博多の名店「ナイル」の甘口カレーから、ついに“おふくろの味”を解明した

おふくろの味。

老舗料亭のみそ汁や肉じゃがの美味しさを形容するとき、よく使われる言い回しでありますが、果たしてその定義は何なのでしょうか。

「世代によって違うよ」「地域によって違うだろ！」「いや、家庭ごとに違うんだ！！」などと、おふくろの味論争は絶え間なく続いてきましたが、今宵、そんな無益な論争に筆者が終止符を打ちます。

 

目次 [開く][閉じる]

• 前提
• 「おふくろの味」の共通点
• うま味とは
• それぞれの料理に含まれるうま味
• 結論
• こんどこそ、結論
• 博多の名店「ナイル」のカレーは”おふくろの味”なのか
• 実食
• 感想
• 総評

前提

おふくろの味、つまり母親がつくってくれる料理はたしかに地域や家庭によって差はありますが、“子どもが好きなもの”であることは間違いないでしょう。

例えばカレーやオムライス、これらからおふくろの味を感じることはできるかと思います。しかし、ホタルイカの沖漬けやアンコウの肝がおふくろの味だと言う人は少ないでしょう。また、“おふくろの味＝おふくろがつくる味”というイメージがあるので、缶詰などの既製品も含まないこととしましょう。

ということで、この記事では「子どものころに好んで食べた母親の料理の味」を“おふくろの味”とします。

 

「おふくろの味」の共通点

おふくろがつくる料理にはある共通点があります。それは“うま味”です。

カレー、みそ汁、オムライス、肉じゃが……どんなおふくろの料理にもうま味が入っているのです。