【はちみつの賞味期限】腐らないってホント?適切な保存方法も解説!
2020年9月4日 11:00本当にはちみつは腐らないのか、適切な保存方法とはどういったものなのかを解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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目次 [開く]
■はちみつに賞味期限はある?
・はちみつの賞味期限とは
日本では1996年4月から表示が義務付けられていて、市販されているはちみつには賞味期限が必ず明記されています。この期限は「風味が落ちずにおいしく食べられる期間」を示していて、期限を過ぎると傷んでしまう消費期限とは違うものです。
・一般的なはちみつの賞味期限
一般的なはちみつの賞味期限は未開封の状態で、2~3年になっているものが多いです。傷んでしまうことはまずないですが、風味は落ちてきますのでこの期間内に食べきることが望ましいですね。
・はちみつは腐る?
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純度100%のはちみつは腐ることがありません。これは後述しますが、殺菌作用が強く、糖度が高いために菌が繁殖しないからです。1913年に、3300年前の古代エジプトの遺跡から腐っていないはちみつが発見された、ということがあってから、腐らない食べ物として知られることとなりました。
しかし、市販されているものの中には、水あめなどの添加物が入っているものがあり、この添加物が悪くなると、傷んで食べられなくなってしまいます。
・はちみつに賞味期限が表示されている理由
日本の法律では、食品には必ず賞味期限や消費期限をつけることが決められているため、腐らないとはいえ、便宜上でもつける必要があります。腐ることはない食品ですが、保存期間が長くなると糖分が変化して、やや褐色になるなどの変化が見られるので、ほかの加工食品と同じように品質が変わらずおいしく食べられる期限というものを表示しています。
■はちみつの賞味期限と腐らない理由
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はちみつの賞味期限は風味が落ちるまでの期限で、腐り始めるわけではないことがわかりましたが、どうして腐らないのでしょうか。それははちみつの成分に大きな鍵がありました。
・含有水分量が少ない
はちみつに含まれている水分量は20%前後と、とても低い数字です。ミツバチが採ってきたばかりの蜜は、水分が60%ほどと、とても高いのですが、これを数日かけてミツバチが羽であおいで蜜の水分を飛ばしていきます。糖度を上げることで、保存にちょうどよい20%くらいまで水分を飛ばすのです。
・糖度が高い
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全体の20%は水分ですが、それ以外すべては糖分になっているため、腐りにくくなっています。
なぜなら、糖分が高いことは、浸透圧への影響があるから。水分は糖分や塩分があると、同じくらいの濃度になるように、濃い濃度から薄い濃度へ移動する性質があります。しかし、はちみつは糖度の方が圧倒的に高く、もし細菌や微生物が入り込んでも、それらの水分を吸い取って糖分が勝ってしまうため、細菌が繁殖できないのです。
・ミツバチがはちみつに注入する酵素
ミツバチは、花の蜜を巣の中の貯蔵係のミツバチに口移しで渡しますが、このときにミツバチの唾液に含まれるグルコースオキシダーゼという酵素が蜜に入り込みます。この酵素が蜜に入ることで、果糖とブドウ糖に分解されるのです。また、この酵素は活性酸素の一つでもある、過酸化水素を発生させることによって強い抗菌力を得られることから、菌の侵入と繁殖を防ぎ、死滅させることができるのです。
・酸性の食品であるため
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食品には、酸性・アルカリ性などの性質があります。その中間である中性のph値は7で、この値に近いと食品も腐りやすいと言われています。しかし、はちみつはph3~4と弱酸性のため、生物は生きられない環境なのです。
このph値は、みかんやポン酢に最も近く、レモンや食酢などのph2~3に迫るほどの酸性に傾いている食品、ということがわかります。余談ですが、はちみつ自体は酸性なのに、カリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラルがたくさん入っているため、食べると体内でアルカリ性に変化します。
・ハチミツの純度によっては腐ることもある
純度100%のものは腐りませんが、はちみつに入っている添加物の割合によっては腐ることもあります。添加物には殺菌力もなければ、水分や糖分の含有量も全く異なってしまうという理由からです。
「水あめ」や「液糖」といった表示がある場合は、添加物が入っていますので注意が必要です。
■はちみつの賞味期限と開封後の適切な保存方法
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・常温で保存する
はちみつは、白く固まってしまう「結晶化」という現象が起こります。目安は14~16℃くらいなので、冬になると固まりやすくなってしまうのは、気温が下がるためです。結晶化が進んで固まってしまうと、とろりとした食感にならなくなってしまうため、溶かして使いますよね。
