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「瓢亭 本店」 人目の節句のお祝い 七草粥の会

2018年1月17日


1月7日。京都・南禅寺「瓢亭」にて開かれた「人目の節句のお祝い 七草粥の会」に伺った。





南禅寺境内で茶屋として暖簾を掲げ、創業400余年。こけら葺きの主屋に、苔生す庭、「瓢亭」を訪れると一瞬にして、目に飛び込むものすべてに感動を覚える。その様子は後ほど述べるとして。

陰暦1月7日は、日本の五節句の1番目「人日(じんじつ)の節句」。正月最後のこの日に、七草粥を食べる風習は平安時代に始まったそうな。「瓢亭」のこの時季の粥は「鶉がゆ」だが、15代若主人・高橋義弘さんのご好意により特別に「七草がゆ」を頂けるとのことで、ワクワクしっぱなし。





お屠蘇で乾杯。総勢30名、毎度な方々 初めましてなみなさんとまさに一期一会。またとない時間を共有し、じっくり楽しませて頂きます。

●三宝 サーモン砧巻 子持ち若布 ぶどう豆



砧巻(きぬたまき)は、サーモンの旨みとかつらむきにした蕪の透き通った甘みが共鳴。子持ち若布の分厚さ、ふうわり柔らかなぶどう豆とお正月ならではの味を、帰国早々味わえるとは嬉しい限り。


●つぼつぼ 京人参、大根、柿なます



三杯酢の塩梅と、熟れた柿のとろりとした甘みに舌が喜ぶ。




江戸時代の漆器。凛とした美しさがある。

●雑煮 小餅 日の出人参 亀甲大根 神馬草 千代呂木 辛子



神馬草(海藻)が入るとは珍しい。昆布だしに白味噌を溶いた汁は上品かつどこまでも深い味わいで、ただただ目を細めるばかり。



鶴蒔絵。愛くるしい表情だこと。




お向かいさんはシャンパーニュ★こちらでは日本酒が行き交う。お隣でご一緒させて頂いたM三郎さん★田酒ご馳走様です★しかも「瓢亭」の焼印入りシャンパンクーラーのデザイン美が素晴らしいの。中川木工芸さんの作品だろうか。元・大工、現・寿司職人ぐっさん(鮨 原正)の話では桶は釘などを用いず、木材を指し合わせる木工の技でつくられている、とのこと。


●向付 明石鯛へぎ造り 土佐醤油 トマト醤油



待ちに待った「明石鯛へぎ造り」が登場。静か〜にひとり興奮(笑)その鯛は「日本一の鯛を仕入れる男」と名高い水口計則(かずのり)さんより。



ぽってり厚みがある身は、半透明で艶を帯びている。むっちりと弾力があり、噛めば舌の上でねっとり甘みを放つ。
「土佐醤油」は14代当主・高橋英一さんによるもの。鯛との相性、揺るぎない。そして15代若主人・高橋義弘さん考案の「トマト醤油」で頂けばまずトマトの旨みとほんのりとした酸味を感じ、咀嚼すると鯛の甘みが徐々に現れ、最後は鯛のおいしさだけが残る。こちらもまた見事であった。
ちなみに「へぎ造り」とは、繊維を断ち切る「平造り」とは異なり鯛の繊維に沿って切るため、独特の歯ごたえが生まれるという。


●八寸 瓢亭玉子 絵馬くわい 鶉塩麹焼き チシャトウ味噌漬け からすみ烏賊巻



名物の瓢亭玉子をはじめ、杯が進む逸品揃い。日本酒止まらぬ(笑)とくに、ヅケにした烏賊を巻いたからすみ、これには唸るばかり。瓢亭玉子と同じく、焼印入りの絵馬くわいも「瓢亭」さんならでは。次、この絵馬くわいに出合えるのは12年後かぁ…なんてしみじみ。



瓢亭玉子。トロ〜リと溢れ出る半熟の黄身。どこまでもコク深く、質朴な甘みが広がる。


●三段



瓢箪型のオリジナルの器には「一帯青松路不迷(一帯の青松 路に迷わず)」という文字。江戸時代の歴史家・頼山陽が詠んだ名歌の一節。南禅寺参道の松林のことを言っているんだとか。



上段「芹 松の実和え」芹は香り高く、松の実の香ばしい風味が調和。




中段「まながつお味噌幽庵焼き 金柑 赤かぶ千枚漬」味噌幽庵焼きの深い旨み千枚漬のスキッとした甘酸っぱさ、金柑のまったり濃厚な甘み…とひと口ごとに楽しむ味わいのコントラスト。




下段「扇面かぶら 本鴨 鴨丸 九条葱 黒七味」かぶらの奥深い旨みが、鴨と葱の存在感を引き立てる。

●蒸し物 焼きふぐ白子 菊菜 蕪あん あられ柚子



大きな白子はもったり、濃厚クリーミー。蕪のこっくりとした甘みと柚子の香り、冬の味。


真打登場だ。



●七草がゆ



そうか。京都の七草粥は丸餅入りなんだ。無病息災を願い、春の七草の生命力を頂きます。粥の甘み、餅の香り、そして七草が奏でる大地の味。じんわ〜り、心に響く味わいでした。すぐきなど京都ならではの香の物とともに。


●水物



ラフランスコンポート ジュレがけ苺、そして林檎シュー。

伝統を守りつつ、飽くなき探究心も垣間見ることができた人日の節句ならではのお料理でした。




武者小路千家 官休庵のお家元が描かれたお軸。あるとき、ひとりの僧が趙州和尚にこう尋ねたという。「犬には仏性(ぶっしょう)が有るでしょうか、それとも無いでしょうか」すると和尚は「無・・・」と。そんな趙州和尚の禅問答がモチーフになっているとか。次、お目にかかれるのは12年後。何とも不思議な気持ちになる。




瓢箪のなかに「この中に一さい合さい入れて佛も鬼も遊ばしておく」とある。お軸、いけられた花、目に入るものすべてに客人を迎える亭主の気配りが込められている。




400余年の歴史を感じさせる茶室「くずや」。瓢亭創業時より残る貴重な建物。



庭のなかを流れるせせらぎ、手入れの行き届いた木々に、石畳の露地。



喧騒から離れたこの空気感、そして時間の流れ方はまるで深い森のなかの庵を思わせる「静」があった。



「南禅寺畔 瓢亭 本店」
京都市左京区南禅寺草川町35番地
075-771-4116
open : 懐石料理 11:00〜19:30
    朝がゆ(7/1〜8/31)8:00〜10:00
    鶉がゆ(12/1〜3/15)11:00〜14:00
close: 第2・第4火曜
http://hyotei.co.jp/
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