知ってる?瓶の煮沸消毒の方法を解説!詳しいやり方から注意点まで
2021年6月21日 00:00今回は「瓶の煮沸消毒はどうして必要なのか?」「煮沸消毒の際に注意すること」についてお話します。食品が長持ちする理由や煮沸消毒の効果について知り、日常の小さな疑問を解消していきましょう。
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■瓶を煮沸消毒する前に要チェック!
煮沸消毒をする前に、必ずチェックしたいのは、容器の耐熱温度が100度以上であるかということです。沸騰時の最大温度は100度なので、それ以上の耐熱性があれば、煮沸消毒が可能な容器です。ただし、「ポリカーボネート樹脂」を含むプラスチックは、煮沸したときに身体によくない成分が出てくるので、ほかの消毒の仕方をおすすめします。
また、消毒する前は、容器を食器用洗剤でよく洗うようにしましょう。哺乳瓶やガラス瓶に付着している汚れ、細かいゴミやほこりを洗い流すことが、菌の繁殖を防ぐために大切だからです。
・煮沸消毒とは?
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煮沸消毒は、消毒したい容器を鍋に入れて、熱いお湯でぐつぐつ煮込んで殺菌する方法です。基本的には自宅にあるもので済むので、コストはほとんどかかりません。また、薬剤を使わず安全に消毒できるのが煮沸消毒のよいところです。
・煮沸消毒と熱湯消毒の違い
煮沸消毒とは、瓶などを沸騰したお湯で煮ることで、容器の中の雑菌を退治できます。煮沸時は、容器が浮いてこないようにしっかり沈めて、煮沸したいものがすっぽりかぶるくらいの水を用意しましょう。
一方、熱湯消毒は、容器などに沸騰したお湯をかけて消毒する方法です。熱湯をかけるときはまんべんなくたっぷりかけましょう。
正確には、80度以上で10分以上沸騰させることを煮沸消毒、80度以上で10秒以上お湯をかける消毒の仕方を熱湯消毒といいます。
熱湯消毒は煮沸消毒よりも手軽にできるのがメリットですね。また、ジャムや漬物などの保存で瓶を使用する際は、煮沸消毒がより効果的です。
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・瓶に耐熱性があるのか確認しよう
先ほども申し上げましたが、瓶の耐熱性について知っておくことは大切です。万が一、熱に弱い製品だった場合、加熱中に瓶の変形や割れを引き起こすことがあるからです。せっかく購入したのに、本来の用途で使えなくなってしまったらショックですよね。
ちなみに、一般的なガラス瓶はソーダガラスという素材が多いです。ものによっては耐熱温度が100度以下の場合もあります。パッケージや商品のタグなどを見て、煮沸消毒に適した製品なのかを確認しましょう。
■瓶の煮沸消毒の方法について
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瓶の煮沸消毒の正しい方法について、皆さんご存じですか? 今回は、手軽にできる煮沸消毒のやり方をお話していきますね。
・瓶の煮沸消毒に必要なもの
- 使用する瓶
- 瓶が入るサイズの鍋
- 食器用洗剤
- 清潔な布巾 or すのこ
- トング
- 水気をとるキッチンペーパー
・瓶の煮沸消毒のやり方
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ここからは実際の手順を詳しくお話していきますね。
瓶を洗剤で洗う
まずは下準備として、煮沸する前に食器用洗剤で瓶や容器をよく洗います。瓶の底やふたの接合部分は汚れがたまりやすいので注意しましょう。
鍋に保存瓶と水を入れて火にかける
洗ったら、清潔な布巾やすのこを敷いた鍋に、ふたやパッキンを分けた状態で入れます。布巾やすのこを敷くのは、瓶が鍋の底に当たって割れるのを防ぐためです。そして、瓶が完全に浸るくらいの水を入れて火にかけます。
沸騰したら10分加熱する
お湯が沸騰してきたら、10分程度コトコト加熱してください。ただし、ふたやパッキンなどの部品は熱で劣化しやすい素材なので、2~3分程度の煮沸で大丈夫です。
取り出して乾燥させる
煮沸が終わって熱湯から瓶を取り出すときは、トングを使うと楽です。取り出したら、清潔な布巾の上に瓶の口を下にして乾燥させましょう。少し水気がついているかもしれませんが、布巾では拭かずに自然乾燥させるのがポイントです。これは、拭いたときに菌が付着するなどのリスクを減らすためです。
瓶を取り出す際はやけどには注意しましょう。
・瓶を電子レンジで消毒する方法ってどうなの?
