里芋を触ると手がかゆいのはなぜ?原因と痒みを軽減する剥き方のコツを紹介
2020年9月4日 11:00©https://pixabay.com/
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■里芋を触ると手がかゆい!原因は?
・原因はシュウ酸カルシウム
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里芋や山芋を調理したり食べたりしたあとに、手や口のまわりに感じるあのかゆみの正体は、ヌメリの中に含まれている「シュウ酸カルシウム」という成分です。シュウ酸カルシウムは目に見えないほどの小さな針のような形の結晶となっており、生の里芋に存在しています。この針が皮膚に刺さり、チクチクと刺激することでかゆみを感じるというわけです。シュウ酸カルシウムは里芋の皮付近に多く含まれています。
・かゆみ成分の特徴
かゆみの原因であるシュウ酸カルシウムは、酸と結合して分解されやすいという特徴があります。そのため、レモン汁や酢といった酸性の物質と混ざると、針状の結晶が崩れます。
また、シュウ酸カルシウムの中にはタンパク質が付着しているものもあります。タンパク質は加熱することで、分解されて性質が変化するため、火を加えることで同時にシュウ酸カルシウムの性質も弱めることができます。里芋のかゆみ対策には、酸と熱を活用できるという性質を覚えておきましょう!
・シュウ酸カルシウムを含んだその他の食材
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里芋以外にも、皮膚に触れるとかゆみの症状が出る食材に心当たりはないでしょうか。シュウ酸カルシウムを含んでいる代表的な食材を下記に記載します。
・はす芋
・キウイフルーツ
■里里芋は剥き方を工夫して、かゆい手からおさらば!
・酸性水に浸ける
1カップ程度の水に大さじ1~2杯ほどの酢を加えて酸性水をつくり、里芋を浸けながら皮を剥きます。手や指にも酸性水を付けておくとかゆみの予防になるのでおすすめです。酢のほかにも、レモン汁やクエン酸をつかっても同じ効果が期待できるので、酢がない場合は代用しましょう。
・加熱する
鍋に皮つきの里芋を入れて、ちょうど里芋の頭がかぶるくらいの水を入れて沸騰させます。2~3分ほど茹でたら冷水で冷やして皮を剥きましょう。もし、手で剥きにくい場合は、包丁をつかうと良いでしょう。
鍋でお湯を沸かすのが手間である場合は、電子レンジで加熱するのもおすすめです。電子レンジを使用する場合、洗った里芋に包丁でぐるっと一周切り込みを入れます。ラップに包み、600Wで2分~3分加熱したら、冷水に取って皮を剥きましょう。
ここで注意したいことは、この工程はかゆみ成分を取るための下処理として加熱していること。皮を剥いた後は、中心までしっかり加熱してから食べましょう!
・乾燥させる
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泥付きのまま売られていることが多い里芋ですが、買ってきたら、まず泥をきれいに洗い、日なたで表面を乾かしましょう。天気の良い日の日中なら大体半日ほどで乾きます。かゆみが抑えられますし、表面が乾けば滑りにくくむきやすいというメリットもあります。ただし、乾かしすぎると、中の水分まで蒸発してしまい、味が劣化してしまうので気をつけましょう。
・冷凍する
里芋の土を洗い流し、いったん冷凍庫で凍らせます。ただし、生の里芋を丸ごとそのまま冷凍保存すると里芋に含まれる水分が凍り、解凍時にスカスカになって食感も味も落ちてしまいますので、長時間の冷凍は控えましょう。食感や味の劣化を防ぐためには、加熱してから冷凍するのがおすすめです。
凍った里芋を水の中に入れて解凍し、溶けてきたら里芋の皮を指で押して皮をむきます。冷凍することでかゆみの刺激が伝わりにくくなりますよ。小ぶりな里芋は皮がむきにくいことがあるため、大きめな里芋をつかうときにおすすめの方法です。
・手袋をする
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ビニール手袋やゴム手袋をつかうと、かゆみ成分に皮膚が触れることがないので、かゆみを防げます。ただ、里芋のぬめりで滑りやすいので十分に注意しましょう。皮むき専用の手袋もあるので、つかってみてください。専用の手袋をつかうと、滑りにくく剥きやすいのでおすすめです。
里芋と手が接触することを物理的に避ける方法が、一番てっとり早いです。
■里芋で手がかゆいときの対処法
・塩で洗う
かゆみを感じたら、粗めの塩で洗うと綺麗にぬめりが取れやすくなり、手のかゆみが軽減します。ただし、手に傷がある場合や肌が敏感な人は、水を使って洗い流すのがおすすめです。
・洗剤や石鹸で洗う
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水で洗っても効果がない場合は、食器用洗剤や石鹸を使って手を洗いましょう。水を使用したときよりも、かゆみ成分が落ちやすくなります。
・酢で洗う
酢には、かゆみ成分のシュウ酸カルシウムを分解する性質があるため、酢を水で薄めた酢水に手を浸けておくとよいです。家庭にある調味料ですぐにできるおすすめの方法です。
・レモン汁やレモンバームの葉で洗う
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レモンバームの葉を揉んで、出てくる汁をかゆいところに塗ります。レモンバームにはかゆみを抑える効果があり、虫刺されなどのかゆみ対策にも使われるハーブです。レモンバームがない場合は、レモン汁でも代用可能です。先ほど紹介した酢と同様、レモン汁を水で薄めたレモン水に手を浸けることで、かゆみが軽減されますよ。
・重曹で洗う
重曹水で洗うのも、かゆみを抑える効果があります。重曹水は、水1Lに重曹大さじ4杯加えるだけで簡単にできます。重曹はドラッグストアやスーパーで簡単に手に入りますが、安全のため、重曹は掃除用などではなく食用のものを使用しましょう。
・冷水や氷水で冷やす
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かゆみの原因を洗い流してもかゆいときは、皮膚の炎症を抑えるために冷やすのが効果的です。冷水や氷水に手を浸すことでかゆみを軽減できるはずです。
■里芋をもっとおいしくするコツ
・おいしい里芋を選ぶ!
