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九つ井@横浜

2017年7月27日


先週の経験からか、潜在意識では美味しい蕎麦を食べたいという欲求を引きずっていたのかもしれない。たまたまヨドバシ横浜に用事があったので、では、ということでこちらへ。

喧噪を忘れるオアシス





九つ井へはまだ寒い2月に訪れたのが最後だったようで随分と間が空いた。関東地方は先週に梅雨明けし、湿度が少し減って過ごしやすくはあるけれども、やはり暑い。

13:30過ぎに店に到着。薄暗い地下に下りると、帳場は勘定を済ませて帰る団体客と思われる一群でごった返していた。スタッフが手隙になるまで待つこと暫し、いつものメインダイニングに通された。ここは表の暑さも、また横浜駅周辺の喧騒からも想像がつかないほどの異次元の静謐空間。時間帯からはかなり混んでいるかと推測したが、なんと誰もいなかった。

何はなくても、まずは生ビール




程なく和服をきっちりと着た花番さんがさっとやってくる。来店してくれたことの謝意、そして、今日日であれば、お暑い中ようこそ・・、等という時節の挨拶がさらりと出るなど最高のホスピタリティだ。そして即座に頼んだのは無論ビール。暫らくして箸と箸置き、小さな取り皿が数枚運ばれさりげなくセットされる。



これも毎度だが、鞄などの手持ちの品を置いた隣の椅子を白い布で覆い隠してくれるのだ。メニューを書き付けた紙を眺めて頼んだ肴は枝豆豆腐、牛佃煮。程なく、きんきんに冷えた生ビール、そして突き出しの小鉢がサーブされる。はりはり漬けのような大根のスライスが梅肉と紫蘇の葉などで和えられていている。暑い時期にはさっぱり美味しい。

肴の二品

最初に枝豆豆腐が到着。





淡い緑色をまとい、ざっくり直方体に切られた豆腐はとても清かだ。これは暑いこの季節を意識した寒色系の彩りで目からも冷涼感が得られる心憎い一品。添え付けは煮付けた海老、ぷっくりした枝豆の実、山芋千切り、そして鮮やかなクコの実。薄い醤油ベースのとろりとした出汁が張ってあり、これがまた鰹風味が濃く美味だ。
牛佃煮が到着。





昆布と一緒に甘辛く煮付けられたフレーク状の上等な牛肉は甘い香りに包まれており、皿がサーブされた瞬間から香気を発する。箸先に取ってちょっと口に含むと少しピリッとした舌触り。よく見ると丸のままの山椒の身が潜んでおり、牛肉が本来持つ臭みを緩和する働きをしている。これは日本酒に行きたくなる濃厚な味。

鴨せいろ

蕎麦だが、家内は初めて頼むという鴨せいろそば。





付け合わせには真鴨の臭みを抑制する目的という乾燥させた山椒の粉末、ぬか漬けがサーブされる。ここのぬか漬けは年間を通してほぼ同じ塩分濃度で、かつ、ぬか床の臭みが全く感じられない霊妙な出来栄え。これだけ一品とっても芸術的な領域に達しており、特に薄切りにした大根の皮の鄙びた旨さには感動さえ覚える。







つけ汁は真鴨をじっくり煮出したエキス、および鰹の本涸節からとった濃い目の出汁、かえしをマリッジ。得も言われぬ滋味が凝縮され、つるっとした香り豊かな、そして上質で繊細な蕎麦を潜らせれば至福の味となることは言を待たない。鴨肉スライスは以外に多く入っていて満足。途中、山椒の粉を入れると味が引き締まる。

天ざる

天ざるは二種類あって、特製の大型かき揚げ、あるいは車海老からチョイスできる。





今回は車海老の天ざるをオーダーした。注文を受けた花番さんが奥に下がってすぐに戻って配膳するのが写真にある薬味セット。刻み葱、生山葵、お好みで振りかけて欲しいという白胡麻、そして徳利に入った蕎麦汁。全てオリジナルの陶器にて提供。なお蕎麦の汁と天汁とは別にサーブされ、天汁はかなり薄味の設定。







天ぷらの種は中型の車海老が2匹、南瓜、さつま芋、長茄子、獅子唐といったところ。車海老は外した頭が低温で二度揚げしてあってそのままぱりぱりといただくことができる。なお、頭の中には半凝固状態の海老味噌が詰まっており、これがとろとろしていて非常に美味。長茄子と獅子唐は青臭くて旬を感じる揚がり具合。



抜き実(丸抜き)の上質な玄蕎麦のうち1~2番粉、および3番粉を少量加えたと思われる二八の配合は風味も旨味も精妙で、つるっとした舌触り、太さの揃った角ばった断面、そして芯が僅かに残るかどうか程度の茹で時間とどれもが完璧だ。本涸節の蕎麦汁は塩分を増した夏仕様の辛汁で、冬春の甘めの汁からは衣替え。









とろっとした蕎麦湯で辛めの蕎麦汁をのばす。先ほど食べた蕎麦の風味、滋味がそのまま溶け出しているのがわかる。要は飲む蕎麦だ。途中、生山葵がなくなったので七味唐辛子をぱらりと散らしてからいただく。これまたおつな風味だ。最後に少し熱めの玉露が出る。喧噪を暫し忘れ、極上のランチタイムを過ごした。

お店データ




九つ井(ここのついど) 横浜店

横浜市西区北幸2-6-26 H1横浜ビルB1F
電話:045-313-9110
営業:平日:11:30~23:00(21:30LO)
   祝日:11:30~22:00(21:00LO)
定休:日曜
最寄:各社線 横浜8~10分
Text & Photo by 
MusicArena
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