電子レンジでの消毒は非常にシンプルで、瓶と食器用洗剤、清潔な布巾があればできます。まずは煮沸消毒と同じように瓶やパッキン、ふたなどを食器用洗剤でよく洗います。洗ったあとの水気は、消毒する上で必要な水分なので、拭かなくても大丈夫です。
そうしたら、瓶の口を上にして600wの電子レンジで1分程度の加熱しましょう。瓶を電子レンジで加熱してもいいのか、不安になる方もいらっしゃると思います。その不安を解消するために、容器に耐熱性があるのか、電子レンジで加熱ができるのかを先にチェックしてから行いましょう。
加熱後の瓶はとても熱くなっていますので、やけどをしないように気をつけてください。
ただし、金属性のふたは電子レンジに入れることができないので、ふたの部分にはアルコール消毒か煮沸消毒を行ってください。また、いっぺんにいくつも消毒しようとはせず、瓶は1個ずつ加熱してくださいね。
加熱した瓶は口を下にして、清潔な布巾の上で乾燥させたらOKです。
■瓶を煮沸消毒する際の注意点
次に、瓶を煮沸するときに注意する点と、安全に行うためのポイントをご紹介します。・煮沸消毒は水から煮る
一般的な耐熱性のないガラス瓶は、温度差に弱く、40度以上の差になると熱湯に入れたときに瓶が割れてしまう危険性があります。そのため、瓶を煮沸するときは、水またはぬるま湯の状態から熱していきましょう。
消毒の手間を減らしたい方におすすめなのは、瓶を煮沸したときに充填(内容物を詰めること)も一緒に行うといいでしょう。ただし、充填直後は急激に冷やすことを避けます。これも温度差による瓶の割れを防ぐためです。冷めるまでそのままにしておくか、50度程度のお湯に浸して温度を下げてから水で冷やすようにすると安心です。
・布巾やすのこを鍋の底に入れると割れにくい
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煮沸の際は、鍋底に布巾やすのこを敷いておくと、瓶などが鍋にぶつかって割れるリスクを減らせます。2つ以上の容器を消毒するときは、それぞれを布に包むようにすると安全性が増しますよ。
・瓶や煮沸するものの耐熱温度表示を確認する
何度かお話していますが、熱による容器の変形や劣化は比較的多いです。例えば、タッパー型の保存容器はプラスチックが主流です。そのため、耐熱温度の低いもの、そもそも煮沸をおすすめしていない製品もあります。また、プラスチックは軽いので煮沸中に浮いてくることが多いでしょう。
そこで、タッパーの消毒におすすめなのはアルコールスプレーによる消毒です。スプレーを数回吹きかけて、キッチンペーパーで拭く方法は、手軽にすぐ消毒できるのでいいですよ。
■煮沸できない大きな瓶の消毒方法は?
