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【禁断の酒アブサン】芸術家を虜にしたリキュールの飲み方とカクテル

アブサンというお酒を知っていますか? 「禁断の酒」と呼ばれるほど、神秘的な魅力を持つ薬草系のリキュールです。多くの芸術家を魅了してきた歴史のあるアブサンについて、成り立ちから飲み方までご紹介します。

なぜ「禁断の酒」と呼ばれるようになったのか…気になるアルコール度数や成分を知って、嗜むお酒の幅を広げていきましょう。

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■アブサンとは?

「禁断の酒」と言うと、通の間ではすぐに「アブサンだ」と理解されます。それほど禁忌的なイメージがあるアブサンなので、アルコール度数は平均70度前後! アルコール度数が高いワインでも20度くらいですから、アブサンがいかに危険なお酒なのか分かりますよね。

そんなアブサンの味は、苦味とスパイシーさがあわさった刺激的なものです。舌の上に乗せると甘みを感じることもできますが、何より高濃度アルコールに慣れている方でないと味わうことが難しいです。舐める程度で味を知ることはできても、アブサン初心者の方は最初からストレートで飲むのはおすすめできません。喉が焼けるような熱さと、一気に口が乾いていく蒸発加減にびっくりしてしまうでしょう。

しかし、アブサンにハマってしまう人は多くいるのも本当です。アブサンに興味をもったなら、禁断の酒の扉を開けてみませんか?

・スイス発祥のお酒



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アブサンと言えばヨーロッパ発祥だと思っている方が多いのですが、実は、ヨーロッパで多く飲まれているというだけで、発祥はスイスなのです。

スイスの医師ピエール・オーディナーレが、ニガヨモギを原料とした薬を処方するために、アブサンの製造方法を考案したと言われています。しかし、彼はあくまでも医者であり、お酒を製造する職業ではありません。製法をフランスのペルノ氏に売却し、ペルノ氏がアブサンを販売しました。

結果、1840年ごろから、アブサンはフランスを中心に大流行し、ヨーロッパ発祥と思われるようになったのですね。初めて販売を開始したのはフランスですから、間違いとは言い切れませんが、本来はスイスの医師が薬用としてつくったものでした。

ちなみに、製造方法を譲り受けたペルノ氏は、その後会社を設立。フランスにはペルノ・リカール社が現存していますし、ペルノ・リカール・ジャパンもありますよ。お酒を扱う大企業になったのです。

・薬草で作られている!?



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スイスの医師がアブサンをつくった理由は、薬の処方。つまり薬用酒として販売したのです。そして、そのころの薬と言えば、もっぱら薬草ですね。アブサンも薬草を蒸留してつくられました。

現在も、アブサンをお酒としてカテゴライズする際は「薬草系リキュール」とされています。では、その主な成分をご紹介しますね。

■アブサンの成分
  • ニガヨモギ
  • アニス
  • キキョウ
  • その他10種類以上の香草や毒草
ちなみに、薬としての効能は、抗炎症作用・解熱作用・鎮静作用があるそうです。しかし、この中の「ニガヨモギ」に含まれている成分が問題になります。

・「禁断の酒」と呼ばれるワケ



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ニガヨモギに含まれているツヨンという香味成分は、向精神作用があるのです。つまり、アブサンを長い間飲み続けると、身体の中のツヨンの濃度が高くなり、中毒症状が出てしまいます。

ちょっと悪い言い方をすれば「ハイ」になるという状態で、幻覚や妄想などの精神錯乱を引き起こすのです。まるでドラッグのような症状が出てしまうことが問題となり、1915年にはアブサンの製造や販売が厳禁になってしまいました。禁止された背景には、やはり中毒症状ならではの犯罪行為が横行した事例もあり、まさに「禁断の酒」なのですね。アブサンによって身を滅ぼした有名人も多くいますよ。

それからは、ニガヨモギ自体をお酒に使用することも禁じられてしまいました。しかし、徐々にツヨン成分数値などの明確化が進み、中毒にならない許容量でニガヨモギをリキュールに使用することが認められていきます。2005年にはアブサンの製造も許容されていますよ。

