包丁の研ぎ方はコツを押さえれば簡単!切れ味を長持ちさせるアイテムとは
2021年3月10日 11:00©https://www.photo-ac.com
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■包丁研ぎに使う道具の特徴
包丁は研ぐためには道具が必要です。それぞれ特徴が違うので、自分に合ったものを選びましょう。・砥石
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包丁研ぐための道具としてはもっともポピュラーなのが、砥石です。時間をかけてしっかり研げば、切れ味もよくなり、その持続性も高いのが特徴です。砥石には、石の荒さで分けた種類があり、本来なら2〜3種類を使って仕上げます。しかし、家庭で研ぐなら両面が異なる荒さでできたそれ一つで研げる砥石もおすすめです。片刃、両刃ともに研ぐことができます。
・シャープナー
使うのにコツは必要ですが、収納場所も取らず、使いたいときにサッと手軽に研げるのがシャープナーの特徴です。砥石でできたV字の溝に刃を当てて、手前に引くようにスライドさせて研ぎます。
ただ注意したいのは、基本的に包丁を研ぐことができるのは砥石だけです。シャープナーは、一時的に切れ味を鋭くするだけで持続性はなく、結局は砥石で研がなければなりません。固い素材でできた包丁にも向いていません。
・電動シャープナー
さらにもっと手軽に研げるのが、電動シャープナーです。仕組みは手動のものとほぼ同じで、違うのは刃が当たる部分が自動で回転するところ。刃を何度もスライドさせる必要がないので、手早く研ぐことができます。ただ、手動のものと比べると本体価格はやや高め。サイズも大ぶりなものが多いので、収納場所も考えて選びましょう。
・研ぎ棒
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包丁に着いた肉の脂などを落として、切れ味をよくする研ぎ棒は、プロ用の道具です。使うにはコツが必要で、研ぐ角度が重要です。元々は、ヨーロッパの習慣で、ステンレスなど硬度の低い包丁には適していますが、ハガネなどでできた和包丁には向いていません。基本的に、こちらもシャープナー同様一時的に切れ味をよくするものだとお考えください。
■包丁の研ぎ方【砥石編】
包丁は、刃のかたちが2タイプあります。それぞれで研ぎ方が異なるので、ご自身の包丁がどちらのタイプなのかまずはチェックしましょう。それがわかったら、手順を踏んで研いでいきます。もし、動きがわかりにくければ、動画サイトなどで調べてみてください。・用意しておくもの
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砥石で包丁を研ぐのに最低限必要なものは、以下のとおりです。
- 砥石
- 濡れ布巾
- 桶
- 新聞紙
濡れ布巾を敷き、その上に砥石を置いて、砥石が動いてしまうのを防ぎましょう。新聞紙は、さいごの仕上げに使います。筒状になるように丸めておいてください。
・研ぎ方の手順~洋包丁(両刃)編~
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刃の部分が左右対象でV字になっているものが両刃です。両刃包丁は、おもに西洋料理で使われる包丁で、包丁自体の重みで押し切るようにして食材を切ります。硬い食材もザクッとパワフルに切れる包丁です。「三徳包丁」や「牛刀」などがこれにあたります。
両刃包丁を研ぐ手順
- 包丁を置く角度は、砥石に対して45度です。刃を自分の方に向けて、包丁の持ち手をしっかり握り、反対の手の指で軽く刃を押さえます。
- 峰の部分(刃先の反対側)を少し浮かせて、角度をつけて刃を砥石に当てます。浮かせる幅は、15度程度で10円玉2枚分くらいです。その角度を保ちつつ、前後に刃を20回程度すべらせます。
- 刃先から刃元の順に3〜4ヶ所に分けて各20回程度ずつ研ぎ、表が終われば、つぎは裏も同じように研ぎます。そのときの包丁を置く角度は、砥石に対して90度です。裏も刃先から研いでいきます。
- さいごに、新聞紙の筒を研いだ刃全体で引くように3回切って「かえり」をとります。「かえり」とは、包丁を研いだときにできるひっかかりです。これをしっかり取り除かないと切れません。
・研ぎ方の手順~和包丁(片刃)編~
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刃の部分が左右非対称で「レ」のようなかたちになってるものが片刃です。片刃包丁は、おもに日本料理で使われる包丁で、その代表的なものが「刺身包丁」や「出刃包丁」です。薄いものや柔らかいものを切るのに適していて、刃全体を使って手前にすべらせるように引いて食材を切ります。
片刃包丁を研ぐ手順
- 包丁を置く角度は、砥石に対して45度です。刃を自分の方に向けて、包丁の持ち手をしっかり握り、反対の手の指で軽く刃を押さえます。
- 峰の部分はほぼ浮かせず、刃が砥石に密着するような角度で前後に刃を20回程度すべらせます。
- 刃先から刃元の順に3〜4ヶ所に分けて各20回程度ずつ研ぎ、表が終われば、つぎは裏も研ぎます。片刃の場合の裏は、表の1割程度の回数で終わりです。包丁を置く角度は、砥石に対して90度で峰は浮かせません。裏も刃先から研いでいきます。
- さいごに、新聞紙の筒を研いだ刃全体で引くように切ってかえりをとります。
・研ぎ方のコツ
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両刃も片刃も研ぐときは、前に押し出すときに力を入れて、後に引くときは力を抜きます。裏を研ぐときは、その反対です。
そして、もっとも重要なのが、刃が砥石に当たる角度を一定に保つことです。しかし、これが初心者にはとても難しいので、心配なひとは峰に装着して寝かせる角度を一定に保つことができる「研ぎホルダー」という便利グッズを活用してみてください。
・砥石のメンテナンスと保管方法
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包丁と同じく、砥石も消耗品です。使っていくうちにすり減り、中央がくぼんでいきます。表面が平らでないと包丁はうまく研げません。砥石もメンテナンスしましょう。砥石がいびつにすり減ったら、専用の修正砥石やコンクリートブロックを使って、「面直し」をします。平らにしたい面をこすって、表面をもとの平らな状態に戻します。
また、研ぎ終わったら、必ず水でよく洗い、しっかりと乾かしてから風通しのよい場所で保管しましょう。
・ナイフの研ぎ方との違いは?
