【小豆の栄養】灰汁にも溶け出している!効率よくおいしく摂る方法とは
2021年2月14日 15:00今回は、秘めた力を持つ小豆の健康・美容効果や小豆のおいしいゆで方についてご紹介しますので、みなさんぜひ参考にしてみてください!
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■小豆の栄養と効能
・小豆の栄養
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一言で小豆といっても、小豆のなかにも種類があることをご存じですか。小豆はササゲ属に分類されており、赤小豆や白小豆があります。赤小豆のなかでも、粒の大きい大納言と粒の小さい普通小豆に分けられ、白あんの材料になる白あずきはたいへん希少なものとして扱われています。
広大な土地での栽培が適している小豆は、北海道での収穫量がなんと90%以上もあり、残りの10%程度がほか都府県で育てられています。広大な土地でのびのびと育てられた小豆は、良質なタンパク質や食物繊維が豊富であり、ほかにもさまざまな栄養がぎっしりと詰まっています。小豆は栄養の宝庫なのです!
小豆に含まれる栄養
- タンパク質
- 食物繊維
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- カルシウム
- 鉄分
- 亜鉛
- ポリフェノール
- サポニン
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・『ポリフェノール』でアンチエイジング効果
小豆にはアントシアニンやイソフラボン、ルチンやレスベラトロールといった何種類かのポリフェノールが含まれています。アントシアニンには美白やシミなど肌のトラブルへの効果、イソフラボンには更年期障害や骨粗鬆症予防、ルチンにはコラーゲンの合成を促すはたらき、レスベラトロールには肌の弾力を改善する効果などを望むことができます。
また、ポリフェノールには「からだのサビ」の元となる活性酸素を除去してくれるはたらきが期待できるため、エイジングケアに有効であるといわれています。
加齢によるからだの変化を、ポリフェノールの力で改善できると良いですよね。
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・小豆の効能
小豆に含まれるタンパク質は、20種類ものアミノ酸と呼ばれる分子から作られています。人のからだのなかでは作られないアミノ酸をいくつか含んでおり、タンパク質のバランスがとてもよい食品です。さらに低脂質であり、まさにダイエット向き食材!
疲労回復といえばビタミンB1を豊富に含む豚肉がよく知られていますが、小豆にもビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1の疲労回復効果に加え、便秘解消や粘膜の保護、骨や血液の健康や抗酸化作用など、からだの隅々にまで行き渡る効果が見込まれています。
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■小豆に含まれる『ポリフェノール』の効果とは
・体脂肪の減少効果
ダイエット効果もあるといわれているポリフェノール。脂肪の吸収を抑えるとともに、脂肪燃焼を促進してくれるはたらきが注目されています。
・血流促進効果
ドロドロ血液がからだに悪いことはご存じですか?
血液はサラサラとして流れがスムーズであることが健康である証拠です。ひとつの原因として、かたよった食事により余分な糖分や脂質が血液中に増加することで、ドロドロ血をつくってしまうといわれています。ポリフェノールには、血液を健康な状態に促してくれるはたらきが望まれており、健康なからだづくりに役立つとされています。
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・美肌効果
ポリフェノールのもつ抗酸化作用は美肌づくりにも効果が期待されています。抗酸化作用とは、からだのなかで悪さをする活性酸素とたたかってくれるはたらきのこと。肌荒れやニキビ、シミや肌の老化現象には活性酸素がかかわっているため、ポリフェノールによる強い抗酸化作用は、さまざまな肌トラブルにはたらきかけてくれる効果が見込まれています。
小豆に含まれるさまざまなポリフェノールを摂取して美肌を目指しましょう!
