ザンギと唐揚げの違いは衣?北海道ご当地グルメの作り方とアレンジレシピ
2020年8月6日 11:00
皆さんはザンギと言われる揚げ物料理をご存じでしょうか?
北海道では当たり前にそう呼ばれ親しまれているというこのザンギの実態とは? 唐揚のことじゃないの?
今回はそんな疑問からおいしいオススメレシピまで、ザンギの魅力をお伝えしたいと思います。お腹がすくこと間違いなしです!
ザンギの発祥の地と呼ばれているのが、北海道の東に位置する「釧路市」。北海道はもちろんですが、この釧路も漁港の町として有名な街です。
1960年頃、「鳥松」という一軒の焼き鳥屋が、1羽まるごとの鶏肉をぶつ切りにして唐揚げにしたことがザンギの始まりとされています。
漁港の町釧路だったからこそ、海鮮のイメージからあまり鶏肉の消費が進まず、余すことなく食べられる唐揚げという調理方法が選ばれたのかもしれませんね。
釧路で生まれたこのザンギの名前の由来は諸説ありますが、中国語で鶏の唐揚げの事を炸鶏(ザーギー)と呼び、これにウン(幸運の運)を組み合わせてできた造語だとされています。
1羽まるごとというのは当時では贅沢でしょうし、「運」という文字と掛け合わせられていることから、もしかするとおめでたい席にでも食べられていたのものなのかもしれません。
このように、発祥当時は1羽まるごと、つまりさまざまな部位をザンギとしていたようですが、今は主にザンギとは骨なしの鶏もも肉を使うことが多いです。
しかし、北海道には鶏肉だけではなく「鮭ザンギ」「たこザンギ」「ジンギスカンザンギ」など、様々なザンギが存在します!
これは唐揚げと同じ理由で、作り方の概念によって派生していったものと言えるでしょう。
〇〇唐揚げというものがたくさんあるのと同じく、ザンギも同じ調理法で海鮮やほかのお肉でも作られているんですね! ラム肉を使ったジンギスカンザンギなんていうのも、とても北海道らしいアレンジといえると思います。
そもそも、北海道の人以外にはザンギと言っても伝わらないのでしょうか?
調べてみたところ、北海道だけではなく、愛媛県今治市とその周辺の地域や、山形県の一部地域でも「ザンギ」や「ザンキ」と呼ばれていることがわかりました。
今治市には郷土料理「せんざんき」という鶏の唐揚げがあり、こちらも中国の清炸鶏(チンザーチ)が由来とされていますので、どちらも語源は同じ中国からきているようですね!
北海道と愛媛県という離れた場所でも、同じザンギという言葉が存在するということにも驚きですね。もしかしたら、もっともっと深いところにザンギが伝わっていったルーツがあったのかもしれません…!
少しだけザンギのことを知っていただいたと思いますが、「要するに唐揚げでしょ?」
という疑問がまだ残るところです。改めて、もう少しザンギと唐揚げの違いについて掘り下げていきたいと思います!
日本唐揚げ協会によると、「食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたもの」が、唐揚げの定義とされています。
味付けに関してはザンギも唐揚げと同様で、家庭やお店ごとに違いはあるものの、北海道民いわく「しっかり下味をつけ、粉を混ぜ込んでタネごと揚げるのがザンギ」「しょうゆ味が強い」という感覚があるようです。
調味料を入れてから、しっかりと揉みこんで時間を置くのがポイントですが、この下味に関しては、唐揚げとの違いはさほどないのかもしれませんね。
前述したとおり、唐揚げは「小麦粉や片栗粉などをまぶして」となっていますので、下味をつけたお肉に粉をまぶし、パタパタっとはたいて揚げる、薄い衣のイメージです。
ザンギも小麦粉・片栗粉を使用する点は同じなのですが、「衣に卵を入れる」「唐揚げよりも厚い衣なのがザンギ」とも言われています。
卵を入れて粉も下味もすべて混ぜ合わせてありますので、揚げる前のタネの状態は唐揚げよりもねっとりと重たいイメージで、色も濃い目です。
ぼとぼとっと油の中に落としていくと、いびつな衣がじゅわっとできてきて、しょうゆの匂いとともに揚がっていきます。
厚めの衣のぶん、お肉の大きさよりぽってりとサイズが大きくなるのが特徴ではないでしょうか。
ザンギの衣についての特徴はわかってきましたが、では竜田揚げはどうでしょう?