手間が必要ですので、固まらないように常温で保存するのが望ましいです。
・冷凍保存はおすすめできない
はちみつは、15℃以下になったあたりから0℃くらいまでにゆっくり固まりますが、さらに低くなると結晶化が止まる性質があります。冷凍庫の温度は約マイナス18℃と冷蔵庫に比べてかなり低いので、結晶化したときのように固まりはしません。
この話を聞くと、固まらないほど温度が低い場所であれば、冷凍庫に保存してもいいのではないかと思いますが、そういうわけでもありません。白く固まることはありませんが、固めの水あめのような粘度が高い状態になり、通常のはちみつよりも使い勝手が悪くなってしまうのは変わりがないからです。
・ガラス瓶に入れて保存する
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プラスチック容器に保存すると、プラスチックの臭いがついてしまったり、ほかの食品の臭いを通してしまう場合があります。大きなプラスチック容器に入っているはちみつは、小さなガラス瓶に移し替えれば、風味を落とさずに最後まで食べることができます。
もし、固まって湯せんで溶かすなどの場合は瓶の方が安定もあり、容器が溶ける心配もないのでおすすめです。また、蓋がしっかり閉まるものがほとんどなので、蓋が緩むことがなく、外の水分に触れることもないため、保存状態がよいまま保管することができますよ。
ほかにも、プラスチック容器が長期間保存に向かない理由は、空気中の水分を通してしまうことにもあります。ほんのわずかずつではありますが、内部に水分が入ることによって、はちみつが発酵してしまうことがあるのです。未開封の状態でも発酵が進むと、中からはちみつがあふれ出してしまうというケースもありますので、保存には瓶が最適なのです。蓋だけプラスチックというのもありますから、蓋の素材も気をつけて見るようにしましょうね。
■はちみつの賞味期限と保存するときの注意点
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「はちみつは腐らないということがわかったし、賞味期限はあってないようなもの」…と、安心はできません。保存状態によっては賞味期限内でも、細菌が繁殖して食べられなくなってしまうこともあるのです。それらの原因と、注意をご紹介します。
・細菌やカビが生える原因とは
はちみつが緑色に変色しているところがある…など、色がついて明らかに結晶とは違うような場合は、傷んで悪くなっている証拠です。これは中に細菌が入ってしまったせいで、原因がいくつか考えられます。はちみつの瓶にトーストのパンくずが入ってしまったり、指をそのまま入れてなめたりしてしまうと瓶の中に水分と雑菌が入ってしまうため、このようなことが起こることがあります。
おいしいからと、子どもが繰り返し指を入れてなめているのを見たことありませんか?こういったことをすると、腐らないはずのはちみつも細菌が増えて、カビが生えてしまうので注意が必要です。
・清潔なスプーンで取り水分が入らないようにする
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トーストに塗ったスプーンを、そのまま瓶に入れてしまうと雑菌や水分が入り込んでしまうことがあります。瓶に入れるスプーンは、はちみつ以外は使わないようにするか、その都度新しくて、清潔なものと交換するようにしましょう。洗った後の水滴もついていないように、しっかり水分をふき取ることも重要です。
スプーンの金属がはちみつの成分を壊してしまうような話もありますが、長期間はちみつに触れていなければ問題ないという見方もあります。心配な人は木製のスプーンかハニーディッパーを使うようにしましょう。
・65度以上の高温下に置かない
はちみつに含まれている栄養素は45℃くらいから変化し始めて、65℃で完全に死んでしまうといわれています。このことから、65℃以上になったはちみつは特有のとろりとした感じがなくなり、風味も香りも少なくなってしまいます。未開封のものだから、と安心していると風味も落ちてしまうので、保管場所には気をつけなければなりません。
日常生活で65度以上の場所はほとんどありませんが、夏場の車の中は50℃を超える場合もあります。ガス台のすぐ脇なども火が近くにあるため、高温になりやすく保存には適さない場所です。はちみつは振動によっても結晶化が進みますので、保存にはほどよく温かく、あまり振動がないような静かな場所が適しています。
・1歳未満の乳児には食べさせない
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はちみつにはボツリヌス菌という菌が入っていることがあります。この菌は、土の中や日常生活に存在する身近な菌なのですが、1歳未満の乳児はまだ離乳食が始まったかどうかの段階で、腸の中に菌がなく、耐性がない状態です。耐性ができると、少量の菌は腸内でやっつけることができますが、耐性がない場合は菌に負けてしまうことがあるのです。
ボツリヌス菌が腸内で繁殖して、毒素を繁殖させてしまうと、ボツリヌス症を発症し首が座らない、などの症状や、ひどくなると死に至るケースもまれにあります。
ボツリヌス菌は熱にとても強いため、加熱調理しても死滅することはありません。手作りお菓子に入れて焼けば大丈夫、と思わずにはちみつが入っているものは、すべて与えないようにしましょう。