・骨粗鬆症予防効果
加齢や食生活などにより、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気を骨粗鬆症といいます。日本人の多くがカルシウムの摂取量が足りていないといわれており、高齢になるにつれて骨折の危険性が高くなってしまいます。そこで、ポリフェノールによる骨粗鬆症予防の効果が注目されています。
カルシウムの摂取はもちろん必要ですが、ポリフェノールの骨粗鬆症に対しての効果も研究されているようなので、積極的に摂るとよいかもしれませんね。
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・ポリフェノールは『水溶性』
水に溶けやすい水溶性であるポリフェノールは、水分の多いわたしたちのからだのなかでスッと溶けて吸収されやすい成分です。吸収してからポリフェノールの性質を発揮してくれるのも早いのですが、持続性はないため、体内にたくわえておくことが難しい成分だといわれています。
効果的にポリフェノールを摂るには、含有する食品を食事や間食でこまめに取り入れることが必要です。
・大豆の約6倍の抗酸化作用
数々の抗酸化作用をもつ栄養素のなかでも、小豆のポリフェノールの性質はトップクラスです。ほかの抗酸化作用をもつ栄養素ははたらく場所が決まっていますが、ポリフェノールはからだのさまざまな場所ではたらくことのできる栄養素です。その抗酸化作用は大豆と比較して4倍以上もあり、小豆の種類によっては6倍もの作用を発揮するという研究もありますよ。
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・『エリモショウズ』に最も多い
日本で最も多く栽培されている『エリモショウズ』は、小豆の代表となる品種です。北海道のえりも岬が名前の由来となっており、寒さに強く高品質な種類とされています。小豆のなかでもポリフェノールの多さはダントツ1位!大納言小豆が大豆の4.5倍程度であるのに対し、エリモショウズは6倍以上ものポリフェノールを含んでいるのです!
販売されている小豆の7割程度はエリモショウズですが、購入するときには品種を確認してみてくださいね。
■小豆の皮には『サポニン』という栄養素も
マメ科の植物に多く含まれるサポニンは、小豆をはじめ大豆製品やごぼうなどにも含まれる健康効果の高い成分です。・サポニンの苦み成分
日本では、古くから洗剤の成分として使われてきたサポニン。洗剤と聞くだけでなんとなく苦い気もしますよね。豆を茹でたときに出るアクの成分こそがサポニンであり、語源は洗剤を意味するラテン語に由来しているそうです。
渋みや苦みなどの不快な口当たりを有するため、豆腐をつくる過程でも取り除かれてきました。しかし現在、大豆や小豆に豊富に含まれるサポニンは、それぞれ『大豆サポニン』『小豆サポニン』と特別な名称でよばれることもあり、苦みや渋みに含まれているさまざまな効果が注目されています。
・サポニンの健康効果
では、サポニンは私たちのからだにどのようなはらたきをするのでしょうか。サポニンには多くの健康効果があるといわれています。いちばん注目されている効果は抗酸化作用です。健康を害する活性酸素にはたらきかけることでからだによい影響をもたらし、生活習慣病予防へも役立つと期待が高まっています。
同時に、インフルエンザなどの感染症や風邪をひきにくくする免疫機能の向上、血流の改善、肥満予防など多くの効果もあるとして期待されているのですよ。
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・灰汁として溶け出す
栄養素には、脂溶性と水溶性といわれる性質をもつ種類があります。その名のとおり脂溶性は脂に溶けるもの、水溶性は水に溶けるものをいいます。脂溶性は油調理をおこなうことで栄養の吸収率が高まりますが、からだに蓄積する性質があるため過剰症が起こることがあります。脂溶性の栄養素は摂取量に注意したほうがよさそうですね。