発祥は奈良県。赤っぽく揚がり、片栗粉の白い部分が「竜田川の川面に浮かぶ紅葉のよう」といわれたのが由来とされています。とても風情のある素敵な由来ですね。
竜田揚げの定義としては、衣に片栗粉のみを使用するということですので、これが明確なザンギとの違いと言えるでしょう。
サバやマグロといった、魚の切り身を使うことも多いイメージであることと、鶏肉や豚肉を使用する時には薄めの切り方で調理されることが多いようです。
読んでいただいてお気づきの方も多いかもしれませんが…。
そうなのです。ザンギと唐揚げの違いは、正直なところ明確な違いはありません!
北海道民ですら、「同じじゃないの?」「ザンギって唐揚げの方言でしょ?」という人もいます。
しいて違いをあげるのであれば、衣に少しだけザンギの特徴があるように思います。
しかしもう一度、唐揚げの定義を思い出してみましょう。
「食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたもの」
ということですので、この定義の中に、ザンギも、竜田揚げも含まれるのではないかと考えます。
ザンギの衣に卵を入れても入れなくても、味付けが濃くても薄くても、唐揚げの定義の一部なのだということですね!
日本唐揚協会が主催する「からあげグランプリ」というものがあるくらい、全国に数えきれないほどのご当地唐揚げが存在していますし、大人も子供もみんんな大好きな食べ物ですからね。
各家庭、お店、地方それぞれの唐揚げがあるように、ご当地唐揚げの一種・北海道民のソウルフードとして「ザンギ」が存在しているということなのではないでしょうか!
それぞれが同じようで、違うようで、それがいいのかもしれません。
そろそろおいしいザンギが食べたくなってきたころではないでしょうか?
北海道で愛されているザンギをご家庭でもおいしくつくるコツをご紹介します!
ザンギの魅力はやはり、ソースやたれなど何もつけなくてもいいくらいの「しっかりしょうゆ味」だということです。
ですので、思い切ってにんにく、しょうがもたっぷり入れて下味をつけるのがおすすめです!
もし、時間に余裕があれば下味をつけて揉みこんだ後に、30分ほどつけておくといいですよ。
こちらはお好みではありますが、卵を入れた衣でザンギを作る場合にはべちゃっとなりやすいので、一度揚げたあとに油の温度を上げて二度揚げすることで、お店で食べるようなカラッとしたザンギに仕上がります!
しっとりした唐揚げがお好きな方は、卵のおかげで出るふわっとした食感を楽しめるので一度でじっくりと揚げるだけでもいいと思います。
ご家庭ごとの味付けで楽しめるのがザンギ・唐揚げのいいところではありますが、基本のカンタンレシピを、ちょっとしたコツも踏まえてご紹介したいと思います。
本当においしいので、ぜひとも一度作ってみてください!!
ポイントはざっくり目分量でいいので豪快につくることです!
一度にたくさんつくっておいて、次の日はアレンジして食べるのもおすすめですよ。
ザンギは冷めてもおいしいんです! 温めなおさなくてもそのまま簡単にアレンジができますし、朝ごはんにお弁当に、とっても便利ですよ。しっかりしょうゆ味を生かして色々とアレンジを楽しんでみてくださいね。
しっかりしょうゆ味なので、マヨネーズだけで十分おいしいんです。
バンズがなければ、食パンやコッペパンでももちろんOKです。
ザンギのしょうゆ味と、バターの香り、玉ねぎの甘さが絶妙です。
ただの鶏肉でつくるより味も決まりやすくて楽ですよ!
いかがでしたでしょうか? 北海道民が愛してやまない、ザンギについてご紹介しました。
明確な定義は存在しないものの、北海道ではその名前で親しまれており、居酒屋などでも商品名は「唐揚げ」よりも「ザンギ」とされているところが多いような気もします。
気兼ねなく旅行へ行けるようになった際には、ご当地へ足を運んで、それぞれ特徴の違う唐揚げを食べ比べてみるのも楽しいかもしれませんね!
まずは、いつもと違う唐揚げ「ザンギ」を、ぜひご家庭でもつくって味わってみてくださいね。
北海道では当たり前にそう呼ばれ親しまれているというこのザンギの実態とは? 唐揚のことじゃないの?
今回はそんな疑問からおいしいオススメレシピまで、ザンギの魅力をお伝えしたいと思います。お腹がすくこと間違いなしです!
目次 [閉じる]
■ザンギってなに?
・ザンギの発祥は北海道
©https://www.photo-ac.com/
ザンギの発祥の地と呼ばれているのが、北海道の東に位置する「釧路市」。北海道はもちろんですが、この釧路も漁港の町として有名な街です。
1960年頃、「鳥松」という一軒の焼き鳥屋が、1羽まるごとの鶏肉をぶつ切りにして唐揚げにしたことがザンギの始まりとされています。
漁港の町釧路だったからこそ、海鮮のイメージからあまり鶏肉の消費が進まず、余すことなく食べられる唐揚げという調理方法が選ばれたのかもしれませんね。
・ザンギの語源
釧路で生まれたこのザンギの名前の由来は諸説ありますが、中国語で鶏の唐揚げの事を炸鶏(ザーギー)と呼び、これにウン(幸運の運)を組み合わせてできた造語だとされています。
1羽まるごとというのは当時では贅沢でしょうし、「運」という文字と掛け合わせられていることから、もしかするとおめでたい席にでも食べられていたのものなのかもしれません。
・鶏肉だけが『ザンギ』じゃない?