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ナイフの研ぎ方は、基本的に両刃包丁の研ぎ方と同じです。しかし、ナイフは包丁より刃渡りが短いので、前後に往復させて研ごうとするとグラついてしまいます。なので、ナイフを研ぐさいは、前に押すのみの1アクションで研ぐようにしましょう。果実包丁なんかの短い包丁を研ぐときもこの方法が向いています。
■包丁の研ぎ方【シャープナー編】
砥石の次はシャプナーで研ぐ方法をご紹介します。しかし、前述でもご紹介したとおり、シャープナーは切れ味が戻るのは一時的です。シャープナーで研ぐ手順
- 濡れ布巾を平らなところに敷き、そのうえにシャープナーを置きます。
- 溝の部分に包丁の刃を差し込み5〜10回引くように動かすと、両面の刃が均等に研がれます。
- さいごに、かえりをとります。
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・電動シャープナーの場合
基本的に普通のジャープナーと場合と同じです。しかし、電動であれば、より早く少ない回数引くだけで研ぎ終わります。
■砥石が無い時の包丁の研ぎ方
砥石もシャープナーもないけど包丁を研ぎたいという方に朗報です。特別な道具がなくとも一般のご家庭のキッチンにあるもので切れ味がアップするという裏技もあります! 急に包丁の切れ味が悪くなってしまったときの応急処置にもおすすめです。・アルミホイル
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丸めたアルミホイルを包丁で切る。手順はたったこれだけです。この方法は「構成刃先」という現象を利用しています。アルミホイルの切り屑が、ガタガタだった包丁の刃に付着して、コーテイングしたようなイメージです。
なので、実際には研いでいるわけではないことに注意。元の刃は刃こぼれしたままなので、付着したアルミホイルの屑が取れれば、またすぐに切れ味は悪くなってしまいます。
・茶碗の底面
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茶碗などの器を裏返すと「糸底」と呼ばれる丸い淵が立ち上がっていますよね。そのザラザラしたところを刃を当てて研ぐこともできます。包丁に合った角度で刃を糸底に当て、ゆっくり手前に引くように一方方向のみに動かします。しかし、やはりこのやり方も残念ながら切れ味の持続性は見込めません。
■包丁研ぎに『砥石』がおすすめなワケ
いろいろな道具や方法があるとわかったところですが、やはりおすすめしたいのは砥石で研ぐ方法です。使えなくなったからといって捨ててしまうのはもったいない、気にいったものを長く使い続けたい。なら、正しい方法でしっかりメンテナンスしてあげましょう。包丁の正しいメンテナンスには砥石が不可欠です。・100均の包丁の切れ味も復活?!
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100円ショップの包丁なんて切れなくて当たり前に思っていませんでしたか? じつは、そうでもないんです。安価な包丁でも正しい方法で研ぐと、格段に切れ味は上がります。なんだかお得な気分ですね。ただ、安価な包丁は高級なものと比べると硬さがなく、切れ味を保つためには研ぐ頻度を高くしなければならないのが手間です。
・割らなければずっと使える
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砥石は、一度買えば数年から十数年以上使い続けることができます。ものの良し悪しはありますが、割らなければ比較的長い年数使うことができる代物といえます。割らないためにも、落としたり転がしたりぶつけたりしないように気をつけましょう。
・プロが研ぎ方を教えてくれる教室がある
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身近に包丁が研げるひとがいればいいですが、そうじゃないひとも多いでしょう。動画を見てもよくわからない、自分なりにしっかり研いでるつもりだけど切れ味が戻らない。そんなひとは、一度プロの手を借りてみるのも手かもしれません。
インターネットで探すとプロが直々に研ぎ方を教えてくれるプログラムがいくつも紹介されています。こういうのは最初が肝心で、変な手癖がつくまえにプロに習うというのも一つの手です。
・「シャープナー」は刃先を傷める
前述でも再三言っていますが、シャープナーなどの砥石以外で研ぐ方法は、その場凌ぎにすぎません。結局は砥石で研がなければなりません。しかも、シャープナーは刃の表面をギザギザにして引っかかりをつくることで切れるようにしているため、刃にはダメージが大きいんです。シャープナーで研いだ刃は、強度が落ちやすく割れや欠けが起こりやすいといえるでしょう。
・どんな包丁にも使える?