そして、サポニンの持つ性質である水溶性はからだのなかで溶けやすく、過剰に摂取しても尿として排泄されるため過剰摂取が起こりにくい分、こまめに摂取することが必要です。小豆に含まれる小豆サポニンももちろん水溶性であるため、小豆をゆでるときに出る灰汁に溶け出してしまいます。
意外と読めない方も多い『灰汁』。これは、みなさんご存じの『アク』と読みます。苦みや渋みの成分として捨てられてしまうあのアクです。サポニンは、この灰汁としてほとんどが捨てられています。栄養たっぷりなのにもったいないですよね。
また、食品に含まれる栄養分のなかに『灰分』というものがあります。これは食品のなかに含まれているエネルギーにはならないカルシウムや鉄分やミネラルのことを指します。エネルギーにはならないけれども、からだにとってなくてはならない重要な成分です。灰汁も同じ漢字を持つ仲間であることが分かりますでしょうか。
小豆の灰汁には、エネルギーにはならないけれど、サポニンというからだにとって力強い味方をもつ栄養が含まれています。灰汁も一緒に摂取することができれば、サポニンをからだに取り入れることができるということになりますよね。
■小豆はダイエットに効果的
・代謝のよい身体に
小豆の持つ栄養のなかには、余分な体脂肪にはたらきかけてくれるものも含まれています。糖質や脂質の代謝に必要なビタミンB1やB2を多く含有しているので、代謝アップによるダイエット効果を望むことができます。また、食物繊維による便秘の解消やカリウムやサポニンによるむくみの解消も、すっきりとしたからだに導いてくれるのではないでしょうか。
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・栄養素は煮汁に多く溶け出している
前述のとおりサポニンは水溶性の栄養分です。水に溶け出してしまうため、本来は煮汁も同時に摂取できると栄養をまるっと全部取り込むことができます。小豆に含まれる栄養分のなかには、ほかにもビタミンB群や水溶性食物繊維といった水溶性の性質を持つ栄養が多く存在しています。
・『小豆水』の作り方
では、小豆の栄養分を逃さず全部取るための『小豆水』を作ってみましょう。とても簡単に作ることができるので、韓国や台湾でも流行の『小豆水ダイエット』にぜひ挑戦してみてくださいね!
・乾燥小豆 100g
・水 1500ml
- 小豆は汚れを落とす程度にザルでサッと洗う
- 鍋に小豆と分量の水を入れて沸騰させる
- 沸騰したら弱火にして30分煮る
- 小豆をこしてできあがり
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・小豆水を食事の30分前に飲む
小豆水の効果を最大限に発揮させるためには、食事毎、30分前に小豆水を飲むことです。ポリフェノールの持つ力は早いスピードで効果が出やすいため、効果の出る時間に合わせて30分程前に飲むようにしましょう。
・軽い運動を組み合わせて
ダイエットのほとんどは単独での効果は出にくいものです。食事制限やダイエット効果の高い食品を摂取することで肥満解消には繋がりますが、栄養分は体内の良い循環があってこそ発揮されるものです。軽いジョギングや筋トレ、それが難しい人は歩く時間の増加やストレッチなど、できる範囲で日常に運動を取り入れていきましょう。
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■小豆の栄養をしっかり摂る食べ方
・あんこは『粒あん』がおすすめ
和菓子でよく使われているあんこについて、粒あんとこしあんの違いはご存じですよね。粒あんは、小豆の皮がついたまま加熱して砂糖で味付けをしたもの。こしあんは、加熱してから皮を取り除いて砂糖で味付けをしたもの。好みはあるものの、舌触りのよいこしあんは上生菓子などの高級和菓子に使われることが多いのです。
しかし、ポリフェノールが多く存在するのは小豆の皮の部分であるため、皮も一緒に摂取するほうがよさそうですよね。こしあん派で健康や美容を意識する人は、これから粒あん派になってみてはいかがでしょうか。今まで摂れていなかった栄養が摂れるかもしれませんよ!
