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郷土料理があるように、お菓子にも地方によって様々な個性があります。小麦粉や乳製品を使ったお菓子がとても豊富なヨーロッパ。旅が大好きで、イギリスでお菓子作りを学ぶ米田桂さんに、ヨーロッパ各地のお菓子をレポートして頂きました。


2回目は、スコットランドのお菓子Shortbread −ショートブレッド− です。

スコットランドの北西部、ハイランド。というより、ネッシーで有名なネス湖のある地域、という方がわかりやすいかもしれません。ネス湖のイメージでも想像がつくように、この地域の風景は少し神秘的で、延々と続く山は、すべてどこか荒涼としています。車を走らせつづけていると、まるで違う星にでも来てしまったような気がします。
このような土地柄、目立った特産はあまりなく、食事もデザートも、限られた食材を使ったシンプルなものが主流のようです。

スコットランドのお土産、といえば、赤いチェックの箱に入った「ショートブレッドクッキー」が定番です。イギリスに旅行したら必ず空港で買って帰る、という人もいるのでは。シンプルな味とサクサクとした軽い食感が、同じくイギリス土産として定番の紅茶と、とてもよく合います。このショートブレッド、レシピを見ていただければわかりますが、たった4つの材料でできてしまう簡単なお菓子です。こういったクッキーは、どうしても買ってきて食べるもの、となりがちですが、作るのは意外と簡単ですし、手作りの出来立ては、また違うおいしさがあるものです。また、実は使い方次第で、クッキーとしてだけではなく、いろんなお菓子の土台としても使えるとても便利なお菓子でもあります。

今回紹介するレシピは、私がイギリスで以前働いていた店で使われていたものです。そこでは、この基本のレシピに、季節毎にフルーツやナッツをまぜてショートブレッドとして売ったり、タルトをちょっと軽めに作りたいときの土台として使っていました。そんなタルトの中で、私が特に気に入っていた「バノッフィータルト」を合わせてご紹介します。


ショートブレッド



ショートブレッド
Shortbread


▼ 材料 5cm x 2cmバー型20個分

 バター‥320g
 グラニュー糖‥120g
 薄力粉‥480g
 塩 ひとつまみ

▼ 下準備
  • オーブンを155℃で余熱する。
  • 薄力粉ふるう。
  • バターを常温に戻しておく。

▼ 作り方

  1. ボールにバターとグラニュー糖を加え、白っぽくなるまで泡だて器でかき混ぜる。
  2. 薄力粉と塩を2〜3回に分けて加え、木べらで混ぜ合わせる。粉っぽさがなくなったら軽く手でまとめて、ラップでくるむ。(混ぜすぎると焼きあがりが固くなるので注意。)
  3. 手で形を作りやすくなるように、冷蔵庫で冷やす。固まりすぎてしまったときは、しばらく室温に置いておくと扱いやすい固さに戻ります。
  4. 平たく伸ばしたり、絞ったり、好みの形にする。
  5. オーブンで10分程焼く。クッキーが色づかない程度に。
▼ メモ
  • チョコレートやレモンの皮のすりおろしたものを加える等、いろんな味が楽しめます。加えるときは、薄力粉と塩と共に、生地に混ぜます。
  • 作り方3の状態で、冷凍庫保存が可能。約1ヶ月程度。



バノッフィータルト
Banoffi Tart

(写真はページ上から3枚目)
▼ 材料 
直径3cmタルト型5個分

 生クリーム‥50g
 ショートブレッド‥50g
 バナナ‥1/3本
 缶入り練乳‥1缶(缶ごと煮るため、分量に対してはかなり多めになります)
  ココアパウダー‥少々

▼ 下準備

  • オーブンを155℃で余熱する。
  • 練乳を缶ごと、沸騰したお湯で3〜4時間煮る。缶を開けると、練乳が茶色く色づき、キャラメルの味がほんのりしているはずです。

▼ 作り方

  1. ショートブレッドレシピ手順4.で、生地を厚さ3mm程度に伸ばす。直径3cmぐらいの円形に型抜く。または、タルト型に敷き詰める。
  2. 天板にオーブンシートを敷き、生地を並べる。
  3. オーブンで約10分、表面が小麦色になるまで焼く。
  4. 焼きあがったら、ケーキクーラーの上に移して冷ます。
  5. ショートブレッドが冷めたら、下準備でキャラメルにした練乳を2〜3mmの厚さになるよう塗る。
  6. 輪切りにしたバナナを練乳をのばした上にならべる。
  7. つのがたつぐらいの固さにあわ立てた生クリームをバナナの上に乗せる。
  8. 生クリームの上に、茶漉し等でココアパウダーをふるいかける。

▼ メモ

  • 煮た練乳は、密閉容器に移し変えて、冷蔵庫で保存できます。
  • 生クリームを乗せるとき、口金をつけた絞り袋できちんと絞ってもよいのですが、 スプーンでバナナの上に軽くのせるだけでも十分です。

次回も旅先で見つけた美味しいお菓子をレポートします。10月更新予定、お楽しみに。

米田桂 (よねたかつら)
パティシエ。食べることが趣味(?)が高じ、イギリスでのSEの仕事を辞めて料理学校に入学。2002年に Hammersmith and West London College Pastry Course を卒業し、Londonでも話題のベーカリー Baker & Spice などで経験を重ねる。自然と都会が共存する、ロンドン北西部在住。「道路を隔てて反対側には、24時間営業のスーパーやデパートがふたつも入った大きなショッピングセンターがあるのですが、家の庭にはリンゴの木があって、リスがたくさん遊びに来る」のだそう。

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