スキレットでステーキを焼く魅力とは?焼き方からお手入れ法まで紹介!
2020年8月14日 11:00©︎https://www.pakutaso.com/
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■なぜスキレットでステーキを焼いた方がいいの?
スキレットの魅力は、何といっても食材の味を引き出した調理ができることです。食材のうまみを閉じ込めたまま、表面をこんがりと焼き上げられるのが、スキレット最大の特徴と言えるでしょう。その魅力をお伝えするのにふさわしい調理メニューがステーキです。スキレットの基本と共に、スキレットを使ったおいしい焼き方を紹介します。©︎https://food.foto.ne.jp/
・スキレットって何?
そもそもスキレットとは、鉄製の厚手のフライパンのこと。一般的なフライパンはアルミ製やステンレス製ですが、それらに比べて厚めにできており、蓄熱性が高いのが特徴です。
ドロドロに溶けた高温の鉄を型に流し込んで作る鋳鉄(ちゅうてつ)製ならではの手入れが必要となります。この手入れについては後で紹介しましょう。
スキレットの別の魅力には、専用蓋による「圧力」があります。スキレット専用の蓋も厚手の鉄素材でできており、気密性が保てるので、無水鍋や圧力鍋のように高い圧力で調理できます。食材に無駄な水分を加えることなく調理できるので、素材が本来持っている水分を逃さず食材中にキープできるメリットがあります。
ほかのフライパンと同様、「煮る」「揚げる」「蒸す」「燻す」と幅広い調理が可能なスキレットは、見た目のかっこよさもあり、調理したままの状態で食卓に並べても「映える」のが人気の理由でもあります。スキレットのまま食事を提供するレストランも少なくありません。
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・熱がゆっくり伝わりムラが無い
厚手で鋳鉄製のスキレットには、アルミ製などに比べて熱伝導率が低い、つまり熱が伝わるのが遅いという特徴があります。熱がゆっくり伝わるため、鍋全体の温度ムラができにくいのです。
火力が強い部分だけが焦げる、あるいは火力が弱い部分に熱が伝わらなくて生焼けになる、といった失敗が避けられるのも、調理初心者には嬉しい特徴です。
厚手であることから、冷たい食材を入れてもスキレット本体の温度が下がりにくく、短時間で一気に焼き目をつけることができます。表面を焼き目で覆った後にじっくり中身に火を通すことにより、素材のジューシーさを保つことができるのです。
・保温性があるのでキャンプにも!
熱伝導率が低いということは、蓄熱性・保温性が高いということです。このため、キャンプなどアウトドア利用に向いています。
先に紹介した温度ムラが生じにくい、という特徴も、火力が均等になりにくいアウトドア調理向きと言えます。調理したまま出しても食べられるということもまた、洗い物が少なくて済むキャンプ向けと言えるでしょう。
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■ここがポイント!スキレットでステーキを焼く前の下準備
スキレットがどのような調理器具なのか、お分かりいただけたでしょうか。スキレットの基本を理解いただいたところで、次はステーキを焼く前の下準備を紹介します。・スキレットの『シーズニング』を行う
スキレットの良さを最も感じられるのは、何といっても肉料理。肉料理の中でも、まずは多くの人が大好きなステーキを取り上げます。焼き目がついた表面はさっくり、中身はジューシーという食感は、スキレット調理ならではです。
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購入したばかりのスキレットを使う前に、欠かせない作業があります。一般的なフライパンと違って、スキレットには表面のコーティングがありません。このため調理前には「シーズニング」と呼ばれる手入れが必要になります。
シーズニングとは、スキレット本体に油をなじませる作業です。まず、製品出荷時に塗られているさび止めワックスを洗い流します。その後空焚きし、表面に油を塗ります。さらに、くず野菜を炒めて油をなじませてから余分な油をふき取り、改めて油を塗ることを推奨する人もいます。
こうしたプロセスにより表面に油の膜をつけていくのがシーズニングです。中にはシーズニング済みの状態で出荷され、自宅での作業が不要な商品もあります。
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シーズニングは面倒な作業のように感じますが、一般的なフライパンがコーティングの寿命と共に買い替える必要があるのに対して、スキレットは丁寧に手入れをすれば一生使うこともできます。使えば使い込むほど愛着がわいてくる、というのもスキレットの魅力かもしれません。
シーズニングには、調理したときに食材がくっつきにくくなる効果もあります。さらに、保存時にさびにくくなるのもシーズニングの効果です。
・肉はしっかり『筋切り』をする
シーズニングが終わったら、いよいよ肉を焼く準備に移ります。
ステーキ肉を焼く前に、「筋切り」をしておきましょう。ステーキ肉は、加熱する際に縮んでしまい、反り返ってしまうことがあります。この反りを防ぐのが「筋切り」です。