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・小豆粥で煮汁も一緒に
飲むだけで高い栄養価を望める小豆水ですが、やや独特な味がするため苦手な人もいるのではないでしょうか。小豆はお米との相性もよいので、小豆粥であればおいしく食べることができます。小豆を煮た煮汁を使ってお粥を炊いた小豆粥。小豆粥の場合、灰汁は軽く取り除いたほうがおいしくできあがります。
炊飯器や圧力釜を使って時短で簡単に作ることもできます。鍋でじっくり煮込むと小豆のほんのりとした甘さが際立ち、上品な小豆粥に仕上がります。煮汁に溶け出した栄養を逃さず食べられるおすすめレシピです。
・小豆 50g
・米 1/2カップ
・砂糖 少々(お好みで)
・塩 少々(お好みで)
- 小豆はサッと水洗いし、小豆がしっかりかぶる程度の水を入れて鍋で20分程煮て冷ましておく。
- 小豆をザルにあげて煮汁をとっておく
- 鍋に研いだ米と、煮汁と水を合わせて3カップ分の水分を入れて中火で煮たたせる。
- 沸騰したら蓋をずらしてのせて弱火で20分程煮る
- 5~6分蒸らして、お好みで砂糖や塩で味付けをしてできあがり
甘みのあるお粥が苦手な場合は、白醤油や淡口醤油で味付けをしてもおいしいですよ。
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■『ゆで小豆』を作ってみよう
おしるこやぜんざいなど、冬になると特に登場シーンが増える小豆ですが、みなさんはお店で食べたり市販のものを購入することが多いでしょうか。ご自宅でつくる、ゆでたての小豆は格段に風味がよく、まだ残る皮の軽い歯ごたえがなんともいえないおいしさです。少し時間はかかりますが作業自体は難しいことではありませんので、ぜひご自宅でもゆで小豆を作ってみてください!
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・ゆで小豆の作り方
・乾燥小豆 250g
・三温糖 200g
・塩 少々
- 小豆をザルで軽く水洗いしながら割れている小豆を取り除く
- 鍋にたっぷりの水と小豆を入れ、中火で加熱する
- 沸騰したらゆで汁を捨てる(2回繰り返す)
- 再度たっぷりの湯で小豆を中火でゆで、沸騰したらアクを取りながら弱火で1時間煮る
- 途中、湯から小豆の頭が出ないように水を足す
- 小豆を指で潰してみて簡単に潰れるまで煮たら三温糖を加える(このとき湯の量は小豆の頭が出るくらい)
- 鍋底の焦げに十分気を付けてよく混ぜながら15~20分煮る
- 塩少々加えて甘みを確認する
- ちょうどよい甘さになればできあがり
ゆで小豆を使用したスイーツもご紹介しておきますね。
・早めに使い切る
手作りのゆで小豆はたいへん痛みやすいため、翌日までには使い切る方がよいでしょう。保管は必ず冷蔵庫に入れておきましょう。傷んだゆで小豆は食中毒の原因にもなり兼ねないため、調理翌日でも小豆の表面にカビなどの異変はないか、ツンとするにおいはないかなど必ず確認してから食べてくださいね。
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・芯まで加熱する
砂糖を加える前の段階でしっかり芯まで加熱されていないと、小豆に硬い芯が残ってしまいます。指で潰したときに、少し茹で過ぎたかなというタイミングで砂糖を入れましょう。砂糖や塩を加えたあとは、小豆の硬さは変わりませんので十分注意してくださいね。
■小豆を食べてみましょう
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小豆は身近な食材ではありますが、意識していないと意外と食べる機会が少ないですよね。栄養価も高く、特に女性にとってはからだに嬉しい効果が期待できる食材です。おいしい和菓子を買って食べてもよし、自宅で料理に使ってもよし、手軽にコンビニ和スイーツなんていうのもありですね。
これを機に、小豆に秘められた力を借りて健康と美容を見直してみてはいかがでしょうか。少しだけ意識して日常に小豆を取り入れてみてくださいね!
≪参考≫
・「七訂食品成分表2020」監修:女子栄養大学学長 香川 明夫(女子栄養大学出版部)
・「最新栄養キーワード事典」監修:五十嵐 脩/発行:池田 豊(株式会社池田書店)
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