イギリスの国民食『フィッシュ&チップス』
Fish & Chips - The Nation's favourite meal


 さかな・さかな・さかな〜♪ ロンドンの日系スーパーでも散々聞かされました。イギリスも海に囲まれた国だし、宗教がらみで金曜日には魚を食べる習慣の人たちも大勢いる。ただその食べ方というと圧倒的に『フィッシュ&チップス』である。
Plaice ヒラメそのままのフライはまるでウチワのよう。ディナー皿からちょっとはみ出しています。

 どんな山奥のパブに行ってもでてくるし、街角のファーストフードとしても君臨、Take Away(お持ち帰り)といえばわら半紙にくるんでくれる。学校給食でも週一回は登場している。近年では生活習慣病だなんだと青魚を多くとることが推奨されているが、青1:白3でしかもほとんど『フィッシュ&チップス』として食べているらしい。

 『フィッシュ&チップス』で使用される魚はCod、Haddockといったタラの類か、Sole、Plaiceといったヒラメの類など近海の白身魚である。これに衣をつけて揚げる。

 ようは魚の天ぷらなのだが、この衣にヒミツがある。小麦粉と卵をAle(ビールの一種)で溶くのである。ビールのシュワシュワが衣のサクサク感になるというわけ。これからの季節はビールがおいしいから、ラガーでもドライでも純生でも本生でもプシュっとあけて衣を作り、残りをグビグビ飲みながら揚げてはいかが?(飲み残しの気の抜けたビールではサクサクになりませんよ。あくまでも料理を優先して残りを飲むようにしましょう。)アルコールはちょっと… という場合にはペリエのような発砲性ミネラルウオーターでもOK。

 付け合せのチップス(フライドポテト)とともに、塩を軽くふり、モルト・ビネガーをジャブジャブかけていただくのがイギリス式。おしゃれなレストランだとレモンの輪切りがついている。お酢と油は相性がいいし、油っぽさを感じないでどんどん食べられる。ケチャップをかけてもいい。

Cod  乱獲がたたって 水揚げが 減っているとはいえ、一番人気はコレ。

Rock Eel ウナギです。脂がのっていておいしいけれど、切り身の大きさから生前の姿を想像するとコワイ。

Rick Stein 英国南西部のPadstowで、レストランとシーフード専門の料理学校を開いている。BBCの料理番組にも登場。ソフトな語り口で魚の選び方や扱い方から教えてくれる。
 イギリスの魚料理といえば『フィッシュ&チップス』につきるのだが、あとはスモークサーモンをはじめマスやサバの燻製がおいしい。レストランや料理の本で魚料理といえばほとんどヨーロッパ大陸から来たメニューとなる。グリル(マリネした魚をオーブンで焼く)、ソテー(ムニエルにして、ソースをかける)、バーベキューをする時はおなかに詰め物をしてホイル焼きがお薦めとこんな感じでハーブやスパイスをふんだんに使って臭みを感じさせないよう努力したものが多い。この観点からいけば究極の食べ方はカレーということになる。

 生食したり、塩焼きなんてシンプルな食べ方は日本人の専売特許なのである。わたしは近所のスーパーで魚を買う時はタイやサケだったら、おろしてもらった後おとした頭もしっかりもらってくる。へんなおばさんだと思われているだろうなあ… でもカブト焼きや椀物にしたらおいしくいただけるので、これはやめられない。

 魚料理の達人Rick Steinによれば、イギリス人がアンコウを食べだしたのはここ25年。Monkfishという名前が浸透するまでは単なる白身魚として扱われていたそうだ。もちろん鍋にしたり「あんきも」を食べるわけではなく、ナッツを混ぜた衣をつけてフライにするとか、カレー風味で食べる。舌が保守的なイギリスでインド料理や中華料理以外のエスニック料理が定着したのも、日本食ブームもこの10〜15年くらいなものなのだそうである。

 今や魚の調理法でTeppan Yakiといえば焼いて醤油をたらしたものと知られ、カクテル・パーティーのおつまみにNigiriやMakiが登場することさえある。Sushiが浸透したのは回転寿司の躍進のお陰である。しかしタウン誌の回転寿司特集を見ても行ってみようという気がしないのは、「あれ?なんだか違う」という思いが先にたってしまうから。でも最近悟りました。これを「すし」だと思うから違和感があるのであり、全く新しいSUSHIという食べ物だと思ったら案外受け入れられるものだと。
SUSHI BOX 一見すると普通のにぎりだが、ネタにはなま物は無くスモークサーモンやパテ。時には赤ピーマンがのっていることも。巻き物の中身はツナ缶やアボカドなど、カリフォルニアっぽい。(右)はチリソースとわさびで食べる『東南アジア風・激辛バージョン』。



Mrs K
イギリス歴2年の3児の母。それまでにもアメリカ、メキシコ、フィリッピン、シンガポールで暮らす。現在はカフェや花屋が並び、緑も豊かなロンドン北西部に在住。週末は家族で郊外の田舎町をドライブしたり、観劇や博物館、美術館めぐりなど、アンテナを敏感に張りつつも家族との充実した生活を送る。

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