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ホクホクとした甘みとねっとりとした独特な食感がおいしい里芋は、単体で食べてもおいしく、またほかの具材と合わせて料理に使うこともできる便利な食材です。そんな里芋のおいしい個体の見分け方について解説しておきます。
里芋の旬について
里芋は1年中出回っていますが、旬は秋から冬にかけてです。旬の里いもは皮が柔らかく、むきやすいのが特徴です。8月から12月のものは関東産が多く、10月から3月のものは九州産が多いです。小芋である石川芋の旬は6月から8月です。
時期に合わせて、産地も気にしてみると良いですよ。
おいしい里芋の見分け方
里芋は泥付きで表面に少し湿り気のあるものを選びましょう。ひび割れのしているものは、高温や乾燥により肉質が固く変化してしまっていることが原因なので、調理してもおいしくありません。また、泥つきのままのほうが日持ちもよいです。買ってきた里芋の表面がカサカサに乾燥している場合は、なるべく早くにつかった方がいいですが、保存するときは霧吹きなどで少し湿らせた新聞紙をかけて冷暗所で保存するといいです。
皮をむいてあるものを選ぶ場合は、白くてつやのあるものを選びましょう。里芋は寒さに弱く、冬場はむいたときに赤い斑点がでる場合があります。この部分はいくら煮てもごりごとと固いままなので調理前に取り除いておきましょう。皮付きのままのほうが風味や食感もよく、日持ちもいいです。皮をむいてあるものを選ぶ場合は、基本的にはその日のうちにつかいましょう。
また、里芋をを触ってみたときに、里芋の身が固くしまっているものを選びましょう。里芋のおしり側(親芋との切り口があるほう)を触ってみてふかふかしているものは傷んでいる可能性があるので避けましょう。また、順調に成長していれば縞模様がくっきりと平行に並んで丸みを帯びるので、見た目が縞模がくっきりついたものを選ぶようにしましょう。
・少量の酢を入れて下茹でする
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酢はかゆみ予防だけではなく、里芋の変色を防ぐ効果があります。変色した里芋は見た目も悪く、食感や風味が落ちてしまっています。少量の酢を入れて下茹でをすると、白く茹で上げることができます。
・煮る前に塩でもむ
さっぱりとした煮物にしたいときは、煮る前に塩で揉んでおきましょう。ぬめりが取れて粘り気を抑えることができます。ぬめりの取り方は下記のような手順です。
2.皮剥きまで済ませた里芋をボウルに入れます。
3.里芋に塩をまんべんなくまぶし、手で転がしながら揉んでいきます。
4.そのまま沸騰した鍋の中へ入れ、中火で5~10分ほど茹でます。
5.ボウルに水をはって里芋を移し、手で洗うようにぬめりを落とします。
6.ザルにあげて水気をしっかり切ったら完了!
みそ汁や煮ころがしは塩もみの下処理まででもよいですが、炊き合わせや含め煮など、煮汁を濁らせたくないときはゆでこぼしを行いましょう。ぬめりが取れておいしく仕上がります。
また、ふきんやキッチンペーパーで里芋を拭いて、ぬめりを取る方法もあります。皮をむいてからさッと洗い、乾いたふきんやキッチンペーパーで拭きましょう。里芋のぬめりを取ることで、色を良くしたり、味が染み込みやすいという効果があります。
■里芋のかゆみ対策はしっかりしよう!
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里芋は、調理前にかゆみ対策をしておくと料理がしやすくなりますし、酸や熱などを利用することで、里芋のかゆみを抑えやすくできます。少し手間ではありますが、どれも簡単に試せるものが多いので、ぜひ参考にしてみてください。
下処理に時間がかかったり、ぬめりがあり里芋の調理に苦手意識のある方も、自分に合った方法で里芋のかゆみやかぶれを予防しましょう。ぜひ今回の記事を参考にかゆみ対策をして、いろいろな里芋料理をつくってみてください!
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