これは、肉に切れ目を入れて反りの原因である繊維質を断つ作業です。切れ目を入れるのは、肉と油の境目にある筋。この境目に包丁の先端を入れて、筋を断ち切ります。
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・肉を『常温』に戻す
ステーキ肉は、焼く前までに冷蔵庫から取り出して常温に戻しておきます。季節や室温にもよりますが、30分から1時間が目安となります。冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい肉を焼くと「表面はいい焼き入れだが、中が生焼けになっている」あるいは「中まで火を通すために、表面が焦げてしまう」ということになってしまいます。常温に戻す作業は焼く前に済んでいればいいので、常温に戻す作業は筋切りと前後しても構いません。
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・肉に『牛脂』を塗りこむ
スーパーで売っている割安の輸入肉でも、美味しく調理する方法があります。それは、肉に国産牛の「牛脂」を塗り込むというものです。牛脂とは、牛の脂肪を精製した食用油の塊のこと。スーパーの精肉売り場では無料で手に入りますが、有名牛ブランドの牛脂として販売されている商品もあります。
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牛脂を塗ることで、ステーキ肉の表面に油のコーティングを作ります。水分の蒸発を防ぐことができることから、肉のパサつきを抑え、ジューシーに焼き上げることができます。数年前、東京にある有名ステーキ店のシェフがテレビで紹介したこともあり、多くの家庭でこの方法が使われるようになりました。
■スキレットでおいしいステーキを焼く方法
ステーキ肉表面に牛脂を塗ったら、いよいよ「焼き」の手順に入っていきます。おいしいステーキができるまで、もう少しです!・スキレットでステーキを焼く手順
牛脂を塗ったステーキ肉には、塩と胡椒を振りかけます。まずは強火で表面に焦げ目がつくまで焼き上げます。焦げ目がついたことを確認したら、ひっくり返して別面も焼きます。
焼き時間の目安としては1~2分といったところですが、スキレットや調理台の火力にもよりますので、焦げすぎないように気を付けてください。
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・アルミホイルで包むことで内部まで熱を通す
両面を焼いたステーキ肉は、アルミホイルで包みます。これにより、肉表面の熱が内部まで伝わります。レアやミディアムレアの状態で食べたいとき、内部の赤みを残しつつ、しっかり熱を通すことができます。これは、ローストビーフなど厚手の肉の調理にも応用できる方法です。焼き加減についてはそれぞれ好みがあるでしょうから、焼き時間を長くしてみる、短くしてみるなどして試してみてください。
■ステーキを焼いた後のスキレットのお手入れ
購入後だけでなく、ステーキを焼いた後もスキレットの手入れは忘れずに行ってください。この手入れをすることで長持ち度合いが全く変わってきます。・洗剤は極力使わない
スキレットを使い終わった後は、たわしを使ってお湯や水で洗い流します。多少の汚れであれば洗剤が無くても汚れはすべて落ちます。最初にシーズニング処理を施すことで表面に油の膜が張られた状態になり、洗剤を使わなくてもお湯や水で流すだけで汚れを落とすことができるのです。屋外利用では、洗剤の利用を禁止しているキャンプ場があるので、洗剤が不要というのは重宝する特徴ですね。
洗剤を使わずに使い込んだスキレットは、重ねた油が黒光りし、「ブラックポット」と言われる独特の風味が出てきます。スキレット愛好家は、この黒光りがスキレットの魅力とする人が多いようです。
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・調理直後の旧冷却に注意
調理後のスキレットの手入れは、温度が下がってから始めます。高温の状態で冷たい水につけると、温度差によって「割れ」の原因になるので注意してください。
調理後の手入れは、まず汚れをペーパータオルなどで取り除きます。その後、水で流し落とします。汚れがこびりついている場合にはお湯を使います。
汚れがどうしても気になる場合には、スキレットに水を張り、沸騰させて汚れを浮かせて取ります。その後、乾燥させてから油をひいてシーズニングし直します。
・スキレットが焦げ付いたり、さび付いたら
スキレットがひどく焦げ付いたり、長期間使わなかったりしたときにさびが出てしまったときは、たわしや「スクレーパー」と呼ぶ工具を使って焦げやさびをそぎ落とします。金属製のたわしは表面を傷つけてしまうので使わないようにしてください。その後、スキレットに水を張り、火をかけて残った焦げやさびを浮かせて取り除きます。
洗剤を使わないのが基本ですが、どうしても焦げやさびのニオイが気になる場合には、洗剤あるいは重曹を使って洗い流します。この場合も、スキレットになじんだ油が抜けてしまいますので、乾燥後に油をひいてシーズニングをし直してください。