ここまで煮沸消毒の仕方についてお話してきました。しかし、果実酒を作るための大きな瓶のように、鍋に入らない容器の消毒はどのようにしたらいいのでしょう?そのようなときにおすすめしたいのは、やはりアルコールを使った消毒方法です。
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・大きな瓶の消毒に必要なもの
- 使用する瓶
- 食器用洗剤
- 清潔な布巾
- キッチン用アルコール
・大きな瓶の消毒手順
まずは、使用する瓶のふたやパッキンなどのパーツを分解して、それぞれを食器用洗剤でよく洗います。上手く乾いていなかった場合、殺菌効果は弱くなってしまうので、洗ったあとは十分に乾燥させてくださいね。
アルコール消毒をする前は、手からの雑菌を防ぐため、石けんでよく手を洗っておきましょう。瓶が乾いたら、キッチン用アルコールをまんべんなく全体に散布し、清潔な布巾で拭きます。
使い始めてからも、ふたの内側やパッキンの部分は雑菌が繁殖しやすい部分なので、定期的に洗ったり、消毒したりすると安心です。
■瓶の煮沸消毒はなぜ必要?
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手作りした食品を保存する前の、瓶の煮沸消毒。長期保存できる食材のレシピにも、煮沸消毒してください、と注意書きがあることが多いですよね。どうして必要なのでしょうか。
・食べ物を長期保存するため
煮沸消毒した瓶は、のちほど紹介する「脱気処理」と組み合わせることで、長期の保存が可能になります。瓶の中に空気が残っていたり、消毒が上手くできていなかったりした場合、そこから食品が傷みやすくなるのです。
煮沸消毒は、食品を長持ちさせるために大事な処理方法の一つなんですね。保存するときは、直射日光が当たらず、湿気の少ないところに瓶を置いておきましょう。
・菌の増殖を防ぐため
雑菌の繁殖は、食品の中や、もともとの容器に菌が付着していることが原因です。特に、赤ちゃんの口が触れる哺乳瓶や食器、食具は衛生的に気を配りたいところですよね。
また、手作りで作るジャムなどは添加物が入っていないため、未消毒の状態だと容器中で菌が繁殖してしまうリスクが高くなります。煮沸消毒することで、瓶に付着していた菌をやっつけ、繁殖を防ぐことができますよ。
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・瓶の煮沸消毒をしたときの保存期間は?
煮沸での消毒を行い、瓶を真空状態にできれば、その食品は約6か月から1年未満の保存ができると言われています。一方、プラスチックのジッパー付き袋などは、冷蔵庫で1~2週間程度の保存期間と言われています。
煮沸消毒や真空状態で保存することで、期間が大きく異なることがわかりましたね。
・殺菌と滅菌の違いについて
この2つの用語の違いについて、ご存じでしょうか? 「殺菌」は、菌をやっつけることで、減らす菌の数やウイルスの数について明確な定義はありません。一方、「滅菌」は、菌やウイルスといった微生物の数を限りなくゼロに近づけていくことを言います。
殺菌は、医薬品・医薬部外品に使われる表現で、市販薬や薬用せっけんのパッケージなどで目にすることが多いです。滅菌はあまり聞きなれないかもしれませんが、病院の手術器具や注射などの医療機器に使われる強い消毒方法です。
■瓶以外に煮沸消毒にできるもの・できないもの
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瓶は、製品によって煮沸ができる・できないがわかれます。しかし、瓶以外ではどうでしょうか。プラスチックは向いていない…ということは先ほどご説明しましたが、消毒したい容器とは、それ以外にもたくさんありますよね。
そもそもの素材によって、煮沸消毒ができるものとできないものがあるのはご存じですか? これを知っておくだけで、生活用品を清潔に保つ方法が見つかるかもしれません。
・煮沸消毒できるもの
包丁やカトラリーなど金属製品の食具
包丁やスプーン、フォークなど金属製のカトラリーは耐熱性があり、煮沸消毒に適しています。煮沸するときは、食具が全部浸るくらいの水を注いで加熱しましょう。鍋の底に布巾を敷くと、鍋へのキズや製品の欠けを防げます。煮沸時間は10分を目安に行ってください。
