分でできていますが、ビタミンやミネラルも含まれています。ビタミンAは牛乳の13倍もあり、無塩バターに関していえば、生の人参とほとんど変わりがないほどです。同じ油溶性ビタミンのビタミンEも含まれていますので、アンチエイジングへのはたらきも望めそうですね。ほかにも、カルシウムやビタミンDがバランスよく含まれているために、カルシウムの吸収の良さも期待できます。
・バターとマーガリンの違い
バターは乳脂肪からできますが、マーガリンは植物性や動物性などの油脂からできています。バターは冷えると固まってしまいますが、マーガリンは冷えても柔らかく使い勝手がいいのが特徴です。マーガリンには植物性の油脂を使っているものが多く、カロリーが低いのも特徴の一つでもあります。
■バターを使ったおすすめレシピ
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・じゃがバター
バターの味を存分に味わえる定番料理といったらこれですよね。調理方法も簡単なので、新鮮なバターが手に入ったらぜひやってみたい食べ方です。
じゃがいも(男爵)…1個
バター…適量
塩…適量
- じゃがいもをよく洗い、皮がついたまま蒸し器に入れます。
- 蒸し器で15分蒸します。
- 竹串などを刺して、スッと通ったら十字に切れ目を入れて、塩を振り、バターを乗せて出来上がりです。
・ほうれん草のソテー
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ほうれん草はバターの栄養でも含まれている、ビタミンAがたっぷり入った緑黄色野菜です。ほうれん草とバターの組み合わせで、1日に必要なビタミンAのほとんどをとることができる、栄養がたっぷり入ったおかずになります。
ほうれん草…3~4束
バター…10g
酒…大さじ1
ベーコン…3枚
塩・胡椒…適量
- ほうれん草は根元を中心に泥をよく落とします。
- ほうれん草を3つくらいに分けて切り、ベーコンも1cm幅くらいに切ります。
- ベーコンとほうれん草の芯から炒め、酒を加えます。
- ほうれん草が全部入ったら、バターを加えて塩と胡椒で味をととのえ、できあがりです。
・エリンギのバター醤油炒め
コリコリとした食感が楽しいエリンギもバターで炒めれば、シンプルでもおいしい一品になります。冷めてもおいしいのでお弁当のおかずにもピッタリですよ。
エリンギ…1株
バター…大さじ1
塩、胡椒…適量
醤油…適量
- エリンギは適当な大きさに切ります。加熱して水分が抜けると少し縮んでしまうので、大きめに切ると、食感を楽しめます。
- バターを溶かしたフライパンにエリンギを入れて炒めます。
- 塩と胡椒で味をととのえたら、仕上げに醤油をひとまわしして、できあがりです。
・フレンチトースト
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朝食やおやつにバターが香るふんわりとしたフレンチトーストは、幸せな気分になれる一品です。
食パン…2~3枚
バター…10g
卵…2個
牛乳…100ml
- 卵と牛乳を溶いておきます。
- 食パンを半分に切ります。
- 1と2をバットのような容器に入れて食パンに卵液を浸み込ませます。
- バターで熱したフライパンに3を入れ、中火~弱火で焼きます。
- 片面に焼き目がついたら、反対側にしてふたをして弱火で3分くらい焼きます。
- 焼き目がついたらできあがりです。
■バターの風味を活かすコツは保存の方法にあった!
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一度買ったら冷蔵庫に入れっぱなしで、その都度切り分けて使っていませんでしたか?賞味期限前だから大丈夫と思っていても、保存方法に気をつけていないとバター本来の風味は落ちてしまうのです。
コクのある風味が大事な食品ですから、できるだけおいしいまま食べたいですよね。今回の保存のコツをうまく活かして、おいしいバターを使いこなせるようにしましょう!
<参考>
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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