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・スキレットの保管方法
十分冷めてから、湿気が少ないところで保管します。長期間使わない場合には、湿気を防ぐために新聞紙などで包んで保管しておきましょう。新聞紙が表面の余分な水分を吸収してくれます。
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■ステーキだけじゃない!スキレットで作れる肉料理3選
スキレットを使っておいしくなる肉料理は、もちろんステーキだけではありません。例えば、ハンバーグやすき焼き、肉豆腐といった料理もスキレット向きです。スキレットの特徴を生かした料理を紹介しましょう。・ハンバーグ
まずはハンバーグ。ステーキと同様、表面に適度な焦げ目があると美味しいのがハンバーグ。調理方法はスキレットには油をひいて、煙が出るくらいまで温度を上げてから焦げ目がつくまで焼き上げます。最初に強火で焼くことで表面に壁を作り、肉汁が流れにくくなります。
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スキレットの特徴は、肉の投下後もスキレットの温度が下がりにくいこと。短時間で表面に焦げ目がつきますから、焼きすぎに注意してください。
両面を焼いた後は、弱火にします。このプロセスによって、中心部までしっかりと火を通します。焼き上がりの目安は、竹串などを刺して出てくる肉汁の色です。赤みがかった汁が出てくる間はまだ火が中心まで通っていません。透明な肉汁が出るようになったら食べごろとなります。
・すき焼き
すき焼き鍋が無くても、スキレットがあればすき焼きを楽しむことができます。小さめのサイズのスキレットなら、1~2人といった少人数でも無駄なく調理できます。いずれも鋳鉄でできていますから、調理方法はほぼ同じです。
長ネギや白菜などの野菜はざく切りにします。焼き豆腐は食べやすい大きさに切っておきます。熱したスキレットに牛脂を入れて溶かし、牛肉を広げて焼いたら割り下を流し込みます。焼けた牛肉は端に寄せ、空いているところで野菜を入れて調理します。牛肉に火が通りすぎないように注意してください。
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・肉豆腐
肉豆腐もスキレットに向く料理の一つです。まず、スキレットに油をひいて牛肉を炒めます。その後、豆腐やネギ、えのきだけなどを入れ、水を足して煮込みます。沸騰し、野菜がしんなりしたら出来上がり。好みによって卵とじにしてもいいですし、すき焼きと同様、卵につけて食べてもよいでしょう。
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・ほかにもたくさんあるスキレット料理
レシピ投稿サイトをみると、上記の代表的な肉料理以外にも、スキレットを使ったたくさんのレシピが紹介されています。パエリアやアヒージョ、オムレツ、グラタンといった料理のほか、パンケーキなどにも活用されていることが分かります。作ってそのまま食卓へ出すことができるスキレットの特徴を活かせる料理が多いようですね。
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■IH対応のスキレット
自宅にある調理台がIH対応の方もいらっしゃるかと思います。ここでは、そんな方のために、IH調理台でスキレットを使うための注意点を紹介します。・おしゃれなIH対応スキレット
現在、アメリカの老舗メーカーである「LODGE」(ロッジ)や、格安のスキレット、通称「ニトスキ」として話題になった日本のニトリなどからIH対応のスキレットが販売されています。おしゃれ調理器具として有名なフランスの「LE CREUSET」(ル・クルーゼ)からも商品化されており、注目を集めています。
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・IH対応スキレットの注意
それでも、スキレットの多くはIHに対応していません。IH非対応のスキレットを使うと底面が高温になり、IH調理台の安全機構が作動してしまいます。家にある調理台がIHの場合には、購入前に確認しておく必要があるでしょう。
IH調理でもう1点注意したいのは、調理台によっては、利用できるフライパンのサイズの条件があること。12センチ以下のフライパンが使用できない調理台もあるので、小型サイズのスキレットを選ぶ場合にはご配慮ください。
■「一生モノ」のスキレット、料理にぜひトライしてみて
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今回の記事ではスキレットの特徴や代表的メニューの調理方法を紹介してきましたが、魅力を感じていただけたでしょうか。スキレットは、手入れをしっかりすれば、「一生モノ」として生涯使い続けられる調理器具です。まずは用途やデザインなどの好みに応じてお気に入りのスキレットを選び、スキレットの特徴が生きる料理にトライして、スキレットの良さを実感してみてくださいね。
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