■賞味期限が切れた!古くなったはちみつを食べる前にチェックすること
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・ラベルをチェック
まずは、原材料と原産国がどこであるかを確認します。原材料にはちみつ以外の「水あめ」や「果糖ブドウ糖液糖」などの表示がされている場合は、それらが悪くなっている場合もありますので、注意が必要です。賞味期限よりずいぶん経っている場合には、食べないで廃棄したほうがいいでしょう。
また、国内で販売されているはちみつは他国産が70%を超えるシェアを誇っていますが、国産しか信用できない人もいるでしょう。外国産のはちみつの場合は、国内で充填されているかどうか、製造者が日本の企業であるかを確認すれば安心かもしれません。特に、養蜂農家が直接ビン詰めまでしており、道の駅や産直所などで売られているようなものは安心できそうです。
ちなみに、外国産と言えど、ヨーロッパははちみつの品質基準が厳しく、ドイツやルーマニアのものは特に厳しい基準をクリアしているので、安心して食べられますよ。
純度100%、そして国産のものを買うことが一番のポイントかもしれません。いただきもののはちみつは、もらった時点でラベルを確認し、どのような使い方でどれくらいまでに消費するのか計画を立てるのがおすすめです。
・未開封であるかチェック
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開封後は容器の中に空気中のホコリやゴミ、水分などが中に入ってしまうことがあります。場合によっては、自分が知らないうちに汚れたスプーンで中をかき混ぜている人がいる、なんていうこともあるかもしれません。開封後のはちみつは雑菌が繁殖してしまっている場合がありますので、よくチェックする必要があります。
・保存場所が適切かチェック
ほどよく温かい場所がいいとはいえ、直射日光が当たるような場所であったり、湿気が多い場所は、はちみつにとっていい保管場所とは言えません。台所でいうと、冷蔵庫の上や炊飯器の近くなど、家電からの熱がはちみつに伝わってしまうような場所もよくありません。
ガス台のすぐ脇も火の影響を受けますので、保管場所としては適さない場所です。このような場所に保管してあったものは、変質していることがありますので、中味をよくチェックするようにしましょう。
■変色しているはちみつは食べられる?
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・茶色に変色している
はちみつがカラメル化したものであり、問題なく食べることができます。花の種類によっては蜜自体の色が濃いものもあります。たとえば、りんごや栗の花の蜜は黄金色というより、琥珀色に近い感じになり、そばの花の蜜はほとんど黒に近くなりますよ。
つまり、純度が高いほど、カラメル化しやすいようです。ただ、見た目は少々悪くなってしまいますので、お砂糖がわりに煮込み料理に使うのもおすすめです。
・黒色に変色している
はちみつのタンニン鉄との生成により起こった現象で、これも食べることができます。ミツバチが集めた花粉の種類によっては鉄分が含まれている場合もあるため、日にちが経つと黒くなってきてしまうものもあるようです。とはいえ、元々の色より濃くなっているようであれば、味や風味は前より落ちているので、そのまま食べるのではなく、砂糖代わりに料理に使うなどして食べるのが良さそうですね。
・結晶化している
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白く固まった「結晶化」した状態であれば、溶かして食べることができます。固まってしまっただけで、はちみつの栄養素や成分に変化はない状態だからです。しかし、溶かし方を誤ってしまうと、栄養素が壊れてしまったり、とろりとした食感がなくなってしまうため、適切な方法で溶かすことが大事です。
・白く結晶化したはちみつの対処法
結晶化してしまったら温めて溶かしますが、一番ポピュラーな方法は、水から湯せんにかけることです。はちみつが入った瓶の蓋を外し、水を張った鍋に入れて火にかけます。急激に加熱すると、はちみつの栄養が壊れてしまうため、中火~弱火でゆっくり温めて沸騰しないように気をつけましょう。
瓶のふちに近い部分が溶けてきたら、清潔なスプーンやマドラーでかき回して、全体を同じようにすれば、きれいに溶かすことができます。瓶が熱くなっている場合があるので、ヤケドには注意しましょう。
■はちみつは適切に保存すれば腐らない!自然の恵みをいただこう!
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はちみつの賞味期限は便宜上のものであることがわかりましたが、添加物や保存場所などでそれも変わることがわかりました。せっかくミツバチが水分を飛ばして、保存に合った糖度にしてくれたのですから、はちみつに寄り添った保存方法を守らないといけないですね。
そのためには保管の温度や、細菌が入らないようにする努力が重要です。健康にもよいはちみつを、最後までおいしく食べられるように、いま一度保管状態を見直してみるのもいいかもしれませんね。
《参考》
・消費者庁「ハチミツによる乳児のボツリヌス症」
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