ジュニアアスリートを持つ保護者必見!子どもの身長を伸ばすために必要な食生活とは?
2021年12月21日 11:30子どもに何をどれくらい食べさせたら身長が伸びるのか?
両親の身長が小さければ子どもも小さくなるのか?
特にスポーツをおこなう上で、体格は大きな差を生むことがあります。選手だけでなく、スポーツをしている子どもを持つ保護者も、子どもの体格を気にしている方も多いのではないでしょうか。
そんな疑問を世界で活躍する一流選手の食生活をサポートする管理栄養士 吉村俊亮さんが解説します。
目次 [開く]
体を大きくするための大前提はバランスの良い食事ではなくエネルギー摂取量
子どもの身長を伸ばすためにまず考えなければいけないのは、栄養バランスよりもエネルギー摂取量。つまり、自分に必要なだけのエネルギー量を食事や間食などから摂ることができているかが大切です。
食事量が多いか少ないかではなく、1日に消費した分だけのエネルギーをきちんと補えて、かつ発育に必要なエネルギーを摂れているのかが重要で、沢山食べている選手であっても、運動量が多くエネルギー消費をしている場合、エネルギー摂取量が足りない可能性もあるのです。
推定エネルギー必要量を計算してみよう
では実際に、お子様の推定エネルギー必要量はどれくらいなのでしょう?日本人の一般的な体格をもとに、除脂肪体重当たりのエネルギー量を求める、日本人のアスリートに適用されることが多い<JISS(ジス)式>を使って計算してみましょう。
推定エネルギー必要量は計算できましたか?
成人アスリートの場合はここで計算は終わりですが、ジュニアアスリートでこれから身長が大きく伸びる時期に差し掛かっている選手は、さらに「身長を伸ばすためのエネルギー」も必要!そのため、計算された推定エネルギー必要量に10%を上乗せします。
いかがでしょうか。お子様に適した推定エネルギー必要量が把握できたかと思います。
成長のメカニズムとは?
人が食事から様々な栄養素を摂取するのは、生命を維持するためです。
そして、生命を少しでも長く維持するために、絶えず分解と合成を行い、細胞を古いものから新しいものに換えています。そのスピードは私たちの生活に支障がないスピードで行われていますが、確実に様々な臓器で分解と合成は進行しています。
言うまでもなく、人の体は食事から摂取した様々な栄養素からできており、体内には、血液中を漂っている栄養素やすでに様々な細胞の材料になっている栄養素があります。
成長期では、上記に加えて骨や筋肉の合成の割合が増し、体が徐々に大きくなり大人の体へと向かいます。
体の各細胞を合成する際に必要な材料はたんぱく質や脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルといった栄養素。これらすべての栄養素が細胞の基質になっているわけではなく、細胞を合成するための作業効率を上げるための栄養素なども存在します。
これらのほとんどの栄養素は体内で自然に合成することはできないため、食事から必ず摂取をする必要がありますが、もし、食事からの摂取ができなかった場合は、細胞を分解し材料を作り出し、合成しようとします。
食事から細胞の合成に必要なエネルギーや栄養素が摂取できていなかった場合、合成よりも分解の割合が高くなってしまい、疲労が溜まりやすくなったり、怪我をしやすくなったり、成長障害を起こしたりと様々なことが起こってしまうのです。
次に栄養バランスを考える
食事摂取量がしっかりと確保でき、必要エネルギー量が確保できるようになったら、次のステップとして「栄養バランスを整える」ことを考えましょう。
『栄養バランスの良い食事』と聞いて、少しハードルが高い食事を連想されましたか? 『栄養バランスの良い食事』というのは意外と簡単で、難しく考える必要はありません。
“多くの種類の普通の食品から必要なエネルギーを摂れば、練習や試合に必要な炭水化物、たんぱく質、脂質、そして微量栄養素が摂れる。”
※IOC(国際オリンピック委員会)の合意声明2010より
つまり、食事は単一の食品を沢山食べるのではなく、様々な食材を組み合わせた食事を自分に必要なエネルギー分摂ることができれば、難しく考えなくても自然とバランスの良い食事になるのです。
このたんぱく質とカルシウムの2つの栄養素は骨の基質になるメインの栄養素です。たんぱく質の摂取目安量は体重1kgあたりで考えられています。運動強度・運動量に応じて示されているg数が異なりますので、下記の表をご参照ください。
上記、示されている数値に体重をかけた値が、1日に必要なたんぱく質量。
小学校・中学校の給食は、学年によって微妙に異なりますが、約800kcalの給食が提供されており、そのうち、たんぱく質量は25~40g程度が目標値とされています。ご自宅での朝食・夕食・間食で残り分を補えるように、食材のパッケージ裏に記載されているたんぱく質量を参考にしてみて下さい。
また、カルシウムに関しては、日本人が年々摂取量が減っている栄養素でもあるため、特に意識して摂りたい栄養素です。カルシウムの1日の摂取量については下記の表をご参照ください。
牛乳を大きめのコップ(だいたい200cc程度)で1杯飲むと、カルシウムは220mg程度摂取できます。
意外と摂取しやすい栄養素でもあるので是非意識的に摂るように心がけてみてください!
最後に
子どもの身長を伸ばすためには、成長期の時期を見極め、いかに食事量を確保し、栄養バランスを整え、運動量を適正量にコントロールすることができるかにかかっています。成長期のお子さん自身で、これらを管理するのは非常に難しく、所属しているチームの指導者でも難しいのが現実です。
成長期のお子さんをしっかりとサポートができるのは、他でもない一緒に生活をしているご家族です。
しかし毎日の食事を管理することは大変ですので、もし栄養が疎かになってしまう不安がある場合は、食事だけに頼らず、サプリメントなどの栄養補助食品の力を借りることも検討してくださいね。
成長期サポートにオススメのサプリメント
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