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自分で角度を変えて研げる砥石は、両刃包丁にも片刃包丁にも使えます。しかし、唯一セラミック素材の包丁には使用できません。そもそもセラミック包丁は切れ味が落ちにくいのが特徴ですので、問題ありませんが、もし、セラミックの包丁を研ぎたい場合は専用の砥石やシャープナーを購入するかプロに頼む必要があります。
■包丁の固さと種類で決める【砥石の選び方】
砥石には「人造砥石」と「天然砥石」の2種類があります。人造砥石は、ホームセンターやスーパーなどで手に入る一般的な砥石です。天然砥石は、自然の岩層などから発掘してつくる非常に希少なものでとても高価なものです。家庭用で使うなら人造砥石で十分でしょう。また、人造砥石は研磨剤を固めて作った石で、研磨剤の荒さは「#(メッシュ)」という単位で数値化されており、それによって大まかに3種類に分類することができます。それぞれで用途が違うので、購入するさいはしっかり確認してからにしましょう。
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・荒砥石(#120〜#600)
刃が欠けてしまったときなどに使う荒い砥石です。なので、出番はこの中で一番少なめといえるでしょう。
・中砥石(#900〜#2000)
切れ味が悪くなったときに使う砥石です。家庭で研ぐなら中砥石だけでも十分研ぐことができます。また、刃こぼれしてしまったときに、荒砥石で研いだあとその傷を消すのにも使われます。
・仕上げ砥石(#3000〜)
名前のとおりおもに研ぎの仕上げに使用する砥石です。中砥石で研いだ刃を仕上げ砥石でさらに研ぐことで、より切れ味が鋭くなります。また、超仕上げ砥石(#6000〜)というものもありますが、これは一般的に刀などの仕上げに用いられるものです。ですが、包丁にも有効で、ほとんど新品のように仕上げることも可能です。
■研ぎ続けても切れ味長持ちな包丁とは
包丁の素材は、おもにハガネ、ステンレス、セラミックの3種類です。それぞれに特徴があり、ハガネは研ぎやすくて切れ味は抜群だけどサビるおそれがあり、ステンレスは自分で研ぐこともできてサビも出にくいです。また、セラミックは、そもそも研ぐ必要がなく手入れ不要でサビの心配もいりませんが、硬い食材を切ると刃が欠けることがあります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、自分に合った包丁を選びましょう。・『良い包丁の条件』を満たした包丁を用意
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良い包丁といってもそれはひとそれぞれ基準が違うと思います。しかし、ここでは日々メンテナンスがしやすくて、よく切れる包丁が良い包丁と仮定しましょう。メンテナンスしやすいというのは、研ぎやすいということです。しっかりと作られた包丁は、少しの時間と手間で研ぐことができます。自分で研げるのなら、ハガネかステンレスがいいでしょう。
包丁の質はおおむね値段に比例するので、無理のない範囲でお高めの包丁を買うのもいい選択です。
・切れ味で食材の味が変わる
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切れ味が悪いと、切るときに変な力が加わり、思わぬ怪我にもつながります。また、それだけでなく切れ味が悪いと食材の細胞の壁が傷つき、切り口からうまみ成分が流れ出してしまう原因になるので、切れない包丁で調理するのは百害あって一利なしといえるでしょう。
・用途で砥石とシャープナーを使い分け
まず、砥石とシャープナーはまったくの別物として考えましょう。包丁は砥石で研がないかぎり劣化します。しかし、忙しいと毎回砥石で研ぐのはハードルが高いですよね。
なので、サッと研ぎたいときにはシャープナーを使い、月に1回くらいの目やすで砥石で研ぐというのもおすすめな使い方です。便利な道具を使ってストレスフリーに気分よく料理を楽しむことも大切です。
■切れる包丁があれば料理も楽しい!
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道具さえ揃えられれば、案外砥石で包丁を研ぐのは難しくありません。まずは、肩の力を抜いて挑戦してみましょう。練習あるのみです! 基本的な研ぎ方がマスターできれば、いまよりもっと料理が楽しくなること間違いなしです。自分でメンテナンスをしたお気に入りの道具で、おいしいごはんを作りましょう。
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