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年間飲酒400リットル超のワイン通が教える「使えるワイン術」



毎日ワインを飲みたいへヴィー・ユーザーには1,000円以下で探せばおいしいものがいくつもあるし、気軽なビストロクラスで出るのは1,000~3,000円のもの。

3,000~10,000円出せば高級フレンチで一般人がオーダーできるクラスの高級ワインが楽しめて、10,000円を超すものは10年以上の長期熟成向け。

ちなみに葉山氏おすすめの価格帯別ワインシチュエーションは、毎日飲むなら1,000円前後で濃厚なワインを、給料日には奮発して3,000円のワインを、お誕生日に思い切って1万円の高額ワインを、というもの。初心者にとってはこれだけでも心強い目安になりますね。

■セレクトは全部で1万円5本勝負を!

葉山氏は、自分の好みを探るのに手軽で楽しいワインセレクト術を提案しています。それが「全部で1万円5本勝負」。名前を聞くだけで、なんだかワクワクしてきます。

やり方は簡単。ワインに熱心なワインショップへ行き、店員さんに「飲みくらべをしたいので、品種の違うワインをハーフボトルで5本、1万円でみつくろってください」とお願いするだけ。ハーフボトルは375(サンナナゴ)とも呼ばれ、文字通り375ml入りの小型瓶。ハーフボトルで1本平均2,000円なら、フルボトルだと4,000円前後に相当。かなりの高級ワインを試せるというわけです。

ポイントは品種の違うものとお願いすること。5本集めればブドウの品種別にいろいろなタイプのワインが楽しめて、白も赤もそろいます。ちょっとお財布に余裕があるときにぜひトライしてみたい楽しみ方です。

さらに葉山氏は、この5本の栓をまとめて開ける家飲みワイン会を提案しています。手作りのおつまみを前に、仲間とああでもない、こうでもないとワイン談義に花を咲かせるのも楽しそうですね。

■廉価ワインこそが狙い目で実は宝の山

葉山氏は、1,000円以下の「超廉価ワイン」こそお宝の山だと断言しています。

ワインの楽しみ方で「高級ワインはラベルを見ながら、無名ワインは目隠しで」という言葉があるのだそう。そもそもワインの原価は、ブドウの価格、借地代、労働コスト、ボトル・コルク・ラベル代、それに利益を乗せても高くて1本1,500円程度。あとは需要と供給のバランスです。

だからこそ、生産者の熱意とプライドの詰まった安くてうまいワイン、コスト・パフォーマンスのよいワインを見つけてくることが、輸入代理店やワインショップの腕の見せどころだといいます。「安かろう、まずかろう」では店の信用を失墜させることに。決して安い=まずいではないのです。

ワインショップの店頭、一番目につく場所に超お買い得、チリのシャルドネが580円という派手なポップと一緒に置いてあるワインを「安いから」と素通りするのはもったいない、と著者は訴えます。



ほかにも、記念日ワインの選び方や一夜漬けでソムリエと対等に話ができるハッタリの利かせ方、レストランでのマナーや家飲みワイン会を成功させるコツなど、文字通り30分ですぐ、そして一生役に立ちそうなワイン知識がてんこ盛りの本書。

1945年~2008年の代表的な生産地のワインの出来を星5つで表したヴィンテージ・チャート付きで、自分の生まれ年のワインの出来を確認するのも楽しそう。

意外と裾野の広いワイン道に、本書をきっかけに踏み込んでみませんか?

(文/よりみちこ)

【参考】

※葉山孝太郎(2015)『30分で一生使えるワイン術』ポプラ社
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