長い間取締りを受けていたお酒なので、禁断の酒と呼ばれるようになったのです。

■アブサンの飲み方

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禁断の酒・アブサンを飲んでみたいと思った方も多いのではないでしょうか。お酒をどのように味わうかは好みの裁量ではありますが、いくつか代表的な例をご紹介していきましょう。

とは言え、禁止された背景もあるお酒ですから、過剰摂取は厳禁。度数が高いものなので、自分のアルコール許容値を見誤ることなく、慎重に飲める飲み方を選んでください。アルコールに強くない方でも、飲めそうな飲み方が見つかるといいですね。

・ストレートやロックで



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お酒が強い! と自負している方なら、ストレートやロックでの飲み方をすれば、より味わいを感じることができます。ロックグラスやショットグラスで楽しむアブサンは、苦味と甘みをストレートに感じることができます。

多くの映画でもアブサンを飲んでいるシーンが使われていますが、その飲み方は大体がストレートなのです。例えばジョニー・デップ主演の『FROM HELL』では、バスタブに浸かったジョニー・デップがストレートのアブサンを楽しむ……という描写が見られました。アブサンというお酒を認識している人からすると、なんて禁忌的で魅力的な描写だろうと酔いしれるでしょう。

また、ロックでアブサンを楽しむときのポイントは、視覚にもあります。アブサンは氷に接触すると白濁するのです。もともとは薄い緑色をしていることが多いので、飲み方によって色の変化も楽しめますよ。

・リキュールとしてカクテルに



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アブサンは薬草系リキュールですから、もちろんカクテルにしても楽しめます。特に、お酒に強くない人はカクテルでの飲み方が美味しく、安全に飲めるでしょう。

炭酸水を使ったカクテルなら、爽やかな口当たりになり飲みやすく感じるはず。アブサンを使った代表的なカクテル「ヨット・クラブ・パンチ」をご紹介します。

ヨット・クラブ・パンチのレシピ

  • ホワイトラム・グレナデンシロップ(3:1)
  • アブサン 適量
  • レモンジュース 適量
  • ソーダ 適量
スライスレモンを添えると、さらに爽やかさがプラスされ、飲みやすくなりますよ。

・砂糖に染み込ませる



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お酒は砂糖をよく溶かしてくれます。度数が高いお酒ならさらに溶けるので、砂糖と合わせた飲み方がおすすめです。アブサンも、角砂糖を使った飲み方が有名なのです。

まずは、角砂糖一個をスプーンの上に乗せ、上からアブサンを垂らして染み込ませましょう。そのまま角砂糖を丸ごと口に入れてしまうと、ストレートで飲んでいるのと変わらないアルコールの強さを感じてしまうので、少しずつ舐めてみてください。

薬草特有の苦味が緩和され、それこそ甘い誘惑のような後を引く味を体感できますよ。くし切りにしたレモンをかじりながら舐めると、どんどん進んでしまうでしょう。

・アブサンスプーンを使う



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角砂糖を使った飲み方はほかにもあります。これは、アブサン特有の飲み方と言っても過言ではないでしょう。アブサンスプーンという専用のスプーンを使用するのです。

アブサンスプーンは、液体をすくうことができないデザインです。スプーンの表面には模様でくり抜かれた穴があるので、アブサンスプーンの上に乗せたものは下に落ちる構造になっています。

アブサンスプーンを使ったアブサンの飲み方

  1. アブサンを小さめのグラスに注ぐ
  2. グラスの上にアブサンスプーンを置く
  3. アブサンスプーンの上に角砂糖を置く
  4. 角砂糖にアブサンを垂らして染み込ませる
  5. マッチなどで角砂糖に点火する
  6. 燃えている角砂糖を水で消化
この飲み方をすると、着火によってアルコールが少し飛んだ状態のアブサンと、溶けた角砂糖がグラスの中に入ります。ストレートでの飲み方とはまた違った味わいを感じることができるでしょう。