このように、発祥当時は1羽まるごと、つまりさまざまな部位をザンギとしていたようですが、今は主にザンギとは骨なしの鶏もも肉を使うことが多いです。
しかし、北海道には鶏肉だけではなく「鮭ザンギ」「たこザンギ」「ジンギスカンザンギ」など、様々なザンギが存在します!
これは唐揚げと同じ理由で、作り方の概念によって派生していったものと言えるでしょう。
〇〇唐揚げというものがたくさんあるのと同じく、ザンギも同じ調理法で海鮮やほかのお肉でも作られているんですね! ラム肉を使ったジンギスカンザンギなんていうのも、とても北海道らしいアレンジといえると思います。
・北海道以外でも『ザンギ』と呼ぶ
そもそも、北海道の人以外にはザンギと言っても伝わらないのでしょうか?
調べてみたところ、北海道だけではなく、愛媛県今治市とその周辺の地域や、山形県の一部地域でも「ザンギ」や「ザンキ」と呼ばれていることがわかりました。
今治市には郷土料理「せんざんき」という鶏の唐揚げがあり、こちらも中国の清炸鶏(チンザーチ)が由来とされていますので、どちらも語源は同じ中国からきているようですね!
北海道と愛媛県という離れた場所でも、同じザンギという言葉が存在するということにも驚きですね。もしかしたら、もっともっと深いところにザンギが伝わっていったルーツがあったのかもしれません…!
■ザンギと唐揚げはどう違う?
少しだけザンギのことを知っていただいたと思いますが、「要するに唐揚げでしょ?」
という疑問がまだ残るところです。改めて、もう少しザンギと唐揚げの違いについて掘り下げていきたいと思います!
・『しっかり味がついている』のがザンギ?
日本唐揚げ協会によると、「食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたもの」が、唐揚げの定義とされています。
味付けに関してはザンギも唐揚げと同様で、家庭やお店ごとに違いはあるものの、北海道民いわく「しっかり下味をつけ、粉を混ぜ込んでタネごと揚げるのがザンギ」「しょうゆ味が強い」という感覚があるようです。
調味料を入れてから、しっかりと揉みこんで時間を置くのがポイントですが、この下味に関しては、唐揚げとの違いはさほどないのかもしれませんね。
・ザンギかどうかの決め手は『衣』?
前述したとおり、唐揚げは「小麦粉や片栗粉などをまぶして」となっていますので、下味をつけたお肉に粉をまぶし、パタパタっとはたいて揚げる、薄い衣のイメージです。
ザンギも小麦粉・片栗粉を使用する点は同じなのですが、「衣に卵を入れる」「唐揚げよりも厚い衣なのがザンギ」とも言われています。
卵を入れて粉も下味もすべて混ぜ合わせてありますので、揚げる前のタネの状態は唐揚げよりもねっとりと重たいイメージで、色も濃い目です。
ぼとぼとっと油の中に落としていくと、いびつな衣がじゅわっとできてきて、しょうゆの匂いとともに揚がっていきます。
厚めの衣のぶん、お肉の大きさよりぽってりとサイズが大きくなるのが特徴ではないでしょうか。
・ザンギは竜田揚げとも違う?
ザンギの衣についての特徴はわかってきましたが、では竜田揚げはどうでしょう?
発祥は奈良県。赤っぽく揚がり、片栗粉の白い部分が「竜田川の川面に浮かぶ紅葉のよう」といわれたのが由来とされています。とても風情のある素敵な由来ですね。
竜田揚げの定義としては、衣に片栗粉のみを使用するということですので、これが明確なザンギとの違いと言えるでしょう。
サバやマグロといった、魚の切り身を使うことも多いイメージであることと、鶏肉や豚肉を使用する時には薄めの切り方で調理されることが多いようです。
・『ザンギと唐揚げ』違いが明確ではない説
読んでいただいてお気づきの方も多いかもしれませんが…。
そうなのです。ザンギと唐揚げの違いは、正直なところ明確な違いはありません!