陶器や磁器でできているもの
陶器や磁器の煮沸消毒は、温度差によって割れるリスクを減らすために、水から火にかけましょう。こちらも布巾を鍋底に敷くか、沸騰直前で弱火にすると、割れや欠けのリスクを減らせます。加熱後は余熱で自然乾燥させるとよいでしょう。
タオルや布巾などの衣類
こちらは生地によりますが、沸騰してから5分の加熱で十分です。煮沸後は風通しのよい清潔な場所で乾かしてくださいね。
・煮沸消毒に向かないもの
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煮沸消毒に向かないものは、耐熱性のないガラス容器やプラスチック、メラミン素材、ポリエステルやナイロンの布、漆や木製のもの、革製品などの熱に弱い素材です。
プラスチック素材は熱で傷みやすいだけでなく、高い温度で加熱すると、身体に害を与える成分が出てくる可能性があるので、おすすめしません。また、メラミン素材は、長時間煮沸を行うと素材自体を傷めることがあります。そのため、酵素系の漂白剤を使った消毒がよいでしょう。
革製品はもともと水に弱く、煮沸消毒には向いていません。
・煮沸消毒がよいか熱湯消毒がよいかはものによる
煮沸消毒の殺菌効果は、熱湯消毒よりも大きいのですが、お伝えしたように、熱に弱い製品の場合、容器が変形してしまうことがあります。煮沸時間の目安も製品によってさまざまです。
ただ、消毒の種類は、アルコールや漂白剤など、ほかにもあることをお話しましたので、それぞれの製品に合わせた消毒方法を選択していきましょう。
■瓶の煮沸+脱気で長期保存も!
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瓶詰めジャムを手作りしたときは、なるべく長く保存したいですよね。そんなとき、瓶の煮沸に加えてもう一つ、脱気処理をしておくことで、半年以上の保存ができるようになります。
・脱気とは?
脱気は、熱の力で瓶を密閉する処理のことです。
・瓶の脱気に必要なもの
脱気処理するのに必要なものは4つです。
・使用する瓶
・瓶が入るサイズの鍋
・すのこ
・鍋をつかむタオルなど
・瓶の脱気のやり方
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瓶に中身を詰めふたを閉める
瓶に入れたい内容物を口の少し下あたりまで入れて、ふたをします。ふたは、あとでまた開けるので、きつく締めなくて大丈夫です。
鍋に瓶と水を入れて沸騰させる
すのこは鍋の中に設置し、その上に瓶を置いて水を注ぎます。入れすぎると瓶の中に水が混入するので、瓶の6分目くらいを目安にしましょう。すのこがあると、沸騰するときの気泡で瓶がぐらぐらするのを防げます。
瓶を10~15分加熱して取り出す
お湯が沸騰したら10~15分ほど加熱して、一旦瓶を取り出します。
取り出してふたを開け閉めする
このとき、瓶は鍋つかみを使うと取り出しやすいです。次に、瓶の中にある空気を抜くためにふたを少し緩めてから、今度はきつくしっかり締めます。
鍋に戻してもう一度加熱する
ふたを締めたら、もう一度鍋に戻して沸騰から20分程度加熱しましょう。
火を止めて逆さまにして冷ます
加熱できたら瓶を取り出し、ふたを逆さまにして冷ますことで、脱気処理は完了です。
■瓶の煮沸消毒は案外簡単にできる!
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瓶の煮沸消毒はどのような目的で行うのか知っておけば、食品を腐らせてしまうリスクを減らせます。食べものの長期保存や、菌の増殖を防ぐ…などなど、たくさんの役割を持った消毒の仕方ですので、必ず生活に役に立つでしょう。
消毒の方法を一度知っておけば、自宅ですぐに実践することができるくらい簡単です。
友人へのプレゼントに手作りのジャムをあげたい、大きな瓶で果実酒などを作ってみたい。そんなときも、今回ご紹介した方法を参考に試してみてください。
これを機に皆さんの調理の幅がもっともっと広がりますように!
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