そもそもアルコール度数の高いアブサンですので、染み込ませた砂糖もよく燃え、視覚的にも楽しめる飲み方ですね。

■アブサンは芸術家も虜にした

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アブサンによって身を滅ぼした有名人も多いと先述しました。有名人とは、主に芸術家が多いのも特徴なのです。19世紀のヨーロッパと言えば、有名な芸術家を多く排出していることでも有名で、その多くがアブサンの虜になったと言われています。

パブロ・ピカソの代表作の中には『アブサンを飲む女』が存在するくらい、芸術家たちの信仰が深かったと言えますね。

・愛飲していた芸術家たち



  • ポール・ヴェルレーヌ/詩人
  • アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック/画家
  • フィンセント・ファン・ゴッホ/画家

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『愛の詩集』で有名なポール・ヴェルレーヌや、言わずもがな有名なゴッホなど、アブサンに魅了された芸術家は非常に多いのです。

・アブサンが出てくる映画



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『FROM HELL』ではジョニー・デップがアブサンを飲んでいる描写があると先述しましたが、ほかにもアブサンが出てくる映画はたくさんあります。映画作品においてのアブサンは、狂気性や禁忌性を表現できるものなのかもしれませんね。

■アブサンが出てくる映画
  • ドラキュラ(1992年)
  • 太陽と月に背いて(1995年)
  • ムーラン・ルージュ(2001年)
  • ヴァン・ヘルシング(2004年)
近代の映画でも、アブサンは禁断の酒として扱われていることが多いです。

■日本のアブサン

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近代の日本でも、漫画『あぶさん』のタイトルの元になったり、ドラマ『科捜研の女』の作中にも出てきたりと、何かと芸能作品に出てくることが多いのが、アブサンの特徴。

ヨーロッパのお酒ですから、日本で知られるのは19世紀以降だったようです。日本で浸透していく中で、どのように変化していったのでしょうか。

・「人間失格」にも登場する



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太宰治の代表的な小説『人間失格』にも、アブサンが登場します。もちろん、人間失格が発行されたのはアブサンが禁止されていた時代ですから、太宰治本人も味を知っていたかどうかは定かではありません。また、登場人物が飲む描写ではなく、喪失感の例えとしての登場です。

『人間失格』自体が、喪失感を多く表現した小説なので、アブサンによって身を滅ぼすことと揶揄したのでしょう。

・日本のアブサンは焼酎ベース



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アブサンの製造が解禁されたのが2005年です。その後、さまざまな日本のメーカーがアブサンに参入しています。その中でも人気を博したのが、焼酎ベースのアブサン。特に、芋焼酎ベースで薬草をブレンドさせたアブサン「AKAYANE アブサン クスシキ」の人気が高いようです。

アルコール度数も55%ほどに抑えられており、ニガヨモギも日本で生産。ブレンドするハーブのほかに昆布なども使用し、日本人の舌に合うように研究されているのですね。

・製造メーカー



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「AKAYANE アブサン クスシキ」の製造元は、佐多宗二商店という伝統的な焼酎造です。そのほかにも、アルケミエ辰巳蒸留所など、主に蒸留酒造が積極的にアブサンの製造に乗り出しています。

また、2019年にはニガヨモギでなく日本のヨモギを使用した「和ぶさん」がフルーツリキュールフリークスより発売され、即完売となるなど、注目を集めていますよ。

どれも日本人の口に合うように研究されていますので、ヨーロッパ製の本格アブサンを味わう前に、ぜひ試してみてください。

■アブサンの飲み方を知れば、禁断の酒を楽しく味わえる

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禁断の酒と呼ばれるアブサンの魅力は、その歴史や禁忌性だけではありません。味や飲み方など、お酒好きな人を魅了するポイントがたくさんあります。

アブサンに興味を持ったなら、日本製のものから初めてみるのがおすすめです。飲みやすい口当たりになっており、虜になってしまうでしょう。

本格アブサンを味わいたくなったら、ぜひ海外銘柄のものも試してみてくださいね。ただし、飲み過ぎには注意です。アルコール度数をよく理解し、自分のペースにあった飲み方で、アブサンを楽しみましょう!

オススメレシピはこちら↓



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