北海道民ですら、「同じじゃないの?」「ザンギって唐揚げの方言でしょ?」という人もいます。
しいて違いをあげるのであれば、衣に少しだけザンギの特徴があるように思います。
しかしもう一度、唐揚げの定義を思い出してみましょう。
「食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたもの」
ということですので、この定義の中に、ザンギも、竜田揚げも含まれるのではないかと考えます。
ザンギの衣に卵を入れても入れなくても、味付けが濃くても薄くても、唐揚げの定義の一部なのだということですね!
日本唐揚協会が主催する「からあげグランプリ」というものがあるくらい、全国に数えきれないほどのご当地唐揚げが存在していますし、大人も子供もみんんな大好きな食べ物ですからね。
各家庭、お店、地方それぞれの唐揚げがあるように、ご当地唐揚げの一種・北海道民のソウルフードとして「ザンギ」が存在しているということなのではないでしょうか!
それぞれが同じようで、違うようで、それがいいのかもしれません。
■ザンギをおいしく作るコツ
©https://www.photo-ac.com/
そろそろおいしいザンギが食べたくなってきたころではないでしょうか?
北海道で愛されているザンギをご家庭でもおいしくつくるコツをご紹介します!
・しっかりと下味をつける
ザンギの魅力はやはり、ソースやたれなど何もつけなくてもいいくらいの「しっかりしょうゆ味」だということです。
ですので、思い切ってにんにく、しょうがもたっぷり入れて下味をつけるのがおすすめです!
もし、時間に余裕があれば下味をつけて揉みこんだ後に、30分ほどつけておくといいですよ。
・二度揚げでカラッと
©https://www.ac-illust.com/
こちらはお好みではありますが、卵を入れた衣でザンギを作る場合にはべちゃっとなりやすいので、一度揚げたあとに油の温度を上げて二度揚げすることで、お店で食べるようなカラッとしたザンギに仕上がります!
しっとりした唐揚げがお好きな方は、卵のおかげで出るふわっとした食感を楽しめるので一度でじっくりと揚げるだけでもいいと思います。
・おすすめザンギレシピ
©https://www.photo-ac.com/
ご家庭ごとの味付けで楽しめるのがザンギ・唐揚げのいいところではありますが、基本のカンタンレシピを、ちょっとしたコツも踏まえてご紹介したいと思います。
本当においしいので、ぜひとも一度作ってみてください!!
- ぶつ切りにした鶏もも肉をボウルに入れて下味をつけ、よく揉みこむ
(酒、多めのしょうゆ、にんにく、しょうが、砂糖、それぞれお好みで!) - 30分ほど寝かせたらたまご(鶏肉2枚に対し1個くらい)をいれてよく混ぜる
- たまごがよくなじんだら、小麦粉、片栗粉を入れよく混ぜる(小麦粉1:片栗粉2くらいの割合で)
- 170℃~180℃に熱した油で、じっくりと揚げていく(しょうゆ多めの衣なので、あまり高い温度で揚げると衣が先に焦げてしまうため注意してください!)
- お好みで、少し温度を上げた油(200℃くらい)でさっと二度揚げする
- お好みで、レモンを添えてできあがり!
一度にたくさんつくっておいて、次の日はアレンジして食べるのもおすすめですよ。
■ザンギのアレンジレシピ
©https://www.photo-ac.com/
ザンギは冷めてもおいしいんです! 温めなおさなくてもそのまま簡単にアレンジができますし、朝ごはんにお弁当に、とっても便利ですよ。しっかりしょうゆ味を生かして色々とアレンジを楽しんでみてくださいね。
・ザンギバーガー
- ザンギをお好みの大きさに切る
- 冷蔵庫の残り野菜と一緒にはさむ(レタス、きゅうり、トマトなど)
- お好きなものを挟んでマヨネーズをかけてできあがり!
バンズがなければ、食パンやコッペパンでももちろんOKです。
・ザンギチャーハン
- ザンギを1cm角くらいの小さめサイズに切る
- 冷蔵庫の残り野菜を切る(おすすめは玉ねぎのみじん切り)
- バターを入れてから野菜を軽く炒め、ご飯を入れて炒める
- 塩コショウ、しょうゆで味をととのえてできあがり!
ただの鶏肉でつくるより味も決まりやすくて楽ですよ!
■北海道民のソウルフード、「ザンギ」
©https://www.photo-ac.com/
いかがでしたでしょうか? 北海道民が愛してやまない、ザンギについてご紹介しました。
明確な定義は存在しないものの、北海道ではその名前で親しまれており、居酒屋などでも商品名は「唐揚げ」よりも「ザンギ」とされているところが多いような気もします。
気兼ねなく旅行へ行けるようになった際には、ご当地へ足を運んで、それぞれ特徴の違う唐揚げを食べ比べてみるのも楽しいかもしれませんね!
まずは、いつもと違う唐揚げ「ザンギ」を、ぜひご家庭でもつくって味わってみてくださいね。
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